「Windows 11になってコントロールパネルが見つからない…」 「設定アプリがあるのに、なぜコントロールパネルも必要なの?」 「どっちを使えばいいか分からない…」
こんな混乱を感じていませんか?
実は、Windows 11/10では「設定」アプリが主役になりつつありますが、コントロールパネルでしかできない重要な設定がまだたくさん残っています。プリンターの詳細設定、電源オプション、管理ツール…これらは今でもコントロールパネルが必要なんです。
コントロールパネルは、Windows 95から続く伝統的な設定画面。20年以上にわたって蓄積された、詳細で専門的な設定項目の宝庫です。一方、新しい「設定」アプリは、よく使う機能を分かりやすくまとめたもの。両方を使い分けることが、Windows を使いこなす鍵となります。
この記事では、コントロールパネルの全機能を体系的に解説。開き方から各項目の詳細、設定アプリとの使い分けまで、完全網羅でお届けします。
コントロールパネルを開く10の方法

方法1:検索から開く(最も簡単)
Windows 11/10共通:
- Windowsキーを押す
- 「コントロール」と入力
- 「コントロールパネル」をクリック
これが最も早くて確実な方法です。
方法2:ファイル名を指定して実行
手順:
- Win + R キーを押す
control
と入力- Enterキー
その他のコマンド:
control panel → コントロールパネル
appwiz.cpl → プログラムと機能
ncpa.cpl → ネットワーク接続
sysdm.cpl → システムのプロパティ
powercfg.cpl → 電源オプション
方法3:スタートメニューから(Windows 10)
- スタートボタンをクリック
- 「Windows システムツール」を展開
- 「コントロールパネル」をクリック
方法4:Win + Xメニューから
Windows 10(古いバージョン):
- Win + X キーまたは、スタートボタンを右クリック
- 「コントロールパネル」を選択
※Windows 11とWindows 10の新しいバージョンでは「設定」に置き換わっています
方法5:エクスプローラーから
アドレスバーに入力:
Control Panel
または
コントロールパネル
方法6:デスクトップにショートカット作成
手順:
- デスクトップで右クリック
- 新規作成 → ショートカット
- 項目の場所:
control.exe
- 名前:コントロールパネル
方法7:タスクバーにピン留め
- コントロールパネルを開く
- タスクバーのアイコンを右クリック
- 「タスクバーにピン留めする」
方法8:コマンドプロンプトから
control
方法9:PowerShellから
control.exe
または
Show-ControlPanelItem
方法10:GodMode(全設定一覧)
特殊な方法:
- デスクトップに新規フォルダ作成
- 名前を以下に変更:
GodMode.{ED7BA470-8E54-465E-825C-99712043E01C}
- すべての設定項目が一覧表示される
コントロールパネルの主要カテゴリー解説

表示方法の切り替え
コントロールパネルには3つの表示方法があります:
表示方法 | 特徴 | 向いている人 |
---|---|---|
カテゴリ | 機能別にグループ化 | 初心者 |
大きいアイコン | すべての項目を大アイコンで表示 | 中級者 |
小さいアイコン | すべての項目を小アイコンで表示 | 上級者 |
1. システムとセキュリティ
主な項目:
項目 | 機能 | よく使う設定 |
---|---|---|
システム | PC情報確認 | デバイス名、スペック確認 |
Windows Defender ファイアウォール | ファイアウォール設定 | アプリの許可、ポート開放 |
バックアップと復元 | Windows 7形式のバックアップ | システムイメージ作成 |
BitLocker ドライブ暗号化 | ドライブ暗号化 | Pro版以上で利用可能 |
電源オプション | 電源プラン管理 | スリープ設定、高速起動 |
管理ツール | 高度な管理機能 | イベントビューアー、サービス |
Windows ツール | システムツール集 | ディスククリーンアップ |
2. ネットワークとインターネット
主な項目:
項目 | 機能 | よく使う設定 |
---|---|---|
ネットワークと共有センター | ネットワーク設定全般 | アダプター設定、共有設定 |
インターネットオプション | IE/Edge設定 | プロキシ、セキュリティレベル |
ネットワーク接続 | アダプター管理 | IP設定、無効/有効化 |
重要な設定:アダプターのオプション変更
ここからしかできない設定:
- 固定IPアドレスの設定
- DNSサーバーの手動設定
- ネットワークアダプターのプロパティ変更
3. ハードウェアとサウンド
主な項目:
項目 | 機能 | よく使う設定 |
---|---|---|
デバイスとプリンター | デバイス管理 | プリンター追加、既定の設定 |
サウンド | オーディオ設定 | 再生/録音デバイス、音量 |
電源オプション | 詳細な電源管理 | プラン作成、詳細設定 |
ディスプレイ | 画面設定 | 解像度、文字サイズ |
デバイスマネージャー | ハードウェア管理 | ドライバー更新、無効化 |
自動再生 | メディア挿入時の動作 | USBやDVDの自動実行 |
4. プログラム
主な項目:
項目 | 機能 | よく使う設定 |
---|---|---|
プログラムと機能 | アプリのアンインストール | 従来型アプリの削除 |
既定のプログラム | ファイルの関連付け | 拡張子ごとの既定アプリ |
Windows の機能 | Windows機能の有効/無効 | .NET、Hyper-V、WSL |
Windows の機能で設定できる重要項目:
- .NET Framework 3.5
- Hyper-V
- Windows Subsystem for Linux
- Internet Explorer 11
- Telnetクライアント
- Windows Sandbox
5. ユーザーアカウント
主な項目:
項目 | 機能 | よく使う設定 |
---|---|---|
ユーザーアカウント | アカウント管理 | 種類変更、画像変更 |
資格情報マネージャー | パスワード管理 | 保存された資格情報 |
ユーザーアカウント制御の設定 | UAC設定 | 通知レベルの調整 |
6. デスクトップのカスタマイズ
主な項目:
項目 | 機能 | よく使う設定 |
---|---|---|
個人用設定 | 外観のカスタマイズ | テーマ、背景、色 |
タスクバーとナビゲーション | タスクバー設定 | 位置、アイコン表示 |
エクスプローラーのオプション | フォルダー設定 | 拡張子表示、隠しファイル |
フォント | フォント管理 | インストール、削除 |
7. 時計と地域
主な項目:
項目 | 機能 | よく使う設定 |
---|---|---|
日付と時刻 | 時計設定 | タイムゾーン、NTP同期 |
地域 | 地域設定 | 表示形式、システムロケール |
言語 | 言語設定 | 表示言語、入力言語 |
8. コンピューターの簡単操作
主な項目:
項目 | 機能 | よく使う設定 |
---|---|---|
コンピューターの簡単操作センター | アクセシビリティ | 拡大鏡、ナレーター |
音声認識 | 音声コントロール | 音声入力、コマンド |
設定アプリとコントロールパネルの使い分け

機能の比較表
カテゴリ | 設定アプリ | コントロールパネル | どちらを使うべき? |
---|---|---|---|
Wi-Fi接続 | ◎簡単 | △複雑 | 設定アプリ |
Windows Update | ◎完全対応 | ×非対応 | 設定アプリ |
プリンター追加 | ○基本機能 | ◎詳細設定 | 用途による |
プログラム削除 | △ストアアプリのみ | ◎デスクトップアプリ | コントロールパネル |
ネットワーク詳細設定 | △基本のみ | ◎完全対応 | コントロールパネル |
電源詳細設定 | △基本のみ | ◎完全対応 | コントロールパネル |
デバイスマネージャー | ○リンクのみ | ◎直接アクセス | コントロールパネル |
管理ツール | ×非対応 | ◎完全対応 | コントロールパネル |
コントロールパネルでしかできない重要な設定
1. ネットワークアダプターの詳細設定
- IPアドレスの手動設定
- DNS設定
- ネットワークプロファイルの管理
2. 電源の詳細設定
- プロセッサの電源管理
- USBセレクティブサスペンド
- ハイブリッドスリープ
3. プログラムと機能
- デスクトップアプリのアンインストール
- Windows機能の有効/無効
- インストール済み更新プログラムの表示
4. 資格情報マネージャー
- Windows資格情報の管理
- 汎用資格情報の管理
- 証明書ベースの資格情報
5. 管理ツール
- イベントビューアー
- サービス
- ローカルセキュリティポリシー
- パフォーマンスモニター
よく使うコントロールパネル項目へのショートカット
直接アクセスコマンド
Win + R で実行:
# システム関連
sysdm.cpl → システムのプロパティ
msconfig → システム構成
msinfo32 → システム情報
# ネットワーク関連
ncpa.cpl → ネットワーク接続
firewall.cpl → Windows Defender ファイアウォール
inetcpl.cpl → インターネットオプション
# プログラム関連
appwiz.cpl → プログラムと機能
optionalfeatures → Windows の機能
# ユーザー関連
netplwiz → ユーザーアカウント
control userpasswords2 → 高度なユーザー管理
# ハードウェア関連
devmgmt.msc → デバイスマネージャー
mmsys.cpl → サウンド
powercfg.cpl → 電源オプション
desk.cpl → ディスプレイ設定
# その他
timedate.cpl → 日付と時刻
intl.cpl → 地域
main.cpl → マウスのプロパティ
joy.cpl → ゲームコントローラー
コマンドラインからの特定項目起動
# 特定のカテゴリを開く
control /name Microsoft.System
control /name Microsoft.NetworkAndSharingCenter
control /name Microsoft.DeviceManager
control /name Microsoft.PowerOptions
Windows 11でのコントロールパネルの変更点
アクセス方法の変更
なくなった方法:
- Win + X メニューから直接アクセス(設定に置換)
- スタートメニューの固定項目から削除
新しい推奨方法:
- 検索からアクセス
- Win + R → control
- 設定アプリ内のリンクから
機能の移行状況
設定アプリに移行済み:
- Windows Update(完全移行)
- 個人用設定の大部分
- アカウント管理の基本機能
- プライバシー設定
コントロールパネルに残っている:
- プログラムと機能
- デバイスマネージャー
- 管理ツール
- 詳細なネットワーク設定
- 電源の詳細オプション
今後の展望
Microsoftは段階的にコントロールパネルの機能を設定アプリに移行していますが、完全な移行には時間がかかる見込みです。
移行の理由:
- UIの統一
- タッチ操作への対応
- 設定の簡素化
- モダンなデザイン
残る理由:
- 企業の互換性要求
- 詳細設定の必要性
- レガシーシステムとの連携
- 管理者向け機能
トラブルシューティング
コントロールパネルが開かない
対処法1:SFCスキャン
sfc /scannow
対処法2:DISMコマンド
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
対処法3:新規ユーザーアカウントで確認
- 別のユーザーアカウントを作成
- そこでコントロールパネルが開くか確認
特定の項目が表示されない
原因と対策:
- グループポリシーで制限
- gpedit.mscで確認
- 企業PCの場合は管理者に相談
- レジストリの破損
- レジストリエディタで確認
- バックアップ後に修復
- 権限不足
- 管理者権限で実行
- UACレベルを確認
設定が保存されない
確認事項:
- 管理者権限があるか
- ディスクの空き容量
- ウイルス対策ソフトの干渉
- システムファイルの破損
上級者向け:コントロールパネルのカスタマイズ

特定項目を非表示にする
レジストリ編集:
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer
新規DWORD値を作成:
- NoControlPanel = 1(コントロールパネル全体を無効)
- RestrictCpl = 1(特定項目のみ表示)
カスタムショートカットの作成
特定の設定画面への直接リンク:
# バッチファイル例
@echo off
control /name Microsoft.DeviceManager
control /name Microsoft.NetworkAndSharingCenter
グループポリシーでの制御
gpedit.msc:
ユーザーの構成 → 管理用テンプレート
→ コントロールパネル
設定可能な項目:
- コントロールパネルとPCの設定を無効にする
- 指定したコントロールパネルの項目を非表示にする
- 指定したコントロールパネルの項目のみを表示する
便利な活用テクニック
管理者向けショートカット集
デスクトップに作成すると便利:
- ネットワーク診断セット
ncpa.cpl → ネットワーク接続 firewall.cpl → ファイアウォール inetcpl.cpl → インターネットオプション
- システム管理セット
sysdm.cpl → システムプロパティ devmgmt.msc → デバイスマネージャー services.msc → サービス
- パフォーマンス調整セット
powercfg.cpl → 電源オプション msconfig → システム構成 perfmon → パフォーマンスモニター
バッチファイルで一括起動
multiple_panels.bat:
@echo off
echo コントロールパネルツール起動中...
start devmgmt.msc
start services.msc
start ncpa.cpl
start firewall.cpl
echo 完了!
PowerShellでの自動化
設定情報の取得:
# インストール済みプログラム一覧
Get-ItemProperty HKLM:\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Uninstall\*
# ネットワークアダプター情報
Get-NetAdapter
# 電源プラン一覧
powercfg /list
よくある質問(FAQ)
Q1:Windows 11でコントロールパネルは廃止される?
A:当面は残る見込みです
Microsoftは段階的に機能を移行していますが、企業ユーザーや上級者向けの機能は当面コントロールパネルに残ると予想されています。
Q2:設定アプリとコントロールパネル、どちらを使うべき?
A:用途によって使い分けましょう
- 設定アプリ:日常的な設定、基本的な変更
- コントロールパネル:詳細設定、トラブルシューティング、管理者タスク
Q3:コントロールパネルの項目が英語表示される
A:言語パックの確認
- 設定 → 時刻と言語 → 言語
- 日本語の言語パックをダウンロード
- 既定の言語に設定
- 再起動
Q4:特定の項目にアクセスできない
A:権限とエディションを確認
- 管理者権限が必要な項目があります
- Windows HomeとProで利用できる機能が異なります
- グループポリシーで制限されている可能性があります
Q5:コントロールパネルが重い・遅い
A:以下を試してください
- Windows Searchサービスの再起動
- インデックスの再構築
- システムファイルチェッカーの実行
- 一時ファイルの削除
まとめ:コントロールパネルは今でも重要なツール
コントロールパネルは、Windowsの詳細設定を行うための重要なツールとして、今でも現役で活躍しています。
押さえておくべきポイント:
- アクセス方法を複数覚える
- 検索が最も簡単
- Win + R → control も便利
- よく使う項目は直接コマンドで
- 設定アプリとの使い分け
- 基本設定 → 設定アプリ
- 詳細設定 → コントロールパネル
- 迷ったら両方確認
- 重要な機能を把握
- プログラムと機能
- デバイスマネージャー
- ネットワーク詳細設定
- 電源オプション
- 管理ツール
- ショートカットを活用
- よく使う項目は直接起動
- バッチファイルで効率化
- デスクトップにショートカット作成
- 将来への準備
- 設定アプリも使えるようになる
- 両方の場所を把握しておく
- 移行に備えて柔軟に対応
コントロールパネルと設定アプリ、両方を使いこなすことで、Windowsをより深く、効率的に管理できるようになります。この記事を参考に、あなたのWindows環境を最適化してください!
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