「このゲーム、自分のパソコンで動くかな?」
「動画編集ソフトを使いたいけど、グラボの性能は足りる?」
「パソコンを買い替えたいけど、今のスペックがわからない」
そんなときに必要なのが、自分のパソコンにどんなグラフィックボード(GPU・グラボ)が入っているかを知ることです。
でも、「パソコンの中身なんてよくわからない」「NVIDIAやAMDって何?」と感じる人も多いですよね。
実は、難しいソフトをインストールしなくても、Windowsの標準機能だけで簡単に確認できるんです。
この記事では、初心者の方でも5分でできるWindowsでのグラボ確認方法を、わかりやすく詳しく解説します。
そもそもグラボ(GPU)って何?

グラフィックボードの基本知識
グラフィックボード(Graphics Processing Unit / GPU)は、パソコンで映像を表示するための専用部品です。よく「グラボ」と略して呼ばれています。
グラボの主な役割:
- 画面表示の処理:モニターに映像を映す
- 3D描画の高速化:ゲームや3Dアプリケーションの処理
- 動画処理:動画編集やエンコードの高速化
- AI計算:機械学習や画像認識の処理
グラボの種類
独立型グラフィックボード(専用GPU)
- デスクトップPCに後から追加できる部品
- 高性能で、ゲームや動画編集に最適
- NVIDIA GeForce や AMD Radeon が代表的
内蔵グラフィック(統合GPU)
- CPUの中に組み込まれているグラフィック機能
- 省電力でコストが安い
- 軽い作業には十分だが、重いゲームには向かない
パソコンの種類別傾向
デスクトップPC:
- ゲーミングPCなら独立型グラボを搭載
- 一般的なオフィス用PCは内蔵グラフィックのみ
- 後から追加・交換が可能
ノートPC:
- 多くは内蔵グラフィックのみ
- ゲーミングノートは独立型グラボを搭載
- 交換は基本的に不可能
よくある疑問:「自分のパソコンにグラボは入ってるの?」
すべてのパソコンには何らかの形でグラフィック機能があります。最低でも内蔵グラフィックは必ず搭載されています。問題は、それが内蔵型なのか独立型なのか、どのくらいの性能なのかです。
つまり、グラボは「パソコンの映像性能を決める重要な部品」なのです。次は、実際に自分のパソコンのグラボを確認する方法を見てみましょう。
Windowsでグラボを確認する4つの方法

方法1:デバイスマネージャーで確認(最も簡単)
おすすめ度:★★★★★
Windows標準の確認方法で、最も簡単で確実です。
手順:
- キーボードでWindowsキー + Xを同時に押す
- 表示されるメニューから**「デバイスマネージャー」**をクリック
- **「ディスプレイアダプター」**の項目をクリックして展開
- グラフィックカードの名前が表示される
表示例:
▼ ディスプレイアダプター
├ NVIDIA GeForce RTX 3060
└ Intel(R) UHD Graphics 630
この例では、独立型のNVIDIA GeForceと内蔵のIntel UHD Graphicsの両方が搭載されていることがわかります。
方法2:DirectX診断ツール(dxdiag)で詳細確認
おすすめ度:★★★★☆
より詳しい情報を知りたい場合におすすめです。
手順:
- キーボードでWindowsキー + Rを同時に押す
- 「ファイル名を指定して実行」ダイアログが開く
- **「dxdiag」**と入力してEnterキーを押す
- DirectX診断ツールが起動する
- 「ディスプレイ」タブをクリック
- 詳細なグラフィック情報が表示される
確認できる情報:
- グラフィックカード名
- 製造元(NVIDIA、AMD、Intelなど)
- ビデオメモリ(VRAM)容量
- ドライバーバージョン
- DirectXのサポートレベル
方法3:システム情報で確認
おすすめ度:★★★☆☆
手順:
- スタートメニューをクリック
- **「システム情報」**と入力して検索
- システム情報アプリを起動
- 左側のツリーで**「コンポーネント」→「ディスプレイ」**をクリック
- 右側にグラフィック情報が表示される
方法4:設定アプリで確認(Windows 10/11)
おすすめ度:★★★☆☆
手順:
- スタートメニューから**「設定」**(歯車アイコン)をクリック
- **「システム」**をクリック
- 左側のメニューから**「ディスプレイ」**を選択
- 画面を下にスクロールして**「グラフィックの設定」**をクリック
- 搭載されているグラフィックカードの一覧が表示される
各方法の使い分け
方法 | 簡単さ | 詳細度 | おすすめ用途 |
---|---|---|---|
デバイスマネージャー | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | 基本的な確認 |
dxdiag | ★★★☆☆ | ★★★★★ | 詳細なスペック確認 |
システム情報 | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ | 技術的な詳細確認 |
設定アプリ | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ | 簡単な確認 |
確認結果の見方|メーカー別の特徴

主要なGPUメーカーと特徴
主要なGPUメーカーと特徴についてみていきます。
NVIDIA GeForce シリーズ
表示例:
- NVIDIA GeForce RTX 4070
- NVIDIA GeForce GTX 1660 Ti
- NVIDIA GeForce MX450
特徴:
- ゲーム性能が高い
- 動画編集や配信に強い
- RTXシリーズ:レイトレーシング対応、最新技術
- GTXシリーズ:コストパフォーマンスが良い
- MXシリーズ:ノートPC向け、軽量ゲーム向け
こんな人におすすめ:
- PCゲームを快適にプレイしたい
- 動画編集や配信をしたい
- 3DCGやCADを使いたい
AMD Radeon シリーズ
表示例:
- AMD Radeon RX 7800 XT
- AMD Radeon RX 6600 XT
- AMD Radeon Pro W6600
特徴:
- コストパフォーマンスが良い
- 動画メモリが多め
- オープンソース対応
- RXシリーズ:ゲーミング向け
- Proシリーズ:プロフェッショナル向け
こんな人におすすめ:
- 予算を抑えつつ高性能を求める
- マルチモニター環境を構築したい
- クリエイティブ作業をしたい
Intel 内蔵グラフィック
表示例:
- Intel(R) UHD Graphics 630
- Intel(R) Iris Xe Graphics
- Intel(R) HD Graphics 4000
特徴:
- 省電力で発熱が少ない
- 軽い作業には十分
- コストが安い
- UHD/Irisシリーズ:比較的新しく、性能も向上
- HDシリーズ:古いタイプ、基本的な用途のみ
こんな人におすすめ:
- オフィスワークがメイン
- ウェブブラウジングや動画視聴
- 軽いゲームをたまに遊ぶ程度
性能の見分け方
NVIDIA GeForceの場合:
RTX 4090 > RTX 4080 > RTX 4070 > RTX 4060
GTX 1660 Ti > GTX 1660 > GTX 1650
基本ルール:
- 数字が大きいほど新しく高性能
- 末尾の数字が大きいほど上位モデル
- RTX > GTX(RTXの方が新しい技術)
AMD Radeonの場合:
RX 7900 XTX > RX 7800 XT > RX 7700 XT > RX 7600
基本ルール:
- 最初の数字が大きいほど新世代
- 後の数字が大きいほど上位モデル
- XT/XTX:上位バリエーション
グラボの性能をもっと詳しく調べる方法

VRAMの容量確認
VRAM(ビデオメモリ)は、グラフィック処理専用のメモリです。容量が多いほど高解像度や重いゲームに対応できます。
確認方法:
- dxdiagを起動
- 「ディスプレイ」タブで「おおよそのメモリ合計」を確認
- または、タスクマネージャー→「パフォーマンス」→「GPU」でも確認可能
VRAM容量の目安:
- 2GB以下:軽いゲームや基本的な作業
- 4GB:中程度のゲームや動画編集
- 6GB以上:高画質ゲームや本格的なクリエイティブ作業
- 12GB以上:4Kゲームやプロレベルの作業
ドライバーバージョンの確認
グラフィックドライバーは、GPUを正しく動作させるためのソフトウェアです。
最新版にアップデートすることで性能向上や不具合修正が期待できます。
確認方法:
- デバイスマネージャーでグラフィックカードを右クリック
- 「プロパティ」を選択
- 「ドライバー」タブでバージョンを確認
アップデート方法:
- NVIDIA:GeForce Experienceアプリ
- AMD:AMD Software: Adrenalin Edition
- Intel:Intel Driver & Support Assistant
ベンチマークソフトでの性能測定
より正確な性能を知りたい場合は、専用のベンチマークソフトを使用します:
無料のベンチマークソフト:
- 3DMark(一部無料):総合的なグラフィック性能測定
- Heaven Benchmark:DirectX11ベースの測定
- FurMark:GPU負荷テスト
注意点:
- ベンチマークは高負荷なので、ノートPCでは発熱に注意
- 結果は相対的な比較として参考にする
確認したスペックの活用方法

ゲームの動作要件チェック
確認手順:
- プレイしたいゲームの公式サイトで動作要件を確認
- 自分のGPUと比較
- 最低要件、推奨要件、理想要件を確認
例:
ゲーム「○○○」の動作要件
最低要件:GTX 1050 / RX 560
推奨要件:GTX 1660 / RX 5600 XT
理想要件:RTX 3070 / RX 6700 XT
自分のGPUが RTX 3060 の場合、推奨要件は満たすが理想には少し足りないことがわかります。
動画編集ソフトの選択
GPU性能別おすすめソフト:
内蔵グラフィック(軽作業向け):
- Windows フォト
- DaVinci Resolve(基本機能)
- OpenShot
中級GPU(GTX 1660、RX 5600 XT級):
- Adobe Premiere Pro
- DaVinci Resolve(フル機能)
- PowerDirector
高級GPU(RTX 3070、RX 6700 XT以上):
- Adobe After Effects
- Blender(3D制作)
- Unreal Engine
アップグレードの検討
現在のGPUから判断するアップグレード時期:
5年以上前のGPU
- 最新ゲームが厳しくなってきたら交換時期
- 4K動画編集を始めたい場合
3~4年前のGPU
- まだ十分使えるが、最高画質は厳しい場合も
- 用途によって判断
2年以内のGPU
- まだ現役で活躍できる
- よほど高い要求がない限り交換不要
よくある質問と回答

Q1:複数のGPUが表示されますが、どちらが使われているのですか?
A:多くの場合、以下のように自動切り替えされます:
- 軽い作業:内蔵グラフィック(省電力)
- 重い作業:独立GPU(高性能)
確認方法:
- タスクマネージャーを開く
- 「パフォーマンス」タブでGPUの使用率を確認
- 実際に使われているGPUがわかります
Q2:古いGPUですが、まだ使えますか?
A:用途によります:
- ウェブブラウジング、オフィス作業:問題なし
- 軽いゲーム:設定を下げれば可能
- 最新ゲーム:厳しい場合が多い
- 4K動画:エンコードが遅い可能性
判断基準: 現在の作業で不満がなければ、無理に交換する必要はありません。
Q3:ノートPCのGPUを交換できますか?
A:基本的に交換不可能です:
- GPUがマザーボードに直接はんだ付けされている
- 発熱や電力の関係で設計が最適化されている
- 一部の高級ゲーミングノートのみ交換可能な場合もある
対策:
- 外付けGPU(eGPU)の検討
- デスクトップPCの購入検討
Q4:GPUの温度が心配です
A:温度確認の方法:
- MSI Afterburnerなどのソフトで温度監視
- 一般的な安全温度:80℃以下
- 高負荷時:一時的に90℃程度までは正常
対策:
- ケース内の掃除(ほこり除去)
- ファンカーブの調整
- ケースファンの追加
Q5:ドライバーの更新は必要ですか?
A:定期的な更新をおすすめします:
- 新しいゲーム:最適化されたドライバーが提供される
- バグ修正:不具合の解消
- セキュリティ更新:脆弱性の修正
更新頻度:
- ゲーマー:月1回程度
- 一般ユーザー:3~6ヶ月に1回程度
まとめ
今回は、Windowsで自分のグラボ(GPU)を確認する方法について、基本から応用まで詳しく解説しました。
重要なポイントをまとめると:
基本的な確認方法
- デバイスマネージャー:最も簡単で確実
- dxdiag:詳細情報が必要な場合
- 4つの方法を用途に応じて使い分け
メーカー別の特徴理解
- NVIDIA GeForce:ゲーム・動画編集に強い
- AMD Radeon:コストパフォーマンス重視
- Intel内蔵:軽作業・省電力向け
性能の活用方法
- ゲーム動作要件との比較
- 動画編集ソフトの選択指針
- アップグレード時期の判断
追加確認項目
- VRAM容量:4GB以上が快適
- ドライバー更新:定期的に実施
- 温度監視:80℃以下を目安
自分のパソコンのGPU性能を正しく把握することで、適切なソフトウェア選択やアップグレード計画が立てられます。
まずは今回紹介した方法で、あなたのパソコンのGPUを確認してみてください。
コメント