「ログイン画面に『user01』って表示されるのがダサい」
「結婚して名前が変わったので、パソコンの表示も変えたい」
「会社のPCで前任者の名前が残っている」
こんな理由でユーザー名を変更したいと思ったことはありませんか?
実は、Windowsのユーザー名には2種類あって、それぞれ変更方法が違うんです。
この記事では、安全で確実なユーザー名変更方法を、初心者でもわかるように詳しく説明します。
ユーザー名の種類を理解しよう

Windowsには2つのユーザー名がある
多くの人が混乱するポイントです。まずはこの違いを理解しましょう。
1. 表示名(アカウント名)
見た目に関わる名前
表示される場所:
- ログイン画面のユーザー選択
- スタートメニューの右上
- 設定画面のアカウント情報
- Microsoft Storeなどのアプリ
特徴:
- 簡単に変更できる
- いつでも何回でも変更可能
- システムに影響しない
- 他の人から見える名前
2. 実アカウント名(ユーザーフォルダー名)
システム内部で使われる名前
使われる場所:
- C:\Users\フォルダー名
- レジストリ内のパス
- アプリの設定ファイルパス
- システムの権限管理
特徴:
- 変更が非常に困難
- システム全体に影響
- 間違うとパソコンが使えなくなるリスク
- 基本的に変更しないことを推奨
具体例で理解する
例:田中花子さんの場合
表示名:田中花子
↑ ログイン画面に表示される(変更簡単)
実アカウント名:tanaka.hanako
↑ C:\Users\tanaka.hanako\(変更困難)
例えて言うなら:
- 表示名:お店の「看板」(簡単に付け替えられる)
- 実アカウント名:建物の「住所」(変更すると大変)
自分のアカウント種類を確認する方法

まずは現在の状況をチェック
確認が重要な理由:
- Microsoftアカウントとローカルアカウントで手順が違う
- 間違った方法で変更すると問題が発生
- 現在の表示名を把握できる
方法1:設定画面で確認(推奨)
手順:
- スタートボタンをクリック
- 「設定」(歯車マーク)をクリック
- 「アカウント」をクリック
- 「ユーザーの情報」を確認
判定方法:
Microsoftアカウントの場合:
- メールアドレスが表示される
- 「Microsoftアカウントで管理」の表示
- 「account.microsoft.com で詳細を管理」のリンク
ローカルアカウントの場合:
- 「ローカルアカウント」の表示
- メールアドレスではない名前
- 「Microsoftアカウントでサインインする」のオプション
方法2:コマンドで確認
上級者向けの確認方法:
- Win + Rキーを同時押し
- **「cmd」**と入力してEnter
- **「whoami」**と入力してEnter
結果の見方:
コンピューター名\ユーザー名
例:DESKTOP-ABC123\tanaka.hanako
フォルダー名の確認方法
実アカウント名を確認:
- エクスプローラーを開く
- **「PC」または「コンピューター」**をクリック
- 「Cドライブ」 → **「Users」**フォルダーを開く
- 自分のフォルダー名を確認
表示名の変更方法【推奨・安全】

Microsoftアカウントの表示名変更
最も一般的で安全な方法です。
Step 1: Microsoftアカウントサイトにアクセス
手順:
- EdgeやChromeなどのブラウザを開く
- account.microsoft.com にアクセス
- Microsoftアカウントでサインイン
サインインできない場合:
- パスワードを忘れた:「パスワードを忘れた場合」をクリック
- 2段階認証:スマホのアプリや電話番号で認証
- アカウントがロック:指示に従って本人確認
Step 2: 個人情報の編集
手順:
- 「あなたの情報」タブをクリック
- 名前の横にある「編集」をクリック
- 「名前の編集」ページが開く
Step 3: 新しい名前を入力
入力項目:
- 名:例「花子」
- 姓:例「田中」
入力時の注意点:
- 漢字、ひらがな、カタカナすべて使用可能
- 英数字も使用可能
- 絵文字や特殊記号は避ける
- 30文字以内で入力
Step 4: 変更を保存
手順:
- 「保存」ボタンをクリック
- 確認画面で内容を確認
- 「保存」で確定
Step 5: Windowsでの反映確認
反映タイミング:
- 即座に反映:ブラウザ上
- 数分後:Windows設定画面
- サインアウト後:ログイン画面
- 最大24時間:すべてのサービス
確認方法:
- 設定 → アカウント → ユーザーの情報
- 新しい名前が表示されているか確認
ローカルアカウントの表示名変更
Microsoftアカウントを使わない場合の方法です。
Windows 11 での手順
Step 1: ユーザーアカウント設定を開く
- スタートボタンを右クリック
- 「設定」をクリック
- 「アカウント」 → 「その他のユーザー」
- 自分のアカウントを選択
Step 2: 名前の変更
- 「アカウント名の変更」をクリック
- 新しい名前を入力
- 「OK」をクリック
Windows 10 での手順
Step 1: コントロールパネルを開く
- スタートボタンをクリック
- 「コントロールパネル」と検索
- 「ユーザーアカウント」をクリック
Step 2: アカウント名の変更
- 「アカウント名の変更」をクリック
- 新しい名前を入力
- 「名前の変更」をクリック
管理者権限が必要な場合
他のユーザーの名前を変更する場合:
- 管理者アカウントでサインイン
- コントロールパネル → ユーザーアカウント
- 「別のアカウントの管理」をクリック
- 対象ユーザーを選択
- 「アカウント名の変更」を実行
コマンドプロンプトでの変更【上級者向け】
より直接的な方法です。
手順
Step 1: 管理者権限でコマンドプロンプトを開く
- スタートボタンを右クリック
- 「Windows PowerShell(管理者)」をクリック
Step 2: ユーザー一覧の確認
net user
Step 3: ユーザー名の変更
wmic useraccount where name="現在のユーザー名" set fullname="新しい表示名"
例:
wmic useraccount where name="tanaka" set fullname="田中花子"
実アカウント名(フォルダー名)の変更【非推奨】

なぜ変更が困難なのか?
システムへの影響
変更すると影響を受ける項目:
- アプリの設定ファイルのパス
- レジストリの値
- ショートカットのリンク先
- システムの権限設定
- インストール済みソフトの設定
具体的な問題例:
変更前:C:\Users\user01\Documents\設定.txt
変更後:C:\Users\tanaka\Documents\設定.txt
→ アプリが設定ファイルを見つけられない
→ 保存したファイルにアクセスできない
→ ソフトが正常に動作しない
安全な変更方法:新規アカウント作成
最も確実で安全な方法です。
Step 1: 新しいユーザーアカウントを作成
手順:
- 設定 → アカウント → 家族とその他のユーザー
- **「その他のユーザーをこのPCに追加」**をクリック
- 希望するユーザー名で新規作成
- 管理者権限を付与
Step 2: データの移行
移行が必要なデータ:
個人ファイル:
- ドキュメントフォルダー
- ピクチャフォルダー
- デスクトップのファイル
- ダウンロードフォルダー
アプリケーション設定:
- ブラウザのブックマーク
- メールの設定・データ
- 各種アプリの設定
移行手順:
- 外付けHDDやUSBメモリを準備
- 旧アカウントでサインイン
- 必要なファイルをすべて外部ストレージにコピー
- 新アカウントでサインイン
- ファイルを新しい場所にコピー
Step 3: アプリケーションの再設定
再設定が必要な項目:
- ブラウザ:ブックマーク、拡張機能、パスワード
- メールソフト:アカウント設定、メールデータ
- Office:ライセンス認証、個人設定
- 各種アプリ:ログイン情報、設定
Step 4: 旧アカウントの削除
削除前のチェックリスト:
- [ ] すべてのデータが新アカウントに移行済み
- [ ] すべてのアプリが正常動作
- [ ] 重要な設定が復元済み
- [ ] バックアップが完了
削除手順:
- 新アカウント(管理者権限)でサインイン
- 設定 → アカウント → 家族とその他のユーザー
- 旧アカウントを選択
- **「削除」**をクリック
- **「アカウントとデータを削除する」**を選択
レジストリ編集による変更【危険・非推奨】
この方法は高いリスクを伴います。
リスクと注意点
起こりうる問題:
- Windowsが起動しない
- アプリケーションが動作しない
- データにアクセスできない
- システム全体の不安定化
実行条件:
- 上級者のみ推奨
- 完全なバックアップを事前作成
- 復旧方法を理解している
- 自己責任で実行
手順概要(参考のみ)
警告:この手順は参考情報です。実行は自己責任で行ってください。
- システムの完全バックアップ
- 新しいユーザーアカウントの作成
- レジストリエディターでプロファイルパスを変更
- ユーザーフォルダー名の変更
- 権限設定の修正
- 動作確認と問題修正
トラブルシューティング

よくある問題と解決方法
問題1:変更が反映されない
考えられる原因と対処法:
症状 | 原因 | 解決方法 |
---|---|---|
設定画面で変更されない | キャッシュが残っている | サインアウト→再サインイン |
ログイン画面で変更されない | システム更新が必要 | Windows再起動 |
一部のアプリで古い名前 | アプリ固有のキャッシュ | アプリの再起動・再設定 |
問題2:Microsoft アカウントで変更できない
対処手順:
- インターネット接続を確認
- ブラウザのキャッシュをクリア
- 別のブラウザで試行
- しばらく時間を置いて再実行
問題3:権限エラーが出る
エラーメッセージの例:
「この操作を実行するための十分な権限がありません」
「アクセスが拒否されました」
解決方法:
- 管理者アカウントでサインイン
- **UAC(ユーザーアカウント制御)**を一時的に下げる
- セーフモードで起動して実行
問題4:変更後にアプリが動かない
段階的対処法:
Step 1: 基本対処
1. アプリの再起動
2. Windows の再起動
3. アプリの更新確認
Step 2: 設定確認
1. アプリの設定をリセット
2. ユーザープロファイルの確認
3. 権限設定の確認
Step 3: 復旧作業
1. アプリの再インストール
2. 設定の手動修正
3. システム復元の実行
企業・組織環境での注意点
Active Directory 環境
特徴:
- ドメイン管理者のみ変更可能
- グループポリシーの制限あり
- セキュリティポリシーの考慮必要
対処方法:
- IT部門に変更を依頼
- 業務上の理由を明確にする
- 承認プロセスを確認
共有PC・学校環境
よくある制限:
- 管理者権限がない
- 設定変更が禁止
- ドメインアカウントで管理
可能な対処:
- 表示名のみの変更確認
- 管理者への相談
- 個人用プロファイルの検討
よくある質問

基本的な疑問
Q: 表示名は何回でも変更できる?
A: はい。Microsoftアカウントなら制限なし、ローカルアカウントも基本的に制限ありません。
Q: 変更すると他の人にも影響する?
A: 表示名の変更は個人のアカウントのみに影響します。
Q: 実アカウント名は絶対に変更できない?
A: 技術的には可能ですが、リスクが高いため新規アカウント作成を推奨します。
トラブル対応
Q: 変更後にログインできなくなった
A: 別の管理者アカウントがあれば修正可能。なければシステム復元を実行してください。
まとめ
Windowsのユーザー名変更をマスターして、自分らしいPC環境を作ろう!
今日から実践できること
初心者レベル(安全・推奨):
- 表示名の変更のみ実行
- Microsoftアカウントでの変更を優先
- バックアップを作成してから実行
中級レベル(注意深く実行):
- ローカルアカウントの表示名変更
- コマンドプロンプトでの操作
- 詳細な設定の確認
上級レベル(自己責任):
- 新規アカウント作成による完全変更
- データ移行の完全実行
- システムレベルでの調整
重要なポイント
安全な変更の原則:
- 表示名の変更から始める
- 完全なバックアップを作成
- 段階的な確認を実行
- 問題が起きたらすぐに復旧
避けるべき操作:
- 実アカウント名の直接変更
- バックアップなしでの作業
- 理解していない方法の実行
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