Windows 7を初期化する方法|パソコンを購入時の状態に戻す手順と注意点

Windows

パソコンを長く使っていると、動作が重くなったりエラーが頻発したりして困ることがあります。

そんなときに検討したいのが**「初期化」**です。

初期化すれば、Windows 7を購入したときの状態に戻せるため、多くの不具合が解消されます。

しかし、初期化には大切なデータが消えてしまうリスクもあります。

また、Windows 7は2020年1月にサポートが終了しているため、セキュリティ面での注意も必要です。

この記事では、Windows 7で初期化を安全に行う方法と、初期化前後に気をつけたいポイントを詳しく解説します。

スポンサーリンク

Windows 7を初期化する前に知っておきたいこと

初期化とは何か

初期化とは、パソコンを**「工場出荷時の状態」**に戻す作業です。これにより、Windowsやインストールしていたアプリ、設定、保存していたデータはすべて消えてしまいます。

初期化で消えるもの

  • インストールしたソフトウェア
  • 個人で作成した文書や写真
  • メールの設定とデータ
  • ブラウザのお気に入り
  • ユーザーアカウントの設定

初期化で残るもの

  • プリインストールされていたソフト(メーカー製パソコンの場合)
  • Windows 7のライセンス情報

初期化が有効なケース

こんなときは初期化を検討しましょう

  • パソコンの動きが極端に遅くなった
  • ウイルス感染が疑われる
  • エラーが頻発し、通常の操作が困難
  • 不要なソフトが大量にインストールされている
  • システムファイルが破損している
  • パソコンを売却・譲渡する予定がある

初期化以外の解決方法も検討しよう

初期化は「最後の手段」として考えましょう。まずは以下の方法を試してみてください:

軽度の不具合の場合

  • ディスククリーンアップでファイルを整理
  • 不要なソフトをアンインストール
  • システムファイルチェッカー(sfc /scannow)を実行
  • ウイルススキャンを実行

中程度の不具合の場合

  • システムの復元を使って以前の状態に戻す
  • セーフモードでの起動を試す
  • メモリ診断ツールでハードウェアをチェック

バックアップを必ず取ろう

初期化すると、写真や文書、メールデータ、アプリの設定なども完全に消えます。作業を始める前に、必ずバックアップを取りましょう。

バックアップの方法

  • 外付けハードディスクやUSBメモリ: 大容量データに適している
  • クラウドサービス: Google Drive、OneDrive、Dropboxなど
  • DVDやBlu-ray: 長期保存に適している

バックアップすべきデータ

  • マイドキュメント内のファイル
  • デスクトップのファイル
  • 写真や動画(マイピクチャ、マイビデオ)
  • メールデータ(Outlook、Thunderbirdなど)
  • ブラウザのお気に入り
  • インストールしたソフトのライセンス情報

Windows 7のサポート終了について

重要な注意点: Windows 7は2020年1月14日にサポートが終了しています。これ意味することは:

  • セキュリティ更新プログラムが提供されない
  • 新しいウイルスや脅威に対して無防備になる
  • 新しいソフトウェアが対応しなくなる

推奨される対応

  1. 可能であればWindows 10や11にアップグレード
  2. 新しいパソコンへの買い替えを検討
  3. やむを得ずWindows 7を使い続ける場合は、セキュリティソフトを必ず導入

Windows 7で初期化する具体的な方法

方法1: リカバリ領域から初期化する

多くのメーカー製パソコン(NEC、富士通、東芝、Dell、HPなど)には**「リカバリ領域」**が用意されています。これを使えば、インストールディスクがなくても初期化が可能です。

事前準備

  1. 電源アダプターを接続 (ノートパソコンの場合)
  2. 外付け機器を取り外す (USBメモリ、プリンターなど)
  3. インターネットに接続しておく (ドライバダウンロードのため)

操作手順

ステップ1: リカバリモードで起動

  1. パソコンの電源を完全に切る
  2. 電源を入れ、メーカーのロゴが表示されたら指定のキーを連打する

メーカー別のキー一覧

  • NEC: F11キー
  • 富士通: F12キー
  • 東芝: 0(ゼロ)キー
  • Dell: F8キー または F12キー
  • HP: F11キー
  • ASUS: F9キー
  • Acer: Alt + F10キー
  • Sony: F10キー または Cキー(VAIOの場合)

ステップ2: リカバリの実行

  1. リカバリメニューが表示されたら「工場出荷時に戻す」または「リカバリを実行」を選択
  2. 画面の指示に従って進める
  3. **「すべてのデータを削除して初期化する」**オプションを選択
  4. 確認画面で「実行」をクリック

ステップ3: 初期化の完了

  • 処理には1〜3時間程度かかります
  • 途中で電源を切らないよう注意してください
  • 完了後、初期設定画面が表示されます

方法2: インストールディスクを使って初期化

リカバリ領域が壊れていたり削除されていた場合は、Windows 7のインストールディスク(またはリカバリディスク)を使います。

必要なもの

  • Windows 7のインストールディスク
  • プロダクトキー(パソコンのシールまたは購入時の書類に記載)

操作手順

ステップ1: BIOS設定の変更

  1. パソコンの電源を入れ、起動時にF2F12、またはDeleteキーを押す
  2. BIOS設定画面で「Boot Order」または「起動順序」を変更
  3. CD/DVDドライブを最優先に設定
  4. 設定を保存して再起動

ステップ2: インストールの開始

  1. Windows 7ディスクをセットして再起動
  2. 「Press any key to boot from CD or DVD」と表示されたら何かキーを押す
  3. Windowsセットアップ画面が表示される

ステップ3: インストールの実行

  1. 言語、時刻、キーボードの設定を確認して「次へ」
  2. 「今すぐインストール」をクリック
  3. ライセンス条項に同意
  4. **「カスタム(詳細設定)」**を選択
  5. 既存のパーティションを削除してフォーマット
  6. 新しいパーティションを作成してインストール開始

方法3: システム回復オプションを使用

Windows 7に標準搭載されている機能を使って初期化する方法もあります。

操作手順

  1. コントロールパネルシステムとセキュリティバックアップと復元
  2. **「システム設定またはコンピューターの回復」**をクリック
  3. **「高度な回復方法」**を選択
  4. **「コンピューターを工場出荷時の状態に戻す」**を選択
  5. 画面の指示に従って進める

初期化後に必ずやるべきこと

ドライバの確認とインストール

初期化後、画面が小さく表示されたり音が出なかったりするのは、ドライバが不足しているからです。

対処方法

自動的にドライバを探す

  1. デバイスマネージャーを開く(コントロールパネル → システム → デバイスマネージャー)
  2. 「!」マークが付いているデバイスを確認
  3. 右クリックして「ドライバーソフトウェアの更新」を選択

メーカーサイトからダウンロード

  1. パソコンメーカーの公式サイトにアクセス
  2. 型番を入力してサポートページを検索
  3. Windows 7用のドライバをダウンロード
  4. ダウンロードしたファイルを実行してインストール

重要なドライバ

  • グラフィックドライバ(画面表示)
  • オーディオドライバ(音声)
  • ネットワークドライバ(インターネット接続)
  • チップセットドライバ(基本動作)

Windows Updateの適用

初期化直後のWindows 7は非常に古い状態です。必ずWindows Updateを繰り返し適用し、可能な限り最新の状態にしましょう。

手順

  1. スタートメニューすべてのプログラムWindows Update
  2. **「更新プログラムの確認」**をクリック
  3. 重要な更新プログラムをすべてインストール
  4. 再起動後、再度更新プログラムを確認
  5. 更新プログラムがなくなるまで繰り返す

注意点

  • 初回は100個以上の更新プログラムが見つかることがあります
  • 数時間かかる場合があるので、時間に余裕があるときに実行してください
  • インターネット接続が安定している環境で行ってください

セキュリティソフトの導入

Windows 7はサポートが終了しているため、セキュリティソフトの導入は必須です。

おすすめのセキュリティソフト

有料版(推奨)

  • Norton(ノートン)
  • McAfee(マカフィー)
  • ESET(イーセット)
  • Kaspersky(カスペルスキー)

無料版

  • Avast
  • AVG
  • Windows Security Essentials(マイクロソフト提供)

必要なソフトウェアの再インストール

基本的なソフトウェア

  • ブラウザ(Chrome、Firefox等)
  • メールソフト(Thunderbird等)
  • オフィスソフト(LibreOffice等)
  • PDF閲覧ソフト(Adobe Reader等)
  • 圧縮・解凍ソフト(7-Zip等)

作業用ソフトウェア

  • 画像編集ソフト
  • 動画再生ソフト
  • 音楽再生ソフト
  • その他、業務で使用するソフトウェア

データの復元

バックアップしたデータを元の場所に戻します。

復元の手順

  1. バックアップメディアをパソコンに接続
  2. 必要なフォルダを作成(マイドキュメント等)
  3. ファイルをコピーして復元
  4. メールデータやブラウザ設定も忘れずに復元

よくあるトラブルと解決方法

リカバリキーを押しても反応しない

原因と解決方法

  • キーを押すタイミングが遅い: メーカーロゴが表示された瞬間から連打する
  • 外付けキーボードを使用している: 本体のキーボードで試す
  • リカバリ領域が削除されている: インストールディスクを使用する

インストールディスクが認識されない

原因と解決方法

  • ディスクに傷がある: 別のディスクを用意するか、修復を試す
  • ドライブの故障: 外付けDVDドライブを使用する
  • BIOS設定が間違っている: 起動順序を再確認する

ドライバが見つからない

原因と解決方法

  • メーカーサイトで配布終了: 汎用ドライバを探す
  • 型番が不明: システム情報で正確な型番を確認
  • Windows 7非対応: 互換モードでVista用ドライバを試す

初期化後にライセンス認証ができない

原因と解決方法

  • プロダクトキーの入力ミス: 正確に再入力する
  • ハードウェア変更を検出: 電話認証を試す
  • 不正なプロダクトキー: 正規版を購入する

初期化を避けるための予防策

定期的なメンテナンス

週次メンテナンス

  • ディスククリーンアップの実行
  • 不要なファイルの削除
  • ウイルススキャンの実行

月次メンテナンス

  • レジストリクリーナーの実行
  • デフラグメンテーションの実行
  • システムファイルのチェック

適切な使用方法

避けるべき行為

  • 怪しいサイトからのソフトダウンロード
  • 不明な送信者からのメール添付ファイル実行
  • システムファイルの手動削除
  • 強制終了の頻発

推奨される行為

  • 定期的なバックアップ
  • 正規ソフトウェアの使用
  • 適切なシャットダウン
  • ハードディスクの空き容量確保

Windows 7から新しいOSへの移行を検討しよう

移行のメリット

セキュリティ面

  • 最新のセキュリティパッチが適用される
  • 新しい脅威に対する保護が強化される
  • サポートが継続される

機能面

  • 新機能の追加
  • 動作速度の向上
  • 新しいソフトウェアへの対応

移行の選択肢

Windows 10/11へのアップグレード

  • 既存のパソコンがシステム要件を満たしている場合
  • データやソフトの互換性を確認

新しいパソコンの購入

  • 古いパソコンでは性能的に限界がある場合
  • 長期的に安心して使用したい場合

まとめ

Windows 7の初期化は、パソコンのトラブル解決に効果的な方法です。しかし、データの完全削除というリスクを伴うため、事前の準備が重要です。

初期化を成功させるポイント

  • 必ずバックアップを取る
  • 初期化方法を正しく選択する
  • 初期化後のセットアップを忘れずに実行する
  • セキュリティ対策を確実に行う

コメント

タイトルとURLをコピーしました