「新しくパソコンを買ったけど、Wi-Fiの設定方法がわからない」
「急にWi-Fiがつながらなくなってしまった」
「接続はできるのにインターネットが使えない」
そんな悩みをお持ちではありませんか?
Wi-Fiの設定は一度覚えてしまえば簡単ですが、初めての方には専門用語が多く、どこから手をつけていいかわからないものです。
この記事では、Windows でWi-Fi を設定する方法を、初心者の方にもわかりやすく、ステップバイステップで解説します。
Wi-Fiの基本知識

Wi-Fiとは
Wi-Fiとは、ケーブルを使わずに無線でインターネットに接続する技術です。
家庭やオフィス、カフェなどで、複数のデバイスが同時にインターネットを利用できます。
Wi-Fi接続のメリット
- ケーブルが不要で自由に移動できる
- 複数のデバイスで同時利用可能
- 配線がすっきりして見た目が良い
- ノートパソコンやスマートフォンとの相性が良い
必要な機器
- 無線ルーター:インターネット回線とWi-Fi機器をつなぐ装置
- Wi-Fi対応デバイス:パソコン、スマートフォン、タブレットなど
よく使われる用語の説明
SSID(Service Set Identifier)
- Wi-Fiネットワークの名前
- 「Buffalo-A-1234」「TP-Link_5678」のような文字列
- 接続時に選択する識別名
パスワード(セキュリティキー)
- Wi-Fiネットワークに接続するための暗号
- 「WEPキー」「WPAキー」とも呼ばれる
- 通常は8文字以上の英数字や記号の組み合わせ
暗号化方式
- WPA3:最新で最も安全
- WPA2:一般的で安全
- WEP:古い方式で安全性が低い
Windows 10でのWi-Fi接続手順

事前確認
Wi-Fi機能の有効確認
- パソコンにWi-Fi機能が搭載されているか確認
- Wi-Fiスイッチ(物理ボタン)がある場合はオンになっているか確認
- 接続したいWi-Fiルーターが正常に動作しているか確認
基本的な接続手順
ステップ1:Wi-Fi設定画面を開く
- タスクバーのWi-Fiアイコンをクリック
- 画面右下の通知領域(システムトレイ)にある
- Wi-Fiアイコンが見当たらない場合は、ネットワークアイコンをクリック
- Wi-Fiがオフの場合は有効化
- 「Wi-Fi」ボタンをクリックしてオンにする
- 青色になればWi-Fiが有効になった状態
ステップ2:ネットワークの選択
- 利用可能なネットワーク一覧を確認
- 自動的に周辺のWi-Fiネットワークが検索される
- SSIDの一覧が表示される
- 接続したいネットワークを選択
- 目的のSSIDをクリック
- 信号強度(電波の強さ)も確認できる
- 接続オプションの確認
- 「自動的に接続する」にチェックを入れる(推奨)
- 次回から自動で接続されるようになる
ステップ3:認証情報の入力
- 「接続」ボタンをクリック
- パスワード入力画面が表示される
- セキュリティキーの入力
- Wi-Fiのパスワードを正確に入力
- 大文字・小文字・数字・記号を正確に入力
- 「文字を表示する」にチェックを入れると確認しやすい
- 接続の完了
- 「次へ」をクリック
- 認証が成功すると「接続済み」と表示される
接続確認の方法
接続状態の確認
- タスクバーのWi-Fiアイコンを確認
- 電波強度のバーが表示されている
- 「接続済み」の表示がある
インターネット接続の確認
- ウェブブラウザを開く
- 任意のウェブサイト(例:google.com)にアクセス
- 正常にページが表示されれば成功
Windows 11でのWi-Fi接続手順

Windows 11では、インターフェースが少し変更されていますが、基本的な流れは同じです。
設定画面からの接続
手順
- 設定アプリを開く
- 「スタート」→「設定」をクリック
- またはWindows + I キーを押す
- ネットワーク設定を開く
- 左側メニューから「ネットワークとインターネット」をクリック
- 「Wi-Fi」を選択
- Wi-Fiを有効化
- Wi-Fiのトグルスイッチをオンにする
- ネットワークの選択
- 「利用可能なネットワークを表示」をクリック
- 接続したいSSIDを選択
クイック設定からの接続
手順
- 通知パネルを開く
- タスクバー右端の日時部分をクリック
- またはWindows + A キーを押す
- Wi-Fiクイック設定
- Wi-Fiアイコンをクリック
- 利用可能なネットワーク一覧が表示
- 接続実行
- 接続したいネットワークを選択
- パスワードを入力して接続
詳細なWi-Fi設定

接続の優先順位設定
既知のネットワークの管理
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「Wi-Fi」
- 「既知のネットワークの管理」をクリック
- 接続履歴のあるネットワーク一覧が表示
- 不要なネットワークは「削除」で除去可能
プロファイルの設定
ネットワークプロファイルの種類
- パブリック:カフェや公共の場所で使用、セキュリティ重視
- プライベート:自宅や職場で使用、共有機能利用可能
プロファイル変更方法
- 接続中のネットワークをクリック
- 「プロパティ」を選択
- 「パブリック」または「プライベート」を選択
詳細なネットワーク設定
IP設定の変更
- Wi-Fi設定画面で「ハードウェアのプロパティ」をクリック
- 「IP設定」の「編集」をクリック
- 手動設定を選択して以下を入力:
- IPアドレス:例 192.168.1.100
- サブネットマスク:例 255.255.255.0
- ゲートウェイ:例 192.168.1.1
- DNS:例 8.8.8.8
DNS設定の変更
プライマリDNS:8.8.8.8(Google DNS)
セカンダリDNS:8.8.4.4(Google DNS)
または
プライマリDNS:1.1.1.1(Cloudflare DNS)
セカンダリDNS:1.0.0.1(Cloudflare DNS)
Wi-Fi接続のトラブルシューティング

よくある問題と解決方法
問題1:Wi-Fiネットワークが表示されない
考えられる原因
- Wi-Fi機能がオフになっている
- 物理的なWi-Fiスイッチがオフ
- ルーターの電源が入っていない
- ルーターのSSID broadcast が無効
解決方法
- パソコンのWi-Fi機能確認
- デバイスマネージャーでネットワークアダプターを確認
- ドライバーが正常にインストールされているか確認
- 物理スイッチの確認
- ノートパソコンのWi-Fiスイッチを確認
- Fn + F2(機種により異なる)でWi-Fi切り替え
- ルーターの確認
- 電源ランプが正常に点灯しているか
- 他のデバイス(スマートフォンなど)で接続できるか
- 手動でネットワーク追加
- 「隠しネットワーク」への接続を試行
- SSIDとパスワードを手動入力
問題2:パスワードが正しくない
確認すべきポイント
- 大文字・小文字の区別
- 数字の0(ゼロ)と英字のO(オー)の違い
- 似ている文字(1とl、6とb など)の確認
解決方法
- ルーターのラベル確認
- ルーター本体や箱に記載されているパスワード
- 初期パスワードが変更されていない場合
- 管理者への確認
- 会社や学校のWi-Fiの場合
- 家族が設定した場合は設定者に確認
- ルーター設定画面での確認
- ブラウザで192.168.1.1または192.168.0.1にアクセス
- 管理画面でWi-Fi設定を確認
問題3:接続はできるがインターネットにつながらない
段階的な確認方法
- ローカルネットワーク接続の確認
- 他のデバイスでインターネット接続を確認
- ルーターの管理画面にアクセスできるか確認
- DNS設定の確認
- コマンドプロンプトで
nslookup google.com
を実行 - DNS解決ができているか確認
- コマンドプロンプトで
- IPアドレスの確認
- コマンドプロンプトで
ipconfig
を実行 - 適切なIPアドレスが割り当てられているか確認
- コマンドプロンプトで
解決方法
- ネットワーク設定のリセット
# 管理者権限のコマンドプロンプトで実行 netsh winsock reset netsh int ip reset ipconfig /release ipconfig /renew ipconfig /flushdns
- プロキシ設定の確認
- 設定 → ネットワークとインターネット → プロキシ
- 不要なプロキシ設定を無効化
- ファイアウォールの確認
- Windows Defenderファイアウォールが通信をブロックしていないか確認
ドライバー関連のトラブル
Wi-Fiドライバーの更新
- デバイスマネージャーを開く
- 「スタート」を右クリック→「デバイスマネージャー」
- ネットワークアダプターを展開
- Wi-Fiアダプター(Wireless、WiFi、802.11 などが含まれる名前)を探す
- ドライバーの更新
- 対象アダプターを右クリック
- 「ドライバーの更新」を選択
- 「ドライバーソフトウェアの最新版を自動検索」
- メーカーサイトからのダウンロード
- Intel、Realtek、Broadcom など、チップメーカーの公式サイト
- パソコンメーカー(Dell、HP、Lenovo など)のサポートサイト
ドライバーの再インストール
- デバイスマネージャーでWi-Fiアダプターを右クリック
- 「デバイスのアンインストール」を選択
- パソコンを再起動
- Windows が自動的にドライバーを再インストール
高度な設定とセキュリティ

企業・学校での設定
WPA2-Enterprise の設定
- ネットワーク選択時に認証方式を確認
- ユーザー名とパスワードを入力
- 証明書の確認(必要な場合)
802.1X認証の設定
- RADIUS サーバーとの認証
- EAP(Extensible Authentication Protocol)の設定
- 証明書ベースの認証
VPN設定との連携
VPN接続の基本設定
- 設定 → ネットワークとインターネット → VPN
- 「VPN接続を追加する」をクリック
- 接続プロファイルの設定
Wi-Fi + VPN の自動接続
- 特定のWi-Fiに接続時に自動でVPNも接続
- PowerShell スクリプトによる自動化
- サードパーティ製VPNクライアントの活用
セキュリティ強化
安全な接続のためのチェックポイント
- 暗号化方式の確認
- WPA3 > WPA2 > WEP の順で安全
- 可能な限り最新の暗号化を使用
- 証明書の検証
- 企業ネットワークでは証明書の確認
- 不明な証明書は接続前に管理者に確認
- パブリックWi-Fiでの注意
- 重要な情報の送受信は避ける
- VPN の併用を推奨
- 自動接続は無効にする
トラブル予防とメンテナンス
定期的なメンテナンス
月次の確認項目
- Wi-Fi ドライバーの更新確認
- 不要なネットワークプロファイルの削除
- 接続速度のテスト
- セキュリティ設定の見直し
パフォーマンス最適化
- チャンネル変更
- ルーター設定で混雑していないチャンネルに変更
- 2.4GHz帯:1、6、11チャンネルを推奨
- 5GHz帯:自動設定を推奨
- 位置の最適化
- ルーターとパソコンの距離を適切に保つ
- 障害物(壁、家具)の影響を最小化
- 電子レンジなどの電波干渉源から離す
バックアップと復元
ネットワーク設定のバックアップ
# Wi-Fi プロファイルのエクスポート
netsh wlan export profile folder="C:\WiFiBackup"
# プロファイルのインポート
netsh wlan add profile filename="C:\WiFiBackup\profilename.xml"
システム復元ポイントの作成
- Wi-Fi設定変更前に復元ポイント作成
- 問題発生時の迅速な復旧
よくある質問

Q: Wi-Fiパ スワードを忘れてしまいました
A: 接続済みの場合、Wi-Fi設定の「ワイヤレスのプロパティ」→「セキュリティ」タブで「文字を表示する」にチェックを入れると確認できます。
Q: 5GHzと2.4GHzの違いは何ですか?
A: 5GHzは速度が速く混雑が少ないですが、電波の到達距離が短めです。2.4GHzは電波の到達距離が長いですが、速度は5GHzより劣ります。
Q: 接続が頻繁に切れるのですが
A: 電波強度の確認、ドライバーの更新、電源管理設定の見直し(「デバイスマネージャー」→「ネットワークアダプター」→「プロパティ」→「電源の管理」で「電力の節約のために、コンピューターでこのデバイスの電源をオフにできるようにする」のチェックを外す)を試してください。
Q: 複数のWi-Fiを同時に使うことはできますか?
A: 通常は1つのWi-Fi接続のみですが、USB Wi-Fiアダプターを追加することで複数の接続が可能になる場合があります。
まとめ
Windows でのWi-Fi設定は、正しい手順を知っていれば決して難しくありません。
設定のポイント
- 基本手順の理解:Wi-Fi有効化 → ネットワーク選択 → パスワード入力
- トラブル時の対応:段階的な確認と適切な解決方法の実行
- セキュリティ意識:適切な暗号化とパスワード管理
- 定期メンテナンス:ドライバー更新と設定の見直し
ポイント
- 焦らず一つずつ手順を確認する
- エラーメッセージは正確に読む
- 不明な点は遠慮なく詳しい人に相談する
- 設定変更前はバックアップを作成する
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