「お気に入りのWebページをあとで読み返したい」
「調査資料として保存しておきたい」
「印刷して手元に置いておきたい」
このような場面で便利なのが、WebサイトのPDF保存機能です。WindowsのPC環境なら、特別なソフトを使わずに、ブラウザの標準機能だけで簡単にWebページをPDF化できます。
この記事では、主要ブラウザ(Chrome、Edge、Firefox)でのPDF保存方法を詳しく解説し、さらに保存時の注意点や活用方法まで紹介します。
PDF保存のメリットと活用場面

なぜWebページをPDF化するのか
PDF保存には以下のようなメリットがあります:
- オフライン閲覧:インターネットに接続していなくても内容を確認できる
- レイアウト保持:元のWebページの見た目をそのまま保存
- 印刷しやすい:紙に印刷する際にページ区切りが自動調整される
- 検索可能:PDF内のテキストを検索できる
- 共有しやすい:メールやチャットで簡単に送信可能
よくある活用場面
- レシピサイトを料理中に見るために保存
- 旅行先の情報ページをオフラインで確認
- 仕事の調査資料としてWebページを保管
- ブログ記事や記事を読み返し用に保存
- オンラインマニュアルを手元に置く
Google ChromeでPDF保存する方法
基本的な手順
Chromeは最も簡単にPDF保存ができるブラウザの一つです。
- 保存したいWebページを開く
- 通常通りWebサイトにアクセスし、保存したいページを表示します
- 印刷メニューを開く
- キーボードの
Ctrl + P
を押す - または、右上のメニュー(⋮)→「印刷」をクリック
- キーボードの
- 保存先をPDFに変更
- 印刷プレビュー画面で「送信先」の部分を確認
- プリンター名が表示されている場合は「変更」をクリック
- 「PDFに保存」を選択
- 保存設定を調整
- ページ範囲:全体 / 現在のページ / カスタム範囲
- レイアウト:縦向き / 横向き
- カラー:カラー / 白黒
- その他のオプション:ヘッダーとフッター、背景のグラフィック
- PDFを保存
- 「保存」ボタンをクリック
- 保存先フォルダとファイル名を指定
- 「保存」で完了
Chromeでの詳細設定
ページの一部だけを保存したい場合
1. 保存したい部分をマウスでドラッグして選択
2. Ctrl + P で印刷メニューを開く
3. 「その他の設定」で「選択した内容のみ」にチェック
4. PDFに保存
高画質で保存したい場合
印刷設定で以下を選択:
- カラー:カラー
- 背景のグラフィック:チェックを入れる
- マージン:最小
Microsoft EdgeでPDF保存する方法

基本手順
EdgeはWindows標準ブラウザで、Microsoft Print to PDF機能が使えます。
- Webページを開く
- 保存したいページにアクセス
- 印刷メニューを表示
Ctrl + P
を押す- または、右上のメニュー(…)→「印刷」
- PDF保存を選択
- 「プリンター」の項目で「Microsoft Print to PDF」を選択
- この機能はWindows 10以降に標準搭載
- 設定を調整
- ページ範囲:すべて / 現在のページ / ページ範囲指定
- 向き:縦 / 横
- カラーモード:カラー / グレースケール
- 品質:標準 / 高品質
- 保存実行
- 「印刷」をクリック
- 保存場所とファイル名を設定
- 「保存」で完了
Edgeの便利機能
Webキャプチャ機能との使い分け
Edgeには「Webキャプチャ」機能もあります:
- PDF保存:テキスト選択可能、印刷向け、複数ページ対応
- Webキャプチャ:画像形式、注釈追加可能、見た目重視
読み取りビューでの保存
1. アドレスバーの「読み取りビュー」アイコンをクリック
2. 広告や余計な要素が除去された状態で表示
3. この状態でPDF保存すると、よりクリーンなPDFが作成される
FirefoxでPDF保存する方法
基本的な操作
Firefoxでも同様にPDF保存が可能です。
- Webページを表示
- 保存したいページを開く
- 印刷メニューにアクセス
Ctrl + P
を押す- または、メニューボタン(≡)→「印刷」
- PDF設定を選択
- 「プリンター」で「Microsoft Print to PDF」を選択
- または「PDFファイルに保存」(環境により表示が異なる)
- 保存オプションを設定
- ページサイズ:A4、レター等
- 向き:縦向き / 横向き
- マージン:標準 / 最小 / なし / カスタム
- 背景画像:印刷する / しない
- PDFとして保存
- 「印刷」ボタンをクリック
- 保存先とファイル名を指定
- 「保存」で完了
Firefoxでの注意点
レイアウトが崩れる場合の対処
Firefoxでは一部のWebサイトでレイアウトが崩れることがあります:
対処方法:
1. 「印刷プレビュー」で事前に確認
2. 「縮小して用紙に合わせる」のチェックを外す
3. マージンを「最小」に設定
4. それでも解決しない場合は他ブラウザを試す
拡張機能の活用
Firefoxには印刷やPDF保存を改善する拡張機能があります:
- Print Edit WE:印刷前に不要な要素を削除
- Save Page WE:Webページを様々な形式で保存
保存がうまくいかない場合の対処法
よくある問題と解決方法
1. ページが途中で切れてしまう
原因:長いページや動的コンテンツがある場合 解決法:
- ページを最後までスクロールしてから保存
- 「すべて読み込み」ボタンがある場合はクリック
- JavaScript無効化の設定を確認
2. 画像が表示されない
原因:背景画像の設定がオフになっている 解決法:
印刷設定で以下を確認:
- 「背景のグラフィック」をオンにする
- カラーモードを「カラー」に設定
- 画質設定を「高品質」にする
3. レイアウトが大きく崩れる
原因:CSS印刷スタイルの問題 解決法:
- 別のブラウザで試す
- 拡張機能やアドブロッカーを一時無効にする
- プライベートモードで試す
代替手段の活用
スクリーンショットツールの使用
完全にページの見た目を保存したい場合:
Windows標準ツール
- Snipping Tool:部分的なスクリーンショット
- Snip & Sketch(Win + Shift + S):範囲指定キャプチャ
ブラウザ拡張機能
- GoFullPage(Chrome):ページ全体のスクリーンショット
- Nimbus Screenshot:注釈付きキャプチャ
PDF編集ソフトでの後処理
保存後のPDFを調整したい場合:
無料ツール
- PDF24:基本的な編集機能
- PDFtk:コマンドライン操作
- LibreOffice Draw:PDFの閲覧・編集
有料ツール
- Adobe Acrobat:高機能PDF編集
- PDFelement:使いやすいインターface
保存したPDFの活用方法

個人利用での活用例
1. 料理レシピの保存
メリット:
- キッチンでオフライン閲覧可能
- 印刷して手元に置ける
- 汚れても元データは安全
保存のコツ:
- レシピ部分だけを選択して保存
- 材料リストと手順を1つのPDFにまとめる
2. 旅行計画の資料作成
活用方法:
- 観光地情報をPDFでまとめ
- 交通案内ページを保存
- 現地でネット環境がなくても安心
整理方法:
- 「旅行先_観光」「旅行先_交通」等でファイル名統一
- フォルダで日程別に整理
3. 学習資料の蓄積
対象:
- オンライン記事や解説ページ
- チュートリアルやマニュアル
- ブログの技術記事
管理方法:
- カテゴリ別フォルダで整理
- PDFのタイトルに日付を追加
- 検索しやすいファイル名を付ける
ビジネス利用での活用例
1. 調査資料の保管
用途:
- 競合他社のWebサイト分析
- 業界動向の記事保存
- 参考事例の収集
ポイント:
- 保存日時をファイル名に含める
- 元のURLをPDF内にメモとして追加
- 定期的にフォルダを整理
2. 証跡資料としての保管
活用場面:
- 発注先企業の情報確認
- サービス規約の変更前後比較
- 広告表示内容の記録
注意点:
- 法的証明力には限界があることを理解
- 重要な場合は公的な保存方法も検討
- 保存日時を明確に記録
効率的な保存とファイル管理

ファイル名の付け方
わかりやすく、後で見つけやすいファイル名をつけましょう:
推奨形式:
- 「YYYY-MM-DD_サイト名_内容」
- 例:「2025-06-02_Amazon_商品レビュー」
- 例:「2025-06-02_クックパッド_親子丼レシピ」
避けるべき例:
- 「ページ.pdf」(内容が不明)
- 「新しいファイル (1).pdf」(自動生成名)
フォルダ構成の例
PDFコレクション/
├── 01_レシピ/
│ ├── 和食/
│ ├── 洋食/
│ └── デザート/
├── 02_旅行/
│ ├── 国内/
│ └── 海外/
├── 03_学習資料/
│ ├── プログラミング/
│ ├── デザイン/
│ └── 語学/
└── 04_仕事関連/
├── 業界情報/
└── 技術資料/
検索しやすくする工夫
タグ付けの活用
ファイル名にタグを含める例:
- 「#簡単 #時短 鶏肉料理レシピ.pdf」
- 「#初心者 #Python プログラミング入門.pdf」
PDFのプロパティ活用
PDFファイルのプロパティ画面で:
- タイトル:内容の要約
- 作成者:元サイト名
- 件名:カテゴリ
- キーワード:検索用タグ
セキュリティと注意点
著作権への配慮
WebページをPDF保存する際の注意点:
OK:
- 個人的な利用目的での保存
- 学習や研究のための資料収集
- 自分のWebサイトのバックアップ
注意が必要:
- 商用利用への転用
- 無断での再配布
- 著作権表示の削除
プライバシー保護
注意すべき情報:
- 個人的な検索結果ページ
- ログイン後の個人情報画面
- 機密性の高い業務情報
対策:
- 必要な部分のみを選択保存
- 保存前に個人情報をチェック
- 不要になったら適切に削除
ファイルサイズの管理
ファイルサイズを抑える方法:
- 画像品質を調整
- 不要なページを除外
- 白黒モードで保存
- PDF圧縮ツールを利用
トラブルシューティング

一般的な問題の解決法
PDF保存オプションが表示されない
確認ポイント:
1. Windowsのバージョン(10以降推奨)
2. ブラウザの最新版への更新
3. 印刷サービスの動作状況
4. 他のブラウザでの動作確認
保存したPDFが開けない
対処法:
1. PDFリーダーの再インストール
2. 別のPDFビューアで開く(Edge、Chrome等)
3. ファイルサイズが0になっていないか確認
4. 保存先の容量確認
ページ全体が保存されない
解決方法:
1. ページを最後まで読み込み待機
2. 「すべて表示」ボタンがあればクリック
3. JavaScript有効化の確認
4. プライベートモードでの試行
まとめ
WebサイトのPDF保存は、現代のデジタルライフにおいて非常に便利な機能です。適切に活用することで、情報収集や資料作成の効率が大幅に向上します。
重要なポイント
- 各ブラウザの印刷機能を活用したPDF保存
- 保存設定の調整でより良い結果を得る
- ファイル管理とセキュリティへの配慮
- 問題発生時の代替手段の準備
ブラウザ別の特徴
ブラウザ | 操作性 | 品質 | 特徴 |
---|---|---|---|
Chrome | ◎ | ◎ | 最も簡単、高品質 |
Edge | ◎ | ○ | Windows標準、安定 |
Firefox | ○ | △ | 拡張機能豊富 |
活用のコツ
- 目的に応じた保存方法の選択
- 適切なファイル名とフォルダ構成
- 定期的な整理と不要ファイルの削除
- 著作権やプライバシーへの配慮
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