「Windows Web Experience Packって何?」 「ウィジェットが表示されない…」 「アンインストールしても大丈夫?」
Microsoft Storeのインストール済みアプリを見ると、いつの間にか入っている「Windows Web Experience Pack」。名前からして重要そうだけど、一体何をしているのか分からない…
実はこれ、Windows 11のウィジェット機能の心臓部なんです。天気予報、ニュース、株価、カレンダーなど、タスクバーから素早くアクセスできるあの便利な機能を支えている重要なコンポーネント。
この記事では、Windows Web Experience Packの正体から、ウィジェットを使いこなす方法、トラブル対処法、そして不要な場合の無効化方法まで、すべてを解説します。
謎のアプリの正体を知れば、Windows 11がもっと便利に使えるようになりますよ!
Windows Web Experience Packとは?

Microsoft Storeから配信される新しい仕組み
基本情報:
- 開発元:Microsoft Corporation
- 配信方法:Microsoft Store経由
- サイズ:約50MB
- 更新頻度:月1~2回程度
- 対応OS:Windows 10(一部機能)、Windows 11
主な役割:
- ウィジェットボードの提供(Windows 11)
- 検索ハイライト機能(Windows 10/11)
- Webコンテンツの表示基盤
- Microsoft Edgeとの連携機能
なぜ別アプリとして提供?
従来の問題:
- Windows Updateでしか機能追加できない
- 年2回の大型アップデートを待つ必要
- すべての機能が一緒に更新される
新しい方法のメリット:
- 機能ごとに素早くアップデート
- バグ修正が迅速
- ユーザーが選択的に更新可能
- Windowsの容量を削減
これが、Microsoftの新しい「モジュール化」戦略の一環です。
主要機能1:ウィジェットボード(Windows 11)
ウィジェットの基本操作
開き方:
- Windows + W キー
- タスクバーのウィジェットアイコンをクリック
- マウスをアイコンの上に置く(ホバー表示)
標準ウィジェット:
- 天気
- ニュースフィード
- 株価
- スポーツ
- 交通情報
- エンターテインメント
- Outlook カレンダー
- To Do
- OneDrive 写真
- ファミリーセーフティ
ウィジェットのカスタマイズ
追加・削除方法:
- ウィジェットボードを開く
- Windows + W
- 「+」ボタンをクリック
- ウィジェットの追加
- 好きなウィジェットを選択
- 「ピン留め」をクリック
- サイズ変更
- ウィジェット右上の「…」メニュー
- 小・中・大から選択
- 並び替え
- ドラッグ&ドロップで配置変更
パーソナライズ設定
興味のあるトピックを設定:
- ウィジェット設定を開く
- 右上のプロフィールアイコン → 「ウィジェットの設定」
- 「関心の管理」
- 興味のあるカテゴリを選択
- 不要なトピックを非表示
- 地域設定
- 天気や交通情報の地域を設定
- 言語と地域を調整
フィードのカスタマイズ:
- 「このような記事を増やす」👍
- 「このような記事を減らす」👎
- 特定のソースをブロック
主要機能2:検索ハイライト(Windows 10/11)
タスクバーの検索ボックス拡張
検索ハイライトとは:
- 検索ボックスに今日の話題を表示
- 季節のイベント情報
- 重要なニュースのハイライト
- Bing検索との連携
設定方法:
- タスクバーを右クリック
- 「検索」→「検索のハイライトを表示」
- オン/オフを選択
カスタマイズ:
- 仕事用PCでは無効化推奨
- プライベートPCでは便利な情報源
インストールと更新管理
確認方法
インストール状況の確認:
- Microsoft Storeを開く
- 「ライブラリ」をクリック
- 「Windows Web Experience Pack」を探す
バージョン確認:
設定 → アプリ → インストールされているアプリ
「Windows Web Experience Pack」を検索
バージョン番号を確認
手動更新の方法
Microsoft Store経由:
- Microsoft Storeを開く
- 「ライブラリ」→「更新プログラムを取得」
- Windows Web Experience Packがあれば更新
PowerShellで強制更新:
# Microsoft Storeアプリをリセット
wsreset.exe
# パッケージの再登録
Get-AppxPackage -Name MicrosoftWindows.Client.WebExperience | Remove-AppxPackage
# その後Microsoft Storeから再インストール
自動更新の設定
Microsoft Storeの自動更新:
- Microsoft Store → 設定
- 「アプリを自動的に更新」をオン
これで、Windows Web Experience Packも自動更新されます。
トラブルシューティング
ウィジェットが表示されない
原因と対処法:
1. Windows Web Experience Packの問題
# PowerShell(管理者)で実行
Get-AppxPackage *WebExperience* | Remove-AppxPackage
その後、Microsoft Storeから再インストール
2. ウィジェットサービスの停止
- タスクマネージャー → 詳細
- 「Widgets.exe」を探す
- なければ、PC再起動
3. グループポリシーで無効化されている
- gpedit.msc → コンピューターの構成
- 管理用テンプレート → Windowsコンポーネント
- ウィジェットの設定を確認
4. レジストリの問題
レジストリエディタ:
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced
「TaskbarDa」の値を1に設定
ウィジェットが重い・遅い
最適化方法:
- 不要なウィジェットを削除
- 使わないウィジェットは削除
- 特にニュースフィードは重い
- キャッシュクリア
# Edge のキャッシュをクリア rd /s /q "%LOCALAPPDATA%\Microsoft\Edge\User Data\Default\Cache"
- ハードウェアアクセラレーション調整
- Edge設定 → システムとパフォーマンス
- ハードウェアアクセラレーションの設定
エラーコード別対処法
0x80073CF9:
- Microsoft Storeのキャッシュクリア
wsreset.exe
を実行
0x80070005:
- アクセス権限の問題
- 管理者権限で再インストール
0x80073D05:
- パッケージの競合
- クリーンブートで確認
パフォーマンスへの影響

メモリ使用量
実測値:
- 待機時:50~100MB
- アクティブ時:200~400MB
- ニュース更新時:最大500MB
CPU使用率:
- 通常時:0~1%
- 更新時:5~10%(一時的)
バッテリーへの影響
ノートPCでの消費:
- ウィジェット有効:バッテリー持続時間-5%程度
- バックグラウンド更新:-10%程度
省電力設定:
- ウィジェットの更新頻度を下げる
- 不要なウィジェットを削除
- バッテリー駆動時は無効化
無効化・アンインストール方法
ウィジェットだけを無効化
タスクバーから非表示:
- タスクバーを右クリック
- 「タスクバーの設定」
- 「ウィジェット」をオフ
これで機能は残したまま、表示だけ消せます。
完全に無効化(上級者向け)
グループポリシーで無効化:
- gpedit.msc を起動
- コンピューターの構成 → 管理用テンプレート
- Windowsコンポーネント → ウィジェット
- 「ウィジェットを許可する」を無効
レジストリで無効化:
レジストリエディタ:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Dsh
新規 → DWORD → "AllowNewsAndInterests" 値:0
アンインストール(非推奨)
PowerShellでアンインストール:
# 管理者権限で実行
Get-AppxPackage *WebExperience* | Remove-AppxPackage
注意:
- Windows Updateで復活する可能性
- 一部の検索機能に影響
- 将来の機能追加が使えない
代替ツール・カスタマイズ
サードパーティ製ウィジェット
Rainmeter(無料)
- 高度なカスタマイズ
- 豊富なスキン
- システム情報表示
Widget Launcher(Microsoft Store)
- シンプルなウィジェット
- 軽量動作
- 広告なし
BeWidgets(有料)
- macOS風ウィジェット
- 美しいデザイン
- 豊富な機能
Microsoft純正の代替
PowerToys Run
- Alt + Space で起動
- 高速検索
- プラグイン拡張可能
Windows サイドバーガジェット
- 古いが軽量
- Windows 7時代の機能
- 8GadgetPackで復活可能
将来の展望
今後追加される機能
発表済みの機能:
- サードパーティ製ウィジェット対応
- AIアシスタント統合
- より詳細なカスタマイズ
- 通知との統合
開発者向けAPI:
- Adaptive Cards対応
- PWAウィジェット
- Win32アプリ統合
よくある質問
Q1:削除しても大丈夫?
A: 基本的には問題ありませんが:
- ウィジェット機能が使えなくなる
- 一部の検索機能に影響
- Windows Updateで復活することも
Q2:Windows 10でも使える?
A: 一部機能のみ:
- 検索ハイライトは利用可能
- ウィジェットボードは非対応
- ニュースと関心事項で代替
Q3:オフラインでも動く?
A: 限定的に動作:
- 基本UIは表示される
- コンテンツ更新は不可
- キャッシュされた情報のみ
Q4:プライバシーは大丈夫?
A: Microsoftアカウントと連携:
- 興味・関心データは収集される
- 位置情報も使用(天気など)
- 設定でオフにすることも可能
まとめ:使いこなせば便利、不要なら無効化
Windows Web Experience Packは、Windows 11の新しい情報アクセス方法を提供する重要なコンポーネントです。
活用するなら:
- ウィジェットをカスタマイズ(5分)
- 必要な情報だけを表示
- サイズと配置を調整
- フィードを最適化(10分)
- 興味のあるトピックを設定
- 不要な情報源をブロック
- ショートカットを覚える(すぐ)
- Windows + W でサッとチェック
不要なら:
- タスクバーから非表示(30秒)
- 機能は残して表示だけオフ
- 更新を停止(必要に応じて)
- Microsoft Storeで個別管理
- 完全無効化(上級者のみ)
- グループポリシーで制御
ウィジェットは「あったら便利」な機能。仕事の合間の情報収集、天気の確認、予定のチェックなど、使い方次第で生産性向上にも貢献します。
一方で、集中したい時には邪魔になることも。自分の使い方に合わせて、オン・オフを使い分けるのが賢い選択です。
最後のヒント: まずは1週間使ってみて、本当に必要か判断してみてください。意外と天気ウィジェットだけでも、毎朝の確認が楽になりますよ!
コメント