「テンキーで数字を打ったつもりがカーソルが動いてしまう」「テンキーが効かなくなって困った」そんな経験はありませんか?
それは多くの場合、**NumLock(ナムロック)**がオフになっているからです。NumLockは日常的に使う重要な機能ですが、意外と知らないうちにオフになってしまい、「突然数字が打てなくなった」と焦ってしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、WindowsでNumLockを解除(またはオンにする)方法をわかりやすく解説し、数字が打てないときの簡単な確認ポイントと根本的な解決方法も紹介します。読み終わるころには、NumLockで困ることはもうないでしょう。
NumLockとは?

NumLockの基本的な仕組み
NumLock(ナムロック)は「Numeric Lock」の略で、テンキー(右側の数字キー)を数字入力専用にするか、カーソル移動などの別の機能に使うかを切り替えるキーです。
NumLockの状態による違い
- NumLockオン: テンキーは数字入力モード(1,2,3…)
- NumLockオフ: テンキーは方向キーやPageUp/PageDownなどの機能キー
テンキーの二つの顔
NumLockオンの場合(通常の使用状態)
/ * -
7 8 9 +
4 5 6
1 2 3
0 .
↑ 数字として機能
NumLockオフの場合
/ * -
Home ↑ PgUp +
← 5 →
End ↓ PgDn
Ins Del
↑ 方向キーや編集キーとして機能
NumLockキーの場所
デスクトップPC用キーボード 多くのキーボードでは、テンキーの左上あたりに「NumLock」「Num Lock」「Num Lk」と書かれたキーがあります。
ノートPC用キーボード
- ファンクションキー(F1〜F12)のどれかに小さく「NumLk」と書かれている
- 「Insert」キーと兼用になっていることが多い
- 機種によっては独立したNumLockキーがある場合も
NumLockを解除(切り替え)する基本方法
方法1: NumLockキーを直接押す
デスクトップPCの場合 テンキーの「NumLock」キーを1回押すだけで切り替わります。
状態の確認方法
- NumLockランプが点灯: 数字が打てる状態
- NumLockランプが消灯: 矢印キーとして動作
実際の確認手順
- テンキーの「7」を押してみる
- 数字の「7」が入力されれば → NumLockオン
- カーソルが左上に移動したら → NumLockオフ
方法2: ノートPCでのFnキーとの組み合わせ
基本的な操作方法 ノートPCでは、NumLockキーが他のキーと共用になっているため、Fnキーとの組み合わせが必要です。
よくある組み合わせパターン
Fn + NumLk
Fn + Insert
Fn + F11
Fn + F8
メーカー別の操作方法
メーカー | 操作方法 | 備考 |
---|---|---|
Dell | Fn + F4 または Fn + F11 | 機種により異なる |
HP | Fn + F8 または Fn + Shift + NumLk | PavilionシリーズはFn + F11 |
Lenovo | Fn + F8 または Fn + Insert | ThinkPadはFn + Shift + NumLk |
ASUS | Fn + F11 または Fn + Insert | ゲーミングモデルはFn + F8 |
Acer | Fn + F11 または Fn + F12 | シリーズにより異なる |
Toshiba | Fn + F10 または Fn + F11 | 旧モデルはFn + F9 |
キーの見つけ方
- ファンクションキー(F1〜F12)を確認
- キーの上または前面に小さく「NumLk」「Num」と書かれているキーを探す
- 文字の色が青や白で印刷されているものが多い
方法3: Windowsの設定から操作
設定画面での操作(Windows 10/11)
Windowsキー + I
を押して「設定」を開く- 「アクセシビリティ」→「キーボード」を選択
- 「スクリーンキーボードを使用する」をオンにする
- 表示されたスクリーンキーボードの「NumLock」をクリック
スクリーンキーボードでの確認
- NumLockがオンの場合: NumLockキーが押されている状態で表示
- NumLockがオフの場合: NumLockキーが通常の状態で表示
NumLockが勝手に解除される場合の対策

よくある原因と解決方法
原因1: 電源を入れるたびにNumLockがオフになる 多くのPCでは、デフォルトでNumLockがオフの状態で起動するように設定されています。
解決方法: レジストリでの設定変更
Windowsキー + R
で「ファイル名を指定して実行」を開くregedit
と入力してEnter- 以下のパスに移動:
HKEY_USERS\.DEFAULT\Control Panel\Keyboard
- 「InitialKeyboardIndicators」をダブルクリック
- 値を「2」に変更してOK
- PCを再起動
注意事項
- レジストリの編集は慎重に行ってください
- 事前にシステムの復元ポイントを作成することをおすすめします
- 数値の意味: 0=オフ、1=オン(CapsLock)、2=オン(NumLock)
原因2: 特定のソフトウェアがNumLockを変更している 一部のゲームやアプリケーションが、起動時にNumLockの状態を変更することがあります。
確認方法
- タスクマネージャーでバックグラウンドプロセスを確認
- 最近インストールしたソフトウェアを確認
- セーフモードで起動してNumLockの状態を確認
原因3: BIOSの設定 古いPCやメーカー製PCでは、BIOS/UEFIでNumLockの初期状態を設定している場合があります。
BIOS/UEFI設定での対処法
BIOS設定画面への入り方
- PCを再起動
- 起動ロゴが表示されたら以下のキーを連打:
- Dell:
F2
- HP:
F10
またはF2
- Lenovo:
F1
またはF2
- ASUS:
F2
またはDelete
- Acer:
F2
またはDelete
- Dell:
BIOS設定の変更手順
- BIOS画面で「Boot」「Advanced」「Peripheral」などの項目を探す
- 「NumLock State」「Boot Num Lock」「NumLock on Boot」などの設定を探す
- 設定を「On」「Enabled」に変更
F10
キーで設定を保存して終了
BIOS設定が見つからない場合
- 機種によってはこの設定がない場合があります
- メーカーのサポートサイトでマニュアルを確認
- Windows側での設定変更を優先しましょう
NumLockの状態を確認する方法
視覚的な確認方法
NumLockランプでの確認
- デスクトップPC: キーボードの右上にNumLockランプがある
- ノートPC: 機種によってはNumLockランプがない場合も
スクリーンキーボードでの確認
Windowsキー + Ctrl + O
を押す- 画面上に仮想キーボードが表示される
- NumLockキーの状態(押されているかどうか)を確認
- クリックしてオン・オフを切り替えることも可能
実際の入力テストでの確認
- テキストエディタ(メモ帳など)を開く
- テンキーの「7」を押す
- 結果の判定:
- 「7」が入力される → NumLockオン
- カーソルが移動する → NumLockオフ
ランプがない場合の確認方法
タスクバーでの表示 一部のキーボードドライバやユーティリティソフトでは、NumLockの状態をタスクバーに表示できます。
システム情報での確認
Windowsキー + R
で「msinfo32」を実行- システム情報画面で現在の状態を確認
サードパーティソフトウェアの活用
- NumLock Indicator: NumLockの状態を画面に表示
- KeyboardStateView: 各種ロックキーの状態を表示
- CapsLock Goodbye: CapsLockとNumLockの状態管理
トラブルシューティング
よくある問題と解決方法
問題1: NumLockキーを押しても反応しない
考えられる原因と解決法
- キーボードの故障: 別のキーボードで確認
- ドライバの問題: デバイスマネージャーでキーボードドライバを更新
- USBポートの問題: 別のUSBポートに接続
- 電池切れ: ワイヤレスキーボードの場合は電池交換
問題2: NumLockをオンにしても数字が入力されない
段階的な確認手順
- 他のテンキーも試す: 1,2,3,4,5,6などで確認
- アプリケーションを変える: メモ帳、Excel、Webブラウザで確認
- 言語設定を確認: 日本語入力がオンになっていないか確認
- キーボードレイアウト: 正しいキーボードレイアウトが選択されているか
問題3: 一部のテンキーだけ反応しない
確認ポイント
- 物理的な故障: キーの下にゴミが詰まっていないか
- 接触不良: キーを強めに押してみる
- 設定の問題: 特定のキーが無効化されていないか
アプリケーション固有の問題
Excel での NumLock 問題
- セルが選択モードになっている場合、NumLockオフと同じ動作になる
Esc
キーを押してセル編集モードを解除
ゲームでの NumLock 問題
- ゲームによってはNumLockの状態を変更する場合がある
- ゲーム終了後にNumLockの状態を確認
リモートデスクトップでの問題
- ローカルとリモートでNumLockの状態が異なる場合がある
- 両方の環境でNumLockの状態を確認
より便利に使うための設定
常にNumLockをオンにする設定
ログオン画面でのNumLock設定
- レジストリエディタで以下のパスに移動:
HKEY_USERS\.DEFAULT\Control Panel\Keyboard
- 「InitialKeyboardIndicators」の値を「2」に設定
ユーザーログイン後のNumLock設定
- 現在のユーザーのレジストリパスに移動:
HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Keyboard
- 同様に「InitialKeyboardIndicators」を「2」に設定
ソフトウェアを使った自動化
NumLocker
- 起動時に自動でNumLockをオンにするフリーソフト
- レジストリを触らずに設定可能
- タスクトレイから手動でも切り替え可能
AutoHotkey を使った自動化
; 起動時にNumLockをオンにする
SetNumLockState, On
キーボードの種類別対応
メカニカルキーボード
- しっかりとしたクリック感があるため、NumLockの切り替えが分かりやすい
- 一部の高級モデルでは個別にLEDランプが付いている
薄型キーボード
- ノートPC風の薄型キーボードはNumLockランプがない場合が多い
- ソフトウェアでの状態確認が重要
ゲーミングキーボード
- RGB LEDでNumLockの状態を色で表示するモデルがある
- 専用ソフトウェアで詳細な設定が可能
関連する便利な機能

CapsLock との関係
CapsLock も似たような仕組み
- CapsLockは大文字/小文字の切り替え
- NumLockと同様に状態を保持する
- 両方ともレジストリで初期状態を設定可能
CapsLock を無効化する方法 間違って押してしまいがちなCapsLockを無効化:
- レジストリエディタで以下に移動:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Keyboard Layout
- 「Scancode Map」を作成してCapsLockを無効化
ScrollLock との違い
ScrollLock の役割
- 主にExcelなどで画面スクロールの動作を変更
- 現在はほとんど使われていない機能
- NumLockと同様にオン/オフの状態を持つ
3つのロックキーの整理
- NumLock: テンキーの動作切り替え(重要)
- CapsLock: 大文字小文字の切り替え(よく使う)
- ScrollLock: スクロール動作の変更(ほぼ使わない)
予防と保守
定期的なチェック項目
月次チェック
- NumLockの状態が正常に切り替わるか確認
- キーボードドライバが最新か確認
- 不要なバックグラウンドプロセスがないか確認
キーボードのメンテナンス
- キートップの清掃(月1回程度)
- ケーブルの接続確認(有線の場合)
- 電池残量の確認(ワイヤレスの場合)
バックアップと復元
設定のバックアップ 重要なレジストリ設定をバックアップしておくと安心:
- レジストリエディタで該当キーを右クリック
- 「エクスポート」を選択してファイルに保存
- 問題が起きた時にダブルクリックで復元
システムの復元ポイント レジストリを変更する前に復元ポイントを作成:
sysdm.cpl
を実行- 「システムの保護」タブで「作成」をクリック
- 復元ポイント名を入力して作成
まとめ
テンキーで数字が打てないときは、まずNumLockが解除(オフ)になっていないかをチェックしましょう。解決方法は意外と簡単で、「NumLockキー」や「Fn + NumLk」を押すだけで切り替わります。
重要なポイント
- 基本操作: NumLockキーを押すだけで切り替え可能
- ノートPC: Fnキーとの組み合わせが必要な場合が多い
- 根本解決: レジストリ設定で起動時の状態を固定できる
- 確認方法: スクリーンキーボードや実際の入力テストで状態確認
トラブル時の対応順序
- NumLockキーを押して状態を切り替え
- スクリーンキーボードで現在の状態を確認
- 他のアプリケーションでも同じ症状か確認
- キーボードドライバやハードウェアの問題を疑う
- 必要に応じてレジストリやBIOS設定を変更
コメント