Windows Terminal(ウィンドウズ ターミナル)は、PowerShellやコマンドプロンプト、WSLなどを統合的に使える便利なツールです。
しかし、**「今使っているターミナルのバージョンが何か分からない」**という声も少なくありません。
この記事では、Windows Terminalの現在のバージョンを確認する方法をステップごとに解説し、併せてアップデートの確認方法もご紹介します。
パソコン初心者の方でも簡単にできるよう、画面を見ながら操作できる手順で説明していきます。
Windows Terminalとは?

基本的な説明
まず、Windows Terminalがどのようなツールなのかを簡単に説明します。
Windows Terminalの特徴
- Microsoftが開発した新しいターミナルアプリ
- PowerShell、コマンドプロンプト、WSL(Windows Subsystem for Linux)などを一つのアプリで使える
- タブ機能があり、複数のシェルを同時に開ける
- カスタマイズ性が高く、見た目や機能を自由に変更できる
なぜバージョン確認が重要なの?
バージョンを知ることで、以下のメリットがあります:
- 機能の確認:使える機能やできることを把握できる
- トラブルシューティング:問題が起きた時に原因を特定しやすい
- セキュリティ:最新版かどうかを確認してセキュリティを保つ
- サポート対応:技術サポートを受ける時に必要な情報
方法①:アプリ内からバージョンを確認(推奨)
この方法の特徴
最も確実で簡単な方法です。マウス操作だけで誰でも簡単にバージョンを確認できます。
詳細な手順
ステップ1:Windows Terminalを起動する
- キーボードの
Windows
キーを押す - 「Windows Terminal」と入力する
- 検索結果に表示された「Windows Terminal」をクリック
または
- スタートメニューをクリック
- アプリ一覧から「Windows Terminal」を探してクリック
ステップ2:設定メニューを開く
Windows Terminalが起動したら:
- ウィンドウ上部にある ▼(下向き矢印) をクリック
- ドロップダウンメニューが表示される
- メニューの中から 「設定(Settings)」 をクリック
ステップ3:バージョン情報を確認する
設定画面が開いたら:
- 左側のメニューを一番下までスクロール
- 「About(情報)」 をクリック
- バージョン情報が右側に表示される
表示される情報の見方
Windows Terminal
Version: 1.20.11391.0
Copyright (c) Microsoft Corporation.
重要な部分の説明
- Version: 1.20.11391.0:これが現在のバージョン番号
- 数字の意味:「メジャー.マイナー.ビルド番号」の形式
- 大きい数字ほど新しいバージョン
この方法のメリット
- 確実性:間違いなく正確なバージョンが表示される
- 簡単:マウス操作だけで完了
- 詳細情報:バージョン以外の情報も確認できる
- 初心者向け:コマンドを覚える必要がない
この章のまとめ:GUI操作で簡単に確認でき、設定メニューの「情報(About)」が一番確実です。次はCLI(コマンド)による方法を見てみましょう。
方法②:コマンドでバージョンを確認する

この方法の特徴
コマンドライン(文字入力)を使ってバージョンを確認する方法です。
注意点:Windows Terminal自体には直接バージョンを表示するコマンドがありませんが、以下の方法で確認できます。
PowerShellを使った確認方法
手順の説明
PowerShellは、Windowsに標準で入っている高機能なコマンドライン環境です。
ステップ1:PowerShellを起動する
- Windows Terminalを開く
- 新しいタブでPowerShellが開く(通常は自動)
- または「+」ボタンをクリックしてPowerShellを選択
ステップ2:コマンドを実行する
# Windows TerminalのファイルパスとバージョンMicrosoftを確認
Get-Command wt.exe | Select-Object Version, Source
# より詳細な情報を取得
Get-ItemProperty "C:\Users\$env:USERNAME\AppData\Local\Microsoft\WindowsApps\wt.exe" | Select-Object VersionInfo
出力例の見方
Version Source
------- ------
1.20.11391.0 C:\Users\username\AppData\Local\Microsoft\WindowsApps\wt.exe
重要な部分の説明
- Version:バージョン番号
- Source:ファイルの場所
コマンドプロンプトでの確認方法
ステップ1:コマンドプロンプトを開く
- Windows Terminal内で新しいタブを開く
- 「コマンド プロンプト」を選択
ステップ2:ファイルの場所を確認
where wt
この結果、Windows Terminalの実行ファイルの場所が表示されます。
ステップ3:プロパティでバージョン確認
- 表示されたファイルパスをエクスプローラーで開く
wt.exe
ファイルを右クリック- 「プロパティ」を選択
- 「詳細」タブでバージョン情報を確認
WSL(Linux環境)での確認
WSL(Windows Subsystem for Linux)を使っている場合:
# Windows Terminalのバージョンを確認(Linux環境から)
wt.exe --help | head -1
スクリプトでの活用例
PowerShellスクリプトでの自動チェック
# バージョンチェックのスクリプト例
$wtVersion = (Get-Command wt.exe).Version
Write-Host "Windows Terminal バージョン: $wtVersion" -ForegroundColor Green
# 最新版かどうかの簡易チェック
if ($wtVersion -ge "1.20.0") {
Write-Host "比較的新しいバージョンです" -ForegroundColor Blue
} else {
Write-Host "アップデートを検討してください" -ForegroundColor Yellow
}
この章のまとめ:コマンドライン派の方にはGet-Command
での確認がおすすめ。スクリプトでのチェックにも応用できます。
Windows Terminalのアップデート確認と更新方法
なぜアップデートが重要なの?
アップデートの必要性
- セキュリティ向上:セキュリティホールの修正
- 新機能の追加:便利な機能が使えるようになる
- 不具合の修正:既知の問題が解決される
- パフォーマンス向上:動作が速くなったり安定したりする
Microsoft Store経由でのアップデート
最も一般的な方法です。多くの場合、Windows TerminalはMicrosoft Storeからインストールされています。
手順
- Microsoft Storeアプリを開く
- スタートメニューから「Microsoft Store」を検索
- またはタスクバーのストアアイコンをクリック
- ライブラリを確認
- 右上の「…」メニューをクリック
- 「ダウンロードと更新」を選択
- 更新の確認
- 「更新の確認」ボタンをクリック
- Windows Terminalの更新があれば表示される
- アップデートの実行
- 「更新」ボタンをクリック
- 自動的にダウンロード・インストールが開始
GitHub リリースページからの手動アップデート
より詳細な情報を確認したい場合や、Microsoft Storeを使いたくない場合の方法です。
GitHubでの最新版確認
- ブラウザで以下のURLにアクセス
https://github.com/microsoft/terminal/releases
- 最新バージョンの確認
- ページ最上部に最新版の情報が表示される
- バージョン番号と更新内容を確認
- 手動ダウンロード
- 「Assets」セクションから適切なファイルをダウンロード
- 通常は
.msix
ファイルを選択
自動更新の設定
Microsoft Storeの自動更新設定
- Microsoft Storeを開く
- 右上の「…」→「設定」をクリック
- 「アプリの更新」で「アプリを自動的に更新する」をオンにする
これで、Windows Terminalが自動的に最新版に更新されます。
更新後の確認
アップデート完了後の確認
- Windows Terminalを再起動
- 方法①で新しいバージョン番号を確認
- 新機能や変更点をチェック
この章のまとめ:バージョンが古いと不具合の原因になるため、定期的なアップデート確認を習慣にしましょう。
トラブルシューティング

よくある問題と解決方法
バージョン情報が表示されない場合
- Windows Terminalが正しくインストールされているか確認
Get-AppxPackage Microsoft.WindowsTerminal
- ファイルの破損をチェック
- Microsoft Storeから再インストールを試す
古いバージョンから更新できない場合
- Microsoft Storeのキャッシュをクリア
wsreset.exe
- 手動でアンインストール後、再インストール
コマンドが認識されない場合
- Pathの確認
$env:PATH -split ';' | Where-Object { $_ -like "*WindowsApps*" }
- Windows Terminalの再インストール
パフォーマンスの確認
起動時間の測定
# Windows Terminalの起動時間を測定
Measure-Command { Start-Process wt.exe -Wait }
便利な関連情報
Windows Terminalの設定ファイル
設定ファイルの場所
%LOCALAPPDATA%\Packages\Microsoft.WindowsTerminal_8wekyb3d8bbwe\LocalState\settings.json
この設定ファイルでカスタマイズや高度な設定が可能です。
他のターミナルとの比較
主要なターミナルアプリケーション
ターミナル | 特徴 | おすすめ度 |
---|---|---|
Windows Terminal | 新機能、統合環境 | ◎ |
PowerShell ISE | 開発環境特化 | ○ |
Command Prompt | 軽量、シンプル | △ |
ConEmu | 豊富なカスタマイズ | ○ |
ショートカットキー
よく使うキーボードショートカット
Ctrl + Shift + T
:新しいタブを開くCtrl + Shift + D
:ペインを分割Ctrl + Shift + W
:タブを閉じるCtrl + ,
:設定を開く
まとめ
Windows Terminalのバージョン確認方法:
方法別の比較表
方法 | 手順 | おすすめ度 | 用途 |
---|---|---|---|
GUIから「設定」→「情報」 | 最も確実 | ◎ | 日常的な確認 |
PowerShellで Get-Command wt.exe | スクリプトで便利 | ○ | 自動化・開発 |
Microsoft Store/GitHubで確認 | アップデート時に活用 | ○ | 更新管理 |
重要なポイント
- 目的に応じた方法の選択:日常使いなら方法①、自動化なら方法②
- 定期的な確認:月1回程度はバージョンとアップデートをチェック
- セキュリティ意識:古いバージョンは脆弱性のリスクあり
- 設定のバックアップ:大きなアップデート前は設定をバックアップ
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