プログラミングやコマンド操作をする時、文字が小さくて見にくいと感じることがあります。
Windows Terminalでは簡単に文字サイズを調整できるので、自分に合った見やすい環境を作ることができます。
この記事では、初心者にもわかりやすく、文字サイズを変更する3つの方法をご紹介します。
基本的な設定画面の開き方
Windows Terminalの起動方法
まず、Windows Terminalを起動します。以下の方法があります:
スタートメニューから:
- Windowsキーを押す
- 「Windows Terminal」と入力
- アプリを選択して起動
キーボードショートカット:
Win + X
を押してメニューを開くT
キーを押してWindows Terminalを起動
検索から:
- タスクバーの検索ボックスに「terminal」と入力
- Windows Terminalを選択
設定画面へのアクセス
Windows Terminalが起動したら、設定画面を開きます:
- 上部のタブの右側にある「∨」(下向き矢印)をクリック
- メニューから「設定」を選択
- 設定画面が表示される
キーボードショートカット: Ctrl + ,
(カンマ)を押すと直接設定画面が開きます。
GUI操作による文字サイズ変更(推奨方法)

基本的な変更手順
最も簡単で安全な方法は、設定画面を使った変更です。初心者の方にはこの方法をおすすめします。
詳細な手順:
- プロファイルの選択
- 左側のメニューで「プロファイル」をクリック
- 変更したいシェル(PowerShell、コマンドプロンプト、WSLなど)を選択
- 外観設定へ移動
- 選択したプロファイルの設定画面で「外観」タブをクリック
- フォント関連の設定項目が表示される
- フォントサイズの調整
- 「フォントサイズ」の項目を見つける
- 数値を入力または矢印ボタンで調整
- 単位はpt(ポイント)で表示される
- 変更の保存
- 画面右下の「保存」ボタンをクリック
- 変更が即座に反映される
おすすめの文字サイズ
用途や環境に応じて、以下を参考にしてください:
一般的な推奨サイズ:
- 12pt: 標準的なサイズ、多くの人に適している
- 14pt: 少し大きめ、見やすさを重視
- 16pt: 大きめ、長時間作業や高解像度モニター向け
- 10pt: 小さめ、画面スペースを有効活用したい場合
環境別の推奨:
- ノートパソコン(13-15インチ): 12-14pt
- デスクトップ(24インチ以上): 14-16pt
- 4Kモニター: 16-20pt
- プログラミング作業: 12-14pt
- システム管理作業: 10-12pt
複数プロファイルの設定
Windows Terminalでは、シェルごとに異なる設定ができます:
PowerShell用の設定:
- プログラミング作業が多い場合は14pt
- コード読み書きがメインなら12pt
コマンドプロンプト用の設定:
- システム管理作業なら10-12pt
- 一般的な操作なら12pt
WSL(Linux)用の設定:
- 開発作業が多いなら14pt
- サーバー管理なら12pt
キーボードショートカットによる一時的な変更

基本的なショートカット
作業中に一時的に文字サイズを変更したい場合は、キーボードショートカットが便利です。
拡大・縮小の操作:
操作 | キーボード | マウス |
---|---|---|
拡大 | Ctrl + + | Ctrl + マウスホイール上 |
縮小 | Ctrl + - | Ctrl + マウスホイール下 |
元に戻す | Ctrl + 0 | – |
ショートカットの活用場面
一時的な変更は以下のような場面で有効です:
拡大が有効な場面:
- 細かいコードを確認する時
- エラーメッセージを詳しく見る時
- 他の人と画面を共有する時
- 目が疲れている時
縮小が有効な場面:
- 長いログファイルを確認する時
- 画面に多くの情報を表示したい時
- コマンドの実行結果を一覧で見る時
注意点
ショートカットによる変更には以下の特徴があります:
- 一時的:ターミナルを閉じると元に戻る
- プロファイル別:各タブで独立して変更される
- 保存されない:恒久的な変更ではない
恒久的に変更したい場合は、GUI設定または設定ファイルの編集が必要です。
設定ファイル(settings.json)による詳細設定

設定ファイルについて
Windows Terminalの詳細な設定は、JSON形式の設定ファイルで管理されています。
この方法は上級者向けですが、より細かい調整が可能です。
設定ファイルの開き方
GUI経由での開き方:
- 設定画面を開く(
Ctrl + ,
) - 画面左下の「JSONファイルを開く」をクリック
- テキストエディターで設定ファイルが開く
直接ファイルにアクセス: 設定ファイルは以下の場所にあります:
%LOCALAPPDATA%\Packages\Microsoft.WindowsTerminal_8wekyb3d8bbwe\LocalState\settings.json
全プロファイル共通の設定
すべてのプロファイルに同じ文字サイズを適用したい場合:
{
"profiles":
{
"defaults":
{
"fontSize": 14
}
}
}
特定プロファイルの個別設定
特定のシェルだけ文字サイズを変更したい場合:
{
"profiles":
{
"list":
[
{
"name": "PowerShell",
"fontSize": 16
},
{
"name": "Command Prompt",
"fontSize": 12
}
]
}
}
その他のフォント関連設定
文字サイズ以外にも、以下の設定が可能です:
{
"fontSize": 14,
"fontFace": "Cascadia Code",
"fontWeight": "normal"
}
設定項目の説明:
fontSize
: フォントサイズ(ポイント単位)fontFace
: フォントの種類fontWeight
: フォントの太さ(normal, bold, lightなど)
フォント種類の変更も検討

プログラミング向けフォント
文字サイズと合わせて、フォントの種類も重要です。以下のフォントがプログラミングに適しています:
等幅フォントの重要性:
- Cascadia Code:Microsoft製、Windows Terminal標準
- Fira Code:リガチャ対応、人気の高いフォント
- Source Code Pro:Adobe製、見やすさに定評
- JetBrains Mono:JetBrains製、開発者向け
日本語対応フォント
日本語を多用する場合は、以下のフォントがおすすめです:
- MS Gothic:Windows標準の等幅フォント
- NotoSansCJK:Google製、美しい表示
- 源真ゴシック:プログラミング向けに調整されたフォント
フォントの変更方法
GUI設定での変更:
- 「外観」タブで「フォントフェイス」を変更
- ドロップダウンから好みのフォントを選択
JSONファイルでの変更:
{
"fontFace": "Cascadia Code",
"fontSize": 14
}
よくある問題と解決方法

問題1:文字サイズが反映されない
考えられる原因:
- 設定の保存を忘れている
- 間違ったプロファイルを設定している
- 設定ファイルの記述ミス
解決方法:
- 設定画面で「保存」ボタンを押す
- 正しいプロファイルが選択されているか確認
- JSONファイルの文法をチェック
問題2:文字が見切れる、表示が崩れる
考えられる原因:
- フォントサイズが大きすぎる
- ウィンドウサイズが小さい
- フォントとサイズの組み合わせが不適切
解決方法:
- フォントサイズを少し小さくする
- ウィンドウを大きくする
- 他のフォントを試す
問題3:設定が他のデバイスで同期されない
考えられる原因:
- 設定の同期機能が無効
- 異なるバージョンのWindows Terminal
解決方法:
- 設定の同期機能を確認
- 設定ファイルを手動でコピー
- 各デバイスで個別に設定
問題4:パフォーマンスが悪化した
考えられる原因:
- フォントサイズが大きすぎる
- 複雑なフォントを使用している
解決方法:
- フォントサイズを適切な範囲に調整
- シンプルなフォントに変更
- ハードウェアアクセラレーションの設定を確認
他のターミナル設定の最適化
配色(カラーテーマ)の調整
文字サイズと合わせて配色も重要です:
人気のカラーテーマ:
- One Half Dark:濃い背景、目に優しい
- Solarized Dark:バランスの取れた配色
- Campbell PowerShell:Windows標準、見慣れた配色
透明度の設定
背景の透明度を調整することで見やすさが向上する場合があります:
{
"opacity": 90,
"useAcrylic": true
}
ウィンドウサイズの最適化
文字サイズに合わせてウィンドウサイズも調整しましょう:
{
"initialCols": 120,
"initialRows": 30
}
まとめ
Windows Terminalでの文字サイズ変更について、重要なポイントをまとめます:
3つの変更方法:
- GUI操作:初心者におすすめ、安全で簡単
- キーボードショートカット:一時的な調整に便利
- 設定ファイル編集:詳細な設定が可能、上級者向け
設定のポイント:
- プロファイルごとに個別設定可能
- フォント種類との組み合わせも重要
- 一時変更と恒久変更を使い分ける
- 目の疲労や作業効率を考慮して調整
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