「コマンドプロンプトが使いにくい…」
「もっと見やすくて使いやすいコマンドラインはないの?」
そんなお悩みを解決してくれるのが、Windows Terminalです。
この記事では、Windows Terminalの基本的な使い方から便利な機能まで、パソコン初心者の方にもわかりやすく説明します。
Windows Terminalってなに?

Windows Terminalの説明
Windows Terminalは、Microsoftが作った新しいコマンド入力画面です。
従来のコマンドプロンプトよりもずっと使いやすく、見た目も美しく設計されています。ブラウザでタブを開くように、複数のコマンド画面を一つのウィンドウで管理できます。
Windows Terminalの特徴
- 複数のタブで作業できる
- 見た目をきれいにカスタマイズできる
- 文字がきれいで読みやすい
- 日本語や絵文字もきちんと表示される
従来のコマンドプロンプトとの違い
項目 | コマンドプロンプト | Windows Terminal |
---|---|---|
見た目 | シンプルな黒い画面 | カラフルで美しい |
タブ機能 | なし | 複数のタブを使える |
カスタマイズ | 限定的 | 自由自在 |
文字表示 | 基本的な文字のみ | 絵文字や特殊文字も対応 |
こんな人におすすめ
プログラマーや開発者 複数のプロジェクトを同時に管理したい
コマンドをよく使う人 PowerShellやLinuxコマンドを頻繁に使用
見た目にこだわりたい人 作業環境を美しくカスタマイズしたい
Windows Terminalのインストール方法
Microsoft Storeからインストール
インストール手順
- スタートメニューをクリック
- Microsoft Storeを検索して開く
- 検索ボックスに「Windows Terminal」と入力
- 検索結果から「Windows Terminal」を選択
- 「入手」または「インストール」ボタンをクリック
- インストールが完了するまで数分待つ
インストール完了の確認
- スタートメニューに「Windows Terminal」が表示される
- 青色のアイコンが目印
別の方法:GitHubからダウンロード
手順
- GitHub(https://github.com/microsoft/terminal)にアクセス
- 「Releases」をクリック
- 最新版の「.msixbundle」ファイルをダウンロード
- ダウンロードしたファイルをダブルクリックしてインストール
注意点 Microsoft Storeからのインストールの方が簡単で、自動更新もされるのでおすすめです。
Windows Terminalの起動方法
基本的な起動方法
方法1:スタートメニューから
- スタートボタンをクリック
- 「Windows Terminal」を検索
- 表示されたアプリをクリック
方法2:Win + Xメニューから
- Windowsキー + Xを同時に押す
- 「ターミナル」をクリック
方法3:ファイル名を指定して実行
- Windowsキー + Rを同時に押す
- 「wt」と入力してEnterキー
方法4:右クリックメニューから
- フォルダ内で右クリック
- 「ターミナルで開く」を選択(Windows 11)
基本的な使い方

タブの使い方
新しいタブを開く
- Ctrl + Shift + T:新しいタブを追加
- 「+」ボタンをクリック
タブを切り替える
- Ctrl + Tab:次のタブに移動
- Ctrl + Shift + Tab:前のタブに移動
- Ctrl + 数字キー:指定した番号のタブに移動
タブを閉じる
- Ctrl + Shift + W:現在のタブを閉じる
- タブの「×」ボタンをクリック
異なるシェルを使う
利用できるシェル
- PowerShell:Windowsの標準的なコマンドライン
- コマンドプロンプト:従来のコマンドライン
- WSL:WindowsでLinuxコマンドを使用
- Azure Cloud Shell:クラウドサービス用
シェルの切り替え方法
- 「+」ボタンの横の「▼」をクリック
- 使いたいシェルを選択
画面分割の使い方
縦分割
- Alt + Shift + +:画面を縦に分割
- Alt + Shift + –:画面を横に分割
分割画面の移動
- Alt + 方向キー:別の分割画面に移動
分割画面の例
┌─────────────┬─────────────┐
│ PowerShell │ コマンド │
│ C:\> │ プロンプト │
│ │ C:\> │
├─────────────┼─────────────┤
│ WSL Linux │ Git Bash │
│ user@pc:~$ │ user@MINGW64│
│ │ $ │
└─────────────┴─────────────┘
便利なショートカットキー
よく使うショートカット
ショートカット | 動作 |
---|---|
Ctrl + Shift + T | 新しいタブを開く |
Ctrl + Shift + W | タブを閉じる |
Ctrl + Tab | 次のタブに移動 |
Ctrl + C | コマンドを中止 |
Ctrl + V | 貼り付け |
Ctrl + Shift + F | 検索 |
F11 | 全画面表示 |
設定とカスタマイズ用
ショートカット | 動作 |
---|---|
Ctrl + , | 設定画面を開く |
Ctrl + Shift + P | コマンドパレットを開く |
Ctrl + + | 文字サイズを大きく |
Ctrl + – | 文字サイズを小さく |
見た目のカスタマイズ
基本設定の変更
設定画面を開く
- **Ctrl + ,**キーを押す
- または「設定」ボタン(歯車マーク)をクリック
テーマの変更
- 設定画面の「外観」をクリック
- 「カラーテーマ」で好きなテーマを選択
- 人気テーマ:
- Campbell:標準的な色合い
- One Half Dark:ダークテーマ
- Solarized Dark:目に優しい暗色
背景の変更
単色背景
- 設定 → 「プロファイル」→ 「外観」
- 「背景色」で好きな色を選択
画像背景
- 「背景画像」で画像ファイルを選択
- 「背景画像の透明度」で透明度を調整
- 「背景画像の配置」で画像の位置を設定
透明度の設定
- 「透明度」のスライダーを調整
- 0%:完全に不透明
- 50%:半透明
- 90%:ほぼ透明
フォントの変更
フォント設定
- 設定 → 「プロファイル」→ 「外観」
- 「フォントフェイス」で好きなフォントを選択
- おすすめフォント:
- Cascadia Code:プログラミング用(標準)
- Consolas:Windowsの定番
- Fira Code:特殊記号がきれい
フォントサイズ
- 「フォントサイズ」で読みやすいサイズに調整
- 推奨:12〜14pt
プロファイルの作成と管理

新しいプロファイルの作成
手順
- 設定画面の「プロファイル」をクリック
- 「新しいプロファイルを追加」をクリック
- 「空のプロファイル」を選択
- 以下の項目を設定:
- 名前:プロファイルの表示名
- コマンドライン:実行するプログラム
- 開始ディレクトリ:起動時のフォルダ
- アイコン:タブに表示するアイコン
よく使うプロファイル例
開発用PowerShell
{
"name": "開発用PowerShell",
"commandline": "powershell.exe",
"startingDirectory": "C:\\Users\\%USERNAME%\\Documents\\Projects",
"colorScheme": "Campbell"
}
Pythonプログラミング用
{
"name": "Python",
"commandline": "python.exe",
"startingDirectory": "C:\\Python\\Scripts",
"colorScheme": "One Half Dark"
}
高度な設定とカスタマイズ
settings.jsonファイルの編集
JSONファイルを開く
- 設定画面の左下「JSONファイルを開く」をクリック
- テキストエディタでsettings.jsonが開きます
基本的な設定例
{
"defaultProfile": "{プロファイルのGUID}",
"startOnUserLogin": true,
"theme": "dark",
"copyOnSelect": true,
"confirmCloseAllTabs": true
}
カスタムキーバインドの設定
よく使うカスタムキー例
{
"command": "newTab",
"keys": "ctrl+t"
},
{
"command": "closeTab",
"keys": "ctrl+w"
}
外部ツールとの連携
Git Bashの追加
- Git for Windowsをインストール
- 新しいプロファイルを作成
- コマンドライン:
C:\Program Files\Git\bin\bash.exe
WSL(Windows Subsystem for Linux)の使用
- WSLをWindowsにインストール
- 自動的にWindows Terminalに追加されます
- Linuxコマンドが使用可能に
よくあるトラブルと解決方法
Windows Terminalが起動しない
対処法
- Windows Updateを確認・実行
- Microsoft Storeでアプリの更新を確認
- アプリをいったんアンインストールして再インストール
文字化けが起こる
対処法
- 設定 → プロファイル → 外観
- 「フォントフェイス」をCascadia Codeに変更
- 日本語対応フォントを選択
設定が保存されない
対処法
- Windows Terminalを管理者権限で実行
- settings.jsonファイルの権限を確認
- ファイルが読み取り専用になっていないかチェック
動作が重い
対処法
- 「ハードウェアアクセラレーションを使用する」をオフ
- 透明度を下げる
- 背景画像を無効にする
便利なプラグインと拡張機能

PowerToysとの連携
PowerToys Run
- Windows + Spaceで高速起動
- 「wt」と入力してWindows Terminalを素早く起動
Oh My Posh(PowerShell美化)
インストール
winget install JanDeDobbeleer.OhMyPosh
設定
oh-my-posh init pwsh | Invoke-Expression
カラフルなlsコマンド(PowerShell)
PSReadLineの設定
Install-Module PSReadLine -AllowPrerelease -Force
まとめ:Windows Terminalで作業効率アップ
Windows Terminalを使えば、コマンド作業が格段に快適になります。
今日覚えたこと
- インストール:Microsoft Storeから簡単インストール
- 基本操作:Ctrl + Shift + Tで新しいタブ
- カスタマイズ:テーマ、フォント、背景を自由に変更
- プロファイル:用途別に設定を使い分け
まずは基本的な使い方から始めましょう。慣れてきたら、自分好みにカスタマイズして、より効率的な作業環境を作ってみてください。
Windows Terminalがあれば、コマンド操作がもっと楽しく、もっと効率的になります。
ぜひ導入して、新しいターミナル体験を始めてみてくださいね。
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