パソコンの動作が重いと感じたら、”見えないゴミ”を疑ってみよう
「最近、パソコンの動作が遅くなった」「容量が足りなくなってきた」と困っていませんか?
そんなときは、一時ファイルが原因かもしれません。一時ファイルとは、Windowsやアプリが作業中に作る「使い捨てのファイル」のことです。
本来なら自動で消えるはずなのですが、残ってしまうことがよくあります。
この記事では、一時ファイルを安全に削除してパソコンを軽くする方法を、パソコンが苦手な人でもわかるように説明します。
一時ファイルとは?|知らないうちにたまる”見えないゴミ”

一時ファイルってなに?
一時ファイルは、パソコンが作業をするときに「ちょっと置いておく」ファイルのことです。
どんなときに作られるの?
- ソフトをインストールするとき
- Windowsをアップデートするとき
- ブラウザでウェブページを見るとき
- 動画や音楽を再生するとき
本来なら作業が終わったら自動で消えるはずですが、エラーや強制終了などが原因で残ってしまうことがあります。
一時ファイルがたまるとどうなる?
こんな症状が出ることがあります
- パソコンの動作が遅くなる
- 容量不足のエラーが出る
- ソフトが正常に動かなくなる
- 起動に時間がかかる
実際の影響 一時ファイルは、時には数GB(ギガバイト)もの容量を使うことがあります。これは写真なら数千枚、音楽なら数百曲分の容量です。
なぜ削除が必要なの?
一時ファイルは「もう使わないファイル」なので、削除しても問題ありません。むしろ削除することで、以下のメリットがあります。
- パソコンが速くなる
- 容量に余裕ができる
- エラーが起きにくくなる
ポイント 一時ファイルの削除は、パソコンの「お掃除」のようなものです。定期的にやることで、パソコンの調子を良く保てます。
設定アプリから削除する方法(初心者おすすめ)

この方法が一番安全で簡単です。
Windows 10や11なら、誰でもできます。
手順を詳しく説明
ステップ1:設定アプリを開く
- 画面左下の「スタートボタン」をクリック
- 歯車のマーク(⚙️)をクリック
- 「設定」アプリが開きます
ステップ2:記憶域の設定に進む
- 「システム」をクリック
- 左側のメニューから「記憶域」を選択
- 少し待つと、ドライブの使用状況が表示されます
ステップ3:一時ファイルを確認
- 「一時ファイル」という項目をクリック
- どんなファイルがどのくらいあるかが表示されます
ステップ4:削除するファイルを選ぶ
以下の項目は安全に削除できます:
- ✅ 一時ファイル
- ✅ ごみ箱
- ✅ サムネイル
- ✅ 配信の最適化ファイル
- ✅ Windowsアップグレードログファイル
注意が必要な項目:
- ⚠️ ダウンロード(大切なファイルが入っている可能性)
- ⚠️ 以前のWindowsインストール(元に戻せなくなる)
ステップ5:削除を実行
- 削除したい項目にチェックを入れる
- 「ファイルの削除」ボタンをクリック
- 確認画面で「削除」をクリック
どのくらい時間がかかる?
- 少ない場合:1〜2分
- 多い場合:5〜10分
削除中は他の作業をしても大丈夫です。
ポイント この方法なら、大切なファイルを間違って削除する心配がほとんどありません。
パソコン初心者の方には、この方法を強くおすすめします。
ディスククリーンアップで詳しく削除する方法

設定アプリでは削除できない一時ファイルもあります。
そんなときは「ディスククリーンアップ」という機能を使いましょう。
ディスククリーンアップとは?
Windowsに昔からある掃除機能です。
設定アプリよりも細かく、いろいろな種類のファイルを削除できます。
詳しい手順
ステップ1:ディスククリーンアップを起動
- スタートボタンをクリック
- 検索欄に「ディスククリーンアップ」と入力
- 出てきた結果をクリック
ステップ2:ドライブを選択
- 通常は「C:」ドライブを選択
- 「OK」をクリック
- しばらく待つと、削除できるファイルが表示されます
ステップ3:システムファイルも確認
- 「システムファイルのクリーンアップ」をクリック
- 管理者として実行するか聞かれたら「はい」
- さらに多くの削除対象が表示されます
ステップ4:削除するファイルを選ぶ
安全に削除できるもの:
- ✅ 一時ファイル
- ✅ 一時インターネットファイル
- ✅ ごみ箱
- ✅ システムエラーメモリダンプファイル
- ✅ Windowsアップグレードログファイル
- ✅ ダウンロードされたプログラムファイル
慎重に判断するもの:
- ⚠️ 以前のWindowsインストール(容量は大きいが、元に戻せなくなる)
- ⚠️ Windowsアップデートのクリーンアップ(アップデートの取り消しができなくなる)
ステップ5:削除を実行
- 削除したい項目にチェック
- 「OK」をクリック
- 「ファイルを削除しますか?」で「はい」
どのくらい効果がある?
- 通常:500MB〜2GB程度
- 長期間掃除していない場合:5GB〜10GB以上
注意点 「以前のWindowsインストール」を削除すると、Windowsアップデート前の状態に戻せなくなります。アップデート後に問題がないことを確認してから削除しましょう。
上級者向け:その他の削除方法

ブラウザのキャッシュを削除
ブラウザも一時ファイルをたくさん作ります。これも定期的に削除しましょう。
Google Chromeの場合
- 右上の三点メニューをクリック
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」
- 「閲覧履歴データの削除」
- 「キャッシュされた画像とファイル」にチェック
- 「データを削除」
Microsoft Edgeの場合
- 右上の三点メニューをクリック
- 「設定」→「プライバシー、検索、サービス」
- 「閲覧データをクリア」の「クリアするデータの選択」
- 「キャッシュされた画像とファイル」にチェック
- 「今すぐクリア」
コマンドプロンプトを使う方法(上級者向け)
注意:この方法は上級者向けです。間違うとシステムに影響する可能性があります。
- スタートボタンを右クリック
- 「Windows PowerShell(管理者)」を選択
- 以下のコマンドを入力:
Get-ChildItem $env:TEMP | Remove-Item -Recurse -Force -ErrorAction SilentlyContinue
このコマンドは、現在のユーザーの一時フォルダを安全に削除します。
サードパーティ製ツールについて
CCleanerやBleachBitなどの掃除ツールもあります。
メリット
- 一度に多くの場所を掃除できる
- 自動化できる
- ブラウザのデータも一緒に削除できる
注意点
- 信頼できるソフトを選ぶ
- 設定を確認してから実行する
- 無料版で十分(有料版を押し売りするソフトに注意)
おすすめの使い方 最初はWindowsの標準機能を使い、慣れてきたらサードパーティ製ツールを検討しましょう。
よくある質問と回答

Q: 削除して大丈夫なファイルかわからない
A: 迷ったときは削除しないのが安全です。
特に、システム関連は削除するのは危険。
Q: 削除中にエラーが出た
A: 一部のファイルが使用中の可能性があります。
パソコンを再起動してから、もう一度試してみてください。
Q: どのくらい効果があるかわからない
A: 削除前後で、Cドライブの空き容量を確認してみましょう。
数GBの違いがあれば、効果は十分です。
Q: 削除したら動作が不安定になった
A: 滅多にありませんが、もし問題が起きたらパソコンを再起動してみてください。
それでも直らない場合は、システムの復元を使いましょう。
まとめ
一時ファイルの削除は、パソコンを快適に使うための基本的なメンテナンスです。
覚えておきたいポイント
- 一時ファイルは自動で消えないことが多い
- 設定アプリからの削除が一番安全
- 月1回の掃除を習慣にしよう
- 迷ったときは削除しない
今日からできること
- まずは設定アプリで一時ファイルをチェック
- 安全な項目だけ削除してみる
- 効果を実感したら定期的に続ける
コメント