WindowsにTAPデバイスをインストールする方法|TAP-Windows Adapterの導入手順

Windows

VPNソフトウェアをインストールしようとしたら、「TAP-Windows Adapterが必要です」というメッセージが表示されたことはありませんか?

または、仮想ネットワークを構築するために、TAPデバイスのインストールが必要になることもありますよね。

TAPデバイスは、Windowsで仮想的なネットワークカードを作成するためのドライバのこと。

VPNソフトや仮想化ソフトウェアが、このドライバを使って仮想的なネットワーク接続を実現しているんです。

この記事では、WindowsにTAPデバイスをインストールする方法を、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。

複数のインストール方法と、よくあるトラブルの解決方法も紹介しますよ。

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  1. TAP-Windows Adapterとは?
    1. Windows版のTAPデバイス
    2. TAP-Windows Adapterの役割
    3. 主な用途
    4. バージョンについて
  2. インストール方法1:VPNソフトウェアと一緒にインストール(推奨)
    1. OpenVPNのインストール
    2. その他のVPNソフトウェア
  3. インストール方法2:TAP-Windowsドライバを単独でインストール
    1. OpenVPN公式サイトからダウンロード
    2. インストール後の確認
  4. インストール方法3:ネットワーク設定から手動で追加
    1. ハードウェアの追加ウィザード
  5. インストール後の設定
    1. ネットワークアダプターの確認
    2. アダプター名の変更
    3. IPアドレスの設定
    4. アダプターの有効化・無効化
  6. 複数のTAPアダプターの管理
    1. 複数アダプターの確認
    2. 不要なアダプターの削除
  7. トラブルシューティング
    1. 問題1:「TAP-Windows Adapterが見つかりません」エラー
    2. 問題2:「デバイスの開始に失敗しました」エラー
    3. 問題3:インストール時に「署名に関する警告」が出る
    4. 問題4:VPN接続時に「すべてのTAPアダプターが使用中」エラー
    5. 問題5:ネットワーク接続が遅い
  8. アンインストール方法
    1. 方法1:VPNソフトと一緒にアンインストール
    2. 方法2:コントロールパネルから削除
    3. 方法3:デバイスマネージャーから削除
    4. 完全削除のための追加手順
  9. セキュリティとベストプラクティス
    1. 信頼できるソースからのみダウンロード
    2. ドライバの定期的な更新
    3. 使用しないアダプターは無効化
    4. ファイアウォール設定の確認
  10. まとめ:TAPデバイスのインストールは意外と簡単

TAP-Windows Adapterとは?

まずは、TAPデバイスについて基本を押さえておきましょう。

Windows版のTAPデバイス

LinuxやUnixでは標準機能として提供されているTAPデバイスですが、Windowsでは専用のドライバをインストールする必要があります。

このドライバが「TAP-Windows Adapter」(タップ ウィンドウズ アダプター)と呼ばれるものです。

TAP-Windows Adapterの役割

TAP-Windows Adapterは:

  • 仮想的なネットワークアダプター(ネットワークカード)を作成
  • VPNソフトウェアが使用する仮想トンネルを提供
  • 物理的なネットワークカードがなくても通信可能に

デバイスマネージャーを見ると、「TAP-Windows Adapter V9」などの名前で表示されます。

主な用途

TAPデバイスは、以下のようなソフトウェアで使用されます:

  • OpenVPN:オープンソースのVPNソフトウェア
  • ProtonVPN:セキュリティ重視のVPNサービス
  • SoftEther VPN:多機能なVPNソフトウェア
  • VirtualBox:仮想マシンソフト(ネットワーク設定で使用)
  • その他、仮想ネットワークを必要とするアプリケーション

バージョンについて

TAP-Windows Adapterには複数のバージョンがあります:

  • TAP-Windows 6:古いバージョン
  • TAP-Windows Adapter V9:現在の主流バージョン
  • Wintun:新しい高速なドライバ(Windows 7以降)

最近では、より高速な「Wintun」ドライバへの移行も進んでいますが、多くのVPNソフトはまだTAP-Windows Adapterを使用しています。

インストール方法1:VPNソフトウェアと一緒にインストール(推奨)

最も簡単で確実な方法は、VPNソフトウェアのインストール時に自動的にインストールさせることです。

OpenVPNのインストール

OpenVPNをインストールすると、TAP-Windows Adapterも自動的にインストールされます。

手順1:OpenVPNをダウンロード

OpenVPNの公式サイトにアクセスします:

https://openvpn.net/community-downloads/

Windows用のインストーラー(.exeファイル)をダウンロードしてください。

手順2:インストーラーを実行

ダウンロードしたファイルをダブルクリックして実行します。

手順3:コンポーネントの選択

インストール中に「コンポーネントの選択」画面が表示されます。

ここで「TAP-Windows Adapter」にチェックが入っていることを確認してください。

デフォルトでチェックが入っているはずです。

手順4:インストールの続行

「次へ」をクリックして、インストールを続けます。

途中で「このデバイスソフトウェアをインストールしますか?」というWindowsのセキュリティ警告が表示されたら、「インストール」をクリックしてください。

手順5:インストール完了

インストールが完了すると、TAP-Windows Adapterも一緒にインストールされています。

その他のVPNソフトウェア

OpenVPN以外のVPNソフトでも、同様の手順でTAPドライバがインストールされます:

ProtonVPN:

  • ProtonVPNクライアントをインストール
  • 初回起動時にTAPドライバのインストールを促される
  • 指示に従ってインストール

SoftEther VPN:

  • SoftEther VPNクライアントをインストール
  • セットアップ中に仮想ネットワークアダプターが自動インストール

多くの場合、VPNソフトのインストーラーが自動的にTAPドライバを検出してインストールしてくれます。

インストール方法2:TAP-Windowsドライバを単独でインストール

VPNソフトなしで、TAPドライバだけをインストールすることもできます。

OpenVPN公式サイトからダウンロード

手順1:ダウンロードページにアクセス

OpenVPNのTAPドライバ専用ページにアクセスします:

https://build.openvpn.net/downloads/releases/

手順2:最新版を選択

「tap-windows-」で始まるフォルダを探します。

例:tap-windows-9.24.7-I601/

このフォルダ内の「.exe」ファイルをダウンロードしてください。

手順3:インストーラーを実行

ダウンロードしたファイルを右クリックして、「管理者として実行」を選択します。

管理者権限が必要なため、UACプロンプト(ユーザーアカウント制御)が表示されたら「はい」をクリックしてください。

手順4:インストールウィザードに従う

インストールウィザードが起動します。

「Next」をクリックして、ライセンス条項に同意し、インストールを進めます。

手順5:デバイスソフトウェアの許可

「このデバイスソフトウェアをインストールしますか?」という警告が表示されたら、「インストール」をクリックします。

手順6:インストール完了

「Finish」をクリックして完了です。

インストール後の確認

デバイスマネージャーで確認してみましょう。

手順:

  1. スタートメニューを右クリック
  2. 「デバイスマネージャー」を選択
  3. 「ネットワークアダプター」を展開
  4. 「TAP-Windows Adapter V9」が表示されていればOK

アダプター名は、インストールしたバージョンによって若干異なることがあります。

インストール方法3:ネットワーク設定から手動で追加

既にドライバがインストールされている場合、ネットワーク設定から手動でアダプターを追加することもできます。

ハードウェアの追加ウィザード

手順1:デバイスマネージャーを開く

スタートメニューを右クリック → 「デバイスマネージャー」

手順2:レガシハードウェアの追加

上部メニューの「操作」→「レガシハードウェアの追加」をクリック。

(表示されない場合は、この方法は使えません)

手順3:ハードウェアの選択

「ハードウェアを一覧から選択してインストールする」を選び、「ネットワークアダプター」を選択します。

手順4:製造元とモデルの選択

  • 製造元:「TAP-Windows Provider V9」または「OpenVPN Technologies」
  • モデル:「TAP-Windows Adapter V9」

を選択して「次へ」をクリックします。

手順5:インストール完了

インストールが完了すると、新しいTAPアダプターが追加されます。

インストール後の設定

TAPデバイスをインストールした後の基本的な設定を見ていきましょう。

ネットワークアダプターの確認

手順1:ネットワーク接続を開く

Windows 10/11の場合:

  1. スタートメニューで「設定」を開く
  2. 「ネットワークとインターネット」を選択
  3. 「アダプターのオプションを変更する」をクリック

または、コントロールパネルから:

  1. コントロールパネルを開く
  2. 「ネットワークとインターネット」
  3. 「ネットワーク接続」

手順2:TAPアダプターを確認

「イーサネット」や「ローカルエリア接続」の中に、「TAP-Windows Adapter V9」という名前のアダプターが表示されているはずです。

アダプター名の変更

分かりやすい名前に変更できます。

手順:

  1. TAPアダプターを右クリック
  2. 「名前の変更」を選択
  3. 例えば「OpenVPN」などの分かりやすい名前に変更

IPアドレスの設定

通常、VPNソフトが自動的にIPアドレスを設定してくれます。

手動で設定する場合:

手順:

  1. TAPアダプターを右クリック
  2. 「プロパティ」を選択
  3. 「インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)」を選択
  4. 「プロパティ」をクリック
  5. IPアドレスなどを設定

ただし、VPNソフトを使用する場合は、自動取得のままにしておくのが一般的です。

アダプターの有効化・無効化

必要に応じて、アダプターを有効化・無効化できます。

有効化:

  1. アダプターを右クリック
  2. 「有効にする」を選択

無効化:

  1. アダプターを右クリック
  2. 「無効にする」を選択

VPNを使用しない時は無効化しておいても構いません。

複数のTAPアダプターの管理

複数のVPNソフトをインストールすると、TAPアダプターが複数作成されることがあります。

複数アダプターの確認

デバイスマネージャーの「ネットワークアダプター」で、TAPアダプターがいくつあるか確認できます。

例:

  • TAP-Windows Adapter V9 #1
  • TAP-Windows Adapter V9 #2
  • TAP-Windows Adapter V9 #3

不要なアダプターの削除

手順:

  1. デバイスマネージャーを開く
  2. 「ネットワークアダプター」を展開
  3. 不要なTAPアダプターを右クリック
  4. 「デバイスのアンインストール」を選択
  5. 「このデバイスのドライバーを削除する」にチェック(オプション)
  6. 「アンインストール」をクリック

注意:
使用中のVPNソフトが利用しているアダプターは削除しないでください。

トラブルシューティング

よくある問題と解決方法を紹介します。

問題1:「TAP-Windows Adapterが見つかりません」エラー

原因:
TAPドライバが正しくインストールされていません。

解決方法:

方法1:VPNソフトを再インストール

VPNソフトをアンインストールしてから、再度インストールしてください。

方法2:TAPドライバを単独でインストール

前述の「方法2」に従って、TAPドライバを単独でインストールします。

方法3:管理者権限で実行

インストーラーを右クリック → 「管理者として実行」

問題2:「デバイスの開始に失敗しました」エラー

原因:
ドライバが正常に動作していません。

解決方法:

手順1:デバイスマネージャーで確認

デバイスマネージャーでTAPアダプターに黄色い警告マークが表示されていないか確認します。

手順2:ドライバーの更新

  1. TAPアダプターを右クリック
  2. 「ドライバーの更新」を選択
  3. 「ドライバーソフトウェアの最新版を自動検索」

手順3:デバイスを削除して再インストール

  1. TAPアダプターを右クリック
  2. 「デバイスのアンインストール」
  3. 「このデバイスのドライバーを削除する」にチェック
  4. PCを再起動
  5. VPNソフトまたはTAPドライバを再インストール

問題3:インストール時に「署名に関する警告」が出る

原因:
ドライバが正式に署名されていないバージョンの可能性があります。

解決方法:

最新の正式版をダウンロード:

OpenVPN公式サイトから最新の署名済みバージョンをダウンロードしてください。

古いバージョンや非公式版は避けましょう。

問題4:VPN接続時に「すべてのTAPアダプターが使用中」エラー

原因:
使用可能なTAPアダプターがありません。

解決方法:

方法1:使用中のVPN接続を切断

他のVPNソフトがTAPアダプターを使用している可能性があります。

方法2:追加のTAPアダプターを作成

VPNソフトのインストーラーを再実行するか、「方法3」の手動追加を試してください。

問題5:ネットワーク接続が遅い

原因:
TAPアダプターの設定が最適化されていません。

解決方法:

手順1:アダプターのプロパティを開く

  1. TAPアダプターを右クリック
  2. 「プロパティ」を選択

手順2:不要なプロトコルを無効化

以下のチェックを外してみてください:

  • Microsoft ネットワーク用ファイルとプリンター共有
  • Microsoft ネットワーク用クライアント
  • QoSパケットスケジューラ(必要な場合を除く)

IPv6を使用しない場合は、「インターネットプロトコルバージョン6(TCP/IPv6)」のチェックも外せます。

アンインストール方法

TAPデバイスが不要になった場合の削除方法です。

方法1:VPNソフトと一緒にアンインストール

VPNソフトをアンインストールすると、TAPアダプターも自動的に削除されることがあります。

手順:

  1. 「設定」→「アプリ」→「アプリと機能」
  2. VPNソフト(例:OpenVPN)を選択
  3. 「アンインストール」をクリック
  4. アンインストールウィザードに従う

方法2:コントロールパネルから削除

TAPドライバだけを個別に削除することもできます。

手順:

  1. コントロールパネルを開く
  2. 「プログラムのアンインストール」
  3. 「TAP-Windows」または「TAP-Windows Provider V9」を探す
  4. 選択して「アンインストール」

方法3:デバイスマネージャーから削除

手順:

  1. デバイスマネージャーを開く
  2. 「ネットワークアダプター」を展開
  3. TAPアダプターを右クリック
  4. 「デバイスのアンインストール」
  5. 「このデバイスのドライバーを削除する」にチェック
  6. 「アンインストール」をクリック

完全削除のための追加手順

ドライバファイルが残っている場合があります。

手順:

  1. エクスプローラーで以下のフォルダを開く:
   C:\Program Files\TAP-Windows
  1. フォルダが存在する場合は削除
  2. レジストリエディタで関連エントリを削除(上級者向け)

注意:
レジストリの編集は慎重に行ってください。間違えるとシステムが不安定になる可能性があります。

セキュリティとベストプラクティス

TAPデバイスを安全に使用するための注意点です。

信頼できるソースからのみダウンロード

TAPドライバは、必ず公式サイトまたは信頼できるVPNベンダーから入手してください。

非公式版やサードパーティのサイトからのダウンロードは避けましょう。

ドライバの定期的な更新

セキュリティの観点から、TAPドライバは定期的に更新することが推奨されます。

VPNソフトを更新すると、通常はTAPドライバも一緒に更新されます。

使用しないアダプターは無効化

複数のTAPアダプターがあり、使用していないものは無効化しておくと良いでしょう。

セキュリティリスクを減らせます。

ファイアウォール設定の確認

TAPアダプターも通常のネットワークアダプターと同様に、Windowsファイアウォールの対象になります。

必要に応じて、ファイアウォールルールを設定してください。

まとめ:TAPデバイスのインストールは意外と簡単

WindowsにTAPデバイスをインストールする方法をまとめます。

主なインストール方法:

1. VPNソフトと一緒にインストール(推奨)

  • OpenVPN、ProtonVPNなどのインストール時に自動インストール
  • 最も簡単で確実
  • 初心者におすすめ

2. TAPドライバを単独でインストール

  • OpenVPN公式サイトからダウンロード
  • VPNソフト不要の場合に便利
  • 管理者権限が必要

3. 手動でアダプターを追加

  • デバイスマネージャーから追加
  • 既にドライバがある場合のみ
  • 上級者向け

インストール後の確認:

  • デバイスマネージャーで確認
  • ネットワーク接続で確認
  • VPNソフトで動作テスト

よくあるトラブル:

  • 「TAP-Windows Adapterが見つかりません」→ 再インストール
  • 「デバイスの開始に失敗」→ ドライバーの更新
  • 複数アダプターの競合 → 不要なものを削除

セキュリティのポイント:

  • 公式サイトからダウンロード
  • 定期的な更新
  • 使用しないアダプターは無効化
  • ファイアウォール設定の確認

WindowsでTAPデバイスをインストールするのは、思ったよりも簡単です。

多くの場合、VPNソフトをインストールするだけで自動的にTAPドライバもインストールされます。

もしエラーが出ても、この記事で紹介したトラブルシューティングの手順に従えば、ほとんどの問題は解決できるはずです。

VPNを安全に使用するため、または仮想ネットワークを構築するため、TAPデバイスは欠かせない要素です。

正しくインストールして、快適なネットワーク環境を整えてくださいね。

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