Windows時刻同期をコマンドで行う方法

Windows

時刻同期とは、パソコンの時計を正確な時間に合わせる機能のことです。インターネット上にある正確な時刻を提供するサーバー(タイムサーバー)と通信して、パソコンの時計のズレを自動で修正します。

普段は気にならないかもしれませんが、パソコンの内蔵時計は少しずつずれていきます。

このずれを放置していると、様々な問題が発生する可能性があります。

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時刻同期が重要な理由

ファイルの作成日時の正確性

文書管理での重要性
ワードやエクセルファイルの作成日時が正しく記録されないと、どのファイルが最新なのかわからなくなってしまいます。

バックアップの信頼性
バックアップファイルの日時が正しくないと、復元時に古いデータを選んでしまう危険があります。

セキュリティ証明書の検証

ウェブサイトのセキュリティ
HTTPSサイトにアクセスする際、セキュリティ証明書の有効期限をチェックしますが、時刻がずれていると正常にアクセスできなくなる場合があります。

ソフトウェアのライセンス認証
一部のソフトウェアは時刻を参照してライセンスの有効性を確認するため、時刻のずれが原因で使用できなくなることがあります。

ログファイルの整合性

システムログの正確性
パソコンの動作ログやエラーログの時刻が正しくないと、問題の原因を特定する際に困難が生じます。

コマンドプロンプトを使った時刻同期の方法

準備:管理者権限でコマンドプロンプトを開く

時刻同期のコマンドを実行するには、管理者権限が必要です。以下の手順で準備してください。

ステップ1:スタートメニューを開く

キーボードのWindowsキーを押すか、画面左下のスタートボタンをクリックします。

ステップ2:コマンドプロンプトを検索

検索ボックスに「cmd」または「コマンドプロンプト」と入力します。

ステップ3:管理者として実行

検索結果に表示された「コマンドプロンプト」を右クリックして、「管理者として実行」を選択します。ユーザーアカウント制御の画面が表示されたら「はい」をクリックします。

基本的な時刻同期コマンド

即座に時刻を同期する

w32tm /resync

このコマンドを実行すると、Windowsが設定されたタイムサーバーに接続して、すぐに時刻を同期します。正常に完了すると「コマンドは正常に完了しました」というメッセージが表示されます。

より強制的な同期を行う

w32tm /resync /force

通常の同期で問題が解決しない場合は、/force オプションを追加することで、より強制的に同期を実行できます。

時刻同期の状態を確認するコマンド

現在の同期状態を確認

w32tm /query /status

このコマンドを実行すると、以下のような情報が表示されます:

  • 現在のタイムサーバー
  • 最後に同期した日時
  • 同期の精度
  • エラーの有無

設定されているタイムサーバーを確認

w32tm /query /configuration

どのタイムサーバーが設定されているか、同期の間隔はどのくらいかなど、詳細な設定情報を確認できます。

同期履歴を確認

w32tm /query /peers

接続可能なタイムサーバーの一覧と、それぞれの状態を確認できます。

時刻同期サービスの管理

時刻同期に問題がある場合は、Windows Time サービス自体を再起動することで解決する場合があります。

サービスを停止

net stop w32time

サービスを開始

net start w32time

サービスの再起動(一連の流れ)

net stop w32time
net start w32time
w32tm /resync

この3つのコマンドを順番に実行することで、サービスの完全な再起動と時刻同期を行えます。

タイムサーバーの設定変更

デフォルトのタイムサーバーに問題がある場合や、より正確なサーバーを使用したい場合は、設定を変更することができます。

日本の公式タイムサーバーに変更

NICT(情報通信研究機構)のサーバーを設定

w32tm /config /manualpeerlist:"ntp.nict.jp" /syncfromflags:manual

設定を反映

net stop w32time
net start w32time
w32tm /resync

複数のタイムサーバーを設定

複数サーバーの設定

w32tm /config /manualpeerlist:"ntp.nict.jp,time.google.com,pool.ntp.org"

複数のサーバーを設定することで、一つのサーバーに問題があっても他のサーバーから時刻を取得できます。

トラブルシューティング

時刻同期がうまくいかない場合の対処法をご紹介します。

エラーメッセージの対処法

「タイムアウトしました」エラー
ネットワーク接続やファイアウォール設定を確認してください。会社のネットワークでは、NTPポート(123番)がブロックされている可能性があります。

「アクセスが拒否されました」エラー
コマンドプロンプトが管理者権限で実行されているか確認してください。

「サービスが開始されていません」エラー
Windows Time サービスが停止している可能性があります。net start w32time で開始してください。

ネットワーク関連の問題

ファイアウォールの設定確認
Windowsファイアウォールが時刻同期をブロックしていないか確認します。「Windows Defender ファイアウォール」の設定で「Windows Time」が許可されているかチェックしてください。

プロキシサーバーの影響
会社などでプロキシサーバーを使用している場合、時刻同期が正常に動作しない可能性があります。ネットワーク管理者に相談してください。

レジストリの修復

極端に時刻がずれている場合は、レジストリの設定をリセットすることで解決する場合があります:

w32tm /unregister
w32tm /register
net start w32time
w32tm /config /update
w32tm /resync

自動同期の設定確認

Windowsは通常、自動で時刻同期を行いますが、設定を確認しておくことをおすすめします。

GUI での設定確認

日付と時刻の設定を開く 「設定」→「時刻と言語」→「日付と時刻」から、「時刻を自動的に設定する」がオンになっているか確認します。

詳細設定の確認 「追加の日付、時刻、地域の設定」→「日付と時刻」→「インターネット時刻」タブで設定を確認できます。

コマンドでの設定確認

同期間隔の確認

w32tm /query /configuration

このコマンドで、どのくらいの間隔で自動同期が行われるかを確認できます。

時刻同期の頻度を変更する方法

デフォルトでは週に1回程度の同期ですが、より頻繁に同期したい場合は設定を変更できます。

同期間隔を1日に変更

w32tm /config /update /manualpeerlist:"ntp.nict.jp" /syncfromflags:manual /reliable:yes /SpecialPollInterval:86400

SpecialPollInterval の値は秒単位で設定します(86400秒 = 24時間)。

まとめ

Windows の時刻同期は、w32tm コマンドを使用することで簡単に実行できます。基本的には w32tm /resync コマンドを管理者権限で実行するだけで、すぐに正確な時刻に同期されます。

時刻のずれは様々な問題の原因となるため、定期的に確認することをおすすめします。自動同期が正常に動作していれば普段は意識する必要はありませんが、問題が発生した場合はここでご紹介したコマンドを活用してみてください。

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