パソコンを使っていて、こんな経験はありませんか?
「ちょっと席を離れただけなのに、パソコンが勝手にスリープして困る…」
「プレゼン中に画面が消えてしまって恥ずかしい思いをした」
「逆に、省電力のために短時間でスリープさせたい」
そんな時に知っておきたいのが、Windowsの「スリープ時間」の変更方法です。
スリープ時間を自分の使い方に合わせて調整することで、もっと快適にパソコンを使えるようになります。
長時間の作業中は長めに設定し、バッテリーを節約したい時は短めに設定するなど、状況に応じて使い分けることができます。
この記事では、Windows 10・11に対応したスリープ時間の設定変更手順を、初心者の方にも分かりやすく解説します。
合わせて「スリープが効かない」「設定がグレーアウトして変更できない」などのトラブル対処法も紹介します。
スリープって何?

まず、「スリープ」がどんな機能なのかを簡単にご説明します。
スリープとは: パソコンを一時的に省電力状態にして、使っていない時の電力消費を抑える機能です。
スリープ中に起こること:
- メモリに作業状態を保持したまま、画面やハードディスクをオフにする
- CPUの動作を最小限に抑える
- 外見上は「電源が切れた」ように見える
スリープから復帰する方法:
- マウスを動かす
- キーボードのキーを押す
- 電源ボタンを軽く押す
復帰は数秒で完了し、作業していた内容がそのまま表示されます。
パソコンの節電と利便性を両立できる便利な機能です。
スリープ時間の変更手順(Windows 10・11 共通)

方法1:設定から変更する(おすすめ)
最も簡単で分かりやすい方法です。
手順:
- 「設定」を開く(
Windowsキー + I
) - 「システム」をクリック
- 左側のメニューから「電源とバッテリー」(Windows 11)または「電源とスリープ」(Windows 10)をクリック
設定できる項目
以下の項目を自分の好みに変更できます:
設定項目 | 説明 | おすすめ設定例 |
---|---|---|
画面を切るまでの時間 | 画面だけを消す時間 | 5-15分 |
スリープにするまでの時間 | パソコン全体をスリープにする時間 | 15-30分 |
重要なポイント:
- 「バッテリー使用時」と「電源接続時」で別々に設定できます
- ノートパソコンの場合、バッテリー使用時は短め、電源接続時は長めに設定するのがおすすめ
状況別のおすすめ設定例
使用状況 | スリープ時間のおすすめ設定 | 理由 |
---|---|---|
デスクトップPC | 電源接続時:20-30分 | 電力消費を気にせず使える |
ノートPC(外出先) | バッテリー使用時:5-10分 | バッテリーを長持ちさせたい |
プレゼン中・動画視聴中 | 「スリープしない」に設定 | 中断されたくない |
夜間・長時間離席 | 5-10分 | 省電力と作業再開のバランス |
方法2:電源プランから詳細設定する
より細かく設定したい場合は、従来の電源オプションからも変更できます。
手順:
- スタートメニューで「コントロールパネル」と検索してクリック
- 「ハードウェアとサウンド」→「電源オプション」をクリック
- 現在使用中のプランの「プラン設定の変更」をクリック
- 「コンピューターをスリープ状態にする」の時間を変更
さらに詳細設定: 「詳細な電源設定の変更」をクリックすると、以下のような細かい設定も可能です:
- USBデバイスによるスリープ解除の許可・禁止
- タイマーによるスリープ解除の設定
- ハードディスクの電源を切る時間
これらの設定は上級者向けですが、より細かく電源管理をしたい場合に便利です。
スリープが効かない・勝手に解除される時の対処法

スリープに関するトラブルと対処法をご紹介します。
よくある原因と対処方法
原因 | 対処方法 | 確認方法 |
---|---|---|
バックグラウンドアプリが動作中 | 不要なアプリを終了する | タスクマネージャーで確認 |
デバイスがスリープ解除を許可している | デバイスマネージャーで設定変更 | マウス・キーボードの電源管理設定 |
Windows Updateの影響 | アップデート後に再設定 | 設定を再確認 |
スケジュールされたタスクが実行中 | タスクスケジューラーで確認 | 自動実行されるプログラムをチェック |
コマンドで原因を調べる方法
PowerShellを使って、スリープを妨げている原因を調べることができます。
手順:
- スタートメニューで「PowerShell」と検索
- 「Windows PowerShell」をクリック
- 以下のコマンドを入力:
powercfg /requests
このコマンドで、スリープを妨げているプロセスやデバイスが表示されます。
出力例の見方:
DISPLAY:
:画面を点灯させ続けているプロセスSYSTEM:
:システムをスリープさせないプロセスAWAYMODE:
:アウェイモードを要求しているプロセス
スリープを完全に無効にしたい場合
「パソコンを常に起動状態にしておきたい」という場合の設定方法です。
設定画面から無効にする
手順:
- 設定 → 「システム」→「電源とバッテリー」
- 画面とスリープの両方を「なし」または「しない」に変更
こんな時におすすめ
- サーバーとして使用:24時間稼働させたい
- ダウンロード中:大きなファイルのダウンロードが中断されないように
- リモートアクセス:外部から接続できるようにしたい
- 監視カメラ:常時録画したい
注意点:
- 電力消費が増えます
- ハードウェアの寿命に影響する場合があります
- 必要な時だけ無効にして、普段は適切なスリープ時間を設定しましょう
よくある質問

Q1. スリープと休止状態の違いは何ですか?
A.
- スリープ:メモリに情報を保持、復帰が早い(数秒)、わずかに電力消費
- 休止状態:ハードディスクに情報を保存、復帰に時間がかかる(数十秒)、電力消費なし
通常の使用ではスリープがおすすめです。
Q2. ノートパソコンの画面を閉じた時の動作も変更できますか?
A. はい、可能です。電源オプションの「電源ボタンの動作を選択する」から「ふたを閉じたときの動作」を変更できます。
Q3. スリープ中にパソコンが勝手に起動してしまいます
A. よくある原因は:
- マウスやキーボードの振動
- ネットワークアダプターの設定
- スケジュールされたタスク
デバイスマネージャーで各デバイスの「電源の管理」タブを確認し、「このデバイスで、コンピューターのスタンバイ状態を解除できるようにする」のチェックを外してみてください。
Q4. 設定が勝手に変わってしまいます
A. Windows Updateやドライバーの更新後に設定がリセットされることがあります。
定期的に設定を確認し、必要に応じて再設定しましょう。
まとめ
Windowsのスリープ時間は、使用スタイルに応じてカスタマイズすることで、快適さと省電力の両立が可能になります。
この記事の重要なポイント:
- スリープ時間は「設定」や「電源オプション」から簡単に変更できる
- ノートPCとデスクトップPCで設定を使い分けよう
- バッテリー使用時と電源接続時で別々に設定できる
- スリープが効かない時は
powercfg /requests
で原因を調査 - 必要に応じて「スリープを無効」にすることも可能
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