【完全解決】Windowsの「回復環境が見つかりません」エラーの原因と対処法

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「回復環境が見つかりません」エラーとは?

パソコンの調子が悪くなって、Windowsを初期化しようとしたことはありませんか?そんな時に表示されるのが「回復環境が見つかりません」というエラーメッセージです。

このエラーが出ると、パソコンをリセットできなくなってしまいます。完全なメッセージは次のようなものです:

回復環境が見つかりません
Windowsインストールメディアまたはリカバリメディアを挿入し、そのメディアからPCを再起動してください。

実は、このエラーはWindows 10とWindows 11の両方で起こる可能性があります。でも安心してください。この記事を読めば、解決方法がわかりますよ。

Windows回復環境(WinRE)って何?

Windows回復環境は、パソコンに問題が起きた時に使う特別なツールです。正式名称は「Windows Recovery Environment」で、略して「WinRE(ウィンアールイー)」と呼ばれています。

この機能があると、以下のようなことができます:

  • パソコンを工場出荷時の状態に戻す(初期化)
  • システムの復元ポイントから回復する
  • 起動に関するトラブルを修復する
  • コマンドプロンプトを使った高度な修復作業

つまり、パソコンが壊れかけた時の「救急箱」のような存在なんです。


エラーが発生する主な原因

「回復環境が見つかりません」エラーが出る理由は、主に以下の4つです。

1. 回復環境が無効になっている

何かの拍子でWindows回復環境が無効化されてしまうことがあります。これは設定の問題なので、簡単に修正できる可能性が高いです。

2. Winre.wimファイルの破損・紛失

「Winre.wim(ウィンアールイー・ウィム)」というファイルは、回復環境の本体となる重要なファイルです。このファイルが壊れていたり、削除されていたりすると、回復環境を起動できません。

通常、このファイルは以下の場所に保存されています:

  • C:\Recovery\WindowsRE\Winre.wim
  • C:\Windows\System32\Recovery\Winre.wim

3. 回復パーティションの削除・破損

ハードディスクの中には、回復用の特別な領域(パーティション)が確保されています。ディスク管理でパーティションを整理した際に、誤ってこの領域を削除してしまうケースがあります。

4. BitLockerとの競合

BitLocker(ビットロッカー)というドライブ暗号化機能が有効になっていると、回復環境を有効化できない場合があります。


解決方法1:回復環境を有効化する

まずは、回復環境が無効になっていないか確認して、有効化してみましょう。これが最も簡単な解決方法です。

手順

ステップ1:コマンドプロンプトを管理者として開く

  1. キーボードで「Windows」キーを押す
  2. 「cmd」と入力する
  3. 「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択

ステップ2:回復環境の状態を確認する

コマンドプロンプトに以下のコマンドを入力して、Enterキーを押します:

reagentc /info

このコマンドを実行すると、現在の状態が表示されます。注目すべきは「Windows REの状態」という項目です。

  • Enabled(有効)と表示された場合:回復環境は正常です。別の原因を探る必要があります
  • Disabled(無効)と表示された場合:次のステップに進みます

ステップ3:回復環境を有効化する

無効になっていた場合、以下のコマンドで有効化できます:

reagentc /enable

成功すると「操作は正常に完了しました」というメッセージが表示されます。

ステップ4:パソコンを再起動する

コマンドプロンプトを閉じて、パソコンを再起動しましょう。これでもう一度「このPCを初期状態に戻す」を試してみてください。

うまくいかない場合

もし「reagentc /enable」を実行しても以下のようなエラーが出る場合:

  • 「Windows REイメージは見つかりませんでした」
  • 「BitLockerドライブの暗号化が有効になっているボリュームでは有効にできません」

これらの場合は、次の解決方法に進んでください。


解決方法2:Winre.wimファイルを確認・修復する

回復環境を有効化できない場合、Winre.wimファイル自体に問題がある可能性があります。

手順

ステップ1:Winre.wimファイルを探す

管理者権限のコマンドプロンプトで以下のコマンドを実行します:

dir /a /s c:\winre.wim

このコマンドは、Cドライブ全体からWinre.wimファイルを探してくれます。

ステップ2:ファイルが見つかった場合

ファイルの場所が表示されたら(例:C:\Recovery\WindowsRE\Winre.wim)、次のコマンドでパスを設定します:

reagentc /setreimage /path C:\Recovery\WindowsRE

※パスは実際にファイルが見つかった場所に合わせて変更してください。フォルダパスのみを指定し、ファイル名は含めません。

その後、もう一度有効化を試します:

reagentc /enable

ステップ3:ファイルが見つからない場合

Winre.wimファイルが完全に欠落している場合は、Windowsのインストールメディアからファイルをコピーする必要があります。

WindowsインストールメディアからWinre.wimを取得する方法

この作業は少し複雑ですが、順番に進めれば大丈夫です。

必要なもの:

  • 8GB以上のUSBメモリ(中身は消えるので注意)
  • インターネット接続
  • 別のパソコン(問題のパソコンが起動できない場合)

手順:

  1. Microsoftの公式サイトから「メディア作成ツール」をダウンロード
  • Windows 10の場合:Microsoft公式ダウンロードページで「今すぐダウンロード」を選択
  • Windows 11の場合:同じく公式ページから取得
  1. メディア作成ツールを実行してUSBメモリにインストールメディアを作成
  2. 作成したUSBメモリの中から以下のファイルを探します:
  • sources\install.wim または sources\install.esd
  1. このファイルから、問題のパソコンのエディション(HomeまたはPro)に合ったWinre.wimを抽出
  2. 抽出したWinre.wimを C:\Windows\System32\Recovery フォルダにコピー
  3. もう一度、reagentc /enable を実行

注意点:

  • この作業にはDISMコマンドなど高度な操作が必要です
  • 不安な場合は、解決方法3のインストールメディアを使った直接リセットの方が簡単です

解決方法3:インストールメディアを使用する

回復環境の修復が難しい場合、Windowsインストールメディアから直接リセットする方法が確実です。

手順

ステップ1:インストールメディアを作成

解決方法2で説明した手順で、USBメモリにWindowsのインストールメディアを作成します。

ステップ2:USBメモリから起動する

  1. 作成したUSBメモリをパソコンに接続
  2. パソコンを再起動
  3. 起動時にBIOSまたはUEFIのブートメニューを開く
  • 通常はF2、F12、Del、Escキーなどを押します(メーカーによって異なります)
  1. USBメモリを起動デバイスとして選択

ステップ3:修復環境に入る

  1. Windows セットアップ画面が表示されたら、右下の「コンピューターを修復する」をクリック
  2. 「トラブルシューティング」を選択
  3. 「このPCを初期状態に戻す」を選択

ステップ4:リセット方法を選択

次の2つのオプションから選べます:

  • 個人用ファイルを保持する:写真や文書などは残したまま、アプリと設定だけを削除
  • すべて削除する:パソコンを完全に工場出荷時の状態に戻す

あとは画面の指示に従って進めれば、リセットが完了します。

メリットとデメリット

メリット:

  • 回復環境の修復作業が不要
  • 確実にリセットできる
  • 最新のWindowsをクリーンインストールできる

デメリット:

  • USBメモリとインターネット接続が必要
  • データのバックアップを忘れると取り戻せない
  • 時間がかかる(1〜2時間程度)

解決方法4:BitLockerを一時的に無効化する

BitLockerが有効になっているせいで回復環境を有効化できない場合の対処法です。

手順

ステップ1:BitLockerの状態を確認

  1. スタートメニューで「BitLocker」と検索
  2. 「BitLockerの管理」を開く
  3. Cドライブ(OSがインストールされているドライブ)にBitLockerが有効になっているか確認

ステップ2:BitLockerを一時的にオフにする

BitLockerが有効な場合:

  1. 該当ドライブの横にある「BitLockerをオフにする」をクリック
  2. 確認画面で「BitLockerをオフにする」を選択
  3. 解除には時間がかかる場合があります(ドライブの容量による)

コマンドで実行する場合:

管理者権限のコマンドプロンプトで以下を実行:

manage-bde -off C:

ステップ3:回復環境を有効化

reagentc /enable

ステップ4:BitLockerを再度有効にする(オプション)

回復環境の有効化が成功したら、必要に応じてBitLockerを再び有効にできます:

manage-bde -on C:

または、BitLockerの管理画面から「BitLockerを有効にする」を選択します。


よくある質問

Q1:回復環境を有効化すると、データは消えますか?

A:いいえ、消えません。

回復環境を有効化するだけなら、保存されているファイルやアプリには一切影響がありません。あくまで「回復機能を使えるようにする」だけの作業です。

ただし、実際にパソコンをリセットする時は、選択したオプションによってデータが消える場合があります。

Q2:回復パーティションを誤って削除してしまいました。どうすれば?

A:インストールメディアを使って修復できます。

回復パーティションが完全に削除されている場合、解決方法3(インストールメディアを使用する方法)が最も確実です。

または、Windowsをクリーンインストールすることで、回復パーティションも自動的に再作成されます。

Q3:「reagentc /enable」で「アクセスが拒否されました」と表示されます

A:管理者権限でコマンドプロンプトを開いていない可能性があります。

必ず「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択してください。通常の権限では、システムの重要な設定を変更できません。

Q4:回復環境を有効化したのに、まだエラーが出ます

A:以下の可能性を確認してください:

  1. Winre.wimファイルが破損している → 解決方法2を試す
  2. 回復パーティションに問題がある → 解決方法3を試す
  3. システムファイルが破損している → 以下のコマンドを実行:
sfc /scannow

このコマンドでWindowsのシステムファイルをスキャンして修復できます。時間がかかりますが、完了を待ってから再度試してみてください。

Q5:Surface、Dell、HP、Lenovoなどの特定メーカーで注意点はありますか?

A:基本的な解決方法は同じですが、一部メーカー独自の回復機能があります。

  • Dell:Dell SupportAssist OS Recoveryという独自ツールがある場合があります
  • HP:HP Recovery Managerが用意されている機種があります
  • Lenovo:Lenovo OneKey Recoveryという専用ツールがあります
  • Surface:マイクロソフト製なので標準的なWindows回復環境が使えます

メーカー独自のツールがある場合は、そちらを使う方が簡単な場合もあります。取扱説明書やメーカーのサポートサイトを確認してみてください。


まとめ

「回復環境が見つかりません」エラーは、Windows 10/11でパソコンをリセットしようとした時によく遭遇するトラブルです。

原因は主に4つ:

  1. 回復環境が無効になっている
  2. Winre.wimファイルの破損・紛失
  3. 回復パーティションの削除・破損
  4. BitLockerとの競合

解決方法の優先順位:

  1. まず「reagentc /enable」で有効化を試す(最も簡単)
  2. それでもダメならWinre.wimファイルを確認・修復
  3. BitLockerが有効なら一時的に無効化してみる
  4. どうしても解決しない場合はインストールメディアからリセット

多くの場合、解決方法1の「回復環境を有効化する」だけで解決します。コマンドプロンプトの操作に不安がある場合でも、記事の手順通りに進めれば大丈夫です。

それでも解決しない場合は、Windowsインストールメディアを使った方法が確実です。少し時間はかかりますが、クリーンな状態からスタートできるメリットもあります。

大切なこと:

  • 作業前に必ず重要なデータをバックアップする
  • わからない場合は無理せず、専門家に相談するのも選択肢の一つ
  • 定期的なバックアップの習慣をつけると、こういったトラブルも怖くなくなります

この記事が、あなたのパソコンの問題解決に役立つことを願っています。

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