「ダウンロードしたソフトを実行したら警告が…」 「WindowsによってPCが保護されましたって何?」 「詳細情報がどこにあるか分からない…」 「毎回この警告が出てうっとうしい…」
信頼できるソフトをダウンロードしたのに、実行しようとすると青い画面で警告が表示される。これ、多くの人が経験する悩みですよね。
実は、これはWindows SmartScreen(スマートスクリーン)という保護機能が働いているんです。悪意のあるソフトからPCを守る重要な機能ですが、安全なソフトまでブロックしてしまうことがあります。
この記事では、SmartScreenの仕組みから、安全にソフトを実行する方法、設定の変更まで、すべてを分かりやすく解説します。
セキュリティを保ちながら、必要なソフトを使えるようになりましょう!
SmartScreenとは? – Windowsの門番機能

あなたのPCを守る3つの仕組み
SmartScreenは、以下の方法でソフトウェアの安全性をチェックしています:
1. デジタル署名の確認
- ソフトウェアの開発者が誰か確認
- 改ざんされていないか検証
- 信頼できる証明書があるかチェック
2. レピュテーション(評判)チェック
- 他のユーザーの使用実績
- マイクロソフトのデータベースと照合
- 新しいソフトは「認識されていない」と判定
3. マルウェアスキャン
- ウイルスやマルウェアの可能性
- 不審な動作パターンの検出
- リアルタイムでの脅威分析
なぜ安全なソフトもブロックされる?
主な理由:
- 開発者がデジタル署名をしていない(コストの問題)
- まだ十分な使用実績がない(新しいソフト)
- フリーソフトや個人開発のツール
- 社内開発の業務用ソフト
警告画面の種類と対処法
パターン1:「WindowsによってPCが保護されました」
表示内容:
Windows Defender SmartScreen
WindowsによってPCが保護されました
認識されないアプリの起動を停止しました。このアプリを実行すると、
PCに問題が起こる可能性があります。
実行する方法:
- 「詳細情報」をクリック(小さく表示されている)
- 「実行」ボタンが表示される
- 「実行」をクリック
パターン2:「このアプリはお使いのデバイスに問題を起こす可能性があります」
より強い警告の場合:
- マルウェアの可能性が高い
- 複数のユーザーから問題報告あり
- この場合は実行を避けるべき
パターン3:Microsoft Storeの推奨
表示内容:
アプリが見つかりませんでした
このアプリを探すには、Microsoft Storeにアクセスしてください。
この場合も「詳細情報」→「実行」で進められます。
安全にソフトを実行する判断基準
実行前にチェックすべき5つのポイント
1. ダウンロード元の確認 ✅ 公式サイトからダウンロードした ✅ 信頼できるサイト(Vector、窓の杜など) ❌ 怪しいサイトや広告からのダウンロード ❌ メールの添付ファイル
2. ファイル名と拡張子 ✅ 予期した名前(setup.exe、installer.msiなど) ❌ 二重拡張子(document.pdf.exe) ❌ 文字化けや異常に長い名前
3. ファイルサイズ ✅ 公式サイトの記載と一致 ❌ 異常に小さい(数KB) ❌ 予想より極端に大きい
4. ウイルスチェック 実行前に必ず右クリック→「Windows Defenderでスキャン」
5. 開発者情報 ✅ 開発者が明確 ✅ サポートページがある ❌ 開発者不明
SmartScreenの設定を変更する方法
Windows 10での設定
設定手順:
- スタート → 設定(歯車アイコン)
- 「更新とセキュリティ」をクリック
- 左メニューの「Windows セキュリティ」
- 「アプリとブラウザーの制御」を開く
- 「評価ベースの保護」の設定
3つのレベル:
- ブロック – 認識されないアプリをブロック(最も安全)
- 警告 – 警告を表示するが実行可能(推奨)
- オフ – SmartScreenを無効化(非推奨)
Windows 11での設定
設定手順:
- 設定アプリを開く(Win + I)
- 「プライバシーとセキュリティ」
- 「Windows セキュリティ」
- 「アプリとブラウザー コントロール」
- 「評価ベースの保護設定」
グループポリシーでの設定(Pro版以上)
企業環境向け:
- gpedit.mscを起動
- コンピューターの構成 → 管理用テンプレート
- Windowsコンポーネント → Windows Defender SmartScreen
- 「エクスプローラー」→「Windows Defender SmartScreenの構成」
- 有効/無効/警告の選択
特定のファイルだけ除外する方法

プロパティから除外する
ブロック解除の手順:
- ダウンロードしたファイルを右クリック
- 「プロパティ」を選択
- 「全般」タブの下部を確認
- 「許可する」にチェック(セキュリティ欄)
- 「OK」をクリック
これで、このファイルはSmartScreenの対象外になります。
PowerShellで一括解除
複数ファイルを一度に解除:
# 特定フォルダ内のすべてのファイルを解除
Get-ChildItem -Path "C:\Downloads" -Recurse | Unblock-File
Microsoft Edge のSmartScreen設定
Edge独自の設定
Edgeの設定:
- Edge の設定メニュー(…)
- 設定 → プライバシー、検索、サービス
- セキュリティ
- 「Microsoft Defender SmartScreen」をオン/オフ
ダウンロード時の警告:
- 「保存」の横の「^」をクリック
- 「保存して実行」を選択可能
開発者向け:自作ソフトの対処法
デジタル署名の取得
コード署名証明書:
- 年間数万円のコスト
- 個人開発者には高額
- 企業なら検討の価値あり
代替案:自己署名証明書
PowerShellでの作成:
# 自己署名証明書の作成
$cert = New-SelfSignedCertificate -Type CodeSigningCert `
-Subject "CN=MyCompany" -CertStoreLocation Cert:\CurrentUser\My
# ソフトウェアへの署名
Set-AuthenticodeSignature -FilePath "MyApp.exe" -Certificate $cert
レピュテーションの構築
認識されるようになるまで:
- 少数のユーザーから使用開始
- 徐々に使用実績を増やす
- 問題報告がなければ信頼度アップ
- 最終的に警告が出なくなる
よくあるトラブルと解決法
Q1:詳細情報が表示されない
解決方法:
- 画面をよく見る(小さい文字で表示)
- 「詳細」「詳細情報」「その他の情報」などの文字を探す
- Tabキーを押して選択を移動
Q2:実行しても起動しない
確認事項:
- ウイルス対策ソフトが別途ブロック
- ファイルが破損している
- 必要なランタイムがない(.NET Framework等)
- 管理者権限が必要
Q3:毎回警告が出る
対処法:
- インストール後も実行ファイルに警告
- プロパティから「許可する」設定
- インストール先をProgram Filesに変更
セキュリティとのバランス
SmartScreenを無効にするリスク
危険性:
- マルウェア感染リスク増大
- ランサムウェアの被害可能性
- 個人情報流出の危険
- PCのパフォーマンス低下
推奨される運用方法
ベストプラクティス:
- SmartScreenは「警告」モードで使用
- 信頼できるソフトのみ例外許可
- 定期的なWindows Update
- 別のウイルス対策ソフトと併用
- 重要データのバックアップ
企業環境での対応
社内開発ソフトへの対処
解決策:
- グループポリシーで除外設定
- 信頼済みサイトゾーンに追加
- 社内認証局でデジタル署名
- SCCM等での配布
エンドユーザー教育
周知すべき内容:
- SmartScreenの目的と重要性
- 安全な回避方法の手順
- 判断に迷った時はIT部門に相談
- 外部ソフトのインストール規則
まとめ – セキュリティを保ちながら必要なソフトを使う
SmartScreenは煩わしく感じることもありますが、重要な保護機能です!
今日学んだポイント:
✅ SmartScreenはPCを守る門番機能
✅ 「詳細情報」→「実行」で回避可能
✅ ダウンロード元の確認が最重要
✅ プロパティから個別に許可設定
✅ 完全無効化は非推奨、警告モードを推奨
安全な運用の鉄則:
- 信頼できるソースからのみダウンロード
- 警告が出たら一度立ち止まって確認
- 不審な点があれば実行しない
- 定期的なバックアップを忘れずに
SmartScreenとうまく付き合えば、セキュリティと利便性を両立できます。
必要なソフトは適切に判断して使用し、怪しいソフトはしっかりブロック。
これで安全で快適なWindows環境を維持できますよ!🛡️
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