「Windowsでマウントって何?」
「ISOファイルをマウントしてくださいと言われたけど、どうすればいいの?」
Linuxを少しかじった人や、ITサポートで「マウントしてください」と言われた初心者が最初に戸惑うのがこの言葉です。
**マウント(mount)**とは簡単にいうと「あるファイルやディスクを、パソコンで使えるように接続すること」です。
Windowsでよく使うマウントの種類
- ISOファイルのマウント:CDやDVDの代わりに仮想ディスクとして使う
- ネットワークドライブのマウント:ネットワーク上の共有フォルダをローカルドライブのように使う
- USBドライブのマウント:外付けドライブを認識させる
この記事では、初心者でもすぐにできる基本操作から、ちょっと応用的な使い方まで、わかりやすく解説します。
マウントの基本概念を理解しよう

そもそも「マウント」とは?
パソコンの世界で「マウント」とは、記録媒体(ディスクやファイル)をシステムが認識して使えるようにすることです。
身近な例で説明すると
- CDをパソコンに入れる → 自動的に「マウント」される
- USBメモリを差す → 「マウント」されてドライブとして表示
- ISOファイルを開く → 「マウント」して仮想ディスクとして使用
Windowsでのマウントの特徴
自動マウント
- USBメモリやCDは差すだけで自動的にマウントされる
- ドライブ文字(C:、D:、E:など)が自動で割り当てられる
手動マウント
- ISOファイルは右クリックでマウント操作が必要
- ネットワークドライブは設定が必要
- 特殊なファイルシステムは専用ソフトが必要
ISOファイルをマウントする方法
ISOファイルって何?
ISOファイルは、CDやDVDの中身を丸ごと1つのファイルにしたものです。これを「マウント」すると、実際のディスクを入れたのと同じように使えます。
ISOファイルの用途
- ソフトウェアのインストールディスク
- OSのインストールメディア
- ゲームのディスク
- バックアップデータ
Windows 10・11での簡単マウント方法
手順1:右クリックでマウント
- ISOファイルを右クリック
- 「マウント」をクリック
- 新しいドライブ(E:やF:など)として表示される
手順2:エクスプローラーで確認
- 「PC」(マイコンピュータ)を開く
- 新しく表示されたドライブをクリック
- ISOの中身がフォルダやファイルとして見える
手順3:ソフトウェアの実行
- setup.exeやinstall.exeがあれば、ダブルクリックで実行
- 通常のCDやDVDと同じように操作できる
Windows 8.1以前の場合
Windows 8.1以前ではISOマウント機能が標準でありません。
対処法
- Virtual CloneDrive(無料)をインストール
- DAEMON Tools Lite(無料版あり)を使用
- 7-ZipでISOの中身を展開して使用
ISOファイルを取り出す(アンマウント)
使い終わったら必ず取り出しましょう。
取り出し手順
- 「PC」を開く
- マウントしたドライブを右クリック
- 「取り出し」をクリック
これで仮想ドライブが消えて、ドライブ文字も解放されます。
ネットワークドライブをマウントする方法

ネットワークドライブとは?
社内のファイルサーバーやNAS(ネットワーク接続ストレージ)の共有フォルダを、自分のPCのドライブ(Z:など)に割り当てることです。
メリット
- ネットワーク上のファイルにローカルドライブと同じようにアクセス
- エクスプローラーで簡単に操作できる
- アプリケーションから直接ファイルを開ける
- 毎回パスを入力する手間が省ける
GUIでネットワークドライブをマウント
Windows 10・11での手順
- エクスプローラーを開く
- 左側の「PC」を右クリック
- 「ネットワーク ドライブの割り当て」をクリック
- ドライブ文字を選択(Z:やY:など、使われていない文字)
- フォルダーのパスを入力
- 例:
\\192.168.1.100\share
- 例:
\\server-name\documents
- 例:
- 認証が必要な場合
- 「異なる資格情報で接続する」にチェック
- ユーザー名とパスワードを入力
- 「完了」をクリック
成功すると
- 新しいドライブが「PC」に表示される
- 普通のドライブと同じように使える
- 次回起動時も自動的に接続される(チェックした場合)
ネットワークパスの書き方
基本形式
\\サーバー名\共有フォルダ名
\\IPアドレス\共有フォルダ名
具体例
\\office-server\documents # サーバー名での指定
\\192.168.1.50\public # IPアドレスで指定
\\nas-storage\backup # NASデバイスへの接続
よくあるエラーと対処法
「ネットワーク パスが見つかりません」
- サーバー名やIPアドレスが間違っている
- ネットワーク接続を確認する
- ファイアウォールの設定を確認する
「アクセスが拒否されました」
- ユーザー名やパスワードが間違っている
- 共有フォルダへのアクセス権限がない
- ドメイン認証が必要な場合は「ドメイン名\ユーザー名」で入力
コマンドでネットワークドライブをマウント
net useコマンドの基本
PowerShellやコマンドプロンプトを使って、コマンドでもネットワークドライブをマウントできます。
基本構文
net use [ドライブ文字:] [\\サーバー\共有フォルダ] [パスワード] /user:[ユーザー名]
具体例
net use Z: \\192.168.1.100\share
認証が必要な場合
net use Z: \\server\documents /user:username password
ドメイン環境の場合
net use Z: \\server\share /user:domain\username password
便利なnet useオプション
永続接続(再起動後も自動接続)
net use Z: \\server\share /persistent:yes
現在の接続状況を確認
net use
特定のドライブの詳細情報
net use Z:
ネットワークドライブを切断(アンマウント)
GUIでの切断
- 「PC」でドライブを右クリック
- 「切断」をクリック
コマンドでの切断
net use Z: /delete
すべてのネットワークドライブを切断
net use * /delete
トラブルシューティング
マウントできない場合の確認ポイント
ISOファイルの場合
- ファイルが破損していないか確認
- ファイル名に日本語や特殊文字が含まれていないか
- 管理者権限で実行してみる
- 他のマウントソフトを試してみる
ネットワークドライブの場合
- サーバーやNASが起動しているか
- ネットワーク接続が正常か(ping コマンドで確認)
- ファイアウォールの設定
- SMBプロトコルのバージョン互換性
セキュリティ関連の注意点
パスワードの扱い
- コマンドでパスワードを指定すると、履歴に残る可能性
- 可能な限りGUIでの設定を推奨
- 共有パソコンではログオフ時に切断する
ネットワークセキュリティ
- 信頼できないネットワークでは使用しない
- VPN経由での接続を検討
- 定期的にパスワードを変更する
応用的な使い方

起動時にネットワークドライブを自動マウント
方法1:バッチファイルを作成
@echo off
net use Z: \\server\share /user:username password
このファイルをスタートアップフォルダに配置
方法2:タスクスケジューラで設定
- タスクスケジューラを起動
- 「基本タスクの作成」
- トリガーを「スタートアップ時」に設定
- net useコマンドを登録
複数のネットワークドライブを一括設定
@echo off
echo ネットワークドライブを設定中...
net use Y: \\server1\documents /user:user1 pass1
net use Z: \\server2\backup /user:user2 pass2
echo 設定完了
pause
よくある質問

Q:ISOファイルをマウントしたままシャットダウンして大丈夫ですか?
A:はい、問題ありません。次回起動時は自動的にアンマウントされた状態になります。
Q:ネットワークドライブが突然切断されることがあります。
A:ネットワークの不安定さやサーバーの負荷が原因です。再接続するか、より安定したネットワーク環境での使用をおすすめします。
Q:マウントしたドライブが表示されません。
A:エクスプローラーを再起動するか、F5キーでリフレッシュしてみてください。それでも表示されない場合は、マウント操作を再実行してください。
Q:古いWindows(7など)でもISOマウントはできますか?
A:Windows 7以前では標準機能がないため、Virtual CloneDriveやDAEMON Tools等のソフトウェアが必要です。
まとめ:Windowsのマウント機能を活用しよう
この記事で覚えておきたいポイント
やりたいこと | 方法 | 重要なポイント |
---|---|---|
ISOファイルを仮想ドライブ化 | 右クリック→「マウント」 | 使用後は必ず「取り出し」 |
ネットワークフォルダをドライブに割当 | エクスプローラー「ネットワーク ドライブの割り当て」 | 認証情報を正確に入力 |
コマンドでドライブマウント | net use Z: \\server\share | 永続接続オプションが便利 |
ネットワークドライブの切断 | net use Z: /delete | セキュリティのため不要時は切断 |
安全に使うためのポイント
- 使用後は適切にアンマウントする
- パスワードの管理に注意する
- 信頼できないネットワークでは使用しない
- 定期的に接続状況を確認する
てマウントする方法」なども準備中です。気になるテーマがあれば、コメントで教えてくださいね!
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