「最近パソコンがよくフリーズする」 「ブルースクリーンが頻繁に出る」 「アプリが突然クラッシュする」
こんな症状に悩まされていませんか?
実は、これらの問題の原因がメモリ(RAM)の不具合である可能性があります。
そんなときに役立つのがWindows メモリ診断ツールです。Windowsに最初から入っている無料のツールで、メモリに問題がないかを自動でチェックしてくれます。
この記事では、Windows メモリ診断の使い方から、結果の見方、トラブル対処法まで、初心者の方でも安心して実行できるよう分かりやすく解説していきます。
Windows メモリ診断って何?基本を理解しよう

メモリ診断は「健康診断」のようなもの
Windows メモリ診断(Windows Memory Diagnostic)は、コンピューターのメモリ(RAM)に問題がないかをチェックするツールです。
人間に例えると、定期健康診断のようなもの。体の異常を早期発見するように、メモリの異常を見つけてくれるんです。
メモリの不具合が引き起こす症状
メモリに問題があると、以下のような症状が現れます:
よくある症状:
- ブルースクリーン(青い画面)が表示される
- パソコンが突然再起動する
- アプリケーションが頻繁にクラッシュする
- ファイルが勝手に破損する
- システムが不安定でフリーズする
- 起動に異常に時間がかかる
これらの症状が複数当てはまる場合、メモリ診断を実行する価値があります。
メモリ診断でできること
チェック内容:
1. 基本的なメモリテスト
- データの読み書きが正常か
- メモリセルの物理的な問題
2. パターンテスト
- 特定のデータパターンでエラーが出ないか
- ストレステストによる負荷チェック
3. キャッシュテスト
- CPUキャッシュとの連携
- 高速アクセス時の安定性
Windows メモリ診断を実行する3つの方法
方法1:設定から起動(Windows 10/11)
最も簡単な方法です。
手順:
- Windowsキー + I で設定を開く
- 「更新とセキュリティ」を選択 Windows 11の場合は「システム」→「回復」
- 「回復」をクリック
- 「今すぐ再起動」を選択 PCの起動時の詳細オプションから選択
方法2:検索から直接起動
素早く起動したい場合はこちら。
手順:
- Windowsキー + S で検索を開く
- 「mdsched」と入力 または「Windows メモリ診断」と日本語で入力
- 「Windows メモリ診断」をクリック
- 実行タイミングを選択
- 今すぐ再起動して問題を確認する(推奨)
- 次回コンピューターを起動時に問題を確認する
方法3:コントロールパネルから起動
従来の方法を好む方向け。
手順:
- コントロールパネルを開く
- 「システムとセキュリティ」を選択
- 「管理ツール」をクリック
- 「Windows メモリ診断」をダブルクリック
診断の実行と待ち時間
実行前の準備
必ずやっておくこと:
- 作業中のファイルを保存 診断中は再起動するため、未保存のデータは失われます
- 時間に余裕を持つ 標準テストで15〜20分、拡張テストで2時間以上
- 電源を確保 ノートPCの場合は電源アダプターを接続
診断中の画面
再起動後、青い画面で診断が始まります。
表示される情報:
- テストの進行状況(パーセント表示)
- 実行中のテスト名
- 検出されたエラー数
- 経過時間
重要: 診断中はキーボードやマウスを触らず、完了まで待ちましょう。
テストオプションの変更
F1キーを押すと、テストオプションを変更できます。
テストミックス(種類):
- 基本:最小限のテスト(5〜10分)
- 標準:一般的なテスト(15〜20分)※デフォルト
- 拡張:包括的なテスト(2時間以上)
キャッシュ:
- 既定:自動選択
- オン:キャッシュ有効でテスト
- オフ:キャッシュ無効でテスト
パス数:
- テストを繰り返す回数(1〜99)
- 多いほど正確だが時間がかかる
診断結果の確認方法
結果はどこで見る?
診断完了後、自動的にWindowsが起動しますが、結果がすぐに表示されないことがあります。
イベントビューアーで詳細確認
手順:
- Windowsキー + X → 「イベントビューアー」
- 「Windowsログ」→「システム」を展開
- ソースが「MemoryDiagnostics-Results」を探す
- イベントID 1201 または 1102 を確認
結果の見方:
- 「エラーは検出されませんでした」→ メモリは正常
- 「ハードウェア エラーが検出されました」→ メモリに問題あり
PowerShellで素早く確認
コマンドで結果を確認する方法:
Get-EventLog -LogName System -Source MemoryDiagnostics-Results | Select-Object -First 1 | Format-List
このコマンドをPowerShellに貼り付けると、最新の診断結果が表示されます。
エラーが見つかった場合の対処法
まず試すべきこと
1. メモリの再装着
メモリモジュールを一度外して、再度しっかり差し込みます。
手順:
- パソコンの電源を切り、電源ケーブルを抜く
- ケースを開ける
- メモリの両端のツメを外す
- メモリを取り出し、端子部分を確認
- しっかりと差し込み直す
2. メモリスロットの変更
別のスロットに差し替えてみます。
3. 1枚ずつテスト
複数のメモリがある場合、1枚ずつ診断して問題のあるメモリを特定。
それでも解決しない場合
メモリの交換を検討:
- メモリの規格を確認
- DDR3、DDR4、DDR5など
- 周波数(2666MHz、3200MHzなど)
- 容量(8GB、16GBなど)
- 互換性のあるメモリを購入 マザーボードの対応規格を確認
- 保証期間内なら交換申請 メーカー保証やショップ保証を活用
他のメモリ診断ツールとの比較
MemTest86
より詳細な診断が可能な定番ツール。
特徴:
- USBメモリから起動
- より多くのテストパターン
- 詳細なエラー情報
- 長時間の耐久テスト可能
使いどころ: Windows メモリ診断で問題が見つからないが、症状が続く場合
MemTest64
Windows上で動作する診断ツール。
特徴:
- 再起動不要
- リアルタイムで結果確認
- 使用中のメモリ領域はテスト不可
使いどころ: 簡易的なチェックや定期診断
予防メンテナンスのすすめ
定期診断のタイミング
推奨される実行頻度:
- 通常使用: 3ヶ月に1回
- ゲーミングPC: 月1回
- 業務用PC: 2ヶ月に1回
- 不具合を感じたら: すぐに実行
メモリを長持ちさせるコツ
1. 適切な温度管理
- ケース内の通気性を確保
- 定期的なホコリ掃除
- 夏場は特に注意
2. 電源の安定供給
- 品質の良い電源ユニット使用
- UPS(無停電電源装置)の検討
3. 静電気対策
- メモリに触る前に金属に触れる
- 静電気防止手袋の使用
よくある質問とトラブルシューティング
Q:診断が終わらない、フリーズした
A:以下を確認してください:
- 2時間以上待つ 拡張テストは非常に時間がかかります
- 強制終了して基本テストで再実行 Escキーまたは電源ボタン長押し
- セーフモードで実行 最小限の構成でテスト
Q:エラーは出ないのに症状が続く
A:他の原因を調査:
- 電源ユニットの不良
- マザーボードの問題
- ストレージ(SSD/HDD)の故障
- ドライバーの不具合
- ウイルス感染
Q:メモリ使用率が常に高い
A:これは別の問題です:
メモリ診断は物理的な故障を調べるツールで、使用率の問題は:
- 起動時に自動実行されるプログラムを減らす
- 不要なサービスを停止
- メモリ容量の増設を検討
まとめ:定期的なメモリ診断で安定したPCライフを
Windows メモリ診断は、PCの健康状態をチェックする重要なツールです。
この記事のポイント:
✅ メモリの不具合はブルースクリーンやフリーズの原因になる
✅ Windows メモリ診断は無料で簡単に実行できる
✅ 「mdsched」で素早く起動可能
✅ 標準テストは15〜20分、拡張テストは2時間以上
✅ 結果はイベントビューアーで確認
✅ エラーが出たら、まず再装着を試す
✅ 定期的な診断で問題を早期発見
パソコンの調子が悪いと感じたら、まずはメモリ診断を実行してみてください。多くの不具合は、メモリの問題を解決することで改善されます。
定期的な診断を習慣にして、快適で安定したPCライフを送りましょう!
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