新しいPCを購入したときや中古パソコンを使い始めたとき、「このWindowsは正規ライセンスなの?」と不安になることはありませんか?
また、OSの再インストールやアップグレードの前にも、自分のWindowsがきちんと認証されているかを確認しておくことは非常に重要です。
こんな不安や疑問はありませんか?
- 中古PCのWindowsが正規品かわからない
- 格安で買ったライセンスキーが本物か心配
- Windowsのライセンス認証状態を確認したい
- 不正ライセンスを使っていないか不安
- どこでWindowsを買えば安全かわからない
無認可ライセンスを使うリスク
- Windowsの一部機能が制限される
- セキュリティ更新プログラムが受けられない
- 突然使用停止になる可能性
- 法的な問題に発展するリスク
本記事では、Windowsライセンスの状態を簡単に確認する方法と、正規品かどうかを見分けるポイントをご紹介します。
Windowsライセンスとは何か?

ライセンスの基本概念
Windowsライセンスとは、Microsoftから正式に認可されたWindows OSの利用権を指します。
ライセンスがあることで
- Windowsを合法的に使用できる
- セキュリティ更新プログラムを受信
- Microsoftサポートを利用可能
- 全機能を制限なく使用
ライセンスがない場合
- 一部機能が制限される
- 頻繁な警告表示
- セキュリティリスクの増大
- 将来的に使用不可になる可能性
ライセンス認証の仕組み
認証プロセス
1. プロダクトキーの入力
2. Microsoftサーバーでの検証
3. ハードウェア構成の登録
4. ライセンス認証の完了
5. 定期的な認証確認
デジタルライセンス
- Windows 10以降の新しい認証方式
- ハードウェア構成とMicrosoftアカウントで管理
- プロダクトキーの入力が不要
- より安全で利便性が高い
主なライセンスの種類
1. OEM版(Original Equipment Manufacturer)
特徴:
・パソコンに最初から付属
・そのPCでのみ使用可能
・他のPCへの移行不可
・最も一般的
価格:
・PC価格に含まれる
・単体では購入できない
メリット:
・追加費用なし
・確実に正規品
2. リテール版(パッケージ版)
特徴:
・ユーザーが単体で購入
・他のPCへの移行可能
・複数回の再インストール可
価格:
・Windows 11 Home:約20,000円
・Windows 11 Pro:約28,000円
メリット:
・自由度が高い
・長期利用可能
3. DSP版(Delivery Service Partner)
特徴:
・PCパーツと一緒に販売
・そのパーツと組み合わせて使用
・比較的安価
価格:
・リテール版の約70-80%
注意点:
・指定パーツとの組み合わせ必須
・単体での販売は違反
4. ボリュームライセンス
対象:
・企業・組織向け
・教育機関向け
・大量導入用
特徴:
・一括管理可能
・コスト効率が良い
・個人使用は基本的に不可
5. デジタルライセンス
特徴:
・Windows 10以降
・Microsoftアカウントと紐付け
・クラウドベースの管理
メリット:
・プロダクトキーの管理不要
・ハードウェア変更時の再認証が容易
・紛失リスクが低い
ライセンスの有効期限
永続ライセンス
- 基本的に有効期限なし
- 一度認証されれば継続使用可能
- ただし、サポート期間には限りあり
サブスクリプション
- Microsoft 365に含まれるWindows
- 月額または年額料金
- 支払いが停止されると使用不可
ライセンスの仕組みを知ることで、自分のWindowsがどのタイプか把握しやすくなります。
次は、実際にライセンスの状態を確認する方法を紹介します。
Windowsライセンスの確認方法

方法1:設定アプリから確認する(推奨・初心者向け)
手順(Windows 11)
1. スタートボタンをクリック
2. 「設定」(歯車アイコン)をクリック
3. 左メニューの「システム」をクリック
4. 「バージョン情報」をクリック
5. 「Windowsの仕様」セクションを確認
手順(Windows 10)
1. スタートボタンをクリック
2. 「設定」をクリック
3. 「更新とセキュリティ」をクリック
4. 左メニューの「ライセンス認証」をクリック
表示される状態と意味
表示内容 | 意味 | 対処法 |
---|---|---|
「Windowsはライセンス認証されています」 | 正常 | 何もしなくてOK |
「Windowsはデジタルライセンスによってライセンス認証されています」 | 正常(デジタル) | 何もしなくてOK |
「Windowsはライセンス認証されていません」 | 未認証 | プロダクトキー入力が必要 |
「Windowsを認証できませんでした」 | 認証エラー | サポートに問い合わせ |
方法2:slmgrコマンドを使う(中級者向け)
基本的なコマンド
簡易確認コマンド
1. Windowsキー + R を押す
2. 「cmd」と入力してCtrl + Shift + Enter
3. 管理者権限でコマンドプロンプトが開く
4. 以下のコマンドを入力:
slmgr /xpr
実行結果の例
正常な場合:
「このマシンは永久にライセンス認証されています」
期限付きの場合:
「一括ライセンス認証の期限:2024/12/31 23:59:59」
未認証の場合:
「Windowsはライセンス認証されていません」
詳細情報確認コマンド
基本ライセンス情報
slmgr /dli
表示内容:
・Windowsのエディション
・ライセンス状態
・プロダクトキーの一部(最後の5文字)
詳細ライセンス情報
slmgr /dlv
表示内容:
・ソフトウェアライセンスサービスのバージョン
・ライセンス認証ID
・インストール日
・アクティベーション間隔
・更新間隔
ライセンス認証状態の確認
slmgr /ato
実行内容:
・ライセンス認証の再実行
・認証サーバーとの通信テスト
・認証状態の更新
方法3:システム情報での確認
システム情報ツールの使用
1. Windowsキー + R を押す
2. 「msinfo32」と入力してEnter
3. システム情報ウィンドウが開く
4. 「システムの概要」で以下を確認:
・プロダクトキー
・Biosモード
・インストール日
方法4:レジストリでの確認(上級者向け)
注意:レジストリの編集は危険を伴います
レジストリエディターでの確認
1. Windowsキー + R を押す
2. 「regedit」と入力してEnter
3. 以下のパスに移動:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion
確認項目:
・ProductName(Windowsエディション)
・ProductId(プロダクトID)
・DigitalProductId(デジタルプロダクトID)
PowerShellでの確認
PowerShellコマンド
管理者権限でPowerShellを開き、以下を実行:
Get-CimInstance -ClassName SoftwareLicensingService
Get-CimInstance -ClassName SoftwareLicensingProduct | Where-Object {$_.PartialProductKey}
表示される情報
- ライセンス状態
- プロダクトキーの一部
- ライセンスの種類
- 認証方法
どの方法でも、現在のライセンス状態を確認できます。
では、正規品かどうかを見極めるには、何をチェックすべきでしょうか?
正規ライセンスかどうかを見分けるポイント

基本的なチェックポイント
1. ライセンス認証状態の確認
正常な状態:
□ 「Windowsはライセンス認証されています」の表示
□ slmgrコマンドでエラーが出ない
□ 警告表示が出ない
□ 全機能が使用可能
異常な状態:
□ 「ライセンス認証されていません」の表示
□ 頻繁な認証警告
□ 一部機能の制限
□ デスクトップの透かし表示
2. プロダクトキーの出所確認
安全な入手先:
□ PC購入時に付属
□ Microsoft公式ストア
□ 正規販売代理店
□ 大手家電量販店
危険な入手先:
□ オークションサイトの格安キー
□ 海外の怪しいサイト
□ 「激安」「格安」を謳う業者
□ 企業向けライセンスの転売
3. 価格による判断
正規品の価格目安:
・Windows 11 Home:19,000-25,000円
・Windows 11 Pro:28,000-35,000円
疑わしい価格:
・数百円~数千円の格安キー
・「90%OFF」などの大幅割引
・相場の1/10以下の価格
詳細な真正性チェック
Microsoft Genuine Advantage(MGA)
Microsoftの正規品確認ツール:
1. Microsoft公式サイトにアクセス
2. 「Windowsの正規品確認」ページを表示
3. オンライン検証ツールを実行
4. 結果に基づいて真正性を判定
デジタル署名の確認
システムファイルの検証:
1. 管理者権限でコマンドプロンプトを開く
2. 「sfc /scannow」を実行
3. システムファイルの整合性をチェック
4. 異常があれば報告される
ライセンス情報の詳細分析
slmgr /dlvで確認すべき項目:
正常な情報:
・License Status: Licensed
・Genuine Advantage status: Genuine
・Activation interval: 180 days
異常な情報:
・License Status: Unlicensed
・エラーコードの表示
・異常に短い認証間隔
要注意のケース
1. 格安ライセンスキーの罠
よくある詐欺手法:
・MAK(Multiple Activation Key)の不正使用
・期限付きライセンスの永続利用を謳う
・使用済みキーの再販売
・偽造されたプロダクトキー
見分け方:
・価格が異常に安い(数百円~数千円)
・販売者の情報が不明確
・「100%認証保証」などの怪しい謳い文句
・海外発送・海外サイト
2. 海外版ライセンスの個人輸入
問題点:
・日本での使用許諾対象外
・サポート対象外
・言語パック制限
・将来的な認証停止リスク
対策:
・日本国内正規版の購入
・言語・地域設定の確認
・サポート対象地域の確認
3. 企業向けライセンスの個人使用
違反例:
・ボリュームライセンスの転売
・Enterprise版の個人使用
・評価版の継続使用
・学校ライセンスの不正使用
リスク:
・突然の使用停止
・法的な問題
・企業への影響
・高額な追徴料金
4. 中古PC購入時の注意点
確認事項:
□ COA(Certificate of Authenticity)ラベルの有無
□ リカバリディスクの付属
□ 元の購入証明書
□ ライセンス移転の合法性
危険なサイン:
□ 異常に安い価格
□ ライセンス情報の説明なし
□ 海外からの発送
□ プロダクトキーのみの販売
OEMライセンスの確認方法
COAラベルの確認
場所:
・PCの底面(ノートPC)
・側面パネル(デスクトップ)
・バッテリー下(古いノートPC)
記載内容:
・Microsoftのロゴ
・Windowsのバージョン
・プロダクトキー(一部隠蔽)
・ホログラム
BIOSのライセンス情報
確認方法:
1. 管理者権限でコマンドプロンプトを開く
2. 「wmic bios get serialnumber」を実行
3. BIOSに埋め込まれたライセンス情報を確認
UEFI環境での確認:
・UEFI BIOSに直接ライセンス情報が保存
・プロダクトキーの入力不要
・ハードウェア交換時の注意が必要
正規ライセンスかどうかは、今後のトラブルを防ぐためにも事前に確認が不可欠です。
最後に、正規ライセンスを確保するための安心な購入方法を紹介します。
正規ライセンスの入手方法と注意点

安全な購入先
1. Microsoft公式ストア
メリット:
・100%正規品保証
・最新バージョン
・充実したサポート
・デジタルライセンス対応
購入方法:
・Microsoft Store(オンライン)
・Microsoft Store(実店舗)
・公式ウェブサイト直接購入
価格:
・定価での販売
・時々セールあり
2. 正規販売代理店
大手家電量販店:
・ヨドバシカメラ
・ビックカメラ
・ヤマダ電機
・エディオン
オンライン販売:
・Amazon(Microsoft販売分)
・楽天市場(正規代理店)
・価格.com(認定ショップ)
確認ポイント:
・Microsoft認定パートナーか
・販売者情報が明確か
・レビューや評価が良好か
3. PCメーカー直販
メーカー例:
・Dell
・HP
・Lenovo
・ASUS
・富士通
・NEC
メリット:
・PC購入と同時にライセンス取得
・サポートが一本化
・最適化された構成
購入時の注意点
1. 価格による判断
正規品の価格帯:
Windows 11 Home:
・リテール版:19,000-25,000円
・DSP版:15,000-20,000円
Windows 11 Pro:
・リテール版:28,000-35,000円
・DSP版:23,000-30,000円
危険な価格:
・数百円~数千円
・定価の10%以下
・「激安」「格安」の謳い文句
2. 販売形態の確認
正規な販売形態:
・パッケージ版(箱入り)
・ダウンロード版(公式サイト)
・DSP版(パーツとセット)
・OEM版(PC付属)
怪しい販売形態:
・プロダクトキーのみメール送付
・手書きのキー情報
・コピー用紙に印刷されたキー
・「認証保証」のみの表記
3. 販売者の信頼性
信頼できる販売者:
□ 会社情報が明確
□ 住所・電話番号が記載
□ Microsoft認定パートナー
□ 長期間の販売実績
怪しい販売者:
□ 会社情報が不明
□ 海外法人のみ
□ 連絡先が不明確
□ 新規参入業者
ライセンスの種類別推奨購入方法
個人ユーザー向け
推奨:リテール版
理由:
・PC間の移行可能
・長期利用に適している
・サポートが充実
購入先:
・Microsoft公式ストア
・大手家電量販店
・正規オンラインショップ
自作PC向け
推奨:DSP版
理由:
・比較的安価
・パーツと組み合わせ購入
・自作PCに適している
注意点:
・指定パーツとセット購入必須
・そのパーツが故障すると問題
・移行に制限あり
企業・組織向け
推奨:ボリュームライセンス
理由:
・大量導入に適している
・管理が容易
・コスト効率が良い
購入先:
・Microsoft認定リセラー
・システムインテグレーター
・企業向け販売代理店
ダウンロードとインストールの注意点
Windowsのダウンロード
正規のダウンロード先:
・Microsoft公式サイト
・「Windows 11をダウンロード」ページ
・Media Creation Tool
避けるべきサイト:
・海外のファイル共有サイト
・非公式のダウンロードサイト
・「無料Windows」を謳うサイト
インストール時の注意
必要な準備:
□ 正規プロダクトキー
□ インターネット接続
□ Microsoftアカウント(推奨)
□ バックアップの完了
インストール手順:
1. 公式ツールでインストールメディア作成
2. クリーンインストールの実行
3. プロダクトキーの入力
4. ライセンス認証の確認
5. Windows Updateの実行
ライセンス違反を避けるために
やってはいけないこと
□ 不正なプロダクトキーの使用
□ ライセンス数を超えた複数インストール
□ 企業向けライセンスの個人使用
□ 評価版の長期使用
□ ライセンス認証回避ツールの使用
推奨される行動
□ 正規販売店からの購入
□ ライセンス条項の確認
□ 適切な種類のライセンス選択
□ 定期的な認証状態確認
□ 疑問点のMicrosoftサポート問い合わせ
トラブルシューティング

問題1:突然認証が切れた
原因:
・ハードウェアの大幅変更
・システム時刻のずれ
・ネットワーク接続の問題
・Windowsの不具合
解決方法:
1. インターネット接続の確認
2. システム時刻の修正
3. slmgr /atoコマンドの実行
4. ライセンス認証の再実行
問題2:プロダクトキーが認識されない
原因:
・入力ミス
・使用済みキー
・不正なキー
・地域制限
解決方法:
1. 入力内容の再確認
2. 購入元への問い合わせ
3. Microsoftサポートへの連絡
4. 正規品への買い替え検討
問題3:ハードウェア変更後の認証エラー
デジタルライセンスの場合:
1. 同じMicrosoftアカウントでサインイン
2. 「ライセンス認証」設定を開く
3. 「ライセンス認証のトラブルシューティング」を実行
4. 「このデバイス上でWindowsをライセンス認証しました」を選択
従来のライセンスの場合:
1. 電話認証の実行
2. Microsoftサポートへの連絡
3. ハードウェア変更の説明
サポートリソース
Microsoft公式サポート
・ライセンス認証サポート
・電話サポート(有料)
・チャットサポート
・コミュニティフォーラム
有用なウェブサイト
・Microsoft公式サイト
・Windows公式ブログ
・TechNet
・Microsoft Docs
まとめ
Windowsライセンスは、正規のものを使うことで安心してOSを利用でき、サポートやアップデートも受けられます。
この記事の要点
ライセンス確認方法
- 設定アプリから簡単確認(推奨)
- slmgrコマンドで詳細確認
- システム情報での確認
- PowerShellでの確認
正規品の見分け方
- ライセンス認証状態の確認
- 購入先と価格の妥当性チェック
- COAラベルや付属品の確認
- Microsoft認証ツールの活用
安全な購入方法
- Microsoft公式ストアでの購入
- 正規販売代理店の利用
- 適切なライセンス種類の選択
- 怪しい格安キーの回避
重要なポイント
- 「設定」や「slmgr」コマンドで誰でも簡単に確認可能
- 格安すぎるライセンスキーには要注意
- 信頼できる販売元からの購入が重要
- 不正ライセンスは長期的にリスクが高い
継続的な管理のために
定期的にチェックすべきこと
□ ライセンス認証状態
□ Windows Updateの適用状況
□ セキュリティソフトの動作
□ システムの安定性
ライセンス管理のベストプラクティス
□ プロダクトキーの安全な保管
□ 購入証明書の保存
□ ライセンス情報の記録
□ 定期的な認証状態確認
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