「Windowsの表示を英語にしたい」
「日本語キーボードなのに英語配列になって困っている」
「英語学習のためにWindowsを英語表示にしたい」
「仕事で多言語入力が必要になった」
こんな悩みを解決してくれるのが、Windowsの言語設定です。
実は、Windowsでは画面に表示される言語と、キーボードで入力する言語を別々に設定できます。
たとえば、メニューは英語で表示しつつ、文章は日本語で入力することも可能なんです。
でも、「設定が複雑そう」「どこを変更すればいいかわからない」と感じる人も多いですよね。
この記事では、初心者の方でもわかるように、Windowsでの言語設定の変更方法を詳しく解説します。表示言語の変更から、キーボード入力の切り替え、よくあるトラブルの解決まで、これを読めばすべて解決できますよ。
Windowsで設定できる「言語」とは?

2つの異なる言語設定
Windowsの言語設定には、主に以下の2つがあります:
設定項目 | 役割 | 具体例 |
---|---|---|
表示言語 | 画面に表示されるメニューやメッセージの言語 | 「ファイル」「編集」「表示」など |
入力言語 | キーボードで文字を入力するときの言語・方式 | ひらがな、英数字、中国語など |
表示言語(Display Language)について
表示言語は、Windowsの画面に表示されるすべてのテキストの言語です:
表示される場所:
- スタートメニュー
- 設定画面
- エラーメッセージ
- ファイルエクスプローラー
- システムダイアログ
例:
- 日本語表示:「ファイル」「編集」「表示」
- 英語表示:「File」「Edit」「View」
入力言語(Input Language)について
入力言語は、キーボードで文字を入力するときの言語と入力方式です:
含まれるもの:
- IME(Input Method Editor):日本語入力システム
- キーボードレイアウト:キーの配置
- 入力方式:ローマ字入力、かな入力など
例:
- Microsoft IME(日本語)
- 英語(米国)
- 中国語(簡体字)
独立した設定の利点
この2つの設定が独立していることで、以下のような使い方ができます:
パターン1:英語学習
- 表示言語:英語
- 入力言語:日本語+英語
パターン2:海外向け開発
- 表示言語:英語
- 入力言語:日本語
パターン3:多言語文書作成
- 表示言語:日本語
- 入力言語:日本語+英語+中国語
よくある疑問:「なぜ2つに分かれているの?」
これは、グローバルに使われるWindowsならではの配慮です。たとえば、日本在住の英語話者が日本語文書を作成する場合、メニューは英語で理解したいが、文書は日本語で入力したいというニーズがあります。
つまり、Windowsの言語設定は「表示」と「入力」を独立して制御できる柔軟なシステムなのです。次は、実際に表示言語を変更する方法を見てみましょう。
表示言語を変更する方法

Windows 11での変更手順
手順1:設定画面を開く
- スタートメニューをクリック
- 「設定」(歯車アイコン)をクリック
- 左側のメニューから**「時刻と言語」**を選択
- **「言語と地域」**をクリック
手順2:表示言語を選択
- **「Windowsの表示言語」**の項目を確認
- プルダウンメニューをクリック
- 変更したい言語を選択
- **「今すぐサインアウトする」**または後で再起動
Windows 10での変更手順
手順1:設定画面を開く
- スタートメニューをクリック
- 「設定」(歯車アイコン)をクリック
- **「時刻と言語」**をクリック
- 左側のメニューから**「言語」**を選択
手順2:表示言語を変更
- **「Windowsの表示言語」**を確認
- プルダウンから希望の言語を選択
- **「今すぐサインアウトする」**をクリック
新しい言語を追加する方法
希望の言語が選択肢にない場合は、まず言語パックをインストールする必要があります。
言語の追加手順:
- 「言語と地域」画面で**「言語を追加する」**をクリック
- **「言語のインストール」**ダイアログが開く
- 追加したい言語を検索または一覧から選択
- 言語をクリックして**「次へ」**
- 必要な機能を選択:
- 「表示言語」:メニューの言語化
- 「音声認識」:音声入力対応
- 「手書き入力」:手書き認識
- **「インストール」**をクリック
ダウンロード時間の目安:
- 基本言語パック:5~15分
- 音声機能付き:15~30分
- フル機能:30分~1時間
言語パックの適用
自動適用の場合:
- ダウンロード完了後、自動的に選択肢に追加される
- 「Windowsの表示言語」から新しい言語を選択
- サインアウト・サインインで変更完了
手動設定の場合:
- 追加した言語の右側にある**「・・・」**(オプション)をクリック
- **「Windowsの表示言語として設定」**をクリック
- 再起動またはサインアウトを実行
変更後の確認ポイント
正常に変更されたかの確認:
- スタートメニューの表示言語
- 設定画面の表示言語
- エラーメッセージの言語
- ファイルエクスプローラーの表示
一部だけ変わらない場合:
- Microsoft Office などの一部アプリは個別設定が必要
- ブラウザーの表示言語も別途設定
- 古いアプリケーションは対応していない場合がある
キーボードの入力言語を変更・追加する方法

入力言語の追加手順
Windows 11の場合:
- 「設定」→「時刻と言語」→「言語と地域」
- **「優先する言語」**セクションを確認
- **「言語を追加する」**をクリック
- 追加したい言語を選択(例:English (United States))
- 「次へ」→「インストール」
Windows 10の場合:
- 「設定」→「時刻と言語」→「言語」
- 「優先する言語」で「言語を追加する」
- 言語を選択して**「次へ」**
- 必要な機能を選択して**「インストール」**
具体的な言語追加例
英語(US)を追加する場合:
- 言語一覧で**「English (United States)」**を選択
- 機能選択で以下をチェック:
- ✅ 「基本的な入力」
- ☑ 「手書き入力」(必要に応じて)
- ☑ 「音声認識」(必要に応じて)
- **「インストール」**をクリック
中国語(簡体字)を追加する場合:
- **「中文(简体,中国)」**を選択
- 拼音(ピンイン)入力が自動的に追加される
- 手書き入力も利用可能
IMEの詳細設定
Microsoft IMEの設定:
- タスクバーの**「あ」または「A」**を右クリック
- **「設定」**をクリック
- 以下の設定が調整可能:
- 「全般」:変換候補数、学習機能
- 「キーとタッチのカスタマイズ」:ショートカットキー
- 「辞書と学習」:ユーザー辞書、予測変換
Google 日本語入力の利用: 無料で高性能な代替IMEも利用できます:
- Google 日本語入力をダウンロード
- インストール後、入力方式として選択可能
- より高精度な変換が期待できる
キーボードレイアウトの変更
日本語キーボード(106/109キー)の設定:
- 「設定」→「時刻と言語」→「言語と地域」
- 日本語を選択して**「・・・」→「言語のオプション」**
- 「キーボード」セクションで「レイアウトを変更する」
- **「Microsoft IME」**の設定を確認
英語キーボード(101/102キー)の設定:
- English (United States) を選択
- **「言語のオプション」**をクリック
- 「ハードウェアキーボードレイアウト」で「レイアウトを変更する」
- **「英語(101/102キー)」**を選択
言語切り替えのショートカットと操作方法

基本的な切り替え方法
ショートカットキーでの切り替え:
ショートカット | 動作 |
---|---|
Alt + Shift | 入力言語の順次切り替え |
Windowsキー + Space | 入力言語の順次切り替え |
Ctrl + Shift | IME内での入力モード切り替え |
タスクバーでの切り替え:
- 画面右下の**「あ」や「A」、「ENG」**をクリック
- 使用したい入力言語を選択
- さらに入力モード(ひらがな、カタカナ、英数など)を選択
詳細な入力モード切り替え
日本語IME使用時:
- 「あ」:ひらがな入力モード
- 「カ」:カタカナ入力モード
- 「英」:全角英数モード
- 「A」:半角英数モード
キーボードショートカットでの直接切り替え:
- Alt + ひらがな:ひらがなモード
- Alt + カタカナ:カタカナモード
- Alt + 英数:英数モード
- F10:半角英数に変換
- F7:全角カタカナに変換
効率的な切り替えテクニック
単語単位での変換:
- ローマ字で入力:「konnichiwa」
- F6:ひらがな「こんにちは」
- F7:全角カタカナ「コンニチハ」
- F8:半角カタカナ「コンニチハ」
- F9:全角英数「konnichiwa」
- F10:半角英数「konnichiwa」
予測変換の活用:
- 数文字入力すると候補が表示
- Tabキーで候補を選択
- Enterで確定
言語バーの表示設定
言語バーを常に表示する:
- 「設定」→「時刻と言語」→「言語と地域」
- 日本語の**「言語のオプション」**をクリック
- 「Microsoft IME」の「キーボードオプション」
- **「外観」で「言語バーを使用する」**をオン
言語バーの位置調整:
- デスクトップ上にフロート表示
- タスクバーに固定表示
- 完全に非表示
よくあるトラブルと解決方法

トラブル1:英語配列キーボードとして認識される
症状:
「日本語キーボードなのに、@マークが正しい位置で入力できない」「記号の位置がずれている」
原因:
Windowsがキーボードを英語配列(101/102キー)として認識している
解決方法:
方法1:デバイスマネージャーからの修正
- Windowsキー + Xで**「デバイスマネージャー」**を開く
- **「キーボード」**を展開
- 該当キーボードを右クリック→「デバイスのアンインストール」
- **「再起動」**後、自動的に正しいドライバーがインストールされる
方法2:言語設定からの修正
- 「設定」→「時刻と言語」→「言語と地域」
- 日本語の**「言語のオプション」**をクリック
- 「ハードウェアキーボードレイアウト」で「レイアウトを変更する」
- **「日本語キーボード(106/109キー)」**を選択
- **「今すぐサインアウトする」**をクリック
トラブル2:入力言語が勝手に切り替わる
症状:
「作業中に勝手に英語入力になってしまう」「気づかないうちに言語が変わっている」
原因:
ショートカットキーの誤操作、またはアプリケーションによる自動切り替え
解決方法:
ショートカットキーの無効化:
- 「設定」→「時刻と言語」→「言語と地域」
- 「キーボード」セクションの「詳細なキーボード設定」
- **「ホットキー」**で不要なショートカットを無効化
自動切り替えの制御:
- 各アプリケーションの言語設定を確認
- ブラウザーの言語設定を統一
- Office アプリの校正言語を設定
トラブル3:一部のアプリだけ表示言語が変わらない
症状:
「Windowsは英語になったのに、一部のソフトだけ日本語のまま」
原因:
アプリケーション独自の言語設定、または言語パックの不完全インストール
解決方法:
Microsoft Office の場合:
- 「ファイル」→「オプション」→「言語」
- **「表示言語」**で希望の言語を選択
- Office を再起動
ブラウザーの場合:
- Google Chrome:設定→詳細設定→言語
- Microsoft Edge:設定→言語
- 希望の言語を最上位に移動
個別アプリの場合:
- アプリ内の言語設定を確認
- 言語パックの追加インストール
- アプリの再インストール
トラブル4:IMEが正常に動作しない
症状:
「日本語が入力できない」「変換候補が出ない」「IMEが反応しない」
原因:
IMEの設定破損、システムファイルの問題、または競合
解決方法:
IME設定のリセット:
- 「設定」→「時刻と言語」→「言語と地域」
- 日本語の**「言語のオプション」**
- 「Microsoft IME」の「詳細設定」
- **「設定をリセット」**をクリック
システムファイルの修復:
- 「管理者としてコマンドプロンプトを実行」
- **「sfc /scannow」**と入力してEnter
- システムファイルの整合性をチェック・修復
代替IMEの利用:
- Google 日本語入力などの代替IMEをインストール
- 入力方式として選択
- 動作確認後、必要に応じて元に戻す
トラブル5:言語パックのダウンロードが失敗する
症状:
「言語パックのインストールが途中で止まる」「ダウンロードエラーが発生」
原因:
ネットワーク問題、ストレージ不足、Windows Update の問題
解決方法:
基本的な対処:
- インターネット接続を確認
- ストレージ容量を確保(5GB以上推奨)
- Windows Updateを最新版に更新
- 再起動後に再実行
手動ダウンロード:
- Microsoft公式サイトから言語パックを手動ダウンロード
- ダウンロードファイルを直接実行
- オフラインインストールを実行
よくある質問と回答

Q1:言語を変更すると、すべてのソフトに影響しますか?
A:影響の範囲は以下のとおりです:
影響を受けるもの:
- Windows標準機能(設定、エクスプローラーなど)
- 多くのMicrosoft製品
- 言語パック対応ソフトウェア
影響を受けにくいもの:
- 独自の言語設定を持つソフト
- 古いソフトウェア
- ゲームの一部
対処法: 各ソフトウェアで個別に言語設定を確認し、必要に応じて調整してください。
Q2:言語パックを削除するにはどうすればいいですか?
A:不要な言語パックの削除方法:
- 「設定」→「時刻と言語」→「言語と地域」
- 削除したい言語の「・・・」をクリック
- **「削除」**を選択
- 確認ダイアログで「はい」
注意点:
- 現在使用中の表示言語は削除できません
- 削除前に他の言語に切り替えてください
Q3:会社のPCで言語設定を変更しても大丈夫ですか?
A:事前確認が必要です:
確認すべき点:
- 会社のIT部門に相談
- セキュリティポリシーの確認
- 業務への影響の検討
- 元に戻す方法の理解
安全な方法:
- テストアカウントでの事前確認
- 変更前の設定をメモ
- IT部門承認後の実施
Q4:タブレットモードでも同じ方法で設定できますか?
A:基本的には同じですが、操作方法が少し異なります:
タブレットモード特有の操作:
- タッチ操作での設定変更
- 仮想キーボードの言語切り替え
- 音声入力の多言語対応
手書き入力の活用: 中国語や日本語では、手書き入力が特に便利です。言語追加時に手書き機能も同時にインストールすることをおすすめします。
Q5:リモートデスクトップ使用時の言語設定はどうなりますか?
A:接続先と接続元で設定が異なります:
基本動作:
- 表示言語:接続先PCの設定が適用
- 入力言語:接続元PCの設定が適用
- キーボードレイアウト:接続元PCの設定
注意点:
- キーボード配列の違いによる入力ミス
- ショートカットキーの動作変更
- クリップボード経由での文字化け
まとめ
今回は、Windowsの言語設定について、基本的な変更方法から実践的な活用まで詳しく解説しました。重要なポイントをまとめると:
基本的な理解
- 表示言語と入力言語は独立して設定可能
- **「設定→時刻と言語→言語と地域」**から変更
- 言語パックのインストールが必要な場合がある
効率的な切り替え方法
- Windowsキー + Spaceで入力言語切り替え
- タスクバーからの直接選択も可能
- ショートカットキーを覚えて作業効率化
トラブル対処の基本
- キーボードレイアウトの確認が重要
- IME設定のリセットで多くの問題が解決
- 言語パックの再インストールも有効
実践的な活用
- 英語学習環境の構築
- 多言語文書作成での効率化
- プログラミング開発での国際標準化
- 家族での多言語対応
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