パソコンの電源を切るとき、こんな選択肢をみたことがありませんか?
- シャットダウン
- 休止状態
- スリープ
でも、「どれをつかえば一番いいの?」「ちがいはなに?」と迷う人も多いはず。
この記事では、特に混乱しがちな「休止状態」と「シャットダウン」に焦点をあてて、それぞれの特徴・メリット・つかい分けのコツを説明します。
かんたん比較:休止状態とシャットダウンのちがい

項目 | シャットダウン | 休止状態 |
---|---|---|
作業の保存 | 保存しない(完全終了) | メモリの内容をディスクに保存 |
起動時間 | 少し遅い(完全起動) | 速い(保存状態から復元) |
電気代 | 0円(完全に電源オフ) | 0円(スリープとはちがう) |
開いていた作業の復元 | できない | できる(再起動後に元通り) |
ディスク容量 | つかわない | 数GB〜数十GB必要 |
安定性 | 高い | 低め(問題が残る場合あり) |
休止状態ってなに?
休止状態(ハイバネーション)とは、作業中の状態(開いていたアプリやファイルなど)をそのままハードディスクに保存して、パソコンの電源を切る機能です。
休止状態の仕組み
- メモリの内容を「hiberfil.sys」というファイルに保存
- パソコンの電源を完全に切る
- 次回起動時にそのファイルを読み込み
- 作業を中断した場所から再開
こんなときに便利
- ノートパソコンでバッテリーを節約したいとき
- 作業を明日も続けたいとき
- 長時間パソコンをつかわないけど、作業状態は残したいとき
シャットダウンってなに?

シャットダウンは、すべてのプログラムを終了して、システムを完全に停止させる動作です。
シャットダウンの仕組み
- 開いているすべてのアプリを終了
- システムを完全に停止
- メモリの内容をすべて消去
- 電源を切る
次回起動時
- まっさらな状態から起動
- 開いていたファイルやアプリは自分で立ち上げ直す必要
休止状態のメリット・デメリット
メリット
作業状態が保存される
- 明日も同じ作業をすぐに再開できる
- 開いていたファイルやWebページがそのまま残る
電源が切れても安心
- スリープとちがって、電源が完全に切れる
- ノートパソコンのバッテリーが切れても大丈夫
起動が速い
- 完全起動よりも早く作業を再開できる
デメリット
ディスク容量をつかう
- 「hiberfil.sys」というファイルが数GB以上になる
- SSDの容量が少ないパソコンでは注意が必要
システムがリセットされない
- 不具合が残ったままになることがある
- メモリのエラーも継続する可能性
シャットダウンのメリット・デメリット
メリット
システムが完全リセット
- 不具合やエラーがリセットされる
- メモリもきれいになって動作が安定
ディスク容量を節約
- 余計なファイルが作られない
- 一時ファイルもクリアされる
アップデート後に最適
- Windowsアップデート後は完全再起動が推奨
- 設定変更が確実に反映される
デメリット
作業状態が失われる
- 開いていたファイルは閉じられる
- 次回起動時に手動で立ち上げ直す必要
起動に時間がかかる
- 完全起動のため、休止状態より時間がかかる
つかい分けのコツ

場面別おすすめ
場面 | おすすめ | 理由 |
---|---|---|
短時間席を離れる(数分〜1時間) | スリープ | すぐに復帰できる |
一晩閉じるが、明日も同じ作業 | 休止状態 | 作業を中断したところから再開 |
長期間つかわない | シャットダウン | 完全リセットで安定性向上 |
調子が悪い・アップデート後 | シャットダウン | 不具合解消・設定反映 |
ノートPCの持ち運び | 休止状態 | バッテリー切れでも安心 |
具体的な使用例
学生の場合
- 宿題の途中 → 休止状態
- 試験勉強が終わった → シャットダウン
- 授業の合間 → スリープ
在宅ワークの場合
- 昼休み → スリープ
- 1日の仕事終了 → 休止状態
- 週末 → シャットダウン
休止状態が表示されないときの設定方法
Windows 10/11で休止状態のメニューが表示されない場合の設定方法です。
手順
- 設定を開く
スタート
ボタン →設定
(歯車マーク)
- システムをえらぶ
システム
→電源とスリープ
- 電源の追加設定をひらく
電源の追加設定
をクリック
- 電源ボタンの動作を設定
- 左メニューから
電源ボタンの動作をえらぶ
- 左メニューから
- 管理者権限で変更
現在利用できない設定を変更します
をクリック
- 休止状態を有効にする
休止状態
にチェックを入れて変更の保存
これで、電源メニューに休止状態が表示されるようになります。
注意点とトラブル対処
休止状態がうまく動かない場合
容量不足
- hiberfil.sysのサイズを確認
- 不要なファイルを削除してディスク容量を確保
ドライバーの問題
- グラフィックドライバーを最新に更新
- デバイスマネージャーでエラーを確認
シャットダウンが遅い場合
アプリの終了を待っている
- 開いているアプリを手動で閉じてからシャットダウン
- バックグラウンドアプリをチェック
Windowsアップデート
- アップデートがある場合は時間がかかることがある
よくある質問

Q:どっちが電気代を節約できる?
どちらも電源が完全に切れるので、電気代は同じです。スリープの方が電気をつかい続けます。
Q:hiberfil.sysファイルを削除しても大丈夫?
削除すると休止状態がつかえなくなりますが、ディスク容量を節約できます。必要に応じて有効・無効を切り替えましょう。
Q:毎日どっちをつかえばいい?
平日の仕事や勉強:休止状態 週末や長期休み:シャットダウン
がおすすめです。
まとめ
「休止状態」と「シャットダウン」はどちらも電源を切る操作ですが、目的や状況に応じて最適な選択がちがいます。
作業の中断・再開を重視するなら「休止状態」、トラブル回避やリフレッシュを重視するなら「シャットダウン」をつかいましょう。
最終まとめ
機能 | 特徴 | おすすめの用途 |
---|---|---|
休止状態 | 状態保存+電源オフ | 作業を中断して後日再開 |
シャットダウン | 完全終了 | 安定性回復・不具合対応 |
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