【2025年版】WindowsでFedoraをつかう方法|デュアルブート・WSL・仮想環境どれが最適?

Fedora

「Linuxをつかってみたいけど、Ubuntuばかり紹介されている」 「開発やセキュリティのために、Red Hat系のLinuxも触ってみたい」

そんなあなたにおすすめなのが「Fedora(フェドラ)」です。

FedoraはRed Hatのコミュニティ版でありながら、最新技術をいち早く体験できるモダンなLinuxです。

この記事では、Windows環境でFedoraをつかうための3つの代表的な方法(デュアルブート・WSL・仮想マシン)を比較しながら、それぞれのメリット・デメリット・活用方法までわかりやすく説明します。

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Fedoraってなに?Ubuntuとどうちがうの?

Fedoraの特徴

基本情報

  • Red Hat系(RHEL)と互換性があるRPMベースのLinux
  • 最新のソフトウェアとカーネル(OSの中心部分)がいち早く導入される
  • セキュリティを重視(SELinuxが標準で入っている)
  • Gnomeが標準のデスクトップ環境
  • 無料・オープンソース

どんな人におすすめ?

  • サーバーエンジニアを目指す人
  • セキュリティに興味がある人
  • 最新技術を試したい開発者

UbuntuとFedoraの比較

比較項目FedoraUbuntu
系統Red Hat系Debian系
パッケージ管理dnf / rpmapt / deb
安定性やや新しい技術重視安定志向
デスクトップ環境GnomeGnome(カスタマイズ版)
利用者層サーバー・開発者一般ユーザー・初心者
アップデート頻度約6ヶ月約6ヶ月(LTSは2年)

方法①:デュアルブート

説明

デュアルブートとは、1台のパソコンに複数のOSをインストールして、起動時にどのOSをつかうか選択できる方法です。

メリット・デメリット

メリット

  • 高いパフォーマンス:パソコンの性能をフルに活用できる
  • 本格的な環境:実際のサーバーに近い環境で学習できる
  • すべての機能:Linuxのすべての機能をつかえる

デメリット

  • リスクがある:インストールミスでWindowsが壊れる可能性
  • 切り替えが面倒:OSを変更するには再起動が必要
  • ディスク容量:大きなディスク容量が必要

導入手順

ステップ1:事前準備

  1. データのバックアップ(重要!)
  2. Fedora公式サイトからISOファイルをダウンロード
  3. 8GB以上のUSBメモリを用意

ステップ2:USBブートディスクの作成

  1. 「Rufus」というソフトをダウンロード
  2. USBメモリにFedoraのイメージを書き込み

ステップ3:パーティションの準備

  1. Windowsの「ディスクの管理」を開く
  2. Cドライブを縮小してFedora用の空き容量を作成(50GB以上推奨)

ステップ4:Fedoraのインストール

  1. USBから起動(BIOSでブート順序を変更)
  2. 「Fedoraをインストール」を選択
  3. 作成した空き領域にインストール

注意点

  • 初心者にはリスクが高い方法
  • 事前のバックアップは必須
  • 不安な場合は他の方法を選択

方法②:WSL(手軽で安全)

説明

WSL(Windows Subsystem for Linux)は、Windows上でLinuxを動かせるMicrosoft公式の機能です。

Windows 10/11に標準で搭載されており、Ubuntuが有名ですがFedoraもつかえます

メリット・デメリット

メリット

  • 安全:Windowsを壊すリスクがゼロ
  • 簡単:数分でインストール完了
  • 同時使用:WindowsとLinuxを同時につかえる
  • ファイル共有:WindowsとLinuxでファイルを簡単に共有

デメリット

  • GUI制限:グラフィカルなアプリは限定的
  • 性能制限:ハードウェア直接制御には向かない
  • 機能制限:一部のLinux機能がつかえない

インストール手順

ステップ1:WSLの有効化

管理者権限でPowerShellを開いて以下を実行:

wsl --install

ステップ2:Fedoraのインストール

方法1:コマンドでインストール

wsl --install -d fedora

方法2:Microsoft Storeから

  1. Microsoft Storeを開く
  2. 「Fedora Remix for WSL」を検索
  3. インストールボタンをクリック

ステップ3:初期設定

  1. Fedoraを起動
  2. ユーザー名とパスワードを設定
  3. システムを更新:
sudo dnf update

つかい方の例

# パッケージのインストール
sudo dnf install git

# Pythonの確認
python3 --version

# ファイルの確認
ls /mnt/c/  # WindowsのCドライブにアクセス

方法③:仮想マシン(学習・実験向け)

説明

仮想マシンソフト(VirtualBoxやVMware)上にFedoraをインストールして、完全なOS環境を構築する方法です。

メリット・デメリット

メリット

  • 完全に安全:OSを壊してもリスクなし
  • スナップショット:いつでも状態を復元可能
  • 実験に最適:設定を変更して試行錯誤できる
  • 完全なGUI:デスクトップ環境もフルに使用可能

デメリット

  • パフォーマンス低下:ホストOSと共有するため性能が落ちる
  • メモリ消費:大量のRAMが必要(8GB以上推奨)
  • 起動時間:仮想マシンの起動に時間がかかる

導入手順(VirtualBox版)

ステップ1:VirtualBoxのインストール

  1. VirtualBox公式サイトからダウンロード
  2. インストーラーを実行

ステップ2:仮想マシンの作成

  1. VirtualBoxを起動
  2. 「新規」をクリック
  3. 名前:「Fedora」、タイプ:「Linux」、バージョン:「Red Hat」を選択
  4. メモリ:4GB以上(8GB推奨)
  5. ハードディスク:「仮想ハードディスクを作成する」

ステップ3:Fedoraのインストール

  1. Fedora ISOファイルを仮想DVDドライブに挿入
  2. 仮想マシンを起動
  3. Fedoraのインストーラーに従ってインストール

ステップ4:Guest Additionsのインストール

sudo dnf install gcc kernel-devel kernel-headers dkms make bzip2 perl

Guest Additionsをインストールすると、画面サイズ調整やファイル共有ができるようになります。

どの方法を選べばいい?

用途別おすすめ

用途おすすめ方法理由
プログラミング学習WSL簡単・安全・Windowsと併用可能
サーバー管理の練習仮想マシン完全な環境・実験に最適
本格的な開発デュアルブート最高性能・本番環境に近い
ちょっと試したいWSLリスクゼロ・すぐ始められる

システム要件別

メモリ4GB以下のパソコン

  • WSL(おすすめ)
  • デュアルブート

メモリ8GB以上のパソコン

  • 仮想マシン(おすすめ)
  • WSL
  • デュアルブート

SSD容量が少ない

  • WSL(ディスク容量をほとんどつかわない)

Fedoraをつかいはじめたら

基本的なコマンド

パッケージ管理

# パッケージのインストール
sudo dnf install パッケージ名

# システムの更新
sudo dnf update

# インストール済みパッケージの確認
dnf list installed

ファイル操作

# ディレクトリの移動
cd /home/user

# ファイル一覧
ls -la

# ファイルの内容表示
cat ファイル名

おすすめのアプリケーション

開発ツール

sudo dnf install git vim code

マルチメディア

sudo dnf install vlc gimp

Flatpakアプリ

# Flatpakを有効化
flatpak remote-add --if-not-exists flathub https://flathub.org/repo/flathub.flatpakrepo

# アプリのインストール
flatpak install flathub org.gimp.GIMP

トラブルシューティング

よくある問題と解決方法

WSLでFedoraが起動しない

# WSLのリセット
wsl --unregister fedora
wsl --install -d fedora

仮想マシンが遅い

  • メモリを増やす(8GB以上推奨)
  • 仮想化支援機能(VT-x/AMD-V)を有効にする
  • SSDをつかう

デュアルブートでWindowsが起動しない

  • Windows回復環境から修復
  • ブートローダーの修復:bootrec /fixmbr

まとめ

Fedoraは3つの方法でWindowsと併用できる

  1. WSL:手軽で安全、プログラミング学習に最適
  2. 仮想マシン:完全な環境、実験・学習向け
  3. デュアルブート:最高性能、本格的な開発向け

初心者におすすめの順番

  1. まずはWSLで試してみる
  2. 慣れてきたら仮想マシンで本格的に学習
  3. 必要に応じてデュアルブートを検討

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