「テキストファイルを開いたら、文字がぐちゃぐちゃに…」
こんな風に文字化けを経験したことはありませんか?
その原因の多くは**「文字コード」の違い**です。
Windowsでは特にShift-JIS(シフトジス)やUTF-8など、複数の文字コードが使われているため、ファイルの文字コードを確認しないまま編集すると、思わぬトラブルにつながります。
この記事では、Windowsで文字コードを簡単に確認する方法と、文字化けを防ぐためのポイントを初心者向けにわかりやすく解説します。
そもそも文字コードって何?なぜ重要なの?

文字コードの基本的な仕組み
文字コードとは、パソコンが文字を数字のデータとして認識するための**「ルール」**のことです。
人間には「あ」や「A」に見える文字も、パソコンの中では数字として管理されています。この数字と文字の対応関係を決めるのが文字コードです。
なぜ複数の文字コードがあるの?
世界中で使われているパソコンやシステムが、それぞれ異なるルールを使っているからです。
主な文字コードの例:
- Shift-JIS(シフトジス):日本のWindowsで昔からよく使われる
- UTF-8(ユーティーエフエイト):世界標準、Webサイトやスマホアプリで主流
- EUC-JP:Linux系システムで使われることがある
- ISO-2022-JP:メールで使われることがある
実際にどんな問題が起きるの?
例えば、以下のような状況で文字化けが発生します:
- Windowsのメモ帳で作ったファイル(多くの場合Shift-JIS)を、Webサーバー(UTF-8想定)にアップロード
- 古いシステム(Shift-JIS)から新しいシステム(UTF-8)にデータを移行
- 海外製のソフト(UTF-8)で日本語ファイル(Shift-JIS)を開く
このルールが合わないと、「縺薙s縺ォ縺。縺ッ」のような文字化けが起きてしまいます。
文字化けが起きやすい場面
- CSVファイルをExcelで開く
- プログラムのソースコードを別のエディタで開く
- Webサイトの日本語が表示されない
- メールで送ったファイルが文字化け
つまり、文字コードが合わないだけで文字が読めなくなるわけです。
では、Windowsではどうやって文字コードを確認するのでしょうか?次で具体的に見ていきましょう。
Windowsで文字コードを確認する方法
方法1:Windows標準のメモ帳で確認する
Windows標準のメモ帳(Notepad)は、手軽に文字コードを確認できる一番身近なツールです。
確認手順
- 調べたいファイルをメモ帳で開く
- 「ファイル」メニュー → 「名前を付けて保存」をクリック
- 画面下の「エンコード」(または「文字コード」)の欄をチェック
ここに表示される内容:
- ANSI:Shift-JISのこと(日本語Windows環境)
- UTF-8:UTF-8エンコード
- UTF-8 BOM付き:UTF-8にBOM(バイトオーダーマーク)が付いたもの
- UTF-16 LE:UTF-16エンコード
メモ帳での注意点
- 保存しなくても確認だけできる(「キャンセル」で閉じればOK)
- 古いバージョンのメモ帳では「ANSI」と表示されることが多い
- 新しいファイルを作る場合は、ここで文字コードを選択できる
方法2:Windows 10/11の新しいメモ帳で確認する
Windows 10以降の新しいメモ帳では、より簡単に確認できるようになっています。
確認手順
- ファイルをメモ帳で開く
- 画面の右下(ステータスバー)を確認
ここに「UTF-8」「ANSI」などと直接表示されるので、すぐに文字コードがわかります。
新メモ帳の便利な機能
- ファイルを開いた瞬間に表示される
- 編集中も常に確認できる
- Ctrl+Gで行番号指定移動もできる
方法3:無料テキストエディタで詳しく確認する
より詳細な情報を知りたい場合は、専門的なテキストエディタがおすすめです。
サクラエディタでの確認方法
ダウンロード: サクラエディタ公式サイト(https://sakura-editor.sourceforge.net/)
確認手順:
- サクラエディタでファイルを開く
- 画面下のステータスバーを確認
- 「UTF-8」「Shift_JIS」などが表示される
サクラエディタの優れた点:
- 文字コードを自動認識してくれる
- BOMの有無も表示される
- 文字コードの変換も簡単にできる
- 完全無料で使える
その他のおすすめエディタ
Notepad++:
- 海外製だが日本語対応
- プログラマーに人気
- 文字コード変換機能が充実
秀丸エディタ:
- 日本製の高機能エディタ
- 文字コード関連の機能が豊富
- シェアウェア(有料)
VSCode:
- Microsoft製の無料エディタ
- 右下に文字コードが表示される
- プログラミング用途にも最適
ここまででWindowsでの文字コードの確認方法を3つ紹介しました。
次は、文字コードが合わないときの対処法や、文字化けしないための注意点を解説します。
文字コードが違うときの対処法

パターン1:正しい文字コードでファイルを開き直す
サクラエディタでの操作例
- 「ファイル」メニュー → 「文字コード指定して開く」
- 「UTF-8」「Shift_JIS」「EUC-JP」などから選択
- 正しく表示されるまで試す
メモ帳での操作例
- 「ファイル」メニュー → 「開く」
- ファイルを選択後、「エンコード」を変更
- 「開く」をクリックして確認
パターン2:正しい文字コードで保存し直す
文字化けが直って正しく表示できたら、適切な文字コードで保存し直しましょう。
保存手順
- 「ファイル」メニュー → 「名前を付けて保存」
- 「エンコード」(文字コード)を選択
- UTF-8:現在の標準、Webや新しいシステム向け
- Shift_JIS:古いWindowsソフト向け
- UTF-8 BOM付き:一部のWindows向けソフト用
- 「保存」をクリック
パターン3:文字コード変換ツールを使う
複数ファイルを一括変換したい場合
「文字コード変換ツール」の活用:
- KanjiTranslator:ドラッグ&ドロップで簡単変換
- nkf:コマンドライン版の高機能ツール
- TextSS.net:オンラインで変換可能
CSVファイルの文字化け対策
Excelで正しく開く方法:
- Excel起動後、「データ」タブ → 「テキストファイル」
- CSVファイルを選択
- 「ファイルの元の形式」で適切な文字コードを選択
- プレビューで確認してから「完了」
緊急時の応急処置
Webブラウザを使った確認
- ファイルをWebブラウザにドラッグ&ドロップ
- ブラウザの「表示」メニュー → 「エンコード」
- 「自動選択」または手動で文字コードを変更
この方法なら、専用ソフトがなくても文字コードの違いを確認できます。
このように、ツールを使えば文字コードの違いによるトラブルは比較的簡単に解決できます。
最後に、文字コードに関してよくある疑問をQ&A形式でまとめます。
文字コードでよくある質問Q&A
Q1. UTF-8とShift-JISどっちを使うべき?
A1. 現在はUTF-8が圧倒的におすすめです。
UTF-8のメリット:
- 世界標準で、どこでも使える
- Webサイト、スマホアプリの99%がUTF-8
- 文字化けが起きにくい
- プログラミング言語でもUTF-8が標準
Shift-JISを使う場面:
- 古いWindowsソフトを使う必要がある
- レガシーシステムとの連携が必要
- 特定の業務システムがShift-JISを要求する
迷ったらUTF-8を選んでおけば間違いありません。
Q2. メモ帳でUTF-8と表示されているのに文字化けするのはなぜ?
A2. **BOM(ボム)**という特殊な情報の違いが原因です。
BOMとは:
- Byte Order Markの略
- ファイルの先頭に付く目印のようなもの
- UTF-8 BOM付きとUTF-8 BOM無しがある
問題が起きる例:
- **Windows(BOM付き)で作ったファイルをLinux(BOM無し想定)**で使う
- WebサーバーにBOM付きファイルをアップロードして表示が崩れる
解決方法: サクラエディタなら「UTF-8N(BOM無し)」「UTF-8(BOM付き)」を明確に選択できます。
Q3. 文字コードを確認できる無料ツールでおすすめは?
A3. 用途別のおすすめツールをご紹介します。
初心者向け:
- サクラエディタ:日本語、完全無料、文字コード自動認識
- Windows標準メモ帳:既にインストール済み、手軽
プログラマー向け:
- VSCode:Microsoft製、拡張性が高い
- Notepad++:軽量、多機能、プラグイン豊富
一括変換用:
- KanjiTranslator:ドラッグ&ドロップで簡単
- nkf:コマンドライン、バッチ処理可能
Web系作業:
- ブラウザの開発者ツール:F12キーで起動
- オンライン変換サービス:ツールのインストール不要
Q4. CSVファイルの文字化けを防ぐには?
A4. 作成時点から対策することが重要です。
Excel → CSVの正しい手順:
- 「ファイル」→ 「エクスポート」→ 「ファイルの種類の変更」
- 「CSV UTF-8(コンマ区切り)」を選択
- 保存
テキストエディタで作成する場合:
- **UTF-8(BOM無し)**で保存
- 文字コードを明示してメールやチャットで共有
受け取ったCSVを開く場合:
- **Excelの「データ」→「テキストファイル」**を使用
- 文字コードを手動指定してインポート
Q5. プログラミングで文字コードに注意すべき点は?
A5. ソースコードとデータファイルの両方で注意が必要です。
ソースコード:
- UTF-8で統一が現在の標準
- BOM無しを推奨(多くのプログラミング言語で)
- エディタの設定を確認
データファイル:
- 読み込み時に文字コードを明示的に指定
- 外部APIとの連携時は相手のエンコードに合わせる
- ログファイルの文字コードも統一
例(Python):
# 文字コードを明示的に指定
with open('data.txt', 'r', encoding='utf-8') as f:
content = f.read()
まとめ:文字化けゼロの快適なWindows環境を作ろう
Windowsで文字コードを確認・対処するための基本的な流れをおさらいしましょう。
基本の3ステップ
- 文字コードの確認
- メモ帳の「名前を付けて保存」で確認
- ステータスバー表示対応エディタで確認
- サクラエディタなどの専用ツールで詳細確認
- 問題があるときの対処
- 正しい文字コードで開き直す
- 適切な文字コードで保存し直す
- 変換ツールで一括処理
- 今後の予防策
- 新しいファイルはUTF-8で作成
- 共有前に文字コードを確認・明示
- 受け取ったファイルは開く前にチェック
覚えておきたいポイント
- 迷ったらUTF-8を選ぶ(現在の世界標準)
- BOMの有無に注意(特にWeb系の作業)
- CSVファイルはExcelの「テキストファイル」機能を活用
- 無料ツールでも十分高機能(サクラエディタなど)
こんな場面で活用しよう
- 海外とのファイルやり取り
- 古いシステムから新システムへの移行
- Webサイト制作でのファイル管理
- プログラミング開発環境の整備
- CSVデータの加工・分析
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