この記事では、Windowsパソコンがスリープ状態になるのを防ぐ方法を、初心者にもわかりやすく解説します。
設定画面での恒久的な変更から、一時的な制御まで、目的に応じた様々な方法をご紹介します。
スリープ機能とは

スリープ機能は、パソコンが一定時間使われていない時に、電力消費を抑えるために自動的に休止状態にする機能です。
通常は便利な機能ですが、以下のような場面では無効にしたい場合があります:
- 長時間のダウンロードやアップロード作業
- プレゼンテーションや動画の再生
- リモートアクセスでパソコンを使用する場合
- サーバーとして使用している場合
設定画面からスリープを無効にする方法(恒久設定)
最も基本的で確実な方法です。この設定を行うと、パソコンは自動的にスリープしなくなります。
Windows 11での手順
- スタートメニューを開く
- タスクバーのWindowsアイコンをクリック
- またはWindowsキーを押す
- 設定画面を開く
- スタートメニューの「設定」(歯車アイコン)をクリック
- またはWindowsキー + Iを押す
- システム設定に移動
- 左側のメニューから「システム」を選択
- 右側の一覧から「電源とバッテリー」をクリック
- スリープ設定を変更
- 「画面とスリープ」の項目を探す
- 「次の時間が経過後にスリープ状態にする」の設定を確認
- 電源接続時とバッテリー使用時の両方を**「なし」**に変更
Windows 10での手順
Windows 10の場合は、設定の場所が少し異なります:
- 設定画面を開く
- スタートメニュー > 設定(歯車アイコン)
- システム設定に移動
- 「システム」をクリック
- 左側のメニューから「電源とスリープ」を選択
- スリープ設定を変更
- 「スリープ」の項目で時間を**「なし」**に設定
- 電源接続時とバッテリー使用時の両方を変更
重要なポイント:この方法で設定を変更すると、手動で元に戻すまでスリープ機能は無効のままです。
コマンドを使った一時的な制御方法
コマンドプロンプトやPowerShellを使って、より柔軟にスリープ設定を制御する方法です。
基本的なコマンド操作
コマンドプロンプトを管理者として実行
- スタートメニューで「cmd」と検索
- 「コマンドプロンプト」を右クリック
- 「管理者として実行」を選択
スリープ時間の変更コマンド
# 電源接続時のスリープを無効にする
powercfg -change -standby-timeout-ac 0
# 電源接続時の画面オフを無効にする
powercfg -change -monitor-timeout-ac 0
# バッテリー使用時のスリープを無効にする
powercfg -change -standby-timeout-dc 0
# バッテリー使用時の画面オフを無効にする
powercfg -change -monitor-timeout-dc 0
コマンドの説明
-standby-timeout-ac
:電源接続時のスリープ時間-standby-timeout-dc
:バッテリー使用時のスリープ時間-monitor-timeout-ac
:電源接続時の画面オフ時間-monitor-timeout-dc
:バッテリー使用時の画面オフ時間0
:無効にする(時間を指定する場合は分単位で入力)
設定を元に戻すコマンド
# 電源接続時のスリープを30分に設定
powercfg -change -standby-timeout-ac 30
# バッテリー使用時のスリープを15分に設定
powercfg -change -standby-timeout-dc 15
スリープを妨げる要因の確認方法

パソコンがスリープしない原因を調べる便利なコマンドです。
現在の状況を確認するコマンド
powercfg /requests
このコマンドを実行すると、以下のような情報が表示されます:
表示される項目
- システム要求:OSレベルでスリープを妨げている処理
- ディスプレイ要求:画面をオンに保つ要求
- 実行要求:プログラムが実行中であることを示す要求
よくある例
- 音楽プレーヤーの再生中
- 動画の再生中
- ダウンロードソフトの動作中
- リモートデスクトップの接続中
問題の解決方法
スリープを妨げている要因が見つかった場合:
- 不要なアプリケーションを終了
- 設定でスリープを許可するよう変更
- 一時的にアプリケーションを停止
専用ツールを使った方法
プログラムやツールを使って、より簡単にスリープを制御する方法もあります。
おすすめの無料ツール
Caffeine
- 軽量で使いやすいツール
- システムトレイから簡単に制御
- 一時的な使用に最適
Don’t Sleep
- より詳細な設定が可能
- タイマー機能付き
- 日本語対応
InsomniaX(Windows版)
- シンプルな操作
- 自動起動設定が可能
ツールの使い方の基本
- ツールをダウンロード・インストール
- 起動してシステムトレイに常駐させる
- 必要な時にオン/オフを切り替え
- 作業終了後は無効にする
目的別おすすめ設定

用途に応じた最適な設定方法をご紹介します。
常にスリープを無効にしたい場合
設定画面からの変更がおすすめ
- 一度設定すれば永続的に適用
- 操作が簡単で確実
- トラブルが起きにくい
適用場面
- サーバーとして使用
- 常時稼働が必要な業務用PC
- リモートアクセス専用機
作業中だけ一時的に無効にしたい場合
専用ツールの使用がおすすめ
- 必要な時だけ簡単に制御
- 作業終了後は自動で元に戻る
- バッテリー節約にも配慮
適用場面
- プレゼンテーション中
- 大容量ファイルのダウンロード中
- 動画や音楽の再生中
特定のアプリケーション使用中のみ無効にしたい場合
powercfgコマンドとスクリプトの組み合わせ
- より高度な制御が可能
- 自動化により手間を削減
- 細かい条件設定が可能
トラブルシューティング
スリープが無効にならない場合
確認すべきポイント
- 管理者権限で実行しているか
- コマンドは管理者権限が必要
- 設定変更にも権限が必要な場合がある
- 他のソフトウェアとの競合
- セキュリティソフト
- システム最適化ツール
- 電源管理ソフト
- ハードウェアの設定
- BIOSの電源管理設定
- デバイスマネージャーでの設定
設定が反映されない場合の対処法
基本的な対処手順
- パソコンを再起動
- 設定の再確認
- Windows Updateの確認
- システムファイルのチェック
システムファイルのチェックコマンド
sfc /scannow
よくある質問
スリープを無効にするとバッテリーの消耗は激しくなりますか?
はい、スリープを無効にするとバッテリーの消耗は早くなります。ノートパソコンの場合は、電源接続時のみスリープを無効にし、バッテリー使用時は有効にしておくことをおすすめします。
画面だけをオフにしてスリープは無効にできますか?
可能です。powercfgコマンドで画面オフとスリープの時間を個別に設定できます:
# 画面は10分でオフ、スリープは無効
powercfg -change -monitor-timeout-ac 10
powercfg -change -standby-timeout-ac 0
設定を間違えた場合はどうすれば良いですか?
設定画面から修正:元の値に戻すか、「推奨設定」を選択
コマンドで修正:適切な時間を指定して再実行
# 一般的な設定に戻す例
powercfg -change -standby-timeout-ac 30
powercfg -change -standby-timeout-dc 15
会社のパソコンで設定を変更しても大丈夫ですか?
会社のパソコンの場合は、システム管理者に確認してから変更することをおすすめします。セキュリティポリシーや管理規則に抵触する可能性があります。
まとめ
Windowsのスリープを無効にする方法は、用途に応じて適切に選択することが重要です。
重要なポイント
- 恒久的な変更:設定画面からの変更が確実
- 一時的な制御:専用ツールやコマンドが便利
- トラブル対応:powercfg /requestsで原因を特定
推奨する使い分け
用途 | 方法 | メリット |
---|---|---|
常時無効化 | 設定画面 | 確実で簡単 |
一時的制御 | 専用ツール | 手軽で自動復帰 |
高度な制御 | コマンド | 柔軟で詳細設定可能 |
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