「パソコンの音が出なくなった」
「マウスやキーボードが認識されない」
「デバイスに問題がありますと表示される」
こんなトラブルに遭遇したとき、真っ先に確認すべきなのがデバイスマネージャーです。
デバイスマネージャーは、パソコンに接続されているハードウェアの状態を確認したり、ドライバーを管理したりできる、Windowsの重要なツール。トラブルシューティングには欠かせない存在なんです。
この記事では、デバイスマネージャーの基本から開き方、使い方、よくあるトラブルの対処法まで、初心者の方にも分かりやすく解説します。
デバイスマネージャーとは

基本的な概要
デバイスマネージャーとは、Windowsに標準搭載されている、パソコンに接続されているハードウェア(デバイス)を管理するツールです。
例えば、キーボード、マウス、ディスプレイ、サウンドカード、ネットワークアダプター、プリンターなど、パソコンで使用するすべてのハードウェアの状態を一覧で確認できます。
デバイスマネージャーでできること
デバイスマネージャーを使うと、以下のようなことができます。
主な機能
- ハードウェアの接続状態を確認
- デバイスドライバーの更新・再インストール
- 問題のあるデバイスの特定
- デバイスの有効化・無効化
- ハードウェアの詳細情報(型番、製造元など)を確認
- ドライバーのバージョン確認
- デバイスのアンインストール
つまり、パソコンのハードウェアに関するあらゆる情報を見ることができ、問題があればその場で対処できる便利なツールというわけですね。
デバイスマネージャーの開き方
デバイスマネージャーを開く方法はいくつかあります。自分のやりやすい方法を使ってください。
方法1:スタートメニューから開く(最も簡単)
Windows 10/11共通
- スタートボタンを右クリック
- 表示されるメニューから「デバイスマネージャー」をクリック
これが最も簡単で、おすすめの方法です!
方法2:ショートカットキーで開く(最速)
Windows 10/11共通
- キーボードで「Windows + X」キーを同時に押す
- 表示されるメニューから「デバイスマネージャー」を選択
慣れると、この方法が一番速いですよ。
方法3:ファイル名を指定して実行から開く
Windows 10/11共通
- キーボードで「Windows + R」キーを同時に押す
- 「ファイル名を指定して実行」が開く
- 「devmgmt.msc」と入力
- 「OK」をクリックまたはEnterキーを押す
この方法も覚えておくと便利です。
方法4:検索ボックスから開く
Windows 10の場合
- タスクバーの検索ボックスに「デバイスマネージャー」と入力
- 検索結果に表示された「デバイスマネージャー」をクリック
Windows 11の場合
- タスクバーの検索アイコンをクリック
- 検索ボックスに「デバイスマネージャー」または「devmgmt」と入力
- 検索結果をクリック
方法5:コントロールパネルから開く
Windows 10/11共通
- コントロールパネルを開く
- 「ハードウェアとサウンド」をクリック
- 「デバイスとプリンター」の下にある「デバイスマネージャー」をクリック
やや手間がかかりますが、この方法でも開けます。
方法6:設定アプリから開く(Windows 11)
Windows 11専用
- 「設定」を開く
- 左側の「システム」をクリック
- 右側を下にスクロールして「バージョン情報」をクリック
- さらに下にスクロールして「デバイスマネージャー」をクリック
デバイスマネージャーの画面の見方
デバイスマネージャーを開くと、デバイスがカテゴリ別に分類されて表示されます。
主なデバイスカテゴリ
デバイスマネージャーには、以下のようなカテゴリがあります。
| カテゴリ名 | 内容 |
|---|---|
| オーディオの入力および出力 | マイク、スピーカー、ヘッドフォンなど |
| ディスプレイアダプター | グラフィックカード(GPU) |
| ネットワークアダプター | 有線・無線LANカード、Wi-Fiアダプター |
| キーボード | キーボードデバイス |
| マウスとそのほかのポインティングデバイス | マウス、タッチパッド |
| プリンター | プリンター、スキャナー |
| Bluetoothデバイス | Bluetooth接続機器 |
| プロセッサ | CPU(中央演算処理装置) |
| ディスク ドライブ | ハードディスク、SSD |
| ユニバーサルシリアルバスコントローラー | USBポート関連 |
| システムデバイス | チップセット、BIOS関連 |
カテゴリ名の左にある「>」をクリックすると、そのカテゴリ内のデバイス一覧が表示されます。
デバイスのアイコンと状態表示
デバイスの状態は、アイコンで判別できます。
正常なデバイス
アイコンに何もマークが付いていない場合は、デバイスが正常に動作しています。
問題のあるデバイスのマーク
- 黄色い三角形に「!」マーク:ドライバーに問題がある、またはデバイスが正常に動作していない
- 赤い「X」マーク:デバイスが無効化されている
- 下向きの矢印:デバイスが無効になっている
- 疑問符「?」マーク:不明なデバイス(ドライバーが未インストール)
問題のあるデバイスがあると、すぐに見つけられるようになっています。
デバイスマネージャーの使い方

デバイスマネージャーでよく使う機能を紹介します。
デバイスの詳細情報を確認する
デバイスの詳しい情報を見る方法です。
手順
- デバイスマネージャーを開く
- 確認したいデバイスのカテゴリを展開
- デバイス名を右クリック
- 「プロパティ」をクリック
プロパティ画面では、以下の情報が確認できます:
- 全般タブ:デバイスの状態、エラーメッセージ
- ドライバータブ:ドライバーの製造元、バージョン、日付
- 詳細タブ:ハードウェアID、デバイスインスタンスパスなど
- イベントタブ:デバイスに関するイベント履歴
ドライバーを更新する
デバイスが正常に動作しない場合、ドライバーを更新すると改善することがあります。
手順(自動更新)
- デバイスマネージャーを開く
- 更新したいデバイスを右クリック
- 「ドライバーの更新」をクリック
- 「ドライバーを自動的に検索」を選択
- Windowsが自動的に最新ドライバーを探してインストール
手順(手動更新)
- デバイスメーカーの公式サイトから最新ドライバーをダウンロード
- デバイスマネージャーでデバイスを右クリック
- 「ドライバーの更新」→「コンピューターを参照してドライバーを検索」
- ダウンロードしたドライバーファイルの場所を指定
- インストールを実行
メーカーサイトからのドライバーのほうが、最新版の場合が多いですよ。
デバイスを無効化・有効化する
一時的にデバイスを使わないようにしたい場合は、無効化できます。
無効化する手順
- デバイスマネージャーを開く
- 無効にしたいデバイスを右クリック
- 「デバイスを無効にする」をクリック
- 確認メッセージが表示されたら「はい」をクリック
有効化する手順
- デバイスマネージャーで無効化されたデバイスを右クリック
- 「デバイスを有効にする」をクリック
無効化されたデバイスには、下向きの矢印マークが表示されます。
デバイスをアンインストールする
デバイスとそのドライバーを完全に削除したい場合に使います。
手順
- デバイスマネージャーを開く
- アンインストールしたいデバイスを右クリック
- 「デバイスのアンインストール」をクリック
- 「このデバイスのドライバーソフトウェアを削除します」にチェック(推奨)
- 「アンインストール」をクリック
- パソコンを再起動
再起動すると、Windowsが自動的にデバイスを再検出してドライバーをインストールします。
ドライバーをロールバックする
更新後に問題が発生した場合、以前のドライバーに戻せます。
手順
- デバイスマネージャーを開く
- デバイスを右クリック→「プロパティ」
- 「ドライバー」タブを開く
- 「ドライバーを元に戻す」ボタンをクリック(グレーアウトしている場合は使用不可)
- ロールバックの理由を選択して「はい」をクリック
非表示のデバイスを表示する
通常、デバイスマネージャーには接続中のデバイスだけが表示されますが、過去に接続していた機器も表示できます。
手順
- デバイスマネージャーを開く
- メニューバーの「表示」をクリック
- 「非表示のデバイスの表示」をクリック
接続されていないUSB機器やドライバーの残骸などが表示されます。不要なものは削除して整理できますよ。
よくあるトラブルと対処法
デバイスマネージャーでよく見かけるトラブルと、その対処法を紹介します。
トラブル1:黄色い「!」マークが表示される
原因
ドライバーに問題がある、デバイスが正常に動作していない、リソースの競合が発生している。
対処法
- デバイスを右クリック→「プロパティ」を開く
- 「全般」タブでエラーコードを確認
- エラーコードに応じた対処を行う(後述)
- または、ドライバーの更新・再インストールを試す
よくあるエラーコード
- コード1:デバイスが正しく構成されていない
- コード10:デバイスを開始できない
- コード28:ドライバーがインストールされていない
- コード43:デバイスが停止した
それぞれのエラーコードには、Microsoftの公式サポートページに詳しい対処法が載っています。
トラブル2:「不明なデバイス」が表示される
原因
デバイスのドライバーがインストールされていない、または認識できない。
対処法
- 不明なデバイスを右クリック→「プロパティ」
- 「詳細」タブを開く
- 「プロパティ」で「ハードウェアID」を選択
- 表示されたIDをGoogleで検索してデバイスを特定
- メーカーサイトから正しいドライバーをダウンロードしてインストール
トラブル3:デバイスが表示されない
原因
デバイスが物理的に接続されていない、故障している、Windowsが認識していない。
対処法
- デバイスが正しく接続されているか確認
- 別のUSBポートに接続してみる(USB機器の場合)
- デバイスマネージャーで「ハードウェア変更のスキャン」を実行
- メニューバー「操作」→「ハードウェア変更のスキャン」
- パソコンを再起動
- それでもダメなら、デバイス自体の故障を疑う
トラブル4:オーディオデバイスが見つからない
原因
サウンドドライバーが削除された、無効化されている、正常に動作していない。
対処法
- 「オーディオの入力および出力」カテゴリを確認
- デバイスが無効化されていないか確認(下向き矢印マークがあるか)
- 無効化されている場合は右クリック→「デバイスを有効にする」
- 「ハードウェア変更のスキャン」を実行
- ドライバーの更新または再インストール
トラブル5:ドライバー更新後に問題が発生
原因
新しいドライバーに不具合がある、互換性の問題。
対処法
- デバイスを右クリック→「プロパティ」
- 「ドライバー」タブを開く
- 「ドライバーを元に戻す」をクリック
- 以前のドライバーに戻る
- 問題が解決したら、しばらく様子を見る
トラブル6:デバイスマネージャーが開かない
原因
システムファイルの破損、権限の問題、Windowsのエラー。
対処法
方法1:管理者として実行
- Windows + R キーで「ファイル名を指定して実行」を開く
- 「devmgmt.msc」と入力してCtrl + Shift + Enterを押す(管理者として実行)
方法2:システムファイルチェッカーを実行
- コマンドプロンプトを管理者として開く
- 「sfc /scannow」と入力してEnterキー
- スキャンが完了したら再起動
方法3:Windowsトラブルシューティングツールを実行
- Windows + R キーを押す
- 「msdt.exe -id DeviceDiagnostic」と入力してEnter
- トラブルシューティングを実行
デバイスマネージャー活用のコツ
コツ1:定期的にドライバーをチェック
月に1回程度、デバイスマネージャーを開いて、問題のあるデバイスがないか確認しましょう。
黄色い「!」マークがあれば、早めに対処することで大きなトラブルを防げます。
コツ2:ドライバー更新は慎重に
ドライバーは最新=最良とは限りません。
正常に動作している場合は、無理に更新する必要はありません。更新する場合は、システムの復元ポイントを作成してからにしましょう。
コツ3:エラーコードをメモする
問題が発生したら、デバイスのプロパティに表示されるエラーコードをメモしておきましょう。
サポートに問い合わせるときや、インターネットで調べるときに役立ちます。
コツ4:デバイスのスペックを確認
パソコンのスペックを調べたいときにも、デバイスマネージャーは便利です。
確認できる情報
- CPU(プロセッサ)の種類と数
- グラフィックカード(ディスプレイアダプター)の型番
- ネットワークアダプターの型番
- TPMのバージョン(Windows 11のアップグレード要件)
これらの情報は、ソフトウェアのインストール要件を確認するときに使えます。
コツ5:古いドライバーは削除する
過去に接続していたUSB機器などのドライバーが残っていると、システムの動作が重くなることがあります。
「非表示のデバイスの表示」で古いドライバーを表示し、不要なものは削除しましょう。
よくある質問

Q1:標準ユーザーでもデバイスマネージャーは使える?
はい、デバイスマネージャーの表示は可能です。
ただし、ドライバーの更新やデバイスの設定変更など、一部の機能は管理者権限が必要です。本格的に使いたい場合は、管理者アカウントでサインインしましょう。
Q2:デバイスマネージャーとデバイスドライバーの違いは?
デバイスマネージャーは、ハードウェアを管理するWindowsのツール(管理画面)です。
デバイスドライバーは、ハードウェアをWindowsで使えるようにするためのソフトウェアです。
つまり、デバイスマネージャーでドライバーを管理する、という関係ですね。
Q3:ドライバーの更新は必要?
基本的には、問題がなければ更新しなくても大丈夫です。
ただし、以下の場合は更新を検討しましょう:
- デバイスが正常に動作しない
- 新機能を使いたい
- セキュリティ上の問題が報告されている
- ゲームのパフォーマンスを向上させたい(グラフィックドライバー)
Q4:デバイスマネージャーでデバイスが削除できない場合は?
セーフモードで起動してから削除を試してみてください。
セーフモードなら、必要最低限のドライバーだけで起動するため、削除しやすくなります。
Q5:TPMのバージョンはどこで確認できる?
デバイスマネージャーで確認できます。
- 「セキュリティデバイス」カテゴリを展開
- 「トラステッドプラットフォームモジュール」を右クリック→プロパティ
- 「詳細」タブで「ハードウェアID」を確認
「TPM 2.0」などの表記でバージョンが分かります。Windows 11へのアップグレードには、TPM 2.0が必要です。
Q6:ハードウェアIDって何?
デバイスを一意に識別するためのIDです。
「VEN_(ベンダーID)」と「DEV_(デバイスID)」で構成されています。不明なデバイスを特定するときに、このIDをGoogleで検索すると、どのメーカーのどの製品かが分かることがあります。
まとめ
Windowsデバイスマネージャーは、パソコンのハードウェア管理とトラブルシューティングに欠かせないツールです。
この記事のポイント
- デバイスマネージャーはハードウェアの状態を管理するツール
- 開き方は複数あるが「スタートボタン右クリック」が最も簡単
- 黄色い「!」マークは問題のサイン
- ドライバーの更新・再インストールで多くの問題が解決
- エラーコードを確認して適切な対処を
- 定期的なチェックで大きなトラブルを未然に防ぐ
- 問題なければドライバーを無理に更新しない
- 非表示のデバイスも表示して不要なものは削除
デバイスマネージャーの使い方を覚えておけば、「音が出ない」「マウスが動かない」といった日常的なトラブルを自分で解決できるようになります。
この記事を参考に、ぜひデバイスマネージャーを活用してみてくださいね!

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