Windows Defender(現:Microsoft Defender)を無効化したいと考える理由はさまざまですが、無効化には重大な安全上のリスクが伴います。
この記事では、Windows Defenderを無効化する方法を説明しますが、まずは安全性について十分に理解していただくことから始めます。
重要な警告とリスク

無効化することで起こり得る危険
セキュリティリスクの増大
- ウイルスやマルウェアに感染しやすくなる
- 個人情報の漏洩や盗難の危険性が高まる
- システムファイルの破損や削除のリスク
- 勝手に広告が表示されたり、動作が重くなる可能性
経済的損失の可能性
- インターネットバンキングの不正利用
- クレジットカード情報の盗用
- 重要なファイルの暗号化による身代金要求
- パソコンの修理や買い替えが必要になる場合
無効化が必要になる正当な理由
一般的なケース
- 他のウイルス対策ソフトをインストールする時
- 特定のソフトウェアが誤って脅威として検出される場合
- システム管理者による一括管理が必要な企業環境
- 古いソフトウェアとの互換性問題
注意すべきポイント
- 一時的な無効化で解決できる問題が多いか
- 完全無効化は最後の手段として考える
- 必ず代替のセキュリティ対策を用意する
安全な代替手段を先に検討しよう
除外設定という選択肢
除外設定のメリット
- Windows Defenderは有効のまま
- 特定のファイルやフォルダだけをスキャン対象外にできる
- 安全性を保ちながら問題を解決
除外設定の手順
- Windows セキュリティを開く
- 「ウイルスと脅威の防止」を選択
- 「除外の追加または削除」をクリック
- 除外したいファイルやフォルダを指定
一時的な無効化で十分な場合
こんな時は一時的な無効化で解決
- ソフトウェアのインストール時のみ
- 特定の作業を行う短時間だけ
- 誤検知を確認したい時
方法1:一時的な無効化(推奨)

Windows 10での手順
ステップ1:設定画面を開く
- スタートボタンをクリック
- 「設定」(歯車マーク)をクリック
- 「更新とセキュリティ」を選択
ステップ2:Windows セキュリティにアクセス
- 左側のメニューから「Windows セキュリティ」を選択
- 「Windows セキュリティを開く」をクリック
ステップ3:リアルタイム保護を無効化
- 「ウイルスと脅威の防止」を選択
- 「ウイルスと脅威の防止の設定」内の「設定の管理」をクリック
- 「リアルタイム保護」のスイッチをオフに切り替え
Windows 11での手順
ステップ1:設定画面を開く
- スタートボタンをクリック
- 「設定」をクリック
- 左側のメニューから「プライバシーとセキュリティ」を選択
ステップ2:Windows セキュリティにアクセス
- 「Windows セキュリティ」をクリック
- 「Windows セキュリティを開く」をクリック
ステップ3:リアルタイム保護を無効化
- 「ウイルスと脅威の防止」を選択
- 「ウイルスと脅威の防止の設定」内の「設定の管理」をクリック
- 「リアルタイム保護」のスイッチをオフに切り替え
一時的無効化の特徴
自動復旧機能
- パソコンを再起動すると自動的に有効に戻る
- 時間が経つと自動的に再有効化される
- 安全性を考慮した仕組み
無効化中の注意点
- インターネットの使用は最小限に
- 不明なファイルをダウンロードしない
- USBメモリなど外部記憶装置の使用に注意
- 作業が終わったらすぐに有効化
方法2:完全無効化(非推奨・上級者向け)
実行前の必須確認事項
以下の条件をすべて満たす場合のみ実行
- パソコンに詳しく、トラブル時に自分で対処できる
- 代替のウイルス対策ソフトを必ず導入する
- システムのバックアップを事前に取る
- レジストリ編集のリスクを理解している
推奨しない理由
- システムファイルの損傷リスク
- 元に戻すのが困難
- Windowsアップデートで設定が変わる可能性
- サポート対象外になる場合がある
レジストリ編集による完全無効化
⚠️ 危険度:高
事前準備
- 重要なファイルをバックアップ
- システムの復元ポイントを作成
- 代替ウイルス対策ソフトを準備
手順
Windows + R
でファイル名を指定して実行を開く- 「regedit」と入力してレジストリエディターを起動
- 以下のパスに移動:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows Defender
- 右側の空白部分を右クリック
- 「新規」→「DWORD(32ビット)値」を選択
- 新しい値の名前を「DisableAntiSpyware」に変更
- 値をダブルクリックし、「値のデータ」を「1」に設定
- パソコンを再起動
設定を元に戻す方法
レジストリ設定の削除
- 同じレジストリの場所に移動
- 「DisableAntiSpyware」を右クリック
- 「削除」を選択
- パソコンを再起動
代替ウイルス対策ソフトの選び方

Windows Defenderを無効化する場合の必須対策
信頼できるウイルス対策ソフト
- カスペルスキー
- ノートン
- ウイルスバスター
- マカフィー
- ESET
選ぶ時のポイント
- 定期的に更新されているか
- 日本語サポートがあるか
- 動作が軽いか
- 評判や実績があるか
インストール手順の注意点
正しい手順
- 代替ソフトをダウンロード(公式サイトから)
- Windows Defenderを無効化
- 代替ソフトをインストール
- 設定を確認してスキャン実行
避けるべきこと
- 複数のウイルス対策ソフトの同時使用
- 無料だからといって不明なソフトを使用
- 設定をよく確認しないまま使用
よくあるトラブルと解決方法
Q1:設定画面が見つからない
A1:Windowsのバージョンを確認
- Windows 10と11で画面構成が異なる
- アップデートで画面が変わることもある
- 検索機能で「Windows セキュリティ」と入力
Q2:スイッチがオフにできない
A2:管理者権限で実行
- 管理者アカウントでログイン
- 会社のパソコンは管理者に相談
- グループポリシーで制限されている可能性
Q3:勝手に有効に戻ってしまう
A3:Windowsの仕様です
- 安全性のための自動復旧機能
- 完全無効化するには上級者向けの方法が必要
- 一時的無効化なら正常な動作
Q4:無効化後にウイルスに感染した
A4:すぐに対処が必要
- インターネットを切断
- 代替ウイルス対策ソフトでスキャン
- 感染が確認されたら専門家に相談
- 必要に応じてシステムを初期化
まとめ
Windows Defenderの無効化は、適切な知識と準備があって初めて安全に実行できる操作です。
重要なポイント
- 一時的無効化を最初に検討する
- 代替セキュリティ対策を必ず用意する
- 完全無効化は最後の手段
- 安全性のリスクを十分に理解する
推奨する手順
- 除外設定で問題が解決できないか確認
- 一時的無効化で目的が達成できるか試す
- どうしても必要な場合のみ完全無効化を検討
- 必ず代替のウイルス対策ソフトをインストール
最後に セキュリティは「面倒」だと感じることもありますが、大切な情報や財産を守るために欠かせないものです。
Windows Defenderを無効化する場合は、そのリスクを理解した上で、慎重に行ってください。
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