PCの動作が遅くなった時、「メモリが足りないのかも?」と思ったことはありませんか?
Windowsでは、現在のメモリ使用状況や搭載メモリ容量を簡単に確認できます。
この記事では、Windowsでのメモリ確認方法を初心者にもわかりやすく解説し、合わせてパフォーマンスのチェック方法も紹介します。
メモリ(RAM)とは何か
メモリ(RAM)は、パソコンが作業する時に使う「作業台」のような役割をしています。
日常生活の例:
- 机の広さ:広い机なら複数の書類を同時に扱える
- メモリの容量:多いメモリなら複数のアプリを同時に動かせる
こんな時にメモリ確認が必要
- パソコンの動作が遅い
- アプリの起動に時間がかかる
- フリーズやクラッシュが頻発
- 新しいソフトをインストールする前
- メモリ増設を検討している
それでは、搭載メモリ容量の確認方法から始めてみましょう。
搭載メモリ容量を確認する方法

方法1:設定から確認(最も簡単)
Windows 11の場合:
手順1:設定を開く
- スタートボタンをクリック
- 「設定」(歯車のアイコン)をクリック
手順2:システム情報を確認
- 左側のメニューから「システム」をクリック
- 「バージョン情報」をクリック
- 「実装RAM」の項目でメモリ容量を確認
表示例:
実装RAM: 16.0 GB
Windows 10の場合:
手順1:設定を開く
- スタートボタンをクリック
- 「設定」(歯車のアイコン)をクリック
手順2:システム情報を確認
- 「システム」をクリック
- 「詳細情報」をクリック
- 「実装メモリ(RAM)」で容量を確認
方法2:タスクマネージャーを使う(詳細情報も確認可能)
手順1:タスクマネージャーを開く
キーボードショートカット(推奨):
- Ctrl + Shift + Escを同時押し
右クリックメニューから:
- タスクバーの空白部分で右クリック
- 「タスクマネージャー」を選択
手順2:メモリ情報を確認
- **「パフォーマンス」**タブをクリック
- 左側のメニューから**「メモリ」**を選択
- 詳細なメモリ情報が表示される
確認できる情報:
- 総メモリ容量:搭載されているメモリの合計
- 使用中:現在使われているメモリ量
- 利用可能:まだ使えるメモリ量
- メモリ速度:メモリの動作速度(例:3200 MHz)
- スロット使用数:メモリスロットの使用状況(例:2/4)
- フォームファクタ:メモリの種類(例:DIMM)
方法3:コントロールパネルから確認
手順1:コントロールパネルを開く
- Windowsキー + Rを押す
- 「control」と入力してEnter
手順2:システム情報を確認
- 「システムとセキュリティ」をクリック
- 「システム」をクリック
- 「実装メモリ(RAM)」で容量を確認
メモリ使用状況をチェックする方法

タスクマネージャーでのリアルタイム監視
タスクマネージャーの「メモリ」欄では、以下が確認できます:
基本情報
- 使用中:現在使われているメモリ量(例:8.2 GB)
- 利用可能:まだ使えるメモリ量(例:7.8 GB)
- コミット済み:システムが確保しているメモリ量
- キャッシュ済み:高速化のために保存されているデータ
詳細情報
- ページプール:システムが使用している領域
- 非ページプール:重要なシステム領域
- 速度:メモリの動作速度
- スロット:メモリスロットの使用状況
メモリ使用率の見方
使用率の目安:
- 30%以下:余裕がある状態
- 50%〜70%:通常の使用範囲
- 80%以上:メモリ不足の可能性
- 90%以上:メモリの節約や増設を検討
プロセス別メモリ使用量の確認
手順1:プロセスタブを開く
- タスクマネージャーで「プロセス」タブをクリック
- 「メモリ」列でソート(クリックして降順にする)
手順2:メモリを多く使っているアプリを確認
よくメモリを使うアプリの例:
- Webブラウザ(Chrome、Edge):複数タブを開いている時
- 画像・動画編集ソフト:Photoshop、Premiere Pro
- ゲーム:高画質なゲーム
- 仮想化ソフト:VirtualBox、VMware
コマンドラインで確認する(上級者向け)
PowerShellを使った確認方法
手順1:PowerShellを開く
- Windowsキー + Xを押す
- 「Windows PowerShell」または「ターミナル」を選択
手順2:メモリ情報を取得
基本的なメモリ容量確認:
Get-ComputerInfo | Select-Object CsTotalPhysicalMemory
わかりやすい単位で表示:
$memory = Get-WmiObject -Class Win32_ComputerSystem
$memoryGB = [math]::Round($memory.TotalPhysicalMemory / 1GB, 2)
Write-Host "搭載メモリ: $memoryGB GB"
詳細なメモリ情報:
Get-WmiObject -Class Win32_PhysicalMemory | Format-Table Capacity, Speed, Manufacturer, PartNumber -AutoSize
コマンドプロンプトでの確認
systeminfo | findstr "物理メモリの合計"
または英語版の場合:
systeminfo | findstr "Total Physical Memory"
メモリ性能の詳細チェック

メモリ速度の確認方法
タスクマネージャーで確認
- 「パフォーマンス」 → 「メモリ」
- 右下の「速度」を確認(例:3200 MHz)
CPU-Zを使った詳細確認(フリーソフト)
- CPU-Zをダウンロード・インストール
- 「Memory」タブで詳細情報を確認
- 「SPD」タブでメモリモジュール個別情報を確認
メモリのデュアルチャネル確認
デュアルチャネルとは、2つのメモリを同時に使ってパフォーマンスを向上させる技術です。
確認方法
- タスクマネージャーの「メモリ」セクション
- 「スロット使用数」を確認
- 「2/4」のように偶数個使用していれば、デュアルチャネルの可能性が高い
トラブルシューティング
よくある問題と解決方法
問題1:メモリ使用率が常に高い
原因:不要なアプリやサービスが動いている 解決方法:
- スタートアップアプリを無効化
- 不要なアプリを終了
- ウイルススキャンを実行
問題2:実際の容量と表示が違う
原因:システムやグラフィックカードが一部を使用 解決方法:
- 統合グラフィックの場合、一部がVRAMとして使用される
- これは正常な動作
問題3:メモリ情報が表示されない
原因:システムエラーやハードウェア問題 解決方法:
- PCを再起動
- Windowsアップデートを確認
- メモリが正しく挿入されているか確認
メモリ不足の症状
こんな症状があったらメモリ不足かも:
- アプリの起動が非常に遅い
- 複数のアプリを開くとフリーズする
- ブラウザのタブが勝手に更新される
- ファイルの保存が遅い
- **「仮想メモリが不足」**のエラーが出る
メモリ容量の目安
用途別の推奨メモリ容量
基本的な用途(Web閲覧、文書作成):
- 8GB:最低限
- 16GB:快適
クリエイティブ作業(画像編集、動画編集):
- 16GB:最低限
- 32GB:推奨
ゲーミング:
- 16GB:標準
- 32GB:高画質ゲーム
プログラミング・開発:
- 16GB:最低限
- 32GB以上:仮想化やコンテナを使う場合
まとめ
Windowsでは、設定画面やタスクマネージャー、さらにはPowerShellを使って、簡単にメモリ容量や使用状況を確認できます。
この記事の要点
- 基本確認:設定画面で搭載容量を確認
- 詳細確認:タスクマネージャーで使用状況を監視
- 上級確認:PowerShellで詳細情報を取得
- トラブル対応:メモリ不足の症状と対策を理解
メモリチェックの流れ
- 搭載容量を確認(設定またはタスクマネージャー)
- 現在の使用状況をチェック(タスクマネージャー)
- メモリを多く使うアプリを特定(プロセスタブ)
- 必要に応じて対策を実施(アプリ終了、増設検討)
定期的なチェックのすすめ
月1回程度のメモリチェックで:
- パフォーマンスの変化を把握
- 不要なアプリの蓄積を防止
コメント