「ネットワークの設定でIPアドレスが必要と言われた」
「インターネットに接続できないのでIPアドレスを確認したい」
「リモートアクセスの設定でIPアドレスを知りたい」
「ネットワーク機器の設定でコンピューターのアドレスが必要」
こんな場面で、自分のコンピューターのIPアドレスを調べる必要が出てきたことはありませんか?
IPアドレスは、ネットワーク上でコンピューターを識別するための「住所」のような役割を果たします。
この記事では、Windows でIPアドレスを確認するさまざまな方法を、初心者の方にもわかりやすく詳しく説明します。
IPアドレスとは?

IPアドレスの基本概念
ネットワーク上の住所
IPアドレス(Internet Protocol Address)は、ネットワーク上でコンピューターや機器を識別するためのユニークな番号です。
現実世界の住所と同じように、データがどこに送られるべきかを決めるために使われます。
IPアドレスの表記方法
IPv4アドレスは、ドット(.)で区切られた4つの数字で表現されます。 例:192.168.1.100、172.16.0.50、10.0.0.1
IPアドレスの役割
- データ通信の送信先を特定
- ネットワーク内でのデバイス識別
- インターネット接続の管理
- セキュリティ設定での機器認証
IPアドレスの種類
プライベートIPアドレス(ローカルIPアドレス)
家庭内や会社内のネットワーク(LAN)で使用される内部的なアドレスです。
プライベートIPアドレスの範囲
- クラスA:10.0.0.0 ~ 10.255.255.255
- クラスB:172.16.0.0 ~ 172.31.255.255
- クラスC:192.168.0.0 ~ 192.168.255.255
グローバルIPアドレス(パブリックIPアドレス)
インターネット上で使用される、世界中でユニークなアドレスです。
インターネットサービスプロバイダー(ISP)から割り当てられます。
動的IPアドレスと静的IPアドレス
- 動的IP:接続のたびに自動的に変更される
- 静的IP:固定された変更されないアドレス
方法1:コマンドプロンプトでの確認

基本的なipconfigコマンド
コマンドプロンプトの起動
- 画面左下の「スタート」ボタンをクリック
- 検索欄に「cmd」と入力
- 「コマンドプロンプト」が表示されたらクリック
- または「Windows キー + R」→「cmd」と入力してEnter
基本的なIPアドレス確認
ipconfig
このコマンドを入力してEnterキーを押すと、以下の情報が表示されます:
- アダプターの名前(Wi-Fi、イーサネットなど)
- IPv4アドレス
- サブネットマスク
- デフォルトゲートウェイ
詳細情報の確認
より詳細な情報表示
ipconfig /all
このコマンドでは、以下の追加情報も確認できます:
- DHCPサーバーのアドレス
- DNSサーバーのアドレス
- MACアドレス(物理アドレス)
- IPアドレスのリース時間
- ネットワークアダプターの詳細情報
表示される情報の解説
- IPv4アドレス:現在のIPアドレス
- サブネットマスク:ネットワークの範囲を示す
- デフォルトゲートウェイ:ルーターのIPアドレス
- DHCPサーバー:IPアドレスを自動配布するサーバー
- DNSサーバー:ドメイン名をIPアドレスに変換するサーバー
その他の便利なコマンド
ネットワーク設定のリセット
ipconfig /release
ipconfig /renew
/release
:現在のIPアドレスを解放/renew
:新しいIPアドレスを取得
DNSキャッシュの管理
ipconfig /flushdns
DNSキャッシュをクリアして、名前解決の問題を解決
ネットワーク接続の詳細確認
netstat -r
ルーティングテーブルの表示
方法2:設定アプリでの確認(Windows 10/11)

Wi-Fi接続の場合
設定アプリからのアクセス
- 「スタート」ボタン → 「設定」(歯車アイコン)をクリック
- 「ネットワークとインターネット」を選択
- 左側のメニューから「Wi-Fi」をクリック
- 接続中のネットワーク名をクリック
詳細情報の確認 「プロパティ」セクションで以下の情報を確認できます:
- IPv4アドレス
- IPv6アドレス
- サブネットマスク
- ゲートウェイ
- DNSサーバー
- 接続速度
- セキュリティの種類
有線接続(イーサネット)の場合
イーサネット設定へのアクセス
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」
- 左側のメニューから「イーサネット」をクリック
- 接続中の有線ネットワークをクリック
接続プロパティの確認 Wi-Fi接続と同様の情報が表示され、有線接続特有の情報も確認できます:
- 接続速度(1Gbps、100Mbpsなど)
- デュプレックス設定
- ケーブルの状態
方法3:コントロールパネルでの確認

ネットワークと共有センター
アクセス方法
- 「Windows キー + R」→「ncpa.cpl」と入力してEnter
- または「コントロールパネル」→「ネットワークとインターネット」→「ネットワークと共有センター」
アダプター設定の変更
- 「アダプターの設定の変更」をクリック
- 確認したいネットワークアダプターをダブルクリック
- 「詳細」ボタンをクリックして詳細情報を表示
詳細情報で確認できる項目
- IPアドレス
- サブネットマスク
- デフォルトゲートウェイ
- DHCPサーバー
- DNSサーバー
- 物理アドレス(MACアドレス)
方法4:PowerShellでの確認

PowerShellコマンドの使用
PowerShellの起動
- 「スタート」ボタンを右クリック
- 「Windows PowerShell」または「Windows ターミナル」を選択
基本的なIP確認コマンド
Get-NetIPAddress
すべてのネットワークアダプターのIPアドレス情報を表示
IPv4アドレスのみを表示
Get-NetIPAddress -AddressFamily IPv4
特定のアダプターの情報を表示
Get-NetIPConfiguration
より詳細で整理された情報を表示
高度なPowerShellコマンド
ネットワーク設定の包括的確認
Get-NetIPConfiguration | Select-Object InterfaceAlias,IPv4Address,IPv4DefaultGateway,DNSServer
接続テストの実行
Test-NetConnection -ComputerName google.com
指定したサーバーへの接続をテスト
グローバルIPアドレスの確認方法
Webサービスを利用した確認
ブラウザでの確認 以下のWebサイトにアクセスすると、グローバルIPアドレスが表示されます:
- whatismyipaddress.com
- ipchicken.com
- checkip.amazonaws.com
PowerShellでの確認
Invoke-RestMethod -Uri "https://ipinfo.io/ip"
コマンドプロンプトでの確認
nslookup myip.opendns.com resolver1.opendns.com
プライベートIPとグローバルIPの違い
使用場面の違い
- プライベートIP:家庭内や会社内での機器識別
- グローバルIP:インターネット上での識別、外部からのアクセス
セキュリティの観点
- プライベートIPは外部から直接アクセスできない
- グローバルIPは世界中からアクセス可能(ファイアウォールで保護が必要)
IPアドレス確認時のよくある問題と解決方法

IPアドレスが表示されない場合
ネットワーク接続の確認
- ネットワークケーブルの接続状態をチェック
- Wi-Fiの接続状態を確認
- ネットワークアダプターのドライバー更新
DHCP設定の問題
ipconfig /release
ipconfig /renew
IPアドレスの再取得を試行
ネットワークアダプターのリセット
netsh winsock reset
netsh int ip reset
ネットワーク設定をリセット(再起動が必要)
間違ったIPアドレスが表示される場合
複数のネットワークアダプター
- 有線とWi-Fiの両方が有効になっている場合
- VPNソフトウェアが仮想アダプターを作成している場合
- 仮想マシンソフトウェアの影響
優先順位の確認
- 「ネットワークと共有センター」→「アダプターの設定の変更」
- 使用しないアダプターを無効化
- メトリック値の調整で優先順位を変更
169.254.x.x のIPアドレスが表示される場合
APIPA(Automatic Private IP Addressing) このアドレス範囲は、DHCPサーバーから正常にIPアドレスを取得できない場合に自動的に設定されます。
解決方法
- ルーターの電源を再起動
- ネットワークケーブルの接続確認
- DHCPサービスの起動確認
- ファイアウォール設定の確認
ネットワーク診断とトラブルシューティング

Windows標準の診断ツール
ネットワーク診断の実行
- タスクバーのネットワークアイコンを右クリック
- 「ネットワークの問題のトラブルシューティング」を選択
- 自動診断が実行され、問題と解決策が提示される
詳細な診断情報
netsh diag show all
包括的なネットワーク診断情報を表示
ping コマンドによる接続テスト
基本的なpingテスト
ping 8.8.8.8
Google のDNSサーバーへの接続をテスト
ローカルネットワークのテスト
ping 192.168.1.1
ルーター(ゲートウェイ)への接続をテスト
連続ping の実行
ping -t google.com
継続的な接続監視(Ctrl+C で停止)
セキュリティとプライバシーの考慮事項
IPアドレス情報の取り扱い
プライベートIPアドレス
- 社外に漏れても直接的な危険は少ない
- ただし、ネットワーク構成の推測材料になる可能性
グローバルIPアドレス
- 位置情報の特定に使用される可能性
- 不適切な公開は避ける
- VPNサービスによる隠蔽も検討
ネットワークセキュリティの基本
ファイアウォールの確認
- 「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windows セキュリティ」
- 「ファイアウォールとネットワーク保護」を確認
- 適切なプロファイルが有効になっているかチェック
不審なネットワーク活動の監視
netstat -an
現在の接続状況を確認
まとめ
Windows でのIPアドレス確認は、ネットワークトラブルの解決や各種設定に必要な基本的なスキルです。
用途に応じて適切な方法を選択し、正確な情報を取得することが重要です。
重要なポイント
- コマンドプロンプトの
ipconfig
が最も基本的で確実 - 設定アプリでは視覚的にわかりやすい情報を確認
- プライベートIPとグローバルIPの違いを理解
- トラブル時は段階的な診断アプローチを実施
効果的な活用方法
- 定期的なネットワーク状態の確認
- トラブル発生時の迅速な原因特定
- セキュリティ監視での活用
- 新しい機器設定時の参考情報
覚えておきたいコマンド
ipconfig
:基本的なIP情報ipconfig /all
:詳細なネットワーク情報ping
:接続テストnetstat
:接続状況の確認
セキュリティの注意点
- IPアドレス情報の適切な管理
- 不要な情報の外部流出を防ぐ
- 定期的なセキュリティ設定の確認
- 企業環境では管理者との連携が重要
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