インターネットにつながらない、他のPCに接続できない、Wi-Fiの調子が悪い…。
そんなときに役立つのが、コマンドプロンプトでのネットワーク確認です。
「難しそう」と思われがちですが、実は数行のコマンドを使うだけで、ネットワークの状態や問題の原因を把握できるんです。
この記事では、初心者でも使えるように、Windowsコマンドプロンプトでネットワークの基本情報や接続状況を確認するコマンドをわかりやすく解説します。
ネットワーク確認の基本:CMDとは?

コマンドプロンプト(CMD)は、Windowsに標準搭載されている黒い画面のコマンド操作ツールです。
GUIではなくテキストベースで操作するため、軽量かつ高速に動作します。
起動方法:
Win + R
→cmd
と入力 → Enter- または「スタートメニュー」→「Windows システムツール」→「コマンドプロンプト」
Windows 11では検索ボックスに「cmd」と入力して起動することも可能。
黒い画面が表示されたら準備完了です。ここからネットワークに関するさまざまな情報を取得できます。
IPアドレス・接続情報を確認するコマンド

ipconfig
最も基本的なネットワーク情報確認コマンドです。
ipconfig
このコマンドで現在のIPアドレス・サブネットマスク・デフォルトゲートウェイなどの基本情報が確認できます。
実行例(抜粋):
イーサネット アダプター イーサネット:
IPv4 アドレス. . . . . . . . . . . .: 192.168.1.101
サブネット マスク . . . . . . . . . .: 255.255.255.0
デフォルト ゲートウェイ . . . . . .: 192.168.1.1
ipconfig /all
より詳細な情報を確認したい場合は、/all
オプションを追加します。
ipconfig /all
このコマンドでは、以下の情報も表示されます:
- MACアドレス(物理アドレス)
- DHCPの有効/無効状態
- DNSサーバーのアドレス
- ホスト名
- 各ネットワークアダプターの詳細設定
ネットワークトラブルの原因調査には、この詳細情報が役立ちます。
接続先への疎通確認(ping)

pingコマンド
指定した宛先との通信が可能かどうかを確認できます。
データパケットを送信し、応答時間も測定します。
インターネット接続を確認:
ping google.com
LAN内の他の機器との接続を確認:
ping 192.168.1.10
連続してpingを送信する場合:
ping -t google.com
このコマンドは手動で停止するまで継続的にpingを送信します(Ctrl+Cで停止)。
DNSや名前解決のトラブル確認

nslookupコマンド
DNSサーバーが正しく名前解決できているか確認できます。
nslookup google.com
結果例:
サーバー: router.local
Address: 192.168.1.1
権限のない回答:
名前: google.com
Addresses: 2404:6800:4004:80a::200e
142.250.196.110
ドメイン名からIPアドレスが正しく引き出せない場合、次のような原因が考えられます:
- DNSサーバーの設定が間違っている
- インターネット接続に問題がある
- ルーターの不具合
特定のDNSサーバーを指定して確認:
nslookup google.com 8.8.8.8
ルーティング・経路確認(tracert)

tracertコマンド
目的のサーバーまでの通信経路を可視化します。各中継点(ホップ)ごとの応答時間も表示されます。
tracert google.com
結果例:
1 1 ms 1 ms 1 ms 192.168.1.1
2 10 ms 9 ms 9 ms 10.58.0.1
3 11 ms 10 ms 10 ms aaa.bbb.ccc.ddd
...
12 15 ms 15 ms 15 ms 142.250.196.110
この情報で分かること:
- 目的地までに何台のルーターを経由しているか
- どのホップで遅延が発生しているか
- どこで通信が切断されているか(タイムアウトが発生している場所)
インターネット接続が遅い場合や不安定な場合、このコマンドで問題箇所を特定できることがあります。
その他の便利なネットワークコマンド
コマンド | 説明 | 使用例 |
---|---|---|
netstat -ano | 現在の接続状況、使用中のポート、PIDを表示 | ポート競合の確認、不審な接続の発見 |
arp -a | IPアドレスとMACアドレスの対応表を表示 | LAN内の機器検出、重複IPの確認 |
route print | ルーティングテーブルを表示 | ネットワーク経路の確認 |
netsh interface show interface | ネットワークインターフェースの状態一覧 | 有効/無効状態の確認 |
ipconfig /flushdns | DNSキャッシュをクリア | 名前解決の問題解決 |
ipconfig /release | IPアドレスを解放 | IP再取得のトラブルシューティング |
ipconfig /renew | 新しいIPアドレスを取得 | DHCP更新 |
まとめ
Windowsのコマンドプロンプトを使えば、ネットワークのトラブル原因をGUIなしで迅速に調査できます。
おさらい:
ipconfig
でIPアドレスや基本ネットワーク設定を確認ping
で通信の疎通確認nslookup
でDNS解決を検証tracert
で通信経路と遅延を分析netstat
やarp
でさらに詳細なネットワーク状況を確認
これらのコマンドを使いこなせば、「インターネットが繋がらない」といった問題が発生したとき、どこに原因があるのかを自分で特定できるようになります。
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