「昨日まで普通に使えていたのに、パソコンが突然起動しなくなった…」 「間違って大事なファイルを削除してしまった…」 「ランサムウェアに感染して、全部のファイルが開けない…」
こんな悲劇、他人事だと思っていませんか?
実は、ハードディスクの故障率は年間約5%。20台に1台は毎年壊れる計算です。さらに、うっかりミスやウイルス感染を含めれば、データを失うリスクは誰にでもあります。
でも大丈夫。きちんとバックアップを取っていれば、最悪の事態も怖くありません。
この記事では、お金をかけずにできる方法から、プロ並みの完璧なバックアップまで、あなたのニーズに合った方法を詳しく解説します。読み終わる頃には、「今すぐバックアップしなきゃ!」と思うはずです。
バックアップの基本:3つの種類を理解しよう

1. ファイルバックアップ(個別のデータを守る)
こんなものを保護:
- 写真、動画、音楽
- Word、Excel などの書類
- メール、連絡先
- ダウンロードしたファイル
特徴:
- 必要なファイルだけを選んで保存
- 容量が少なくて済む
- 復元も簡単
2. システムイメージバックアップ(丸ごと保存)
こんなものを保護:
- Windows本体
- インストールしたソフト
- 各種設定
- すべてのファイル
特徴:
- パソコンの状態を丸ごと保存
- 容量は大きい(100GB以上)
- 完全復旧が可能
3. クラウドバックアップ(ネット上に保存)
こんなものを保護:
- 選択したフォルダやファイル
- 設定によっては全データ
特徴:
- 自動で同期
- どこからでもアクセス可能
- 火災や盗難でも安心
Windows標準機能でバックアップ:無料ですぐできる!
方法1:ファイル履歴(Windows 10/11の基本)
これが一番簡単!自動バックアップの決定版
ファイル履歴は、大切なファイルを定期的に自動保存してくれる機能です。
設定手順:
- 外付けドライブを接続 USBメモリ、外付けHDD、SDカードなど何でもOK
- 設定を開く
- Windows + I で設定画面
- 「更新とセキュリティ」→「バックアップ」
- ドライブを追加
- 「ドライブの追加」をクリック
- 接続したドライブを選択
- 自動バックアップ開始!
- スイッチが自動的にオンに
- 初回は少し時間がかかります
保存される場所:
- デスクトップ
- ドキュメント
- ピクチャ
- ビデオ
- ミュージック
便利な設定:
- バックアップ間隔:10分~24時間で選択可能
- 保存期間:1か月~無期限
- 除外フォルダ:バックアップ不要なものを指定
方法2:システムイメージの作成(完全バックアップ)
パソコンを丸ごと保存する最強の方法
準備するもの:
- 外付けHDD(Cドライブの2倍以上の容量)
- 時間(2~3時間)
作成手順:
- コントロールパネルを開く
- Windows + R → 「control」と入力
- バックアップと復元を選択
- 「システムとセキュリティ」
- 「バックアップと復元(Windows 7)」
- システムイメージの作成
- 左側メニューから選択
- 保存先を選ぶ(外付けHDD推奨)
- バックアップ開始
- 含めるドライブを確認
- 「バックアップの開始」をクリック
作成タイミングの目安:
- 大型アップデート前
- 新しいソフトをインストールする前
- 年に2~3回の定期実施
方法3:OneDriveで自動同期(クラウドバックアップ)
Microsoft純正のクラウドサービス
Windows 10/11には最初から入っているOneDrive。無料で5GBまで使えます。
設定方法:
- OneDriveにサインイン
- タスクバーの雲アイコンをクリック
- Microsoftアカウントでログイン
- 同期フォルダを選択
- OneDrive設定を開く
- 「バックアップ」タブ
- 「バックアップを管理」
- 重要フォルダーの保護
- デスクトップ、ドキュメント、ピクチャを選択
- 「バックアップの開始」
容量を増やす方法:
- Microsoft 365加入で1TB
- 単体プラン:100GB/月224円
バックアップ先の選び方:どこに保存すべき?

外付けHDD/SSD
メリット:
- 大容量で安い(4TB約1万円)
- 転送速度が速い
- 一度買えばずっと使える
デメリット:
- 物理的故障のリスク
- 持ち運び時の破損・紛失
おすすめの人:
- 大量のデータがある
- 動画編集をする
- コスパ重視
USBメモリ/SDカード
メリット:
- 持ち運びが簡単
- 安価(32GB約1,000円)
- 複数持ちで分散保管可能
デメリット:
- 容量が限られる
- 紛失しやすい
- 寿命が短め
おすすめの人:
- 重要書類だけバックアップ
- 持ち運びが多い
- サブのバックアップ用
NAS(ネットワークドライブ)
メリット:
- 家族で共有できる
- 自動バックアップ設定が豊富
- スマホからもアクセス可能
デメリット:
- 初期費用が高い(2万円~)
- 設定がやや複雑
- 電気代がかかる
おすすめの人:
- 家族全員のデータを守りたい
- 本格的なバックアップ環境を作りたい
クラウドストレージ
メリット:
- 災害でも安心
- どこからでもアクセス
- 自動同期で手間いらず
デメリット:
- 月額料金が発生
- ネット環境必須
- アップロードに時間がかかる
主なサービスと料金:
- OneDrive:100GB/月224円
- Google Drive:100GB/月250円
- Dropbox:2TB/月1,500円
ルール:バックアップ戦略
バックアップの黄金律「3-2-1ルール」
3: データのコピーを3つ持つ(オリジナル + バックアップ2つ) 2: 2種類の異なるメディアに保存 1: 1つは別の場所(オフサイト)に保管
実践例:
- パソコン本体(オリジナル)
- 外付けHDD(ローカルバックアップ)
- OneDrive(クラウドバックアップ)
これで、ほぼ完璧な保護が実現できます。
自動化で楽々!設定したら忘れてOK

Windows標準のタスクスケジューラを活用
定期的なバックアップを自動実行:
- タスクスケジューラを開く
- Windows + R → 「taskschd.msc」
- 基本タスクの作成
- 右側の「基本タスクの作成」
- 名前:「週次バックアップ」など
- トリガーを設定
- 毎週日曜日の夜中など
- パソコンがスリープしない時間帯
- 実行するプログラムを指定
- wbadmin(Windowsバックアップ)
- robocopy(ファイルコピー)
サードパーティ製の便利ツール
無料で使えるバックアップソフト:
- AOMEI Backupper:初心者向け、日本語対応
- EaseUS Todo Backup:多機能、スケジュール設定が簡単
- Macrium Reflect:高速、差分バックアップ対応
これらを使えば、より細かい設定が可能です。
復元方法:いざという時のために
ファイル履歴から復元
個別ファイルの復元:
- 復元したいフォルダを右クリック
- 「以前のバージョンの復元」
- 日時を選んで「復元」
削除したファイルの復元:
- 元あった場所のフォルダを開く
- 「ホーム」タブ→「履歴」
- タイムラインから選んで復元
システムイメージから完全復元
パソコンが起動しない場合:
- 回復ドライブから起動
- 事前に作成した回復USBを挿入
- 電源投入時にF12(メーカーによる)
- 回復オプションを選択
- 「トラブルシューティング」
- 「詳細オプション」
- 「イメージでシステムを回復」
- 復元開始
- バックアップを選択
- 指示に従って復元
所要時間:1~3時間程度
よくある失敗と対策
失敗1:バックアップを取ったつもりが…
症状: いざ復元しようとしたら、ファイルが古かった
対策:
- 自動バックアップの間隔を短く設定
- 重要な作業後は手動でバックアップ
- 定期的にバックアップ状況を確認
失敗2:容量不足でバックアップ失敗
症状: 「空き容量が不足しています」エラー
対策:
- バックアップ先の容量を2倍以上確保
- 不要なファイルを除外設定
- 古いバックアップを定期削除
失敗3:バックアップメディアも一緒に壊れた
症状: 本体と外付けHDDが同時に故障
対策:
- 複数の場所に分散保管
- クラウドも併用する
- 定期的にメディアを更新
チェックリスト:今すぐ確認!
最低限やるべきこと
- [ ] 重要データの場所を把握している
- [ ] 何らかのバックアップを設定している
- [ ] 月1回はバックアップを確認している
- [ ] 回復ドライブを作成している
- [ ] バックアップの復元方法を理解している
理想的な状態
- [ ] 3-2-1ルールを実践している
- [ ] 自動バックアップが動作している
- [ ] クラウドバックアップも併用
- [ ] 定期的にテスト復元を実施
- [ ] 家族の写真は特別に保護
まとめ:今日から始める、後悔しないバックアップ
バックアップは「保険」です。何も起きなければ無駄に感じるかもしれません。でも、一度でもデータを失った経験がある人なら、その重要性を痛感しているはずです。
今すぐできる3ステップ:
- まずはファイル履歴を有効化(5分) 外付けドライブを繋いで、設定をオンにするだけ
- OneDriveで重要フォルダを保護(10分) デスクトップ、ドキュメント、ピクチャを同期設定
- 月1回のシステムイメージ作成(初回3時間) カレンダーに予定を入れて習慣化
「明日やろう」は「永遠にやらない」と同じ。この記事を読み終わったら、すぐに最初の一歩を踏み出してください。
大切な写真、苦労して作った書類、思い出のデータ。それらを守れるのは、今のあなただけです。
さあ、外付けドライブを準備して、Windows + I を押してみましょう。それが、安心への第一歩です!


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