「夜間にPCを自動で切りたい」「ダウンロード完了後に電源をオフにしたい」
「毎日決まった時間にパソコンを終了したい」
── そんなとき便利なのが自動シャットダウン機能です。
実は、Windowsには特別なソフトを使わずに、決まった時間にパソコンを自動で終了する方法がいくつも用意されています。
電気代の節約や、消し忘れ防止にもとても役立ちます。
この記事では、コマンド操作・タスクスケジューラを使った便利な設定方法を、パソコンが苦手な方にもわかりやすく解説します。
【方法1】コマンドで自動シャットダウン【最も簡単】

この方法がおすすめの人
- 一時的にシャットダウンを予約したい
- すぐに設定したい
- コマンド操作に抵抗がない
基本的な手順
ステップ1:「ファイル名を指定して実行」を開く
- Windowsキー + Rを同時に押す
- 小さなウィンドウが表示される
ステップ2:コマンドを入力
shutdown -s -t 3600
- 上記のコマンドを入力
- Enterキーを押す
結果:
- 3600秒(1時間)後にシャットダウンが実行される
- 画面右下に通知が表示される
コマンドの意味と使い方
基本的なコマンド構造:
shutdown -s -t [秒数]
各部分の意味:
- shutdown:シャットダウンコマンド
- -s:シャットダウン(電源を切る)
- -t:時間指定(秒単位)
- [秒数]:何秒後に実行するか
時間の計算例
時間 | 秒数 | コマンド例 |
---|---|---|
30分後 | 1800秒 | shutdown -s -t 1800 |
1時間後 | 3600秒 | shutdown -s -t 3600 |
2時間後 | 7200秒 | shutdown -s -t 7200 |
3時間後 | 10800秒 | shutdown -s -t 10800 |
計算方法: 分数 × 60 = 秒数 (例:90分 × 60 = 5400秒)
その他の便利なオプション
強制シャットダウン:
shutdown -s -f -t 3600
- -f:開いているアプリを強制終了
- 保存していないデータは失われるので注意
メッセージ付きシャットダウン:
shutdown -s -t 3600 -c "1時間後にシャットダウンします"
- -c:通知メッセージを指定
シャットダウンを中止する方法
予約をキャンセル:
shutdown -a
- 同じようにWindowsキー + R
shutdown -a
と入力- Enterで実行
確認方法:
- 「ログオフがキャンセルされました」というメッセージが表示される
【方法2】タスクスケジューラで毎日自動シャットダウン【定期実行】

この方法がおすすめの人
- 毎日決まった時間にシャットダウンしたい
- 曜日を指定してシャットダウンしたい
- 一度設定したら自動で続けたい
詳しい設定手順
ステップ1:タスクスケジューラを開く
- スタートボタンをクリック
- 「タスクスケジューラ」と入力して検索
- 表示された「タスクスケジューラ」をクリック
別の開き方:
- Windowsキー + R → taskschd.msc と入力
ステップ2:基本タスクを作成
- 右側の「操作」メニューから「基本タスクの作成」をクリック
- 「基本タスクの作成ウィザード」が開く
ステップ3:タスクの名前を設定
- 「名前」に「自動シャットダウン」などわかりやすい名前を入力
- 「説明」は空白でもOK(例:毎日22時にシャットダウン)
- 「次へ」をクリック
ステップ4:実行タイミングを設定 以下から選択:
- 「毎日」:毎日同じ時間
- 「毎週」:特定の曜日のみ
- 「毎月」:特定の日にち
- 「1回のみ」:指定した日時のみ
毎日の場合:
- 「毎日」を選択 → 「次へ」
- 開始日:今日の日付でOK
- 時刻:シャットダウンしたい時間(例:22:00)
- 「次へ」をクリック
毎週の場合:
- 「毎週」を選択 → 「次へ」
- 時刻を設定
- シャットダウンしたい曜日にチェック
- 「次へ」をクリック
ステップ5:動作を設定
- 「プログラムの開始」を選択 → 「次へ」
- 「プログラム/スクリプト」に以下を入力:
shutdown.exe
- 「引数の追加」に以下を入力:
-s -f
- 「次へ」をクリック
引数の意味:
- -s:シャットダウン
- -f:強制終了(開いているアプリも閉じる)
ステップ6:設定完了
- 設定内容を確認
- 「完了」をクリック
- タスクスケジューラの一覧に表示される
設定の確認と変更
設定を確認する:
- 「タスクスケジューラライブラリ」をクリック
- 作成したタスクが一覧に表示される
- タスクをクリックすると詳細が表示される
設定を変更する:
- タスクを右クリック
- 「プロパティ」をクリック
- 時間や条件を変更できる
タスクを削除する:
- タスクを右クリック
- 「削除」をクリック
高度な設定オプション
電源関連の設定:
- 「コンピューターをスリープ解除してこのタスクを実行する」:スリープ中でも実行
- 「タスクの実行にコンピューターのAC電源が必要」:ノートPCで電源接続時のみ
実行条件:
- 「コンピューターがアイドル状態の場合のみ実行」:使用中は実行しない
- 「ネットワーク接続が使用可能な場合のみ実行」:ネット接続時のみ
自動シャットダウン時の注意点とリスク

重要な注意事項
1. データの保存
- 作業中のファイル:必ず保存してから設定
- 自動保存機能:WordやExcelの自動保存を有効に
- クラウド同期:OneDriveなどで自動バックアップ
2. 他のプロセスとの競合
- Windows Update:更新中にシャットダウンされる可能性
- ウイルススキャン:定期スキャン中の強制終了
- バックアップソフト:バックアップ中の中断
3. 強制終了のリスク
- -f オプション使用時はアプリが強制終了
- データ損失の可能性
- ファイル破損のリスク
安全な使用方法
事前チェック項目:
- [ ] 重要な作業が完了している
- [ ] ファイルが保存されている
- [ ] 長時間処理が実行されていない
- [ ] 他人への影響がない(共有PC)
推奨設定:
- 余裕のある時間設定:作業完了後30分以上
- 警告時間の設定:シャットダウン前に通知
- テスト実行:重要な日の前に動作確認
トラブル時の対処法
シャットダウンが実行されない場合:
- 管理者権限で実行
- 他のタスクとの競合確認
- システムファイルの修復
意図しないシャットダウンの場合:
- タスクの確認:タスクスケジューラで設定確認
- アプリの確認:インストールしたアプリの設定
- ログの確認:イベントビューアーでエラー確認
応用設定とカスタマイズ

より便利な使い方
1. 条件付きシャットダウン
shutdown -s -t 3600 -c "1時間でシャットダウンします。作業を保存してください。"
- ユーザーにメッセージで警告
2. バッチファイルの作成
@echo off
echo 30分後にシャットダウンします
shutdown -s -t 1800 -c "30分後にシャットダウンします"
pause
- よく使う設定をファイル化
3. デスクトップショートカット
- デスクトップで右クリック
- 「新規作成」 → 「ショートカット」
- 項目の場所に:
shutdown -s -t 3600
- わかりやすい名前を付ける
他の便利な機能
再起動の予約:
shutdown -r -t 3600
- -r:再起動
ログオフの予約:
shutdown -l -t 3600
- -l:ログオフ(電源は切れない)
スリープモード:
rundll32.exe powrprof.dll,SetSuspendState 0,1,0
よくある質問と解決方法

Q1:設定したのにシャットダウンされない
A1:確認ポイント
- 管理者権限で実行しているか
- 他のプロセスが実行中ではないか
- 電源設定で「高速スタートアップ」が影響していないか
Q2:毎日同じ時間に設定したい
A2:タスクスケジューラがおすすめ
- 一度設定すれば自動で継続
- 曜日指定も可能
- 祝日の除外設定も可能
Q3:外出先からシャットダウンしたい
A3:リモート機能を活用
- リモートデスクトップでアクセス
- Wake-on-LAN対応アプリの使用
- クラウド経由でのリモート操作
Q4:子供の使用時間を制限したい
A4:ペアレンタルコントロール
- Microsoft Familyの使用時間制限
- タスクスケジューラでの強制終了
- 専用ソフトでの細かい制御
まとめ
Windowsでの自動シャットダウンは、時間の節約や電力管理にとても役立つ機能です。
方法別の特徴:
- コマンド:簡単で一時的な使用に最適
- タスクスケジューラ:定期的な自動実行に最適
選び方の目安:
- 今すぐ1回だけ:コマンド
- 毎日決まった時間:タスクスケジューラ
- 簡単操作がいい:無料アプリ
安全に使うポイント:
- 作業の保存を忘れずに
- 余裕のある時間設定
- テスト実行で動作確認
- 他人への配慮(共有PC)
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