「AppDataフォルダって何だろう?」 「パソコンのストレージがいっぱいだけど、AppDataの中身は削除しても大丈夫?」
そんな疑問をお持ちの方に向けて、AppDataフォルダについて、初心者の方にもわかりやすく説明します。
この記事を読めば、AppDataフォルダを安全に扱えるようになり、パソコンのメンテナンスにも役立ちます。
AppDataフォルダってなに?

AppDataフォルダの説明
AppDataフォルダとは、インストールしたソフトが自分の設定やデータを保存しておく場所です。
たとえば、本棚に本を置くとき、ジャンルごとに分けて整理しますよね。
AppDataフォルダも同じで、各ソフトが自分のデータを整理して保存する「専用の本棚」のような場所です。
AppDataフォルダの特徴
- 各ソフトの設定や記録が保存されている
- 普段は見えないように隠されている
- 中身を間違って変更すると、ソフトが正常に動かなくなる
- パソコンには欠かせない重要なフォルダ
AppDataフォルダに保存されているもの
ソフトの設定ファイル あなたがカスタマイズした画面の配置や色など
履歴やキャッシュ 最近使ったファイルや、表示を早くするためのデータ
一時的なファイル ソフトが作業中に作る、一時的なファイル
アップデート用のファイル ソフトを更新するときに使うファイル
なぜ普段は見えないの?
AppDataフォルダが隠されているのは、間違って変更や削除をしてしまうことを防ぐためです。
重要なファイルが入っているので、知識がない状態でいじってしまうと、ソフトが動かなくなったり、設定が消えてしまったりする可能性があります。
AppDataフォルダの中身を見る方法
基本的なアクセス方法
方法1:「ファイル名を指定して実行」を使う
- キーボードで Windowsキー + R を同時に押す
- 小さなウィンドウが開くので、「%appdata%」と入力
- Enter キーを押す
- AppDataフォルダ(もしくはAppData内のフォルダ)が開きます
方法2:エクスプローラーから直接アクセス
- エクスプローラーを開く
- アドレスバーに「C:\Users\(あなたのユーザー名)\AppData」と入力
- Enter キーを押す
隠しファイルを常に表示する設定
設定手順
- エクスプローラーを開く
- 上部メニューの「表示」をクリック
- 「隠しファイル」にチェックを入れる
- これで隠しフォルダが常に見えるようになります
AppDataフォルダの3つの種類

Local フォルダ
保存されているもの
- キャッシュファイル(表示を早くするためのデータ)
- 一時ファイル
- そのパソコン専用のデータ
特徴
- サイズが大きくなりやすい
- 削除してもソフトが再作成することが多い
- 比較的安全に整理できる
Roaming フォルダ
保存されているもの
- ソフトの設定ファイル
- ユーザーの個人設定
- ネットワーク上で共有される可能性があるデータ
特徴
- ソフトの設定が保存されている
- 削除するとソフトの設定が初期化される
- 慎重に扱う必要がある
LocalLow フォルダ
保存されているもの
- セキュリティ制限が厳しいソフトのデータ
- ブラウザの一部データ
- 古いソフトの互換性データ
特徴
- あまり使われていない
- サイズは小さいことが多い
- 一般的には触らない方が安全
削除しても安全なファイル
削除してもOKなもの
✅ 一時ファイル(Tempフォルダの中身)
- 作業中に作られる一時的なファイル
- 削除しても問題なし
- 定期的に削除することをおすすめ
✅ キャッシュファイル
- 表示を早くするための一時的なデータ
- 削除してもソフトが再作成する
- サイズが大きいことが多い
✅ ログファイル
- ソフトの動作記録
- 古いものは削除しても問題なし
- 「.log」という拡張子のファイル
✅ 使わなくなったソフトのフォルダ
- アンインストールしたソフトの残りデータ
- ソフト名がわかるフォルダなら削除OK
絶対に削除してはいけないもの
❌ 設定ファイル
- 「config」「settings」などの名前がついたファイル
- 削除するとソフトの設定が消える
❌ データベースファイル
- 「.db」「.sqlite」などの拡張子
- ソフトの重要なデータが入っている
❌ 現在使っているソフトのメインフォルダ
- よく使うソフトのフォルダは触らない
- 不明なものは削除しない
❌ システム関連のフォルダ
- 「Microsoft」「Windows」などのフォルダ
- システムの動作に必要
安全な整理方法

整理する前の準備
バックアップを取る
- AppDataフォルダ全体をコピー
- 外付けハードディスクやクラウドに保存
- 問題が起きたときに元に戻せるようにしておく
使わないソフトのアンインストール
- 「設定」→「アプリ」を開く
- 使わないソフトをアンインストール
- AppDataの中の対応フォルダも自動的に削除される場合が多い
手動での整理手順
ステップ1:Tempフォルダの整理
- AppData\Local\Tempフォルダを開く
- 古いファイル(1週間以上前)を削除
- 削除できないファイルは使用中なのでそのまま
ステップ2:大きなフォルダの確認
- AppData\Localフォルダでフォルダサイズを確認
- 異常に大きなフォルダがあれば中身をチェック
- キャッシュファイルが多い場合は削除を検討
ステップ3:使わないソフトのフォルダ削除
- アンインストール済みのソフト名フォルダを探す
- 確実に使わないものだけ削除
- 不明なフォルダは触らない
自動整理の設定方法
Windows標準機能を使う
ストレージセンサーの設定
- 「設定」→「システム」→「記憶域」
- 「ストレージセンサー」をオン
- 「一時ファイル」の自動削除をオン
- 「30日以上使われていない一時ファイル」を削除に設定
ディスククリーンアップの利用
- Windowsキー + R で「cleanmgr」と入力
- 対象ドライブを選択
- 「一時ファイル」にチェック
- 「OK」で削除実行
サードパーティソフトの活用
CCleaner(無料版)の使用
- 公式サイトからダウンロード
- インストールして起動
- 「クリーナー」タブで項目を選択
- 「解析」→「クリーンアップ実行」
注意点
- 必ず公式サイトからダウンロード
- 設定をよく確認してから実行
- 重要なデータは削除しないよう設定
よくあるトラブルと対処法
ソフトが起動しなくなった
原因 重要な設定ファイルを削除してしまった可能性
対処方法
- バックアップから該当フォルダを復元
- ソフトを再インストール
- ソフトの修復機能を使用
設定が初期化された
原因 設定ファイルが削除された
対処方法
- バックアップから設定ファイルを復元
- ソフトを再設定
- 次回からはより慎重に操作
削除できないファイルがある
原因 ファイルが使用中または権限不足
対処方法
- 該当ソフトを完全に終了
- パソコンを再起動してから削除
- 管理者権限で実行
メンテナンスのスケジュール

定期的な整理の頻度
毎月やること
- Tempフォルダの整理
- 使わないソフトのアンインストール
- ストレージセンサーの動作確認
3ヶ月に一度やること
- AppDataフォルダ全体のサイズチェック
- 大きなキャッシュフォルダの整理
- バックアップの更新
年に一度やること
- 古いソフトのフォルダを全体的にチェック
- システム全体の大掃除
- 外付けハードディスクへの完全バックアップ
よくある質問と答え
Q. AppDataを全部削除したらどうなりますか?
A. 絶対にやめてください。すべてのソフトが正常に動かなくなり、設定もすべて消えてしまいます。
Q. どのくらいの容量まで削除して大丈夫ですか?
A. 一概には言えませんが、Tempフォルダやキャッシュなら大幅に削除しても問題ありません。設定フォルダは触らないでください。
Q. 削除した後、ソフトの動作が不安定になりました
A. バックアップから復元するか、該当ソフトを再インストールしてください。
Q. 他のユーザーのAppDataも見ることはできますか?
A. 管理者権限があれば可能ですが、プライバシーの観点から推奨しません。
まとめ:安全第一でAppDataを活用
AppDataフォルダは重要なシステムフォルダですが、正しい知識があれば安全に整理できます。
今日覚えたこと
- AppData: ソフトの設定やデータを保存する重要なフォルダ
- アクセス方法: Windowsキー + R で「%appdata%」
- 安全な削除: Tempフォルダとキャッシュファイルのみ
- 必須作業: 作業前は必ずバックアップを取る
まずはTempフォルダの整理から始めましょう。
慣れてきたら、少しずつ他の部分も整理していけばOKです。
重要なのは「安全第一」の考え方です。
よくわからないファイルは削除せず、必ずバックアップを取ってから作業することで、安心してパソコンのメンテナンスができるようになりますよ。
コメント