パソコンを使っていて
「もっと早く操作したい」
「マウスをあまり使わずに済ませたい」
と思ったことはありませんか?
そんなときに大活躍するのがAlt(オルト)キーを使ったショートカットです。
Altキーは、CtrlやShiftと組み合わせるのとは少し違い、
- メニューを開く
- ウィンドウを切り替える
- 特定の操作を呼び出す
といった便利な動きが多いのが特徴です。
この記事では、Windowsでよく使うAltキーのショートカットを初心者向けにわかりやすくまとめました。これを覚えれば、作業効率がぐっと上がりますよ。
Altキーの基本的な役割

Altキーの特徴
特徴 | 説明 | 例 |
---|---|---|
メニューアクセス | アプリケーションのメニューを開く | Alt + F(ファイルメニュー) |
ウィンドウ操作 | アクティブウィンドウの制御 | Alt + Tab(切り替え) |
システム操作 | Windows固有の機能実行 | Alt + F4(閉じる) |
ナビゲーション | フォルダやブラウザでの移動 | Alt + ←(戻る) |
他の修飾キーとの違い
キー | 主な用途 | 例 |
---|---|---|
Ctrl | 編集操作、ファイル操作 | Ctrl + C(コピー) |
Shift | 選択範囲の拡張、大文字入力 | Shift + 矢印(範囲選択) |
Alt | メニュー操作、ウィンドウ制御 | Alt + Tab(切り替え) |
Windows | システム機能、スタートメニュー | Win + R(ファイル名を指定して実行) |
基本的なAltショートカット
ウィンドウ操作系
Alt + Tab
開いているウィンドウを切り替える
- Altを押したままTabを何度か押すと、アプリやフォルダを順に切り替えられます
- 作業中のアプリをすばやく行き来するときに便利
- 応用技:Alt + Shift + Tabで逆順に切り替え
Alt + F4
今使っているアプリやウィンドウを閉じる
- 作業を終えたらマウスで×を押さずに、Alt + F4でパッと閉じられます
- デスクトップ画面で使うとシャットダウンメニューが出ます
- 注意:保存していないデータがある場合は保存確認ダイアログが表示されます
Alt + Space
ウィンドウ操作メニューを開く
- 「最小化」「最大化」「閉じる」「移動」「サイズ変更」などがキーボードだけでできます
- 小さいウィンドウを微調整するときに便利
- 続けて以下のキーで操作:
- N:最小化
- X:最大化
- R:元のサイズに戻す
- C:閉じる
Alt + F6
同じアプリ内の複数ウィンドウを切り替え
- 例:複数のWordファイルを開いているときに切り替え
- Excelの複数ブックの切り替えにも対応
Alt + F10
アプリケーションメニューを開く
- ウィンドウの左上のアイコンメニューと同じ機能
- Alt + Spaceと似た機能ですが、アプリによって表示内容が異なる場合があります
ファイル・フォルダ操作系
Alt + Enter
選択したファイルやフォルダのプロパティを開く
- フォルダやファイルを選んでAlt + Enterを押すと、サイズや詳細情報をすぐ確認できます
- ファイルの詳細情報、アクセス権限、作成日時などを確認可能
- 応用:複数ファイル選択時は共通プロパティを表示
Alt + 左矢印(←)/ 右矢印(→)
エクスプローラーやブラウザでのナビゲーション
- Alt + ←:前のページ・フォルダに戻る
- Alt + →:次のページ・フォルダに進む
- ブラウザの「戻る」「進む」ボタンと同じ機能
Alt + 上矢印(↑)
エクスプローラーで上位フォルダに移動
- 現在のフォルダの親フォルダに移動
- パンくずリストの「上へ」ボタンと同じ機能
Alt + D
アドレスバーにカーソルを移動
- エクスプローラーやブラウザでアドレスバー(URLバー)にカーソルを移動
- フォルダパスやURLをすぐ入力できます
- 類似機能:Ctrl + Lでも同様の操作が可能
Alt + P
エクスプローラーのプレビューパネルの表示/非表示
- ファイルを選択したときの内容プレビューを切り替え
- 画像ファイルや文書ファイルの中身を素早く確認できます
アプリケーション操作系
メニューアクセス
Alt + F
ファイルメニューを開く
- WordやExcel、メモ帳などほとんどのソフトで対応
- 続けて以下のキーで各操作:
- N:新規作成
- O:開く
- S:保存
- A:名前を付けて保存
Alt + E
編集メニューを開く
- 対応しているソフトでのみ使用可能
- 続けて以下のキーで各操作:
- C:コピー
- V:貼り付け
- Z:元に戻す
Alt + V
表示メニューを開く
- ビューオプション、表示形式の変更
- ツールバーやステータスバーの表示切り替え
Alt + T
ツールメニューを開く
- アプリケーションの設定やオプション
- 追加機能やアドインへのアクセス
Alt + H
ヘルプメニューを開く
- ヘルプファイルやバージョン情報
- オンラインヘルプへのアクセス
Office(Word、Excel、PowerPoint)特有
Alt(単体)でリボンを操作
Officeアプリでリボンメニューを活性化
- Altを押すと上部のリボンにショートカットキー(A、H、Nなど)が表示されます
- 続けて該当のキーを押すと、マウスを使わずに機能を呼び出せます
主要なOfficeリボンショートカット
Alt + キー | 機能 | 詳細 |
---|---|---|
Alt + H | ホームタブ | フォント、段落、スタイル |
Alt + N | 挿入タブ | 表、画像、図形の挿入 |
Alt + P | ページレイアウトタブ | 余白、向き、サイズ設定 |
Alt + M | 数式タブ(Word) | 数式の挿入と編集 |
Alt + R | 校閲タブ | スペルチェック、コメント |
Alt + W | 表示タブ | ズーム、表示モード |
Alt + F | ファイルタブ | 保存、印刷、オプション |
Alt + F11
VBAエディタを開く
- マクロの作成・編集が可能
- Excel、Word、PowerPointで使用可能
システム操作系
スクリーンショット
Alt + PrintScreen
アクティブウィンドウのみをスクリーンショット
- 全画面のPrintScreenより、必要なウィンドウだけ撮影
- 資料作成やトラブルシューティングに便利
- クリップボードに保存されるため、ペイントなどに貼り付けて保存
タスク管理
Ctrl + Alt + Delete
セキュリティオプション画面を表示
- タスクマネージャーの起動
- ユーザーの切り替え
- システムのロック
- サインアウト
Ctrl + Shift + Esc
タスクマネージャーを直接起動
- Ctrl + Alt + Deleteを経由せずに直接開く
- より高速なアクセスが可能
文字入力
Alt + 数字キー(テンキー)
特殊文字の入力
- Altを押しながらテンキーで数字を入力
- 例:Alt + 0169 = © (コピーライト記号)
- 例:Alt + 0174 = ® (登録商標記号)
よく使う特殊文字
コード | 文字 | 説明 |
---|---|---|
Alt + 0169 | © | コピーライト |
Alt + 0174 | ® | 登録商標 |
Alt + 0153 | ™ | トレードマーク |
Alt + 0176 | ° | 度記号 |
Alt + 0177 | ± | プラスマイナス |
Alt + 0128 | € | ユーロ記号 |
ブラウザ特有のAltショートカット
共通機能
Alt + Home
ホームページに移動
- ブラウザの設定で指定されたホームページを開く
- Edge、Chrome、Firefoxで共通
Alt + F
ブラウザのメニューを開く
- 設定、ブックマーク、履歴へのアクセス
- ブラウザによってメニュー内容が異なる
Internet Explorer / Edge Legacy
Alt + C
お気に入りセンターを開く
- ブックマーク、履歴、フィードを表示
- サイドパネルでの表示
Alt + T
ツールメニューを開く
- インターネットオプション
- 安全性の設定
- アドオンの管理
現代ブラウザ(Chrome、Firefox、新しいEdge)
F6 または Ctrl + L
アドレスバーにフォーカス
- Alt + Dと似た機能
- URL入力や検索が可能
Alt + Shift + B
ブックマークバーの表示/非表示
- Chromeで使用可能
- 画面スペースの有効活用
実用的な活用シーン
デイリーワーク効率化
シーン1:複数アプリ間での作業
1. Alt + Tab でExcelに切り替え
2. データをコピー(Ctrl + C)
3. Alt + Tab でWordに切り替え
4. データを貼り付け(Ctrl + V)
5. Alt + F4 でアプリを閉じる
シーン2:ファイル整理作業
1. Alt + D でアドレスバーにフォーカス
2. フォルダパスを入力して移動
3. Alt + Enter でファイルプロパティ確認
4. Alt + ← で前のフォルダに戻る
シーン3:資料作成
1. Alt + PrintScreen で画面キャプチャ
2. Alt + Tab でWordに切り替え
3. Ctrl + V で画像を貼り付け
4. Alt + F + S で保存
プレゼンテーション時
PowerPoint発表中
- Alt + Tab:他のアプリに一時切り替え
- Alt + F4:プレゼンテーション終了
- Alt + ←/→:スライドナビゲーション(アプリによる)
トラブルシューティング
応答しないアプリの対処
1. Alt + Tab で他のアプリに切り替え
2. Ctrl + Shift + Esc でタスクマネージャー起動
3. 応答しないアプリを強制終了
ウィンドウが画面外に出た場合
1. Alt + Tab で対象ウィンドウを選択
2. Alt + Space でウィンドウメニュー開く
3. M キーを押して移動モード
4. 矢印キーでウィンドウを画面内に移動
よくある問題と解決法

Alt キーが効かない場合
問題1:アプリが応答していない
- 解決法:Ctrl + Shift + Esc でタスクマネージャーを開き、アプリを再起動
問題2:キーボードの故障
- 確認方法:スクリーンキーボードを使用してAltキーをテスト
- 解決法:物理キーボードの交換または修理
問題3:他のアプリがキーを占有
- 解決法:バックグラウンドアプリを確認し、競合するソフトを終了
特定のショートカットが動作しない
アプリ固有の問題
- そのアプリがショートカットをサポートしていない可能性
- アプリの設定でショートカットが無効化されている
Windows設定の問題
- アクセシビリティ設定で固定キー機能が有効になっている
- 地域設定や言語設定の影響
解決手順
- 基本確認
- キーボードの物理的な動作確認
- 他のアプリでのショートカット動作確認
- システム確認
- Windows更新の確認
- デバイスドライバーの更新
- アプリ確認
- アプリの再起動
- アプリ設定の確認
カスタマイズと上級テクニック
Windows設定でのカスタマイズ
固定キー機能
- 修飾キーを一度押すだけで有効にできる機能
- 身体的制約がある場合に有用
フィルターキー機能
- 短時間の重複キー入力を無視
- 誤入力の防止
AutoHotkeyを使った拡張
独自ショートカットの作成
; Alt + J で特定のアプリを起動
!j::Run, notepad.exe
; Alt + ; でよく使うフォルダを開く
!;::Run, explorer.exe C:\Users\%A_UserName%\Documents
既存ショートカットの変更
; Alt + Q を Alt + F4 にリマップ
!q::Send !{F4}
アクセシビリティとユーザビリティ
身体的制約への配慮
片手での操作
- 粘着キー機能の活用
- 修飾キーの組み合わせを段階的に実行
視覚障害への対応
- スクリーンリーダーとの連携
- 音声フィードバックの活用
効率的な習得方法
段階的学習
- 第1段階:Alt + Tab、Alt + F4 の基本操作
- 第2段階:Alt + D、Alt + Enter のファイル操作
- 第3段階:アプリ固有のメニューアクセス
- 第4段階:Office系の高度なリボン操作
練習方法
- 日常作業での意識的な使用
- ショートカットキー一覧の印刷・掲示
- 定期的な復習と新機能の学習
セキュリティとプライバシー
安全な使用のための注意点
Ctrl + Alt + Delete の重要性
- 正規のWindowsセキュリティ画面の確認
- フィッシング攻撃の回避
スクリーンショットの取り扱い
- 機密情報の写り込み注意
- クリップボードからの情報漏洩防止
リモートワーク時の配慮
- 画面共有中のショートカット使用
- 他の参加者への影響を考慮
まとめ
WindowsのAltキーショートカットは、作業効率を大幅に向上させる強力なツールです。
重要なショートカット(優先順位別)
必須レベル
ショートカット | 動作 | 使用頻度 |
---|---|---|
Alt + Tab | ウィンドウ切り替え | 毎日 |
Alt + F4 | ウィンドウを閉じる | 毎日 |
Alt + D | アドレスバーフォーカス | 毎日 |
推奨レベル
ショートカット | 動作 | 使用頻度 |
---|---|---|
Alt + Enter | プロパティ表示 | 週数回 |
Alt + ←/→ | 戻る/進む | 週数回 |
Alt + Space | ウィンドウメニュー | 週数回 |
上級レベル
ショートカット | 動作 | 使用頻度 |
---|---|---|
Alt + PrintScreen | アクティブウィンドウ撮影 | 月数回 |
Alt + 数字 | 特殊文字入力 | 月数回 |
Alt + リボン | Office操作 | 用途による |
学習のコツ
- 段階的習得:基本から応用へ順次学習
- 実践重視:日常作業で積極的に使用
- 継続練習:習慣化することで自然な操作に
- カスタマイズ:個人の作業スタイルに合わせて調整
効果測定
- 作業時間の短縮:マウス操作からの移行効果
- 操作精度の向上:誤操作の減少
- 疲労軽減:手の移動量の削減
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