「WAVファイル」という言葉を聞いたことはありますか?
実は、Windows を使っているならぜひ知っておきたい音声ファイル形式なんです。
WAV(.wav)ファイルとは、高音質な音声データを非圧縮で保存する形式のことです。
Windowsでは標準のオーディオフォーマットとして古くから使われており、現在も音楽制作・録音・効果音作成・ポッドキャスト制作などで広く活用されています。
この記事では、Windows 11でWAVファイルを再生・作成・変換する方法から、よくあるトラブルの解決方法まで、初心者にもわかりやすく解説します。
WAVファイルの基本知識|MP3との違いは?

WAVファイルの特徴
メリット:
- 高音質:音声データを圧縮しないため、原音に忠実
- 互換性:Windows標準形式のため、ほぼすべてのソフトで再生可能
- 編集しやすい:音質劣化なしで何度でも編集可能
デメリット:
- ファイルサイズが大きい:3分の曲で約30MB程度
- ストリーミング不向き:容量が大きいためネット配信には不適
MP3との比較表
項目 | WAV | MP3 |
---|---|---|
音質 | 高音質(無劣化) | 音質は圧縮で劣化 |
ファイルサイズ | 大きい(3分で約30MB) | 小さい(3分で約3MB) |
用途 | 音楽制作・編集作業 | 音楽鑑賞・配信 |
対応機器 | Windows標準対応 | ほぼ全機器で対応 |
Windows 11でWAVファイルを再生する方法

標準アプリで再生する
メディアプレイヤーを使う:
- WAVファイルを右クリック
- 「プログラムから開く」→「メディアプレイヤー」を選択
- または、WAVファイルをダブルクリック(標準設定の場合)
Grooveミュージックを使う:
- Windows 11に標準搭載
- ライブラリに追加すれば音楽管理も可能
- プレイリスト作成にも対応
より高機能な再生ソフト
VLCメディアプレイヤー(無料・おすすめ):
- ほぼすべての音声・動画形式に対応
- イコライザー機能付き
- 公式サイトからダウンロード可能
foobar2000(無料・音質重視):
- 高音質再生に特化
- カスタマイズ性が高い
- 軽量で動作が速い
Windows Media Player(従来版):
- 旧バージョンのWindows Media Player
- 「Windowsの機能の有効化または無効化」から追加可能
再生できない場合の対処法
- ファイルの確認
- ファイルが破損していないかチェック
- 他のWAVファイルでテスト
- 再生ソフトの変更
- 別のメディアプレイヤーを試す
- VLCメディアプレイヤーをインストール
- 音声出力の確認
- タスクバーのスピーカーアイコンを右クリック
- 「音の設定を開く」で出力デバイスを確認
WAVファイルを録音・作成する方法

Audacityで高品質録音(無料・推奨)
Audacity(オーダシティ)は、無料で高機能な音声編集ソフトです。
インストール手順:
- Audacity公式サイトにアクセス
- 「Download」から Windows版をダウンロード
- インストーラーを実行してセットアップ
録音手順:
- Audacityを起動
- 録音ボタン(赤い丸)をクリック
- マイクに向かって話す・歌う
- 停止ボタン(四角)で録音終了
- 「ファイル」→「書き出し」→「オーディオの書き出し」
- 形式を「WAV」に設定して保存
録音のコツ:
- 静かな環境で録音
- マイクから適切な距離(15-20cm)を保つ
- 録音レベルは-12dB程度に調整
- テスト録音で音質を確認
Windows標準のボイスレコーダー
注意点: Windows 11標準の「ボイスレコーダー」アプリはWAV形式に対応しておらず、MP3形式のみです。
WAVファイルを作成したい場合は、上記のAudacityや他のソフトを使用してください。
その他の録音ソフト
WavePad(有料・高機能):
- プロ仕様の音声編集機能
- エフェクト処理が豊富
- 商用利用も可能
Reaper(有料・DAW):
- 音楽制作用ソフト
- マルチトラック録音対応
- 60日間無料体験版あり
WAVファイルに変換する方法

オンライン変換サービス(手軽)
CloudConvert(おすすめ):
- CloudConvertにアクセス
- 「ファイルを選択」で変換したいファイルをアップロード
- 出力形式を「WAV」に設定
- 「変換開始」をクリック
- 変換後のファイルをダウンロード
Convertio:
- 同様の手順で変換可能
- 複数ファイルの一括変換にも対応
注意点:
- インターネット接続が必要
- ファイルサイズに制限あり(通常100MB程度)
- プライバシーを重視する場合は避ける
デスクトップ変換ソフト(安全・高速)
Format Factory(無料):
- Format Factoryをダウンロード・インストール
- 「オーディオ」→「WAV」を選択
- 変換したいファイルを追加
- 出力設定(品質・サンプリングレート)を調整
- 「開始」ボタンで変換実行
XMedia Recode(無料・高機能):
- 詳細な音質設定が可能
- バッチ処理(複数ファイル一括変換)対応
- 動画からの音声抽出も可能
設定のポイント:
- サンプリングレート:44.1kHz(CD品質)が一般的
- ビット深度:16bit(標準)または24bit(高音質)
- チャンネル:モノラル(1ch)またはステレオ(2ch)
よくあるトラブルと解決方法

WAVファイルが再生できない
症状と対処法:
- 「ファイルを再生できません」エラー
- ファイルが破損している可能性
- 別のWAVファイルで確認
- 元のファイルを再入手
- 音が出ない
- 音量設定を確認(ミュートになっていないか)
- 出力デバイス設定をチェック
- ヘッドホン・スピーカーの接続確認
- 「コーデックがありません」エラー
- VLCメディアプレイヤーをインストール
- Windows Media Player用コーデックパックを導入
ファイルサイズが大きすぎる
対処法:
- MP3に変換
- 音質をある程度保ちながらサイズを1/10に
- 音楽鑑賞用なら十分な品質
- FLAC形式に変換
- 可逆圧縮でサイズを約半分に
- 音質劣化なし
- WAVファイルの設定を下げる
- サンプリングレートを44.1kHzに
- ビット深度を16bitに
録音したファイルの音質が悪い
改善方法:
- 録音環境の改善
- 静かな部屋で録音
- エアコンなどのノイズ源から離れる
- カーテンや布で反響を抑える
- マイク設定の調整
- 録音レベルを適切に設定
- マイクの向きと距離を調整
- 高品質なマイクを使用
- 後処理での改善
- Audacityのノイズ除去機能を使用
- 音量の正規化を実行
- 不要な部分をカット
まとめ
Windows 11でのWAVファイル操作は、標準機能だけでも基本的な再生は可能ですが、無料ソフトを活用することで本格的な音声制作ができるようになります。
この記事のポイント:
- Windows 11標準のメディアプレイヤーでWAV再生可能
- 高品質録音・編集にはAudacityがおすすめ
- オンライン変換とデスクトップソフト、用途に応じて選択
- トラブル時は再生ソフトの変更と設定確認が基本
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