パソコンを夜に使っていると、画面が明るすぎて目がつらいと感じることはありませんか?
そんなときに便利なのが、Windows 11の「夜間モード(ナイトライト)」です。
通常は設定画面からオンオフを切り替える必要がありますが、もっと簡単にショートカットキーやクイック操作で切り替える方法があります。
この記事では、夜間モードの仕組みや、Windows 11で手軽に切り替えるためのショートカット・自動化の方法まで分かりやすく解説します。
夜間モード(ナイトライト)とは?

基本的な仕組み
夜間モード(Night light)は、画面に赤みがかった暖色を加えてブルーライトを抑える機能です。これにより夜間にパソコンを使っても目が疲れにくく、寝つきが悪くなるのを防ぐ効果が期待できます。
ブルーライトの影響
時間帯 | ブルーライトの影響 | 推奨設定 |
---|---|---|
朝・昼間 | 覚醒効果、集中力向上 | 夜間モードOFF |
夕方 | 徐々に影響が問題に | 軽めの夜間モード |
夜・就寝前 | 睡眠の質に悪影響 | 夜間モードON |
色温度の変化
通常時:
- 色温度:6500K(昼光色)
- 青い光が多く、シャープで鮮明
夜間モード時:
- 色温度:3000K-4000K(暖色)
- 赤みがかった色合い、目に優しい
夜間モードの効果
健康面でのメリット
目への負担軽減:
- ドライアイの改善
- 目の疲れ、充血の軽減
- 長時間作業での疲労蓄積防止
睡眠の質向上:
- メラトニン分泌の正常化
- 入眠しやすさの改善
- 深い睡眠の促進
注意すべき場面
色の正確性が重要な作業:
- 写真編集、デザイン作業
- 動画編集、カラーグレーディング
- 印刷物の色確認
Windows 11での夜間モード切り替え方法
クイック設定パネルからの操作
基本的な切り替え手順
アクセス方法:
- タスクバー右下の時計・音量・ネットワークアイコン付近をクリック
- クイック設定パネルが表示される
- **「夜間モード」**ボタンをクリックでオン・オフ切り替え
キーボードショートカット:
Windows + A
このショートカットでクイック設定パネルを素早く開けます。
クイック設定のカスタマイズ
夜間モードボタンが表示されない場合:
- クイック設定パネル右下の**「鉛筆マーク(編集)」**をクリック
- **「夜間モード」**を見つけてチェック
- **「完了」**をクリック
表示順序の調整:
- よく使う機能を上部に配置
- 夜間モードを目立つ位置に移動
より高速なアクセス方法
キーボード操作のみでの切り替え
手順:
Windows + A
でクイック設定を開くTab
キーで夜間モードボタンに移動Enter
キーで切り替え実行Esc
キーでパネルを閉じる
矢印キーでの操作:
←/→
キーでボタン間を移動Enter
で選択したボタンを実行
タッチパッド・マウスでの高速操作
右クリックメニュー活用:
- タスクバーの何もない部分を右クリック
- 一部のPCでは夜間モードのショートカットが表示される場合あり
詳細設定とカスタマイズ
設定アプリでの詳細調整
アクセス方法
設定画面への移動:
Windows + I
で設定アプリを開く- 「システム」 → 「ディスプレイ」
- **「夜間モード」**セクション
重要な設定項目
強度の調整:
- スライダーで色温度を細かく調整
- 弱い(色温度高め):わずかに暖色
- 強い(色温度低め):しっかりとした暖色
設定値の目安:
用途 | 推奨強度 | 色温度 | 特徴 |
---|---|---|---|
軽い読書 | 25% | 5500K | わずかな暖色 |
一般的な夜間作業 | 50% | 4500K | バランス型 |
就寝前 | 75% | 3500K | しっかり暖色 |
極度の目疲れ時 | 100% | 3000K | 最大暖色 |
自動スケジュール設定
スケジュール機能の活用
基本設定:
- 夜間モード設定で**「夜間モードのスケジュールを設定する」**をオン
- スケジュールタイプを選択
スケジュールタイプ:
日没から日の出まで:
- 自動的に地域の日没・日の出時刻を取得
- 季節に応じて自動調整
- 設定不要で便利
自分で時間を指定:
- 開始時刻と終了時刻を手動設定
- 固定スケジュールで予測しやすい
- 個人の生活パターンに合わせられる
高度なスケジュール活用
段階的な調整例:
- 18:00:軽い夜間モード開始(25%)
- 20:00:中程度の夜間モード(50%)
- 22:00:強い夜間モード(75%)
- 6:00:夜間モード終了
注意点:
- Windows標準では段階的調整は不可
- サードパーティソフトウェアが必要
サードパーティツールによる高度な制御

f.lux(エフラックス)
特徴と機能
主な特徴:
- より細かい色温度制御
- 位置情報による自動調整
- 段階的な色温度変化
- カスタムスケジュール設定
インストールと設定:
- justgetflux.comからダウンロード
- 位置情報を設定
- 起床時間と就寝時間を入力
Windows標準との違い:
機能 | Windows標準 | f.lux |
---|---|---|
色温度範囲 | 3000K-6500K | 1200K-6500K |
調整段階 | 一律 | 段階的変化 |
カスタマイズ | 基本的 | 高度 |
プリセット | なし | 多数あり |
Windows PowerToys
PowerToysでの色調整
FancyZones Color Picker:
- 画面の色情報を取得
- カスタムカラーパレット作成
- 色温度の詳細確認
AutoHotkey でのカスタムショートカット
夜間モード切り替えスクリプト
基本スクリプト例:
; Ctrl + Shift + N で夜間モード切り替え
^+n::
Send, {LWin down}a{LWin up}
Sleep, 300
Send, {Tab 3} ; 夜間モードボタンまで移動
Send, {Enter}
Send, {Esc}
return
高度なスクリプト:
; 時間に応じて自動調整
SetTimer, CheckTime, 60000 ; 1分ごとに確認
CheckTime:
FormatTime, CurrentHour, , HH
if (CurrentHour >= 20 or CurrentHour <= 6)
{
; 夜間モードをオン
EnableNightMode()
}
else
{
; 夜間モードをオフ
DisableNightMode()
}
return
レジストリによる詳細制御(上級者向け)
夜間モード関連のレジストリ設定
重要なレジストリキー
夜間モードの状態:
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\CloudStore\Store\Cache\DefaultAccount
注意事項:
- レジストリ編集は慎重に行う
- 事前にバックアップを作成
- システムに悪影響を与える可能性
PowerShellでのレジストリ操作
夜間モード状態の確認:
# 夜間モードの現在状態を取得
$nightMode = Get-ItemProperty -Path "HKCU:\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\CloudStore\Store\Cache\DefaultAccount" -Name "*NightMode*" -ErrorAction SilentlyContinue
注意:
- Windows 11では夜間モードの直接的なレジストリ制御は複雑
- Microsoft公式のAPIを使用することを推奨
複数モニター環境での夜間モード

マルチディスプレイ対応
設定の適用範囲
Windows 11の動作:
- 夜間モードは全モニターに適用
- モニターごとの個別設定は不可
- 外部ツールでの個別制御が必要
個別制御の方法
ハードウェア調整:
- 各モニターの色温度設定を調整
- モニターのナイトモード機能活用
- 物理的な色温度調整
ソフトウェア解決策:
- DisplayFusion等のマルチモニターツール
- 各モニター用の個別ソフトウェア
ゲーム・フルスクリーンアプリでの対応
特殊な状況での夜間モード
ゲーム中の動作
Windows 11の標準動作:
- フルスクリーンゲーム中は夜間モード無効
- ウィンドウモードでは夜間モード有効
- 設定で動作を変更可能
設定調整:
- 設定 → システム → ディスプレイ
- **「ゲームでフルスクリーン表示中は夜間モードをオフにする」**のチェックを外す
特定アプリでの除外設定
個別アプリ制御:
- Windows標準では詳細なアプリ別制御は限定的
- f.luxなどサードパーティツールで詳細制御可能
トラブルシューティング

よくある問題と解決法
夜間モードが有効にならない
確認事項:
- グラフィックドライバー:最新版に更新
- ディスプレイ設定:外部モニターの場合は接続確認
- Windows Update:最新のアップデートを適用
解決手順:
1. デバイスマネージャーを開く
2. ディスプレイアダプターを確認
3. ドライバーの更新または再インストール
4. システム再起動
色がおかしくなる・元に戻らない
リセット方法:
- 設定 → システム → ディスプレイ
- 夜間モードを完全にオフ
- 色の調整でデフォルトに戻す
- システム再起動
ショートカットが動作しない
確認ポイント:
- Windows Updateの状態
- キーボードの言語設定
- 他のソフトウェアとの競合
- ユーザーアカウント制御(UAC)設定
パフォーマンスへの影響
システムリソース使用量
Windows標準夜間モード:
- CPU使用率:ほぼ影響なし
- メモリ使用量:軽微な増加
- GPU負荷:色処理で軽微な増加
最適化のコツ:
- 不要な視覚効果を無効化
- 自動調整機能の活用
- 定期的なシステムメンテナンス
まとめ
Windows 11で夜間モードを効率的に活用する方法について、重要なポイントをまとめます:
基本的な切り替え方法
- 最速アクセス:
Windows + A
→ 夜間モードボタンクリック - クイック設定:タスクバー右下からワンクリック切り替え
- 設定調整:強度と自動スケジュールの詳細設定
自動化とカスタマイズ
- 自動スケジュール:日没から日の出、または固定時間設定
- サードパーティツール:f.luxで高度な制御
- AutoHotkey:カスタムショートカットキーの作成
用途別おすすめ設定
- 一般的な夜間作業:50%強度、20:00-6:00自動
- 就寝前の軽い作業:75%強度、手動切り替え
- 写真・動画編集:色精度重視時は一時的にオフ
トラブル対応
- 動作しない場合:ドライバー更新、Windows Update
- 色がおかしい場合:設定リセット、システム再起動
- ゲーム中の問題:フルスクリーン除外設定の調整
健康への配慮
- 目の疲れ軽減:適切な強度設定と定期的な休憩
- 睡眠の質向上:就寝2時間前からの夜間モード使用
- 個人差への対応:自分に合った強度と時間の調整
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