Windows 11は、2024年10月の大型アップデート(24H2)で大きく進化しました。
特に注目すべきは、AI(人工知能)機能の搭載とセキュリティの大幅強化です。
そして重要なお知らせがあります。Windows 10のサポートが2025年10月14日に終了します。つまり、その後はセキュリティ更新が提供されなくなるんです。
このガイドでは、Windows 11の新機能から既知の問題まで、17の重要なポイントを分かりやすく解説していきます。
- Windows 11 24H2(2024年版)の新機能
- Windows 11 バージョン23H2の主要機能
- AI機能の詳細:Copilotって何ができるの?
- 見た目はどう変わった?新しいデザインの特徴
- セキュリティ機能:どれだけ安全になった?
- パフォーマンス:どれくらい速くなった?
- 生産性ツール:仕事効率はどう上がる?
- Microsoft Teamsの統合:どう使い分ける?
- 9. Androidアプリ:使えなくなった?
- 10. ゲーミング機能:どれだけゲームに強い?
- アクセシビリティ:誰もが使いやすいWindows
- 開発者向け機能:プログラミングが快適に
- 必要なスペック:あなたのPCは対応してる?
- Windows 10との違い:何がなくなって何が増えた?
- 今後の予定:2025年以降はどうなる?
- 既知の問題:現在の不具合は?
- アップグレード方法:どうやって移行する?
- 実践的なアドバイス
- まとめ:Windows 11への移行は避けられない
Windows 11 24H2(2024年版)の新機能

最新アップデートで何ができるようになった?
2024年10月1日にリリースされた「Windows 11 24H2」は、単なるアップデートではありません。
OSを丸ごと入れ替えるレベルの大規模な更新なんです。
すべてのPCで使える新機能
省エネモード(Energy Saver) デスクトップPCでも使える省電力機能です。電気代の節約にもなりますね。
音声ノイズキャンセリング(Voice Clarity) オンライン会議で周りの雑音を消してくれる機能。AIチップがなくても使えます。
Wi-Fi 7対応 最大40Gbps(ギガビット毎秒)の超高速無線通信に対応。これは従来の約10倍の速さです!
ファイル管理の改善
- 7ZipとTAR形式の圧縮ファイルが作れるように
- PNG画像の詳細情報を編集可能に
高性能PC限定の新機能(Copilot+ PC)
特別なAIチップ(NPU)を搭載した高性能PCでは、さらに凄い機能が使えます。
Windows Recall(記憶機能) PCで行ったすべての作業を記録し、「昨日見たあのサイト」みたいに自然な言葉で検索できます。
ライブ翻訳字幕(Live Captions) 44言語以上をリアルタイムで翻訳して字幕表示。海外の動画も理解できますね。
AIお絵かき機能(Cocreator in Paint) 「夕焼けの海」と入力するだけで、AIが絵を描いてくれます。
Windows 11 バージョン23H2の主要機能

2023年版で追加された基本機能
2023年10月31日にリリースされた23H2は、Windows 11の基盤を強化する重要なアップデートでした。
Windows Copilot(AIアシスタント) タスクバーに常駐するAIアシスタント。質問に答えたり、作業を手伝ってくれます。
タブ機能付きファイルエクスプローラー 複数のフォルダを1つのウィンドウで開けるように。ブラウザのタブと同じ感覚で使えます。
パスキー対応 パスワードの代わりに、顔認証や指紋でログインできる新しい認証方法です。
AI機能の詳細:Copilotって何ができるの?
プライバシーを守りながら便利に
Windows 11のAI機能は、あなたのデータをクラウドに送信せず、PC内で処理することを重視しています。
Windows Copilotの実力
GPT-4oという最新のAI技術を使用。以下のようなことができます:
- 文書の作成や要約
- プログラミングのサポート
- 問題解決のアドバイス
- 画像の説明や分析
2024年のアップデートで、画面上の好きな位置に配置できるようになりました。
Recall機能の革新性と注意点
「PCの写真記憶」とも言えるRecall機能。
仕組み:
- 数秒ごとに画面のスクリーンショットを撮影
- AIが内容を分析して整理
- 「昨日作ったExcelファイル」のように検索可能
プライバシー対策:
- Windows Hello(顔認証など)が必須
- データはPCから外に出ない
- 暗号化で保護
- クレジットカード番号などは自動で隠す
ただし、プライバシーの懸念から、初期設定ではオフになっています。使いたい場合は手動で有効化が必要です。
見た目はどう変わった?新しいデザインの特徴

15年ぶりの大規模デザイン変更
Windows 11は、2006年のWindows Vista以来、最も大きなデザイン変更を実施しました。
スタートメニューの進化
変更点:
- 画面中央に配置(左端から移動)
- ライブタイル(動くタイル)を廃止
- シンプルな格子状のレイアウト
- AIがおすすめアプリを提案
慣れない方は、設定で左端に戻すこともできます。
ファイルエクスプローラーの革新
タブ機能の追加:
- Ctrl+Tで新しいタブを開く
- Ctrl+Wでタブを閉じる
- 複数のフォルダを1つの窓で管理
その他の改善:
- リボンメニューをシンプルなボタンに変更
- ダークモード対応
- メディアファイルのプレビュー強化
右クリックメニューの簡素化
よく使う項目だけを表示し、詳細オプションは「その他のオプションを表示」に隠れています。
Shift+F10で従来のメニューも表示できます。
セキュリティ機能:どれだけ安全になった?
ハードウェアレベルの強固な防御
Windows 11はTPM 2.0という特別なセキュリティチップを必須にしました。
これは議論を呼びましたが、大きなメリットがあります。
パスキーサポートの実装
パスワードの時代は終わりつつあります。
パスキーのメリット:
- パスワードを覚える必要なし
- フィッシング詐欺に強い
- 顔認証や指紋で簡単ログイン
- iPhone、Android、iPadでも使える
Smart App Control(賢いアプリ制御)
毎日43兆件のセキュリティデータを分析するAIが、危険なアプリをブロックします。
ただし、この機能はWindows 11をクリーンインストール(まっさらな状態から入れ直す)した時のみ有効です。
セキュアブートとは?
PCが起動する時に、悪意のあるプログラムが動かないようにする仕組みです。
従来のBIOSに代わって、UEFIという新しいシステムを使用します。
パフォーマンス:どれくらい速くなった?

実測データが示す25~40%の性能向上
日常的な作業からゲームまで、幅広く高速化しています。
メモリ管理の改善
賢いメモリ配分:
- 使用中のアプリに優先的にメモリを割り当て
- バックグラウンドアプリのメモリを自動調整
- 物理メモリと仮想メモリを効率的に使い分け
結果として、同じメモリ容量でもより快適に動作します。
ゲーム性能の向上(DirectStorage)
効果:
- ゲームのロード時間が20~40%短縮
- CPU負荷が20~40%削減
必要な環境:
- NVMe SSD(M.2接続の高速SSD)
- DirectX 12対応のグラフィックカード
バッテリー寿命の改善
ノートPCユーザーに朗報です:
- スリープからの復帰が25%高速化
- Windows Hello認証が30%高速化
- バッテリー持続時間が平均15%向上
生産性ツール:仕事効率はどう上がる?
Snap Layoutsで画面を有効活用
スナップレイアウトは、複数のウィンドウを綺麗に整列させる機能です。
使い方:
- ウィンドウの最大化ボタンにマウスを合わせる
- または Windows + Z キーを押す
- 好きなレイアウトを選択
標準ディスプレイで6種類、ウルトラワイドモニターならさらに多くのレイアウトが選べます。
仮想デスクトップの強化
複数のデスクトップを切り替えて使える機能です。
便利な使い方:
- 仕事用とプライベート用でデスクトップを分ける
- プロジェクトごとにデスクトップを作成
- それぞれ違う壁紙を設定可能
ショートカット:
- Windows + Ctrl + D:新しいデスクトップ作成
- Windows + Ctrl + 左右矢印:デスクトップ切り替え
集中モード(Focus Sessions)
作業に集中したい時に使う機能です。
- 通知を一時的にオフ
- Spotify連携で集中用音楽を再生
- タイマー機能で時間管理
Microsoft Teamsの統合:どう使い分ける?

個人用と仕事用の2種類
Windows 11には2つの異なるTeamsがあります。
個人用Teams(Chat):
- タスクバーに最初から入っている
- 個人のMicrosoftアカウントで使用
- 友達や家族とのチャット・ビデオ通話
仕事/学校用Teams:
- 別途ダウンロードが必要(青いアイコン)
- 会社や学校のアカウントが必要
- 高度な会議機能やファイル共有
Windows + C キーで個人用Teamsにすぐアクセスできます。
9. Androidアプリ:使えなくなった?
残念なお知らせ:サポート終了
重要: Windows Subsystem for Android(WSA)のサポートが2025年3月5日に終了しました。
これにより、Amazon AppstoreとすべてのAndroidアプリが使えなくなりました。
代わりの方法
サードパーティ製エミュレーター:
- BlueStacks(最も人気)
- NoxPlayer
- LDPlayer
Google公式:
- Google Play Games(一部のゲームのみ)
収益化がうまくいかなかったことが、サポート終了の主な理由とされています。
10. ゲーミング機能:どれだけゲームに強い?
次世代ゲーム体験を実現する技術
DirectX 12 Ultimateの威力
レイトレーシング: 現実のような光の反射や影を表現する技術です。水たまりに映る景色がリアルに見えます。
可変レートシェーディング(VRS): 重要な部分だけを細かく描画し、約19%の性能向上を実現。
対応GPU:
- NVIDIA RTX 20シリーズ以降
- AMD RX 6000シリーズ以降
Auto HDR(自動HDR変換)
古いゲームでも自動的に色彩を豊かにする機能。
数千タイトルのゲームに対応しています。
DirectStorageの現状
ゲームのロード時間を最大40%短縮できる技術ですが、対応ゲームはまだ少ないのが現状です。
対応例:Forspoken、Horizon Forbidden West など
アクセシビリティ:誰もが使いやすいWindows
すべての人に開かれた設計
ナレーター(読み上げ機能)の強化
- より自然な音声で読み上げ
- AIが画像の内容を説明
- 100言語以上に対応
視覚サポート
拡大鏡: 画面を100%から1600%まで拡大可能。
カラーフィルター: 色覚の違いに対応した表示設定。
聴覚サポート
ライブキャプション: 音声をリアルタイムで字幕表示。
視覚的通知: 音の代わりに画面で通知。
開発者向け機能:プログラミングが快適に

WSL2でLinuxも使える
**WSL2(Windows Subsystem for Linux 2)**により、WindowsでLinuxが動きます。
メリット:
- Ubuntuの95%の性能を実現
- LinuxのGUIアプリも動作
- GPUも使える(機械学習などに便利)
インストール方法: コマンドプロンプトで wsl --install
と入力するだけ!
Windows Terminal(新しいコマンドライン)
- 複数のタブで作業可能
- 透明度設定でカッコいい見た目に
- Windows 11では標準のターミナルに
PowerToys(便利ツール集)
25以上の便利ツールが無料で使えます。
人気の機能:
- FancyZones:ウィンドウを自由に配置
- PowerToys Run:Alt+Spaceで起動する高速ランチャー
- Advanced Paste:AIで賢くペースト
必要なスペック:あなたのPCは対応してる?

最低限必要なハードウェア
CPU(プロセッサー)
- 1GHz以上、2コア以上の64ビット対応
- Intel:第8世代以降(2017年以降のモデル)
- AMD:Ryzen 2000シリーズ以降
メモリ(RAM)
- 4GB以上(Windows 10は2GBだったので倍増)
ストレージ
- 64GB以上の空き容量
TPM 2.0
- セキュリティチップ(最も議論を呼んだ要件)
- 2016年以降のPCなら大体搭載
グラフィックス
- DirectX 12対応
Windows 11 24H2の追加要件
2024年版では、さらに以下が必要:
- SSE4.2とPOPCNT命令のサポート(2010年以降のCPUなら大丈夫)
互換性をチェックする方法
PC正常性チェックアプリ: Microsoftの公式ツールで簡単に確認できます。
WhyNotWin11: より詳細な分析が必要な場合は、このツールがおすすめ。
Windows 10との違い:何がなくなって何が増えた?
削除された機能
以下の機能はWindows 11では使えません:
- Internet Explorer(EdgeのIEモードは利用可能)
- ライブタイル(動くタイル)
- タイムライン機能
- Cortana(音声アシスタント)のタスクバー統合
- WordPad(メモ帳は残っています)
- タスクバーを上下左右に移動する機能
- 32ビット版Windows
追加された機能
- スナップレイアウト
- ウィジェットパネル
- 強化された仮想デスクトップ
- AI音声入力
- 集中モード
パフォーマンスの違い
適切なハードウェアなら、Windows 11は20~40%高速に動作します。
特にメモリ管理とCPU処理が大幅に改善されています。
今後の予定:2025年以降はどうなる?

Windows 11の継続的な進化
2025年後半の予定(25H2)
削除される機能:
- PowerShell 2.0
- WMIC(古い管理ツール)
追加される機能:
- AIエージェント(設定を手伝ってくれる)
- Windows Helloの新デザイン
- 時計の秒表示
Windows 12はいつ?
Microsoftは2025年を「Windows 11 PCリフレッシュの年」と位置づけています。
Windows 12の発表はなく、業界では最速でも2027年以降と予測されています。
既知の問題:現在の不具合は?
Windows 11 24H2の問題と対処法
解決済みの問題
- NDIストリーミングの不具合(修正済み)
- カメラ統合の問題(2025年9月11日に解決)
現在も残る問題
軽微な問題:
- イベントビューアーにエラーが表示される(無視して大丈夫)
- MSI修復時に予期しないプロンプトが出る
パフォーマンスの注意点:
- 古いPCでは動作が遅くなる可能性
- Windows 10より多くのメモリを使用
- アップデート用に多くの容量が必要
アップグレード方法:どうやって移行する?

Windows 10のサポート終了が迫っています
重要:2025年10月14日でWindows 10のサポート終了
この日以降:
- セキュリティ更新なし
- 技術サポートなし
- 新機能追加なし
延長サポートの選択肢(ESU)
どうしてもWindows 10を使い続けたい場合:
期間: 2025年10月~2028年10月(最大3年)
価格:
- 1年目:約9,000円/PC
- 2年目:約18,000円/PC
- 3年目:約36,000円/PC
- 個人向け:初年度のみ約4,500円/PC
アップグレード方法の選択
方法1:インプレースアップグレード(おすすめ)
メリット:
- ファイルや設定がそのまま残る
- アプリも引き継がれる
- 10日以内なら元に戻せる
方法: Windows UpdateまたはMicrosoftのサイトから実行
方法2:クリーンインストール
メリット:
- 最高のパフォーマンス
- 不具合やウイルスを完全に除去
デメリット:
- すべてのデータのバックアップが必要
- アプリの再インストールが必要
- 元に戻せない
実践的なアドバイス
個人ユーザー向け
- まず互換性を確認 PC正常性チェックアプリを使いましょう
- タイミングを考える 2025年10月14日までに移行を完了
- バックアップは必須 どの方法でも、大切なデータは必ず保存
- インプレースアップグレードがおすすめ ほとんどの方にはこれが最適
企業・組織向け
- 今すぐ計画を開始 移行には時間がかかります
- テスト環境で検証 業務アプリの動作確認を
- ハードウェアの確認 全PCの互換性をチェック
- 従業員のトレーニング 新しいインターフェースに慣れる時間を
古いPCをお使いの方へ
- 買い替えか延長サポートか コストを比較検討
- Linuxという選択肢 無料で安全な代替OS
- ネットワークから隔離 Windows 10のまま使うなら、ネット接続は避ける
まとめ:Windows 11への移行は避けられない
Windows 11は、AI機能の統合、セキュリティの強化、パフォーマンスの改善において大きく進化しています。
TPM 2.0の必須要件など、厳しいハードウェア要件には賛否両論ありますが、これは安全性を高めるために必要な措置です。
重要なポイント
- 2025年10月14日でWindows 10のサポート終了
- AI機能で作業効率が大幅アップ
- セキュリティが格段に向上
- 適切なハードウェアなら20~40%高速化
最後に
Windows 11への移行は、最初は戸惑うかもしれません。
でも、適切な準備をすれば、より安全で快適なPC環境が手に入ります。
このガイドを参考に、あなたに合った移行計画を立ててください。
新しいWindowsの世界へ、一緒に踏み出しましょう!
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