「Windows 11って、Windows 10と何が違うの?」「アップグレードしたほうがいいのかな?」
こんな疑問を持っている方、多いのではないでしょうか。
2021年10月にリリースされたWindows 11は、Windows 10の後継として6年ぶりに登場した最新OSです。見た目が大きく変わり、新機能も追加されましたが、使い慣れたWindows 10から乗り換えるべきか迷いますよね。
特に気になるのが、Windows 10のサポートが2025年10月14日に終了するという点。それまでに何らかの対応が必要になります。
この記事では、Windows 10とWindows 11の違いを分かりやすく解説します。デザイン、機能、性能、システム要件など、気になるポイントを網羅的にご紹介しますので、アップグレードの判断材料にしてください。
Windows 11とは?基本情報

Windows 11は、Microsoftが2021年10月5日にリリースした最新のオペレーティングシステム(OS)です。
Windows 10の正式な後継バージョンとして開発され、デザインの刷新、新機能の追加、セキュリティの強化など、多くの改良が加えられています。
リリースからの経緯
リリース当初は「評判が悪い」「必要性がない」という声もあり、Windows 10ほどの盛り上がりは見られませんでした。しかし、アップデートを重ねるごとに改善され、2024年には大型アップデートも実施されています。
現在では徐々にシェアを拡大しており、新しく購入するPCにはWindows 11がプリインストールされていることが一般的です。
システム要件の違い
まず最初に確認したいのが、システム要件の違いです。Windows 11は、Windows 10よりも高いスペックが求められます。
Windows 10のシステム要件
- プロセッサ: 1GHz以上
- メモリ(RAM): 1GB(32ビット)/ 2GB(64ビット)
- ストレージ: 16GB(32ビット)/ 20GB(64ビット)
- グラフィック: DirectX 9以上
- ディスプレイ: 800×600以上
Windows 11のシステム要件
- プロセッサ: 1GHz以上の64ビットプロセッサ(2コア以上)
- メモリ(RAM): 4GB以上
- ストレージ: 64GB以上
- グラフィック: DirectX 12以上対応
- ディスプレイ: 720p(1280×720)以上、9インチ以上
- TPM: TPM 2.0(Trusted Platform Module)
- UEFI: セキュアブート対応
重要なポイント
特に注意したいのが、TPM 2.0とセキュアブートの要件です。
これは比較的新しいセキュリティ機能で、4〜5年以上前の古いPCでは搭載されていない場合があります。つまり、Windows 10が問題なく動いていても、Windows 11にアップグレードできない可能性があるんです。
自分のPCがWindows 11に対応しているかは、Microsoftの「PC正常性チェック」ツールで確認できます。
デザイン・UIの違い
Windows 11の最も目立つ変更点は、デザインの刷新です。
スタートメニューとタスクバーが中央に
Windows 10では画面左下にあったスタートメニューが、Windows 11では画面中央に移動しました。
タスクバーのアイコンも中央に寄せられ、macOSのような雰囲気になっています。
もちろん、設定で左寄せに戻すこともできますが、デフォルトでは中央配置です。
スタートメニューの構成変更
Windows 10のスタートメニューには、アプリの一覧が表示され、「ライブタイル」という動的な情報表示がありました。
Windows 11では:
- ライブタイルが廃止
- ピン留めしたアプリがアイコンで表示される
- 下部に「おすすめ」セクションが表示される(最近使ったファイルやアプリ)
すっきりとしたデザインになりましたが、一目で多くの情報を確認したい人には物足りないかもしれません。
Fluent Design(フルーエントデザイン)
Windows 11は「Fluent Design」という新しいデザイン思想を採用しています。
特徴:
- ウィンドウの角が丸くなった
- 半透明の背景効果
- パステルカラーの採用
- アイコンのモダンなデザイン
落ち着いた印象で、親しみやすい見た目になりました。
タスクバーのカスタマイズ制限
Windows 10では、タスクバーを画面の上下左右に移動できましたが、Windows 11では画面下部に固定されています。
柔軟なカスタマイズを好むユーザーには、やや不便に感じるかもしれません。
新しく追加された機能
Windows 11では、作業効率を向上させる新機能がいくつも追加されています。
スナップレイアウト
複数のウィンドウを効率的に配置できる機能です。
Windows 10にもスナップ機能はありましたが、Windows 11では大幅に強化されました。
使い方:
- ウィンドウの最大化ボタンにマウスを合わせる
- レイアウトの選択肢が表示される
- 好きなレイアウトを選ぶと、自動的にウィンドウが配置される
例えば:
- 画面を2分割して資料と作業画面を並べる
- 画面を3分割してメール、ブラウザ、資料を同時表示
- 画面を4分割して複数の資料を比較
スナップグループ
スナップレイアウトで配置したウィンドウの組み合わせが記憶される機能です。
タスクバーのアイコンにマウスを合わせると、個別のアプリとスナップグループのどちらを開くか選べます。
作業ごとにウィンドウの配置を作っておけば、他のアプリに切り替えても即座に元の作業に戻れます。
ウィジェット機能
タスクバーのウィジェットアイコンをクリックすると、天気、ニュース、カレンダー、株価などの情報が表示されます。
Windows 10の「ニュースと関心事項」がベースですが、より使いやすく改良されており、カスタマイズも可能です。
日々の情報収集が効率的に行えます。
Microsoft Teamsの統合
Windows 11では、Microsoft TeamsがOSに統合され、タスクバーからワンクリックで起動できるようになりました。
ビデオ会議やチャットがより手軽になり、リモートワークやオンラインコミュニケーションがスムーズです。
Windows 10では別途インストールが必要でしたが、Windows 11では最初から組み込まれています。
Androidアプリの実行
Windows 11では、Androidアプリを直接実行できるようになりました。
Windows 10では、エミュレータや仮想マシンを使う必要がありましたが、Windows 11ではMicrosoft Store経由でAndroidアプリをインストールできます。
ただし、8GB以上のメモリが必要で、推奨は16GB以上です。また、2024年3月以降、Amazon Appstoreからの新規ダウンロードができなくなったという制限もあります。
音声入力の精度向上
Windows 11の音声入力は、Windows 10からさらに性能が向上しています。
46種類の言語に対応し、「編集」「削除」などの音声コマンドも使えるようになりました。
手を使わずに文章を入力したり、操作したりできるので、作業効率が上がります。
タッチキーボードの改善
タブレットモードで使えるタッチキーボードのデザインと操作性が向上しました。
キーボードのテーマを変更して、キーのサイズや色、背景をカスタマイズできるようになっています。
削除・変更された機能

新しい機能が追加された一方で、Windows 10で使えた機能の一部が削除されています。
Internet Explorer(IE)の廃止
Windows 11では、Internet Explorerが完全に無効化されました。
標準ブラウザは「Microsoft Edge」のみです。
IEベースのWebサイトやアプリを利用する必要がある場合は、Microsoft EdgeのInternet Explorerモードを使用することが推奨されています。
タブレットモードの廃止
Windows 10にあった「タブレットモード」は廃止されました。
ただし、タブレットとして使用する場合は、自動的にタッチ操作に適した画面に切り替わります。
タイムラインの削除
過去に行った作業を時系列で検索できる「タイムライン」機能が削除されました。
Skypeの扱い変更
Windows 11をクリーンインストールした場合、Skypeを使うにはMicrosoft Storeから別途ダウンロードが必要になりました。
これは、Microsoft Teamsがシステムレベルで組み込まれたことが理由です。
ただし、Windows 10からアップグレードした場合、Skypeはそのまま残ります。
ストアから追加できる削除機能
以下の機能は標準では削除されていますが、Microsoft Storeから追加できます:
- 3Dビューワー
- OneNote for Windows 10
セキュリティの違い
Windows 11は、Windows 10よりもセキュリティが大幅に強化されています。
Windows 10のセキュリティ機能
- セキュアブート
- Windows Defender
- BitLocker
- SmartScreen
- デバイスガード
これらの機能は優れていましたが、一部に抜け穴がありました。
Windows 11のセキュリティ強化
Windows 11では、抜け穴を埋め、さらに強力なセキュリティ機能が追加されました:
- TPM 2.0の必須化: ハードウェアレベルでの暗号化
- UEFIセキュアブート: 起動時のマルウェア防止
- 仮想化ベースのセキュリティ(VBS): OSの重要部分を隔離
- HVCI: ハイパーバイザーによるコード整合性チェック
これらの機能により、マルウェアや不正アクセスに対する防御力が向上しています。
特に企業や組織で使用する場合、このセキュリティ強化は大きなメリットです。
パフォーマンスの違い
Windows 11とWindows 10、どちらが速いのでしょうか?
起動速度
Windows 10の方が起動は若干速いという報告があります。
ただし、Windows 11ではスリープからの復帰が高速化されており、日常的な使用では気にならないレベルです。
メモリ管理とCPU性能
Windows 11では、メモリの読み書き性能が向上しており、最新のマルチコアCPUに最適化されています。
バックグラウンドタスクの効率も改善され、リソースの配分がより賢くなりました。
使用感については賛否両論
ユーザーの声を見ると、パフォーマンスについては賛否が分かれています。
「Windows 11の方が快適」という人もいれば、「Windows 10の方がサクサク動く」という声もあります。
特に、システム要件ギリギリのPCでは、Windows 11の方が重く感じる可能性があります。
一方、最新のハイスペックPCでは、Windows 11の最適化の恩恵を受けやすいようです。
アップグレードのメリット・デメリット
Windows 10からWindows 11にアップグレードすべきか、メリットとデメリットを整理しましょう。
メリット
1. セキュリティの強化
TPM 2.0やセキュアブートなど、より強力なセキュリティ機能が使えます。特に企業利用では重要です。
2. 作業効率の向上
スナップレイアウトやスナップグループなど、マルチタスクを効率化する機能が充実しています。
3. 長期サポート
Windows 10のサポートは2025年10月に終了しますが、Windows 11はまだ長期間サポートされます。
4. 最新機能の利用
Microsoftの最新技術(Copilot、Androidアプリ対応など)を利用できます。
5. モダンなデザイン
すっきりとした見た目で、視覚的な快適さが向上しています。
デメリット
1. システム要件が厳しい
古いPCでは動作しない可能性があります。アップグレードできない場合、PC買い替えが必要です。
2. 慣れるまで時間がかかる
デザインや操作方法が変わっているため、最初は戸惑うかもしれません。
3. 削除された機能がある
Internet Explorerやタイムラインなど、よく使っていた機能が使えなくなります。
4. ソフトウェアの互換性問題
一部の古いソフトウェアや周辺機器が動作しない可能性があります。
5. 好みに合わない可能性
UIのカスタマイズ性が減っており、自分好みの設定ができないことがあります。
Windows 10のサポート終了について
重要:Windows 10のサポートは2025年10月14日に終了します。
サポート終了後のリスク
サポートが終了すると:
- セキュリティアップデートが提供されなくなる
- 新しい脅威に対して無防備になる
- マルウェア感染や不正アクセスのリスクが高まる
- ソフトウェアの互換性問題が発生する可能性がある
企業だけでなく個人ユーザーにとっても、サポート終了後もWindows 10を使い続けるのは危険です。
対応の選択肢
- Windows 11にアップグレード(無料)
- PCがシステム要件を満たしている場合
- 新しいPCを購入
- 現在のPCがWindows 11に対応していない場合
- 延長セキュリティアップデート(ESU)を購入
- 企業向けの有料サービス(一般ユーザー向けの提供は不明)
アップグレード方法
Windows 11へのアップグレードは無料で、比較的簡単です。
事前準備
- 互換性の確認
- 「PC正常性チェック」ツールで確認
- バックアップ
- 重要なデータを必ずバックアップ
- ソフトウェアの互換性確認
- 使用しているソフトがWindows 11で動作するか確認
アップグレード手順
方法1: Windows Updateから
- 「設定」→「Windows Update」を開く
- 「Windows 11へのアップグレードの準備ができました」と表示されたら、画面の指示に従う
方法2: インストールアシスタントを使用
- Microsoftの公式サイトからWindows 11インストールアシスタントをダウンロード
- 実行して画面の指示に従う
ロールバック(元に戻す)
アップグレード後10日間は、Windows 10に戻すことができます。
「設定」→「システム」→「回復」から「復元」を選択します。
よくある質問
Windows 10からWindows 11への無料アップグレードはいつまで?
現時点では期限は設けられていません。ただし、Microsoftはいつでも無料アップグレードを終了する権利を持っています。
Windows 11は安定している?
リリース当初は不具合も報告されましたが、現在では多くの問題が解決され、十分に安定しています。
どちらを選ぶべき?
- Windows 11がおすすめ: 新しいPCを使っている、セキュリティを重視する、最新機能を使いたい
- Windows 10を継続: 古いPCを使っている、互換性が心配、慣れた環境を維持したい(ただし2025年10月までに移行が必要)
ゲームのパフォーマンスは?
Windows 11には「Auto HDR」や「DirectStorage」など、ゲーム向けの機能が追加されています。最新のゲームでは、Windows 11の方が有利な場合があります。
まとめ
Windows 10とWindows 11の違いについて、重要なポイントをまとめます。
- デザイン: Windows 11は中央配置のスタートメニューとモダンなUI
- システム要件: Windows 11は高いスペックが必要(TPM 2.0必須)
- 新機能: スナップレイアウト、ウィジェット、Teams統合、Androidアプリ対応
- 削除機能: Internet Explorer、タブレットモード、タイムライン
- セキュリティ: Windows 11の方が大幅に強化
- パフォーマンス: 最新PCではWindows 11が有利、古いPCではWindows 10が安定
- サポート期限: Windows 10は2025年10月14日まで
結論として
PCがWindows 11のシステム要件を満たしているなら、早めのアップグレードをおすすめします。
特に、Windows 10のサポート終了が迫っている今、セキュリティの観点からも移行を検討する時期です。
ただし、古いPCや特定のソフトウェアに依存している場合は、互換性を十分に確認してから移行しましょう。もしWindows 11に対応していないなら、PC買い替えのタイミングかもしれません。
どちらを選ぶにしても、大切なデータのバックアップは必ず取っておきましょう!


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