「Wi-Fiって何ですか?」
「インターネットとWi-Fiって違うんですか?」
スマホやパソコンを使っていると、必ず耳にする「Wi-Fi(ワイファイ)」という言葉。でも、実はどういう仕組みなのか、よく分からないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、Wi-Fiとは何か、どんな仕組みで動いているのか、使うとどんなメリットがあるのかを、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
Wi-Fiとは?まず基本を理解しよう

Wi-Fi(ワイファイ)とは、ケーブルを使わずに無線でインターネットに接続する技術のことです。
正式には「無線LAN(むせんラン)」という技術の一種で、電波を使ってスマホやパソコンなどの機器をインターネットにつなぐことができます。
Wi-Fiの名前の由来
「Wi-Fi」という名前は、実は「Wireless Fidelity(ワイヤレス・フィデリティ)」の略だと言われています。
マーケティング会社が「覚えやすくて親しみやすい名前」として考え出した商標で、「Hi-Fi(ハイファイ)」という言葉に似せて作られました。Hi-Fiは「高音質」という意味なので、「高品質な無線通信」というイメージを持たせたかったんですね。
Wi-Fiとインターネットの違い
よくある勘違いですが、Wi-Fiとインターネットは別物です。
- インターネット:世界中のコンピュータをつなぐ巨大なネットワーク
- Wi-Fi:自宅や職場などの限られた範囲で、機器同士を無線でつなぐ技術
簡単に言うと、インターネットは「世界規模の道路網」で、Wi-Fiは「家の中の廊下」のようなものです。Wi-Fiを使って家の中の機器をつなぎ、そこからインターネットという大きな道路に出て行くイメージですね。
ポイント:
Wi-Fiがあっても、インターネット回線がなければ外部のウェブサイトは見られません。逆に、インターネット回線があっても、Wi-Fiルーターがなければ無線で接続できません。
Wi-Fiの仕組みを分かりやすく解説
「電波でつながる」と言われても、いまいちピンと来ないですよね。Wi-Fiがどうやって動いているのか、もう少し詳しく見てみましょう。
Wi-Fiは「ラジオ放送」と同じ原理
Wi-Fiは、実はラジオや携帯電話と同じように「電波(無線の電波)」を使って情報をやり取りしています。
具体的な流れ:
- あなたがスマホで「YouTubeを見たい」と操作する
- スマホの中のWi-Fiチップが、その要求を電波に変換する
- 電波が部屋に置いてあるWi-Fiルーターに届く
- ルーターがその電波を受信して、インターネットに接続
- インターネットからYouTubeの動画データが送られてくる
- ルーターがそのデータを電波に変換してスマホに送り返す
- スマホがその電波を受信して、画面に動画が映る
このすべての過程が、一瞬で行われているんです。
Wi-Fiの周波数帯:2.4GHzと5GHz
Wi-Fiは、主に2種類の「周波数帯」を使って電波を飛ばしています。
2.4GHz(ギガヘルツ)
特徴:
- 電波が遠くまで届く
- 壁や障害物を通り抜けやすい
- 速度は5GHzより遅め
- 多くの機器が使っているので混雑しやすい
向いている場面:
- ルーターから離れた部屋で使うとき
- 家の中のいろんな場所で使いたいとき
5GHz(ギガヘルツ)
特徴:
- 通信速度が速い
- 他の機器の電波と干渉しにくい
- 障害物に弱く、届く範囲が狭い
向いている場面:
- 動画を高画質で見るとき
- オンラインゲームをするとき
- ルーターの近くで使うとき
最近のWi-Fiルーターは、この2つを同時に使える「デュアルバンド」対応のものが多いので、スマホやパソコンが自動的に最適な方を選んでくれます。
Wi-Fiを使うために必要なもの

自宅でWi-Fiを使いたい場合、いくつか必要なものがあります。
①インターネット回線
まず、インターネット回線(光回線など)を契約する必要があります。
主なインターネット回線:
- 光回線(フレッツ光、ドコモ光、auひかりなど)
- ケーブルテレビのインターネット
- ADSL(現在は新規受付終了している場合が多い)
②Wi-Fiルーター(無線LANルーター)
インターネット回線を無線化するための機器です。
光回線を契約すると、通常は「ONU(光回線終端装置)」や「モデム」という機器が設置されます。これにWi-Fiルーターを接続することで、無線でインターネットが使えるようになります。
Wi-Fiルーターの選び方:
- 家の広さに合ったもの(1LDKなら小型、一戸建てなら高性能タイプ)
- 最新規格「Wi-Fi 6」対応のもの(高速通信可能)
- 接続する機器の数に対応しているもの
③Wi-Fi対応機器
スマホ、パソコン、タブレット、ゲーム機など、Wi-Fiに対応した機器が必要です。
現在販売されているスマホやパソコンは、ほぼすべてWi-Fi機能が内蔵されているので、新しく買う必要はありません。
Wi-Fiでできること・メリット
Wi-Fiを使うと、こんなに便利なことがあります。
メリット①:スマホのデータ通信量を節約できる
スマホで動画を見たりアプリをダウンロードしたりすると、契約しているデータ通信量(ギガ)がどんどん減っていきますよね。
でも、Wi-Fiに接続していれば、スマホのデータ通信量は消費しません。自宅でWi-Fiを使えば、月々のギガを大幅に節約できるんです。
メリット②:複数の機器を同時に接続できる
一つのWi-Fiルーターで、スマホ、パソコン、タブレット、ゲーム機、テレビ、プリンターなど、家中の機器を同時にインターネットにつなげます。
家族みんなが別々の部屋で、それぞれスマホやパソコンを使っていても大丈夫です。
メリット③:ケーブルがいらないので部屋がすっきり
昔は、パソコンをインターネットにつなぐには長いケーブルが必要でした。でも、Wi-Fiがあれば電波でつながるので、ケーブルが不要です。
部屋のどこでもスマホやパソコンが使えるので、とても便利ですね。
メリット④:高速で安定した通信ができる
スマホの4Gや5Gと比べて、自宅のWi-Fiは通信速度が速く、安定していることが多いです。
特に、光回線とWi-Fiの組み合わせなら、動画の視聴やオンラインゲームも快適に楽しめます。
メリット⑤:スマート家電が使える
最近は、Wi-Fiに接続できる家電が増えています。
Wi-Fi対応家電の例:
- スマートスピーカー(Amazon Echo、Google Homeなど)
- エアコン(外出先からスマホで操作できる)
- 照明(スマホで明るさや色を変えられる)
- ロボット掃除機
- 見守りカメラ
Wi-Fiがあれば、これらのスマート家電を使って、より便利な生活ができます。
Wi-Fiの規格って何?世代の違いを知っておこう

Wi-Fiには「規格」というものがあり、世代が新しいほど速度が速くなっています。
Wi-Fi規格の一覧
| 規格名 | 別名 | 最大速度(理論値) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| IEEE 802.11be | Wi-Fi 7 | 最大46Gbps | 最新規格(2024年〜) |
| IEEE 802.11ax | Wi-Fi 6 / Wi-Fi 6E | 最大9.6Gbps | 現在の主流 |
| IEEE 802.11ac | Wi-Fi 5 | 最大6.9Gbps | 一世代前 |
| IEEE 802.11n | Wi-Fi 4 | 最大600Mbps | 古い規格 |
分かりやすい覚え方:
数字が大きいほど新しくて速い、と覚えておけばOKです。
Wi-Fi 6がおすすめ
現在、新しくWi-Fiルーターを買うなら「Wi-Fi 6」対応のものがおすすめです。
Wi-Fi 6の特徴:
- 通信速度が速い
- 複数の機器を同時につないでも快適
- 電力消費が少ない(スマホのバッテリーが長持ち)
- 混雑した場所でも安定
ただし、接続する側のスマホやパソコンも「Wi-Fi 6対応」でないと、その恩恵を十分に受けられません。
Wi-Fiの接続方法を覚えよう
Wi-Fiに接続するのは、実はとても簡単です。
iPhoneの場合
- 「設定」アプリを開く
- 「Wi-Fi」をタップ
- 接続したいWi-Fi名(SSID)をタップ
- パスワードを入力
- 「接続」をタップ
Androidスマホの場合
- 「設定」アプリを開く
- 「ネットワークとインターネット」または「Wi-Fi」をタップ
- Wi-Fiをオンにする
- 接続したいWi-Fi名(SSID)をタップ
- パスワードを入力
- 「接続」をタップ
パソコン(Windows)の場合
- 画面右下のWi-Fiマークをクリック
- 接続したいWi-Fi名(SSID)をクリック
- 「接続」をクリック
- パスワードを入力
- 「次へ」をクリック
一度接続すれば自動接続:
一度パスワードを入力して接続すれば、次回からは自動的につながります。
フリーWi-Fi(無料Wi-Fi)の使い方と注意点
カフェや駅、空港などで見かける「フリーWi-Fi」。便利ですが、使うときは注意が必要です。
フリーWi-Fiとは?
お店や公共施設が無料で提供しているWi-Fiのことです。
よくある場所:
- カフェ(スターバックス、ドトールなど)
- コンビニ(セブンイレブン、ローソンなど)
- ファストフード店(マクドナルドなど)
- 駅、空港
- ホテル
フリーWi-Fiの危険性
フリーWi-Fiは便利ですが、セキュリティが弱いことが多いです。
考えられるリスク:
- 通信内容を盗み見される可能性
- 個人情報が漏れる危険性
- 偽物のWi-Fiスポット(なりすまし)に接続してしまう
安全に使うための対策
フリーWi-Fiを使うときは、次のことに気をつけましょう。
- 鍵マークのないWi-Fiには接続しない
- 暗号化されていない(セキュリティなし)Wi-Fiは危険
- クレジットカード情報などは入力しない
- ネットショッピングや銀行の操作は避ける
- https://から始まるサイトだけを使う
- 通信が暗号化されているサイトのみ利用
- 自動接続をオフにする
- 勝手に怪しいWi-Fiにつながるのを防ぐ
- VPNを使う
- 通信を暗号化するアプリを利用すると安全
おすすめの使い方:
フリーWi-Fiは、ニュースを読んだり天気を調べたりする程度にとどめ、重要な情報のやり取りは自宅のWi-Fiで行いましょう。
Wi-Fiが遅い・つながらないときの対処法
「Wi-Fiの速度が遅い」「途中で切れる」といったトラブルは誰にでもあります。
対処法①:ルーターを再起動する
一番簡単で効果的な方法です。
手順:
- Wi-Fiルーターのコンセントを抜く
- 10秒ほど待つ
- もう一度コンセントを差し込む
- ランプが全部点灯するまで待つ(1〜2分)
これだけで改善することが多いんです。
対処法②:ルーターの置き場所を変える
Wi-Fiの電波は、壁や障害物に弱いです。
良い置き場所:
- 家の中心に近い場所
- 床から1〜2メートルの高さ
- 開けた場所(棚の中や家具の裏は避ける)
悪い置き場所:
- 部屋の隅
- 床に直置き
- 金属製の棚の中
- 電子レンジや冷蔵庫の近く(電波干渉を起こす)
対処法③:接続する周波数帯を変える
2.4GHzと5GHzを切り替えてみてください。
- 遠い部屋で使うなら → 2.4GHz
- ルーターの近くで使うなら → 5GHz
対処法④:Wi-Fi中継器を使う
家が広い場合や、ルーターから離れた部屋でWi-Fiが弱い場合は、「Wi-Fi中継器」を使うと改善します。
中継器は、ルーターの電波を受け取って、さらに遠くまで飛ばしてくれる機器です。価格は3,000円〜1万円程度で買えます。
対処法⑤:古いルーターを買い替える
Wi-Fiルーターの寿命は、だいたい4〜5年と言われています。
古いルーターを使っていると、最新の通信規格に対応していなかったり、性能が落ちていたりします。5年以上使っているなら、買い替えを検討してもいいかもしれません。
モバイルWi-Fiルーターって何?

「持ち運べるWi-Fi」として人気なのが、モバイルWi-Fiルーターです。
モバイルWi-Fiルーターとは
スマホのように携帯電話の電波を使って、どこでもWi-Fi環境を作れる小型の機器です。
特徴:
- ポケットに入るサイズ
- 充電式で、外出先でも使える
- 工事不要で、届いたその日から使える
有名なサービス:
- WiMAX(UQ WiMAXなど)
- ポケットWi-Fi(Y!mobileなど)
- 楽天モバイルのモバイルルーター
どんな人におすすめ?
- 外出先でパソコンを使うことが多い人
- 引越しが多い人(工事不要だから)
- 一人暮らしで、データ使用量がそれほど多くない人
注意点
- 固定回線(光回線)ほど速度は速くない
- 使い放題プランでも、3日で10GB以上使うと速度制限がかかることがある
- 地下や建物の中では電波が弱いことがある
よくある質問(FAQ)
Q1:Wi-FiとBluetoothの違いは何ですか?
どちらも無線通信技術ですが、用途が違います。
- Wi-Fi:インターネット接続用、通信範囲が広い(数十メートル)、速度が速い
- Bluetooth:機器同士を直接つなぐ用、通信範囲が狭い(数メートル)、速度は遅め
Bluetoothは、ワイヤレスイヤホンやマウスなどを接続するときに使います。
Q2:Wi-Fiのパスワードが分かりません
自宅のWi-Fiルーターなら、本体の側面や底面にシールが貼ってあり、そこにパスワード(暗号化キー、KEYなど)が書かれています。
それでも分からない場合は、ルーターの取扱説明書を見るか、契約しているプロバイダに問い合わせてください。
Q3:Wi-Fiの名前(SSID)を変更できますか?
はい、できます。ルーターの設定画面にアクセスすれば変更可能です。
ただし、設定方法はルーターの機種によって異なるので、取扱説明書を確認してください。
Q4:5GHzが表示されません
お使いのスマホやパソコンが古い場合、5GHzに対応していない可能性があります。
また、ルーター側で5GHzがオフになっていることもあるので、ルーターの設定を確認してみてください。
Q5:Wi-Fiの電波は体に悪くないですか?
Wi-Fiの電波は「非電離放射線」という、人体に影響を与えないレベルの弱い電波です。
世界保健機関(WHO)も「健康への悪影響は確認されていない」と発表しているので、安心して使えます。
まとめ:Wi-Fiを活用して快適なネットライフを!
Wi-Fiについて、仕組みから使い方、注意点まで詳しく解説してきました。
Wi-Fiのポイントまとめ:
- Wi-Fiは無線でインターネットに接続する技術
- 2.4GHzと5GHzの2つの周波数帯がある
- スマホのデータ通信量を節約できる
- 複数の機器を同時に接続できる
- フリーWi-Fiは便利だけどセキュリティに注意
- 速度が遅いときはルーターの再起動や置き場所の変更を試す
今すぐできること:
- 自宅のWi-Fiルーターの置き場所を見直す
- スマホのWi-Fi設定で、自動接続がオンになっているか確認
- フリーWi-Fi使用時は、重要な情報の入力を避ける
Wi-Fiは、現代の生活に欠かせない技術です。仕組みを理解して、安全に快適に使いこなしましょう。
この記事が、あなたのWi-Fi生活をより快適にする助けになれば嬉しいです!


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