Webページを印刷したときに、こんな経験はありませんか?
- ページの右端が印刷されずに切れてしまう
- 内容が大きすぎて複数ページに分割されてしまう
- きれいに印刷したいのに見た目が崩れてしまう
- 文字が小さすぎたり、逆に大きすぎたりする
- 背景色や画像が印刷されない
この記事では、Webページを印刷時にきれいに縮小して収める方法を、誰でも簡単に実践できるように解説します。
ブラウザの設定方法から、印刷プレビュー、PDF保存まで、失敗しないテクニックをまとめました!
印刷がズレたりはみ出す原因とは?

よくある印刷トラブル
問題 | 具体例 | 発生する理由 |
---|---|---|
右端切れ | 表やメニューの一部が印刷されない | Webページの横幅が紙幅を超えている |
複数ページ分割 | 1つの表が2ページにまたがる | 縦幅が紙の高さを超えている |
レイアウト崩れ | 文字と画像の位置関係がおかしい | 印刷用CSSが適用されていない |
文字サイズ不適切 | 読めないほど小さい/大きい | 画面表示用のサイズが適用されている |
根本的な原因
主な原因:
- Webページのレイアウトが画面サイズ基準で作られている
- 画像や表、広告が横幅を超える
- ブラウザの印刷設定が「等倍(100%)」になっている
- レスポンシブデザインが印刷に対応していない
画面と紙の違い:
項目 | 画面表示 | 紙への印刷 |
---|---|---|
横幅 | 1920px以上も可能 | A4:約210mm(約595px) |
縦幅 | スクロール可能 | A4:約297mm(約842px) |
解像度 | 72-96 DPI | 通常300-600 DPI |
色表現 | RGB(光の三原色) | CMYK(印刷の四原色) |
ポイント: Webページは画面向けに最適化されているため、そのまま印刷すると紙に合わないことが多いのです。
各ブラウザでの縮小印刷のやり方

Google Chrome(最も利用者が多い)
基本手順:
- 印刷したいページを開く
Ctrl + P
(MacはCmd + P
)で印刷プレビューを開く- 「詳細設定」をクリックして展開
- 「倍率」の項目を「カスタム」に変更
- 倍率を調整(例:70%、80%、90%)
- プレビューで確認
- 「印刷」または「PDFとして保存」
詳細設定のポイント:
設定項目 | 推奨値 | 説明 |
---|---|---|
拡大/縮小 | 70-90% | ページ全体が収まるよう調整 |
用紙サイズ | A4 | 一般的な用紙サイズ |
余白 | 標準またはカスタム | 内容に応じて調整 |
背景のグラフィック | チェック有無を選択 | 背景色や画像の印刷可否 |
実際の操作例:
1. ニュース記事のページを開く
2. Ctrl + P を押す
3. 「その他の設定」をクリック
4. 「拡大/縮小」を「カスタム」にして「80%」に設定
5. プレビューで右端が切れていないか確認
6. 「印刷」ボタンをクリック
Microsoft Edge
基本手順:
Ctrl + P
で印刷画面を開く- 「その他の設定」を開く
- 「拡大/縮小」または「印刷可能領域に合わせる」を選択
- 手動倍率にチェック
- 入力欄に倍率指定(例:75%)
- 「印刷」または「PDFとして保存」
Edgeの便利機能:
- 「印刷可能領域に合わせるに合わせる」:自動で最適な縮小率を計算
- 「選択したコンテンツのみ印刷」:特定部分だけを印刷
- 「ヘッダーとフッター」:日付やページ番号の表示制御
Mozilla Firefox
基本手順:
Ctrl + P
で印刷画面を開く- 「ページ設定」から詳細設定
- 「スケーリング」で縮小率を指定
- 「縮小してページに収める」(自動調整)
- 「カスタム」で手動指定(例:80%)
- プレビュー確認後、印刷実行
Firefoxの特徴:
- 印刷プレビューが詳細
- カスタムCSSの適用が柔軟
- アドオンによる印刷機能拡張が可能
Safari(Mac)

基本手順:
- メニューバーから「ファイル」→「プリント」
- 「詳細を表示」をクリック
- 「拡大縮小」に手動で倍率指定(例:85%)
- 「プリント」または「PDFとして保存」
Safariの便利機能:
- 「Webページのみ印刷」:広告を除外
- 「背景をプリント」:背景色や画像の制御
- プレビューアプリとの連携:より詳細な編集が可能
ポイント: すべてのブラウザで縮小率を指定可能です。
プレビューを見ながら、1ページに収まるよう調整しましょう。
PDF化して調整・保存する方法
なぜPDF化がおすすめなのか?
メリット:
- 印刷前に完全なプレビューが確認できる
- 紙の無駄を防げる
- デジタル保存で後から参照可能
- オンライン共有も簡単
- 複数ページの印刷設定を一括管理
PDF化の手順(Chrome例)
基本手順:
Ctrl + P
(印刷画面)- 送信先で「PDFに保存」を選択
- 拡大/縮小を70%~90%に設定
- レイアウト、余白を調整
- **「保存」**でPDFファイルを作成
- PDFファイルを開いて確認
- 必要に応じて印刷
PDF作成時の詳細設定:
設定項目 | 推奨値 | 理由 |
---|---|---|
ページサイズ | A4 | 一般的な印刷用紙 |
向き | 縦または横 | コンテンツに応じて選択 |
余白 | 標準(10mm程度) | 印刷時の安全領域確保 |
背景 | 必要に応じて | インクの節約を考慮 |
PDF確認のチェックポイント
印刷前の確認事項:
- [ ] 全ての文字が読める大きさか
- [ ] 表や画像が切れていないか
- [ ] ページ区切りが適切か
- [ ] 重要な情報が欠けていないか
- [ ] 印刷品質が満足できるか
高度なPDF編集
PDFをさらに調整したい場合:
無料ツール:
- Adobe Acrobat Reader:基本的な表示・印刷
- PDF-XChange Viewer:注釈・簡易編集
- PDFsam Basic:ページ分割・結合
有料ツール:
- Adobe Acrobat Pro:本格的な編集
- PDFelement:コストパフォーマンス重視
実用的な印刷設定テクニック

コンテンツ別の最適な縮小率
コンテンツタイプ | 推奨縮小率 | 理由 |
---|---|---|
ニュース記事 | 80-90% | 文字の読みやすさを重視 |
表・データ | 70-80% | 全体を1ページに収める |
地図・図表 | 75-85% | 詳細な情報を保持 |
レシピ・手順書 | 85-95% | 実用性を重視 |
ショッピングページ | 70-80% | 画像と情報のバランス |
部分印刷の活用
必要な部分だけを印刷:
Chrome/Edgeの場合:
- 印刷したい部分をマウスで選択
Ctrl + P
で印刷画面- **「選択した部分」**をチェック
- 縮小率を調整して印刷
効果:
- インク・紙の節約
- 必要な情報のみに集中
- 印刷時間の短縮
印刷プレビューの効果的な使い方
プレビューでチェックすべき点:
- 全体レイアウト
- ページに収まっているか
- 改ページ位置は適切か
- 文字の読みやすさ
- 縮小しすぎて読めないことはないか
- 重要な情報が見やすいか
- 画像・図表
- 画質は十分か
- 説明文とのバランスは良いか
- 余白・マージン
- 印刷領域に余裕があるか
- 穴あけパンチの位置を考慮しているか
よくあるトラブルとその対策

トラブル①:ページがはみ出す・切れる
症状:
- 右端のメニューや画像が印刷されない
- 表の一部が見切れる
- 文字列が途中で切れる
解決策:
1. 拡大率を下げる(例:100% → 80% → 70%)
2. 「ページに合わせる」オプションを試す
3. 横向き印刷を検討
4. 余白を狭く設定
具体例:
問題:ショッピングサイトの商品ページで価格表示が切れる
解決:拡大率を75%に下げて、横向き印刷に変更
トラブル②:白紙ページが印刷される
症状:
- 途中に空白ページが挿入される
- 最後のページが白紙
解決策:
1. 「空白ページを印刷しない」をチェック
2. 「背景グラフィックを印刷」のチェックを外す
3. ページ範囲を手動指定
4. PDF化してページを確認
トラブル③:文字が小さすぎて読めない
症状:
- 縮小しすぎて文字が判読困難
- 重要な情報が見えない
解決策:
1. 縮小率を90-95%に上げる
2. 複数ページに分割することを許容
3. 部分印刷を活用
4. PDFで拡大表示して確認
トラブル④:背景色や画像が印刷されない
症状:
- 背景色が白くなる
- 装飾画像が表示されない
- 見た目が画面と大きく異なる
解決策:
Chrome/Edge:
「その他の設定」→「背景のグラフィック」にチェック
Firefox:
「ページ設定」→「背景色と背景画像も印刷する」にチェック
Safari:
「詳細」→「背景をプリント」にチェック
トラブル⑤:印刷が非常に遅い・止まる
症状:
- 印刷処理が進まない
- プリンターが応答しない
解決策:
1. 一度PDFとして保存してから印刷
2. 画像品質を下げる
3. 背景グラフィックを無効にする
4. ページを分割して印刷
5. ブラウザやプリンタードライバーを再起動
高度な印刷テクニック

カスタムCSS(上級者向け)
印刷専用スタイルシートの活用:
ブラウザの開発者ツールで一時的に調整:
@media print {
/* 印刷時のみ適用されるスタイル */
.no-print { display: none; } /* 印刷不要な要素を非表示 */
body { font-size: 12pt; } /* 印刷用文字サイズ */
.page-break { page-break-before: always; } /* 改ページ指定 */
}
ブラウザ拡張機能の活用
便利な印刷拡張機能:
Chrome:
- 「Print Friendly & PDF」:広告除去、最適化
- 「Save as PDF」:PDF保存の高速化
- 「PrintWhatYouLike」:カスタム印刷範囲
Firefox:
- 「Print Edit WE」:印刷前の編集
- 「Save Page WE」:完全なページ保存
複数ページの効率的な印刷
連続印刷のコツ:
- タブを複数開く
- 各タブでPDF保存
- PDFを結合
- 一括印刷
PDF結合の方法:
Windows:「PDF Creator」などの無料ツール
Mac:プレビューアプリの「サイドバーにドラッグ」
オンライン:「SmallPDF」「iLovePDF」など
印刷コスト削減のテクニック
インク・用紙の節約方法
設定での節約:
設定項目 | 節約設定 | 効果 |
---|---|---|
印刷品質 | ドラフト/高速 | インク使用量削減 |
カラー | グレースケール/モノクロ | カラーインク節約 |
両面印刷 | 有効 | 用紙使用量半減 |
複数ページ集約 | 2in1, 4in1 | 用紙使用量削減 |
印刷前のチェックリスト
コスト削減チェック:
- [ ] 必要な部分のみ選択しているか
- [ ] 白紙ページを除外しているか
- [ ] 背景色を無効化しているか(インク節約)
- [ ] 両面印刷が可能か
- [ ] 複数ページ集約が読める範囲か
ブラウザ別設定の保存方法
よく使う設定の保存
Chrome:
1. 印刷設定を調整
2. 「保存」または「適用」
3. 次回同じサイトでは設定が記憶される
Firefox:
1. 「ページ設定」で調整
2. 「OK」で保存
3. 印刷設定プロファイルとして保存可能
プリンター設定のプリセット
Windows:
1. プリンターの「印刷設定」
2. 設定を調整後「適用」
3. 「名前を付けて保存」でプリセット作成
Mac:
1. 印刷ダイアログで設定調整
2. 「プリセット」→「現在の設定を別名で保存」
3. 次回から選択可能
よくある質問と回答

Q: 印刷プレビューと実際の印刷結果が違うのはなぜ?
A: プリンター設定やドライバーの影響です
主な原因:
- プリンター独自の拡大縮小設定
- 用紙サイズの自動調整機能
- プリンタードライバーの色調整
対策:
- プリンター設定で「等倍印刷」を確認
- PDFに一度保存して確認
- プリンタードライバーを最新版に更新
Q: モバイル版サイトの方が印刷に適している?
A: 場合によってはモバイル版が印刷に適しています
モバイル版のメリット:
- 横幅が狭く、A4に収まりやすい
- 広告が少ない
- シンプルなレイアウト
切り替え方法:
1. URLの最後に「?mobile=1」を追加
2. ブラウザの開発者ツールでモバイル表示に切り替え
3. 「モバイル版サイトを表示」リンクをクリック
Q: 印刷が禁止されているサイトはどうすれば?
A: 技術的には可能ですが、著作権に注意が必要です
基本的な方法:
- スクリーンショットを撮影
- PDFに変換
- ブラウザの「要素を検査」で制限を一時的に解除
注意事項:
- 著作権法を遵守する
- 商用利用は避ける
- 個人的な利用に留める
Q: 大量のページを効率的に印刷するには?
A: 自動化ツールの活用を検討してください
効率化の方法:
- ブラウザ拡張機能の活用
- 印刷専用ツールの使用
- PDF一括変換後の印刷
- スクリプトでの自動化(上級者向け)
まとめ:Webページの縮小印刷で見やすく・無駄なく!
今回学んだ重要なポイント:
- 印刷前の設定がカギ:プレビューで必ず確認
- 縮小率の調整:70-90%の範囲で最適化
- PDF化の活用:失敗を防ぐ最も確実な方法
- ブラウザ別の特徴:それぞれに最適な手順がある
- トラブル対策:よくある問題への対処法を理解
実際に試してみよう:
- 基本的な縮小印刷から始める
- PDF化で確実な印刷を体験
- 部分印刷でコスト削減を実践
- 設定の保存で効率化を図る
印刷のベストプラクティス:
Ctrl + P
で印刷プレビューを開く- 縮小率(拡大/縮小)*を適切に指定
- プレビューで確認してから印刷またはPDF保存
- トラブル時は「背景」「余白」設定も確認
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