「カッコいいWebサイトを作りたい!」「アプリみたいに動くWebページを開発してみたい!」
そんな風に思ったことはありませんか?
最近のWebサイトは、ページを切り替えなくてもサクサク動いて、まるでスマホアプリのようですよね。実は、そういった動的なWebアプリケーションを作るのに便利なツールがあるんです。
その代表格が、Vue.js(ビュー・ジェイエス)です。
「JavaScriptは聞いたことあるけど、Vue.jsって何?」「ReactやAngularとはどう違うの?」「初心者でも使えるの?」
この記事では、そんな疑問に答えながら、Vue.jsについて初心者の方にもわかりやすく解説します。プログラミングを始めたばかりの人、Web開発に興味がある人、ぜひ最後まで読んでみてください。
難しい専門用語は最小限にして、身近な例を交えながら説明していきますね!
Vue.jsとは?

まず、Vue.jsの基本から説明しましょう。
Vue.jsの正式名称と読み方
Vue.jsは「ビュー・ジェイエス」または「ビュー・ドット・ジェイエス」と読みます。
単に「Vue(ビュー)」と呼ばれることも多いです。
「view(景色、見る)」と同じ発音ですね。
Vue.jsは何をするもの?
Vue.jsは、JavaScriptのフレームワークです。
「フレームワーク?」と思うかもしれませんね。簡単にいうと、Webアプリケーションを作るための便利な道具セットのことです。
料理で例えると
- JavaScript:食材そのもの
- Vue.js:調理器具や下ごしらえ済みの食材セット
- 作るもの:美味しい料理(Webアプリ)
ゼロから全部作るより、便利な道具があったほうが効率的ですよね。
Vue.jsも同じで、複雑なWebアプリを効率よく作れるようにサポートしてくれるんです。
誰が作ったの?
Vue.jsは、Evan You(エヴァン・ヨー)という元Googleの開発者が2014年に作りました。
GoogleでAngular(別のフレームワーク)を使っていた経験から、「もっと簡単で使いやすいツールが欲しい」と思って開発したそうです。
個人プロジェクトから始まりましたが、今では世界中の企業や開発者に使われています。
Vue.jsでできること
Vue.jsを使うと、こんなWebアプリケーションが作れます。
- SPA(シングルページアプリケーション):ページ遷移なしで動くサイト
- インタラクティブなUI:クリックやスクロールに反応する画面
- リアルタイム更新:データが変わると画面も自動で変わる
- コンポーネントベースの開発:パーツを組み合わせてアプリを作る
身近な例では、TwitterやGmail、LINEのような「ページを開き直さなくても更新される」サイトが作れます。
Vue.jsの特徴
Vue.jsには、他のツールにはない魅力がたくさんあります。
特徴1:学習しやすい
Vue.jsの最大の特徴は、初心者にやさしいことです。
なぜ学びやすいの?
- HTMLとJavaScriptの基礎知識があれば始められる
- 公式ドキュメント(説明書)が丁寧でわかりやすい
- 日本語の情報も豊富
- 少しずつ機能を追加していける(段階的に学べる)
ReactやAngularなど他のフレームワークと比べて、ハードルが低いと言われています。
プログラミング初心者でも、比較的早く使いこなせるようになるんですね。
特徴2:軽量で高速
Vue.jsは、ファイルサイズが小さく、動作が速いです。
サイズ比較
- Vue.js 3:約34KB(圧縮後)
- React:約40KB
- Angular:約100KB以上
サイズが小さいと、Webページの読み込みが速くなります。
ユーザーにとって快適なサイトが作れるんです。
特徴3:柔軟性が高い
Vue.jsは、大規模プロジェクトにも小規模プロジェクトにも対応できます。
小さな機能だけ使う
既存のWebサイトに、少しだけ動的な機能を追加したい場合。
Vue.jsの一部だけを導入できます。
本格的なアプリを作る
ゼロから大規模なWebアプリケーションを作る場合。
Vue Router(画面遷移)やVuex(データ管理)といった拡張機能を組み合わせて使えます。
この柔軟性が、Vue.jsの大きな強みです。
特徴4:リアクティブなデータバインディング
「リアクティブ」とは、データが変わると画面も自動で変わる仕組みのことです。
例えば、カウンターアプリ
ボタンを押すと数字が増えるアプリを考えてみましょう。
data() {
return {
count: 0
}
}
このcountというデータが変わると、画面に表示されている数字も自動的に更新されます。
いちいち「画面を書き換えてください」と指示しなくていいんです。
これが「リアクティブ」の便利なところですね。
特徴5:コンポーネントベース
Vue.jsでは、コンポーネントという単位でアプリを作ります。
コンポーネントは、再利用できるパーツのことです。
レゴブロックで例えると
- 1つ1つのブロック = コンポーネント
- ブロックを組み合わせる = アプリケーション
ボタン、入力フォーム、カード表示など、よく使うパーツをコンポーネントにしておけば、何度でも使い回せます。
開発効率が上がるんですね。
Vue.jsと他のフレームワークの違い
Web開発には、Vue.js以外にも人気のフレームワークがあります。
違いを簡単に比較してみましょう。
React(リアクト)
Facebookが開発した、最も人気のあるフレームワークです。
Reactの特徴
- 世界で一番使われている(求人も多い)
- 大企業で採用されている(Facebook、Instagram、Netflixなど)
- エコシステム(関連ツール)が豊富
Vue.jsとの違い
- 学習難易度:Reactの方が少し難しい
- テンプレート:Vue.jsはHTML風、ReactはJSX(JavaScriptの中にHTMLを書く)
- 規模:Reactはより大規模向け
どちらも優秀ですが、初心者にはVue.jsの方が取っ付きやすいと言われています。
Angular(アンギュラー)
Googleが開発した、歴史の長いフレームワークです。
Angularの特徴
- エンタープライズ(企業向け)アプリに強い
- TypeScript(JavaScriptの拡張言語)が必須
- 機能が多く、全部入り
Vue.jsとの違い
- 学習難易度:Angularは最も難しい
- 規模:大規模プロジェクト向け
- 自由度:Angularは決まったやり方が多い、Vue.jsは柔軟
Angularは本格的な業務システムに向いていますが、初心者には難易度が高いです。
Svelte(スヴェルト)
比較的新しい、注目のフレームワークです。
Svelteの特徴
- コンパイル時にコードを最適化する
- 実行時のパフォーマンスが最高レベル
- コードがシンプル
Vue.jsとの違い
- 速度:Svelteの方が高速
- コミュニティ:Vue.jsの方が大きい(情報が多い)
- 採用実績:Vue.jsの方が多い
Svelteは今後注目ですが、現時点ではVue.jsの方が安定しています。
どれを選べばいい?
初心者・個人開発 → Vue.js
学びやすく、小規模から大規模まで対応できます。
就職・転職を考えている → React
求人が一番多く、業界標準に近いです。
大企業の業務システム → Angular
エンタープライズ開発に強いです。
最新技術に興味がある → Svelte
新しい体験ができます。
目的に合わせて選ぶのが大切ですね。
Vue.jsの基本概念
Vue.jsを理解するために、重要な概念をいくつか紹介します。
概念1:Vue インスタンス
Vue.jsでアプリを作る時は、まずVueインスタンスを作ります。
簡単なコード例
const app = Vue.createApp({
data() {
return {
message: 'Hello Vue!'
}
}
})
app.mount('#app')
これが、Vue.jsアプリの基本形です。
dataの中にデータを書いて、HTMLと紐付けます。
概念2:テンプレート構文
Vue.jsでは、HTML風の書き方で画面を作れます。
データの表示
<div id="app">
<p>{{ message }}</p>
</div>
{{ }}で囲むと、JavaScriptのデータを表示できます。
シンプルで直感的ですね。
条件分岐
<p v-if="isVisible">表示されます</p>
<p v-else>非表示です</p>
v-ifというディレクティブ(指示)を使うと、条件によって表示を切り替えられます。
繰り返し
<ul>
<li v-for="item in items">{{ item }}</li>
</ul>
v-forで、リストの内容を繰り返し表示できます。
概念3:コンポーネント
アプリを部品に分けて作る方法です。
ボタンコンポーネントの例
app.component('my-button', {
template: '<button>クリックしてね</button>'
})
一度作れば、何度でも使い回せます。
<my-button></my-button>
<my-button></my-button>
効率的ですね。
概念4:イベントハンドリング
ボタンを押した時などに、処理を実行する仕組みです。
クリックイベントの例
<button v-on:click="count++">
クリック回数: {{ count }}
</button>
v-on:clickで、クリック時の動作を指定できます。
省略形として@clickも使えます。
概念5:算出プロパティ(Computed)
データを計算した結果を表示する機能です。
例:消費税込みの価格
computed: {
priceWithTax() {
return this.price * 1.1
}
}
元の価格が変わると、税込価格も自動で再計算されます。
便利ですね。
Vue.jsを使うメリット

なぜ多くの開発者がVue.jsを選ぶのでしょうか?
メリット1:開発スピードが速い
Vue.jsを使うと、短期間でアプリを作れます。
理由
- コンポーネントの再利用で効率化
- リアクティブな仕組みで手間が減る
- 豊富なプラグインで機能追加が簡単
同じアプリを作る場合、素のJavaScriptより数倍早く完成することも珍しくありません。
メリット2:保守しやすい
作ったアプリを長く使い続けるためには、保守性が大切です。
Vue.jsが保守しやすい理由
- コードが読みやすい(HTML風の書き方)
- コンポーネントで機能が分かれている
- ファイル構成がシンプル
後から修正や機能追加をする時も、楽なんです。
メリット3:コミュニティが活発
Vue.jsには、世界中に活発なコミュニティがあります。
コミュニティの恩恵
- 困った時に質問できる場所がある
- 便利なプラグインやツールがたくさん
- 日本語の情報も豊富
初心者でも安心して学べる環境が整っています。
メリット4:公式ツールが充実
Vue.jsには、便利な公式ツールがあります。
Vue CLI
プロジェクトを簡単に始められるツール。
コマンド1つで、開発環境が整います。
Vue Devtools
ブラウザの拡張機能で、開発中のアプリをデバッグ(問題解決)できます。
Vite
超高速な開発サーバー。
コードを変更すると、すぐに画面に反映されます。
メリット5:求人需要がある
Vue.jsのスキルは、就職・転職に有利です。
使われている企業の例
- LINE
- メルカリ
- ニコニコ動画
- GitLab
- Alibaba(中国の大企業)
日本でも海外でも、Vue.jsの求人は増えています。
Vue.jsのデメリット
良いところばかりではありません。
デメリットも正直にお伝えします。
デメリット1:Reactほど求人は多くない
Web開発の求人で一番多いのは、やはりReactです。
Vue.jsの求人も増えていますが、Reactには及びません。
対策
両方学んでおくのが理想的です。
実は、Vue.jsができればReactも学びやすいんですよ。
デメリット2:大規模開発での実績が少なめ
超大規模なアプリでは、ReactやAngularが選ばれることが多いです。
理由
- Reactの方が長い歴史がある
- Google、Facebookなど大企業のバックアップがある
ただし、Vue.js 3で大規模開発への対応も強化されています。
デメリット3:バージョンアップの影響
Vue 2からVue 3への移行時、一部の書き方が変わりました。
古い情報を見ると、動かないコードに出会うことがあります。
対策
- 公式ドキュメントを優先して見る
- 記事の日付を確認する
- Vue 3対応かチェックする
最新情報を追いかける習慣が大切です。
デメリット4:日本語情報はあるが英語情報には劣る
日本語の情報はかなり充実していますが、やはり英語情報の方が豊富です。
対策
- 公式ドキュメント(日本語版あり)を活用する
- Google翻訳を使いながら英語記事も読む
- 英語に少しずつ慣れる
プログラミングを続けるなら、英語は避けて通れません。
Vue.jsの学習方法
「Vue.jsを学びたい!」と思ったら、どこから始めればいいのでしょうか?
ステップ1:基礎知識を身につける
Vue.jsを学ぶ前に、以下の基礎が必要です。
必須の知識
- HTML:Webページの構造
- CSS:Webページの見た目
- JavaScript:Webページの動き
特にJavaScriptの基本(変数、関数、配列、オブジェクト)は重要です。
学習リソース
- MDN Web Docs:無料の公式リファレンス
- ドットインストール:動画で学べる日本語サイト
- Progate:ブラウザで実際に書きながら学べる
まずはこれらで基礎を固めましょう。
ステップ2:Vue.jsの公式チュートリアルを進める
基礎ができたら、いよいよVue.jsです。
公式ドキュメント
Vue.jsの公式サイトには、日本語の丁寧なチュートリアルがあります。
- 基本的な概念の説明
- 実際に動かせるコード例
- ステップバイステップのガイド
まずはこれを一通り読むのがおすすめです。
実際に手を動かす
読むだけでなく、コードを書いて試すことが大切です。
エラーが出ても大丈夫。それが学びになります。
ステップ3:簡単なアプリを作ってみる
知識を入れたら、実践です。
初心者向けプロジェクト例
- ToDoリスト:タスクを追加・削除できるアプリ
- カウンターアプリ:数字を増やしたり減らしたり
- 天気予報アプリ:APIからデータを取得して表示
- 簡単なブログ:記事の一覧と詳細ページ
小さなアプリから始めて、徐々に複雑なものに挑戦しましょう。
ステップ4:動画講座や書籍で深く学ぶ
独学が難しいと感じたら、有料の教材も検討してみてください。
おすすめの学習方法
- Udemy:実践的な動画講座(セール時は安い)
- 技術書:体系的に学べる(Vue.js 3対応のもの)
- オンラインスクール:サポート付きで挫折しにくい
お金をかけた分、モチベーションも上がります。
Vue.jsを使った有名サービス
Vue.jsは、実際にどんなサービスで使われているのでしょうか?
日本のサービス
- LINE:メッセージアプリ(一部機能)
- メルカリ:フリマアプリのWeb版
- ニコニコ動画:動画配信サイトの一部
- Retty:グルメサイト
- DMM.com:エンタメサイト
有名な企業が、Vue.jsを採用しているんですね。
海外のサービス
- Alibaba:中国の巨大ECサイト
- Xiaomi:スマホメーカーの公式サイト
- Nintendo:任天堂の一部サイト
- GitLab:開発者向けプラットフォーム
- Adobe:クリエイティブツールの管理画面
世界中で使われている証拠です。
よくある質問
Q1:Vue.jsは無料で使える?
完全無料です。
Vue.jsは、MITライセンスというオープンソースライセンスで公開されています。
個人でも商用でも、自由に使えます。
Q2:Vue.jsだけでアプリが完成する?
いいえ、Vue.jsはフロントエンド(画面)専用です。
完全なアプリを作るには:
- フロントエンド:Vue.js(ユーザーが見る画面)
- バックエンド:Node.js、Python、PHPなど(サーバー側の処理)
- データベース:MySQL、MongoDBなど(データの保存)
これらを組み合わせる必要があります。
Q3:TypeScriptは必須?
必須ではありませんが、おすすめです。
TypeScriptは、JavaScriptに型(データの種類)を加えた言語です。
Vue 3では、TypeScriptとの相性が良くなっています。
ただし、まずは普通のJavaScriptで始めてOKです。
Q4:Vue 2とVue 3、どっちを学べばいい?
これから学ぶならVue 3一択です。
Vue 2は2023年末でサポートが終了しました。
新しいプロジェクトは、必ずVue 3で始めましょう。
Q5:一人でも学べる?
学べます!
Vue.jsは、独学しやすいフレームワークとして有名です。
- 公式ドキュメントが丁寧
- 日本語の情報が豊富
- エラーメッセージがわかりやすい
ただし、つまずいた時は質問できる場所を持っておくと安心です。
Q6:どれくらいで使えるようになる?
基礎があれば、1〜2週間で簡単なアプリが作れます。
もちろん、個人差はあります。
- JavaScript経験者:数日〜1週間
- プログラミング初心者:1〜3ヶ月
焦らず、コツコツ学ぶのが大切です。
まとめ
Vue.jsは、学びやすく、パワフルで、柔軟性の高いJavaScriptフレームワークです。
初心者にやさしく、それでいて本格的なアプリケーション開発にも対応できる、バランスの取れたツールなんですね。
この記事のポイント
✓ Vue.jsはWebアプリを効率的に作れるフレームワーク
✓ 学習しやすく、初心者にもおすすめ
✓ 軽量・高速で、柔軟性が高い
✓ リアクティブな仕組みで開発が楽になる
✓ Reactほどではないが求人需要もある
✓ 公式ドキュメントが充実していて独学しやすい
✓ HTML、CSS、JavaScriptの基礎知識があれば始められる
✓ 小規模から大規模まで、幅広いプロジェクトに対応
Web開発を学びたいなら、Vue.jsは最高の選択肢の一つです。
まずは公式チュートリアルから始めて、簡単なアプリを作ってみましょう。きっと、プログラミングの楽しさが実感できるはずです。
「百聞は一見にしかず」という言葉があります。読むだけでなく、ぜひ実際にコードを書いてみてください。
あなたのWeb開発の旅が、素晴らしいものになりますように!


コメント