「動画教材を見ながらコーディングしたいけど、画面が狭い…」 「ブラウザの開発者ツールとVSCodeを同時に見たい」 「かっこいい透明なエディタで開発したい!」 「配信や画面録画で、背景が透けて見えるとカッコいい」
こんな悩みや願望、ありませんか?
実は、VSCodeのウィンドウを透過(透明化)させることで、これらの問題が一気に解決できるんです。背景が透けて見えるようにすれば、複数の情報を同時に確認しながら効率的に作業できます。
この記事では、VSCodeの透過設定の方法から、OS別の設定、便利な拡張機能、さらには透過を活用した実践的な使い方まで、すべて分かりやすく解説していきます!
透過設定の基本:3つの方法を理解しよう

VSCodeの透過には3種類ある
1. ウィンドウ全体の透過
- VSCodeのウィンドウ全体が透明に
- 背景のアプリケーションが透けて見える
- 作業効率重視の設定
2. 背景(エディタ部分)の透過
- コードエディタの背景のみ透過
- サイドバーやメニューは不透明
- 見た目重視の設定
3. 画像を背景に設定
- 好きな画像を背景に
- 透過度を調整可能
- カスタマイズ性が高い
なぜ標準機能にないのか?
VSCodeには標準で透過機能がありません。理由は:
- パフォーマンスへの影響
- OS間の互換性の問題
- 読みやすさの確保
でも、拡張機能やOSの機能を使えば実現可能です!
Windows編:透過設定の完全ガイド
方法1:GlazeWM(推奨)
Windows用の透過ツール:
- GlazeWMをダウンロード
- 公式サイトから無料ダウンロード
- インストール不要のポータブル版あり
- 設定方法
# glazewm.yaml transparency: - app: "Code.exe" opacity: 0.9 # 透過度(0.0〜1.0)
- ホットキーで透過度調整
- Win + Shift + 上矢印:透明度を上げる
- Win + Shift + 下矢印:透明度を下げる
方法2:Windows Terminal + VSCode統合
Windows 11の新機能を活用:
- Windows Terminalの透過設定
- VSCodeをTerminal内で起動
- アクリル効果で美しい透過
設定手順:
// Windows Terminal settings.json
{
"profiles": {
"defaults": {
"useAcrylic": true,
"acrylicOpacity": 0.8
}
}
}
方法3:PowerToysのFancyZones
Microsoft公式ツール:
- PowerToysをインストール
- FancyZonesで画面分割
- Always on Topと組み合わせ
Mac編:macOSでの透過設定
方法1:透過アプリを使用
Afloat(無料):
- Afloatをダウンロード
- VSCodeを起動
- Window → Transparency で透過度設定
HyperDock(有料):
- より高機能な透過設定
- ホットキー対応
- プリセット保存可能
方法2:ターミナルコマンド
透過度を設定:
# VSCodeのウィンドウIDを調べる
osascript -e 'id of app "Visual Studio Code"'
# 透過度を設定(0.0〜1.0)
defaults write com.microsoft.VSCode CGFloatOpacity -float 0.9
# VSCodeを再起動
方法3:BetterTouchTool
高度なカスタマイズ:
- BetterTouchToolをインストール
- Window Managementで設定
- ジェスチャーで透過度調整
Linux編:各ディストリビューション対応
Ubuntu/GNOME
Compizを使用:
# Compizのインストール
sudo apt install compiz compiz-plugins compizconfig-settings-manager
# 設定画面を開く
ccsm
設定手順:
- Opacity, Brightness and Saturationを有効化
- Window specific settingsでVSCodeを指定
- 透過度を設定
KDE Plasma
システム設定から:
- システム設定 → ウィンドウの管理
- ウィンドウルール → 新規追加
- VSCodeを指定して透明度設定
i3/Sway
設定ファイル編集:
# ~/.config/i3/config
for_window [class="Code"] opacity 0.9
最強の拡張機能:簡単に透過を実現
1. Windows opacity(Windows専用)
特徴:
- VSCode内から透過度調整
- ステータスバーにスライダー表示
- ホットキー対応
設定方法:
- 拡張機能をインストール
- Ctrl + Shift + P → “Set Opacity”
- 0〜255の値を入力(255が不透明)
2. GlassIt-VSC(Windows)
便利な機能:
- マウスホイールで透過度調整
- フォーカス時は不透明に
- 設定の保存
使い方:
Ctrl + Alt + Z : 透明度を上げる
Ctrl + Alt + C : 透明度を下げる
3. Background(全OS対応)
画像を背景に設定:
// settings.json
{
"background.enabled": true,
"background.useDefault": false,
"background.customImages": [
"file:///C:/images/background.jpg"
],
"background.style": {
"content": "''",
"pointer-events": "none",
"position": "absolute",
"z-index": "99999",
"width": "100%",
"height": "100%",
"background-position": "center",
"background-repeat": "no-repeat",
"background-size": "cover",
"opacity": 0.1
}
}
4. Synthwave ’84(雰囲気重視)
ネオン風の透過効果:
- 80年代風のかっこいいテーマ
- グロー効果付き
- 透過と発光の組み合わせ
実践的な活用方法:透過で作業効率アップ
動画学習での活用
セットアップ:
- VSCodeを透過度70%に設定
- 背面で動画を再生
- コードを書きながら動画を確認
メリット:
- 画面切り替え不要
- 一時停止の手間削減
- 学習効率が大幅アップ
Web開発での活用
ブラウザと重ねて使用:
配置例:
[ブラウザ(背面)]
↓透けて見える
[VSCode(前面・透過)]
リアルタイムプレビュー:
- CSSの変更を即座に確認
- JavaScriptのコンソール出力を監視
- レスポンシブデザインの確認
ドキュメント参照
APIドキュメントを背面に:
- 公式ドキュメントを開いたまま
- コードを書きながら確認
- コピペも簡単
配信・プレゼンテーション
OBSでの設定:
- 透過ウィンドウをキャプチャ
- 背景に資料を表示
- プロフェッショナルな演出
透過度の最適な設定値
用途別推奨設定
コーディング作業:
- 透過度:85-95%(薄く透ける程度)
- 理由:可読性を維持しつつ背景確認
動画視聴しながら:
- 透過度:70-80%
- 理由:動画の内容を確認できる
デザイン確認:
- 透過度:50-70%
- 理由:デザインをしっかり確認
プレゼンテーション:
- 透過度:60-75%
- 理由:背景の資料を見せる
テーマとの組み合わせ
ダークテーマ + 透過:
{
"workbench.colorTheme": "One Dark Pro",
"workbench.colorCustomizations": {
"editor.background": "#1e1e1e99", // 透過対応の色指定
"sideBar.background": "#252526ee"
}
}
ライトテーマ + 透過:
- 背景が明るい場合に有効
- 透過度は控えめに(90-95%)
パフォーマンスと注意点
パフォーマンスへの影響
CPU/GPU使用率:
- 透過処理で5-10%増加
- GPU搭載PCでは影響小
- 古いPCでは避けた方が無難
対策:
// 設定で軽量化
{
"editor.renderWhitespace": "none",
"editor.minimap.enabled": false,
"editor.cursorBlinking": "solid"
}
目の疲れ対策
長時間作業の注意点:
- 透過度は高め(90%以上)を推奨
- コントラストを確保
- 定期的に透過をオフに
推奨設定:
{
"editor.tokenColorCustomizations": {
"comments": "#00ff00", // コメントを見やすく
"strings": "#ff9900" // 文字列を強調
}
}
トラブルシューティング
透過が効かない
チェックポイント:
- 管理者権限で実行
- グラフィックドライバ更新
- VSCode再起動
- 拡張機能の競合確認
文字が読みにくい
解決策:
{
// フォントを太く
"editor.fontWeight": "500",
// 背景に薄い色を追加
"workbench.colorCustomizations": {
"editor.background": "#1e1e1ecc"
},
// 行ハイライトを強調
"editor.renderLineHighlight": "all"
}
特定のウィンドウだけ透過したくない
部分的な透過制御:
- ターミナルは不透明に
- サイドバーは不透明に
- エディタ部分のみ透過
プロの活用テクニック
ピクチャーインピクチャー風
設定手順:
- VSCodeを小さくリサイズ
- Always on Top設定
- 透過度60-70%
- 画面の隅に配置
マルチモニター活用
理想的な配置:
- メインモニター:VSCode(透過)
- サブモニター:ブラウザ/ドキュメント
- 透過で情報を重ねて表示
ショートカットで切り替え
AutoHotkeyスクリプト(Windows):
; Win + T で透過切り替え
#t::
WinGet, TransLevel, Transparent, A
if (TransLevel = 255)
WinSet, Transparent, 180, A
else
WinSet, Transparent, 255, A
return
おすすめの組み合わせ設定
初心者向け設定
{
"workbench.colorTheme": "Default Dark+",
"window.opacity": 0.95, // 拡張機能が対応していれば
"editor.fontSize": 14,
"editor.fontFamily": "Consolas, 'Courier New', monospace"
}
動画学習向け設定
{
"workbench.colorTheme": "Monokai",
"editor.minimap.enabled": false,
"workbench.activityBar.visible": false,
"workbench.statusBar.visible": true,
"editor.lineNumbers": "off"
}
プロフェッショナル設定
{
"workbench.colorTheme": "Tokyo Night",
"editor.fontLigatures": true,
"editor.fontFamily": "'Fira Code', monospace",
"terminal.integrated.opacity": 0.9,
"editor.cursorBlinking": "phase"
}
まとめ:透過を使いこなして開発効率を上げよう!
VSCode透過設定のポイント:
基本の設定方法:
- OS別のツールを選択(Windows: GlazeWM、Mac: Afloat)
- 拡張機能でお手軽設定(GlassIt-VSC)
- **透過度は85-95%**が実用的
活用シーン:
- 動画学習:教材を見ながらコーディング
- Web開発:ブラウザと重ねて即座に確認
- ドキュメント参照:APIドキュメントを背面に
- 配信:かっこいい演出効果
注意点:
- パフォーマンスへの影響を考慮
- 長時間作業は目の疲れに注意
- 透過度は用途に応じて調整
今すぐ試すべき設定:
- GlassIt-VSC拡張機能をインストール
- 透過度90%から始める
- ショートカットで切り替え設定
透過設定は一度使うと手放せなくなる便利機能です。特に画面が狭い環境や、複数の情報を同時に確認したい場合には革命的な効率化をもたらします。
まずは軽く透過させることから始めて、自分に合った透過度を見つけてください。きっと開発体験が大きく変わるはずです!
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