VSCode(Visual Studio Code)でファイルを削除したけど、「どこに消えた?」「ゴミ箱はどこ?」と困っていませんか?
実は、VSCodeには専用のゴミ箱はありません。VSCodeで削除したファイルは、Windows・Mac・LinuxのOSのゴミ箱に移動します。
この記事では、VSCodeで削除したファイルがどこにあるのか、そして誤って削除してしまったファイルを復元する方法を、初心者の方にも分かりやすく解説します。
結論:VSCodeのゴミ箱はOSのゴミ箱

まず最初に、重要なポイントを確認しましょう。
VSCodeで削除したファイルの行き先
VSCode独自のゴミ箱は存在しません。
VSCodeのエクスプローラー(左側のファイル一覧)でファイルを削除すると:
✅ Windowsの場合 → デスクトップの「ごみ箱」に移動
✅ Macの場合 → Dockの「ゴミ箱」に移動
✅ Linuxの場合 → 「ゴミ箱(Trash)」に移動
つまり、通常のファイル削除と同じです。
削除の種類
VSCodeでのファイル削除には2つのパターンがあります:
パターン1:通常の削除(ゴミ箱に移動)
- エクスプローラーでファイルを右クリック → 「削除」
- ファイルを選択して Delete キー
- → OSのゴミ箱に移動(復元可能)
パターン2:完全削除(ゴミ箱に入らない)
- Shift + Delete(Windowsの場合)
- → 完全に削除(ゴミ箱に入らない、復元困難)
OSのゴミ箱の場所と開き方
VSCodeで削除したファイルを探すには、OSのゴミ箱を開きます。
Windowsの場合
ゴミ箱の場所:
- デスクトップの「ごみ箱」アイコン
開き方:
- デスクトップの「ごみ箱」アイコンをダブルクリック
- または、エクスプローラーのアドレスバーに「shell:RecycleBinFolder」と入力して Enter
ファイルの復元:
- ゴミ箱内で削除したファイルを探す
- ファイルを右クリック
- 「元に戻す」をクリック
- 元の場所に復元される
Macの場合
ゴミ箱の場所:
- Dockの右端にある「ゴミ箱」アイコン
開き方:
- Dockの「ゴミ箱」アイコンをクリック
- または、Finder で Shift + Cmd + Delete
ファイルの復元:
- ゴミ箱内で削除したファイルを探す
- ファイルを右クリック
- 「戻す」をクリック
- 元の場所に復元される
Linuxの場合
ゴミ箱の場所:
~/.local/share/Trash/files/
開き方(Ubuntu等):
- ファイルマネージャーを開く
- 左側のサイドバーから「ゴミ箱」をクリック
ファイルの復元:
- ゴミ箱内で削除したファイルを探す
- ファイルを右クリック
- 「元に戻す」または「復元」をクリック
VSCodeで削除したファイルの復元方法
ゴミ箱にファイルが見つからない場合や、より確実に復元したい場合の方法を紹介します。
【方法1】Ctrl + Z(元に戻す)
最も簡単な方法です。削除直後なら有効。
手順:
- ファイルを削除した直後(VSCodeを閉じていない状態)
- Ctrl + Z(Windows/Linux)または Cmd + Z(Mac)
- 削除操作が取り消される
注意点:
- VSCodeを閉じると使えなくなる
- 他の操作をすると元に戻せる範囲が変わる
【方法2】タイムライン機能(ローカル履歴)
VSCodeには、ファイルの編集履歴を保存する「タイムライン」機能があります。
手順:
- 同じ名前で新しいファイルを作成
- 削除したファイルと同じ場所に
- 同じファイル名で新規作成
- タイムラインビューを開く
- 左側のサイドバー下部の「タイムライン」をクリック
- または、エクスプローラーでファイルを右クリック → 「タイムラインを表示」
- 過去のバージョンを確認
- タイムライン一覧から復元したいバージョンを選択
- 内容が表示される
- 内容をコピー
- 表示された内容をすべて選択(Ctrl + A)
- コピー(Ctrl + C)
- 新しく作成したファイルに貼り付け(Ctrl + V)
注意点:
- タイムラインは編集履歴があるファイルのみ
- 履歴の保存期間には限りがある
【方法3】Local History拡張機能
より強力なバックアップ機能を持つ拡張機能です。
事前準備(削除前):
- 拡張機能「Local History」をインストール
- 自動的にファイルの編集履歴を保存
復元手順:
- 拡張機能の確認
- 左側の拡張機能アイコンをクリック
- 「Local History」が有効か確認
- 履歴フォルダを探す
- プロジェクトフォルダ内の
.historyフォルダ - または、設定で指定した保存場所
- ファイルを探して復元
.historyフォルダ内から削除したファイルを探す- 内容をコピーして新しいファイルに貼り付け
注意点:
- 事前にインストールしておく必要がある
- 削除前に編集した履歴がないと復元できない
【方法4】Gitで管理している場合
Gitで管理しているプロジェクトなら、簡単に復元できます。
未コミットのファイルを復元:
# 特定のファイルを復元
git checkout -- ファイル名
# すべての変更を元に戻す
git checkout -- .
コミット済みのファイルを復元:
# 最新のコミットから復元
git checkout HEAD ファイル名
# 特定のコミットから復元
git checkout コミットID ファイル名
VSCode内で復元:
- 左側の「ソース管理」アイコンをクリック
- 削除したファイルが「変更」に表示される
- ファイルの横の「変更を破棄」(時計の逆回転アイコン)をクリック
【方法5】Windowsの「以前のバージョン」
Windowsの「ファイル履歴」または「システムの保護」が有効な場合に使える方法です。
手順:
- 親フォルダを開く
- 削除したファイルが元々あったフォルダの親フォルダを開く
- 例:
C:\Users\yourname\Documents\projectのファイルを削除した場合 - →
C:\Users\yourname\Documentsを開く
- プロパティを開く
- プロジェクトフォルダを右クリック
- 「プロパティ」を選択
- 以前のバージョンタブ
- 「以前のバージョン」タブをクリック
- バージョンを選択
- 復元したい日付のバージョンを選択
- 「開く」をクリック
- ファイルを探してコピー
- 削除したファイルを探す
- 別の場所にコピーして保存
注意点:
- 「ファイル履歴」または「システムの保護」が有効である必要がある
- バックアップが作成されている必要がある
【方法6】Macの「Time Machine」
MacでTime Machineを使用している場合の復元方法です。
手順:
- Time Machineを起動
- メニューバーの Time Machine アイコンをクリック
- 「Time Machine に入る」を選択
- Finderで該当フォルダを開く
- 削除したファイルがあった場所を表示
- 時間を遡る
- 画面右側のタイムラインで日付を遡る
- ファイルが存在していた時点を探す
- 復元
- ファイルを選択
- 「復元」ボタンをクリック
【方法7】VSCodeのバックアップファイル
VSCodeは自動的に編集中のファイルをバックアップしています。
バックアップの場所:
Windows:
%APPDATA%\Code\Backups
または
%APPDATA%\Code\User\History
Mac:
~/Library/Application Support/Code/Backups
または
~/Library/Application Support/Code/User/History
Linux:
~/.config/Code/Backups
または
~/.config/Code/User/History
復元手順:
- エクスプローラーでバックアップフォルダを開く
- 上記のパスを入力(Windowsの場合はアドレスバーに直接入力)
- Historyフォルダ内を探す
- 多数のランダムな名前のフォルダがある
- 各フォルダが1つのファイルに対応
- 更新日時で絞り込む
- 削除した日時に近いフォルダを確認
- フォルダ内の最新ファイルを開く
- 内容を確認してコピー
- 復元したいファイルが見つかったら内容をコピー
注意点:
- すべてのファイルが保存されているわけではない
- 編集履歴があるファイルのみ
ファイルが完全に削除されている場合

ゴミ箱にもなく、上記の方法でも復元できない場合の最終手段です。
データ復元ソフトを使う
無料のデータ復元ソフト:
Windows向け:
- Recuva
- PhotoRec
- TestDisk
Mac向け:
- Disk Drill
- PhotoRec(コマンドライン)
使用上の注意:
- すぐにPCの使用を停止すること
- ファイルが上書きされると復元不可能になる
- 復元率は保証されない
基本的な使い方(Recuva の例):
- Recuvaをダウンロード・インストール
- 起動してファイルタイプを選択
- ファイルがあった場所を指定
- スキャンを実行
- 見つかったファイルを復元
専門業者に依頼
こんな場合は専門業者を検討:
- 重要なビジネスファイル
- 自分で復元できなかった
- 確実に復元したい
費用の目安:
- 数万円〜数十万円(ファイルの重要度やサイズによる)
注意点:
- 自分で復元を試みると復元率が下がる可能性
- 重要なファイルの場合は最初から専門業者へ
ファイル削除を防ぐための予防策
二度と同じ失敗をしないための対策を紹介します。
1. 自動保存を有効にする
設定方法:
- Ctrl + ,(Mac: Cmd + ,)で設定を開く
- 「auto save」と検索
- 「Files: Auto Save」を「afterDelay」に変更
- 自動的に数秒ごとに保存される
2. Gitでバージョン管理
基本的な使い方:
# プロジェクトでGitを初期化
git init
# ファイルを追加
git add .
# コミット
git commit -m "初回コミット"
# 定期的にコミット
git commit -am "変更を保存"
メリット:
- いつでも過去のバージョンに戻せる
- 削除したファイルも復元可能
- チーム開発にも必須
3. Local History拡張機能をインストール
インストール方法:
- 拡張機能タブを開く(Ctrl + Shift + X)
- 「Local History」を検索
- インストール
自動的に編集履歴を保存してくれます。
4. クラウドバックアップ
おすすめのサービス:
- GitHub / GitLab → コードのバージョン管理
- Google Drive / OneDrive → プロジェクトフォルダごとバックアップ
- Dropbox → 自動同期
5. 削除時に確認を表示する設定
VSCodeのデフォルトでは削除時に確認が出ますが、念のため確認しましょう。
設定方法:
- Ctrl + , で設定を開く
- 「confirm delete」と検索
- 「Explorer: Confirm Delete」にチェックが入っているか確認
6. Windowsの「ファイル履歴」を有効化
設定方法:
- 「設定」→「更新とセキュリティ」→「バックアップ」
- 「ファイル履歴を使用してバックアップ」をオンにする
- バックアップ先のドライブを選択
7. Macの「Time Machine」を有効化
設定方法:
- 外付けHDDを接続
- 「システム環境設定」→「Time Machine」
- バックアップディスクを選択
- 「自動でバックアップ」をオンにする
よくある質問(FAQ)
Q1. VSCodeで削除したファイルがゴミ箱にない
考えられる原因:
- Shift + Delete で完全削除した
- ゴミ箱を空にした
- 拡張機能が完全削除を実行した
対処法:
- タイムライン機能を確認
- Gitで管理している場合は復元
- バックアップフォルダを確認
- データ復元ソフトを試す
Q2. 削除の確認が表示されない
原因: 設定で確認を無効にしている
解決方法:
- 設定を開く(Ctrl + ,)
- 「confirm delete」と検索
- 「Explorer: Confirm Delete」にチェック
Q3. フォルダごと削除してしまった
復元方法は同じです:
- まずゴミ箱を確認
- Gitで管理している場合は復元
- データ復元ソフトを使う
Q4. Gitにコミットしていないファイルを削除した
残念ながら:
- Gitで復元はできない
- タイムライン機能を確認
- バックアップフォルダを確認
- データ復元ソフトを試す
Q5. リモートサーバー上のファイルを削除した
VSCodeのRemote開発の場合:
- サーバー側のゴミ箱を確認
- サーバーでバックアップを確認
- サーバー管理者に相談
まとめ
VSCodeのゴミ箱と削除したファイルの復元方法について解説しました。
重要なポイント:
✅ VSCode専用のゴミ箱は存在しない
- 削除したファイルはOSのゴミ箱に移動
- Windows:デスクトップの「ごみ箱」
- Mac:Dockの「ゴミ箱」
✅ 復元方法の優先順位:
- まずOSのゴミ箱を確認(最も簡単)
- 削除直後なら Ctrl + Z
- タイムライン機能で履歴を確認
- Gitで管理している場合は復元
- バックアップフォルダを探す
- OSの以前のバージョンから復元
- データ復元ソフトを使用
✅ 予防策:
- 自動保存を有効化
- Gitでバージョン管理
- Local History拡張機能
- クラウドバックアップ
- OSのバックアップ機能を有効化
最も重要なこと:
ファイルを削除したら、すぐにPCの使用を停止してください。新しいデータが書き込まれると、削除したファイルが完全に上書きされ、復元不可能になります。
日頃からバックアップとバージョン管理を徹底し、万が一に備えましょう!


コメント