「VSCodeのターミナルで過去のログが見れない」「スクロールしても途中までしか遡れない」「ターミナルの表示行数を変えたい」
Visual Studio Code(VSCode)の統合ターミナルを使っていて、こんな悩みを感じたことはありませんか?
この記事では、VSCodeのターミナルにおける行数の設定方法を、初心者の方でも分かるように詳しく解説していきます。スクロールバッファ(履歴の保存行数)の変更から、表示行数の調整まで、網羅的に説明します。
ターミナルの行数とは?基礎知識

2種類の「行数」
VSCodeのターミナルにおける「行数」には、2つの意味があります。
1. スクロールバッファ(履歴の保存行数)
- ターミナルが過去のログを何行まで保存するか
- デフォルト:1000行
- 設定項目:
terminal.integrated.scrollback
2. 表示行数(画面に表示される行数)
- ターミナルウィンドウに何行表示するか
- ターミナルのサイズ(高さ)によって変動
- パネルをドラッグして調整可能
スクロールバッファとは?
スクロールバッファ(Scrollback Buffer)とは、ターミナルが過去のログを保存しておくメモリ領域のことです。
分かりやすい例え
スクロールバッファは「ノートの行数」のようなものです。
- 1000行のノート(デフォルト):1000行分の履歴を保存、1001行目以降は消える
- 10000行のノート(変更後):10000行分の履歴を保存、より多くの過去ログを確認できる
実際の動作
例:スクロールバッファが1000行の場合
- ターミナルでコマンドを実行し、1000行のログが出力される
- さらにコマンドを実行し、500行のログが追加される
- 最初の500行が消え、最新の1500行のうち1000行のみが保存される
なぜスクロールバッファが重要なのか?
問題1:ログが消えて確認できない
npm installなどの長いログが途中で消える- エラーメッセージを遡って確認できない
問題2:デバッグが困難
- ビルドログの最初のエラーを見逃す
- 過去の実行結果を比較できない
問題3:作業効率の低下
- 何度もコマンドを実行し直す必要がある
- ログファイルに出力する手間が増える
スクロールバッファの設定方法
方法1:GUIから設定する(推奨)
最も簡単な方法です。
ステップ1:設定画面を開く
以下のいずれかの方法で開きます:
方法A:キーボードショートカット
- Windows / Linux:Ctrl + , (カンマ)
- Mac:Command + , (カンマ)
方法B:メニューから
- Windows / Linux:「ファイル」→「ユーザー設定」→「設定」
- Mac:「Code」→「基本設定」→「設定」
方法C:歯車アイコンから
- 画面左下の歯車アイコンをクリック
- 「設定」を選択
ステップ2:スクロールバッファの設定を検索する
- 設定画面上部の検索ボックスに「scrollback」と入力します
- 「Terminal › Integrated: Scrollback」という項目が表示されます
ステップ3:行数を変更する
- 「Terminal › Integrated: Scrollback」の数値ボックスに、希望する行数を入力します
- 自動的に保存されます
推奨値
- 軽い用途:5000行
- 一般的な用途:10000行
- ログが多い場合:20000〜50000行
- 無制限:設定しない(メモリに注意)
方法2:settings.jsonから設定する
より直接的な方法です。
ステップ1:settings.jsonを開く
方法A:コマンドパレットから
- Ctrl+Shift+P(Mac:Command+Shift+P)を押す
- 「Preferences: Open User Settings (JSON)」と入力
- Enterキーを押す
方法B:設定画面から
- 設定画面を開く(Ctrl+,)
- 画面右上の「設定(JSON)を開く」アイコンをクリック
- アイコン:{}のような見た目
ステップ2:設定を追加する
settings.jsonに以下を追加します:
{
"terminal.integrated.scrollback": 10000
}
注意点
- すでに他の設定がある場合は、最後の項目の後にカンマを忘れずに追加
- 数値はクォーテーション(””)で囲まない
記述例(他の設定がある場合)
{
"editor.fontSize": 14,
"editor.tabSize": 2,
"terminal.integrated.scrollback": 10000
}
ステップ3:保存する
Ctrl+S(Mac:Command+S)で保存します。
設定は即座に反映されますが、既に開いているターミナルには適用されないため、新しいターミナルを開く必要があります。
方法3:ワークスペース設定で設定する
プロジェクトごとに異なる設定を使いたい場合に便利です。
ステップ1:ワークスペース設定を開く
- 設定画面を開く(Ctrl+,)
- 上部のタブから「ワークスペース」を選択
- 「scrollback」を検索
ステップ2:行数を設定する
「Terminal › Integrated: Scrollback」の数値を変更します。
ステップ3:設定ファイルの確認
プロジェクトフォルダ内の.vscode/settings.jsonに保存されます。
{
"terminal.integrated.scrollback": 20000
}
ユーザー設定との優先順位
ワークスペース設定 > ユーザー設定
プロジェクトを開いている場合、ワークスペース設定が優先されます。
ターミナル表示行数の調整方法
方法1:パネルをドラッグする
最も簡単な方法です。
手順
- ターミナルパネルの上端(エディタとの境界線)にマウスカーソルを合わせます
- カーソルが上下矢印のアイコンに変わります
- ドラッグして、好きな高さに調整します
ショートカットキー
パネルのサイズを最大化/復元
- Windows / Linux:Ctrl+J(複数回押すと切り替わる)
- Mac:Command+J
方法2:固定サイズを設定する
ターミナルのサイズを固定したい場合に使用します。
設定項目
settings.jsonに以下を追加:
{
"terminal.integrated.rows": 30,
"terminal.integrated.cols": 120
}
パラメータ
terminal.integrated.rows:行数(縦のサイズ)terminal.integrated.cols:列数(横のサイズ)
注意点
固定サイズを設定すると、ウィンドウサイズに応じた自動調整が無効になり、スクロールバーが表示されることがあります。
通常は、パネルをドラッグする方法がおすすめです。
方法3:コマンドで固定サイズを設定する
手順
- Ctrl+Shift+P(Mac:Command+Shift+P)でコマンドパレットを開く
- 「Terminal: Set Fixed Dimensions」と入力
- 行数と列数を入力
解除方法
- コマンドパレットを開く
- 「Terminal: Toggle Size to Content Width」と入力
- Enterキーを押す
スクロールバッファを無制限にする方法

設定方法
settings.jsonに以下を記述:
{
"terminal.integrated.scrollback": 0
}
または、非常に大きな値を設定:
{
"terminal.integrated.scrollback": 1000000
}
注意点
無制限にすると、以下のデメリットがあります:
- メモリ使用量が増加
- 長時間使用すると、数百MB〜数GBのメモリを消費する可能性
- パフォーマンスの低下
- ターミナルの動作が重くなる
- スクロールが遅くなる
- VSCodeが不安定になる可能性
- メモリ不足でクラッシュすることがある
推奨設定
無制限ではなく、10000〜50000行程度に設定することをおすすめします。
メモリ使用量について
スクロールバッファとメモリの関係
スクロールバッファの行数を増やすと、メモリ使用量も増加します。
目安
VSCodeの公式ドキュメントによると:
「この値に基づいてメモリを事前に割り当てます。そのため、値が大きくなると、メモリの量も増えます。」
実際の使用量(概算)
- 1000行(デフォルト):約1〜2MB
- 10000行:約10〜20MB
- 50000行:約50〜100MB
- 100000行:約100〜200MB
注意
実際のメモリ使用量は、以下によって変動します:
- 1行あたりの文字数
- 色付けや装飾の量
- 使用しているシェル(bash、PowerShell、zshなど)
メモリ不足の症状
症状1:VSCodeが重くなる
- 操作が遅延する
- タイピングに遅れが生じる
症状2:ターミナルの動作が遅い
- スクロールが遅い
- コマンド入力の反応が遅い
症状3:クラッシュ
- VSCodeが強制終了する
- 「メモリ不足」のエラーが表示される
対処法
対処法1:スクロールバッファを減らす
settings.jsonで行数を減らします:
{
"terminal.integrated.scrollback": 5000
}
対処法2:ターミナルを再起動する
- ターミナルパネルのゴミ箱アイコンをクリック
- 新しいターミナルを開く(Ctrl+Shift+@)
対処法3:ログをファイルに出力する
長いログは、ファイルに保存します:
# コマンドの出力をファイルに保存
npm install > install.log 2>&1
# ファイルを確認
cat install.log
ターミナルのスクロール操作
キーボードでスクロールする
基本操作
1行ずつスクロール
- 上:Ctrl+Alt+PageUp(Mac:Option+Command+PageUp)
- 下:Ctrl+Alt+PageDown(Mac:Option+Command+PageDown)
1ページずつスクロール
- 上:PageUp(Windows/Linux:Shift+PageUp)
- 下:PageDown(Windows/Linux:Shift+PageDown)
最上部/最下部へ移動
- 最上部:Ctrl+Home(Mac:Command+Home、Linux:Shift+Home)
- 最下部:Ctrl+End(Mac:Command+End、Linux:Shift+End)
マウスでスクロールする
基本操作
- マウスホイールを上下に回す
スクロール速度を調整する
settings.jsonに以下を追加:
{
"terminal.integrated.mouseWheelScrollSensitivity": 0.5
}
値の意味
- 1.0:デフォルト
- 0.5:半分の速度(細かく調整できる)
- 2.0:2倍の速度(素早くスクロール)
よくある質問
Q1:スクロールバッファの設定が反映されない
原因
既に開いているターミナルには、設定変更が適用されません。
解決方法
- 既存のターミナルを閉じます(ゴミ箱アイコン)
- 新しいターミナルを開きます(Ctrl+Shift+@)
Q2:どれくらいの行数に設定すればいい?
用途別の推奨値
軽い開発作業
- 推奨:5000行
- 用途:簡単なスクリプト実行、ファイル操作
一般的な開発作業
- 推奨:10000行
- 用途:npm install、ビルド、テスト実行
ログが多い作業
- 推奨:20000〜50000行
- 用途:CI/CD、大規模ビルド、長時間実行するプロセス
目安
メモリに余裕がある場合:10000〜20000行がおすすめです。
Q3:スクロールバッファを無制限にできる?
技術的には可能ですが、推奨しません。
設定方法
{
"terminal.integrated.scrollback": 0
}
または非常に大きな値(例:1000000)
デメリット
- メモリ使用量が際限なく増える
- パフォーマンスが低下する
- VSCodeがクラッシュする可能性がある
推奨
10000〜50000行程度に設定し、必要に応じてログをファイルに出力する方が安全です。
Q4:プロジェクトごとに設定を変えられる?
はい、ワークスペース設定を使えば可能です。
設定方法
- プロジェクトを開く
- 設定画面(Ctrl+,)で「ワークスペース」タブを選択
terminal.integrated.scrollbackを設定
または、.vscode/settings.jsonに直接記述:
{
"terminal.integrated.scrollback": 20000
}
Q5:ターミナルの履歴をクリアする方法は?
方法1:clearコマンド
clear
これは画面をクリアするだけで、スクロールバッファは残ります。
方法2:ターミナルを再起動
- ゴミ箱アイコンでターミナルを閉じる
- 新しいターミナルを開く(Ctrl+Shift+@)
方法3:コマンドでクリア(Windows PowerShell)
Clear-Host
方法4:全履歴を完全に削除
ターミナルを閉じて、新しいターミナルを開きます。
Q6:複数のターミナルで異なる設定はできる?
いいえ、スクロールバッファの設定は全てのターミナルに適用されます。
個別に設定することはできません。
Q7:ターミナルの行が途中で切れる
原因
ターミナルの列数(横幅)が足りません。
解決方法
方法1:パネルを広げる
- ターミナルパネルの境界をドラッグして広げる
方法2:列数を増やす
settings.jsonに以下を追加:
{
"terminal.integrated.cols": 200
}
方法3:折り返しを有効にする
一部のシェルでは、環境変数で設定可能です(シェルによって異なります)。
おすすめの設定例
基本的な設定
settings.jsonに以下を追加:
{
// スクロールバッファを10000行に設定
"terminal.integrated.scrollback": 10000,
// マウスホイールのスクロール速度を調整
"terminal.integrated.mouseWheelScrollSensitivity": 0.5,
// ターミナルのフォントサイズ
"terminal.integrated.fontSize": 14,
// ターミナルのフォントファミリー
"terminal.integrated.fontFamily": "Consolas, 'Courier New', monospace"
}
ログが多いプロジェクト向け
{
// スクロールバッファを大きめに設定
"terminal.integrated.scrollback": 50000,
// スムーズスクロールを有効化
"terminal.integrated.smoothScrolling": true
}
パフォーマンス重視
{
// スクロールバッファを控えめに
"terminal.integrated.scrollback": 5000,
// レンダリングを高速化
"terminal.integrated.gpuAcceleration": "on"
}
まとめ
VSCodeのターミナル行数について、重要なポイントをまとめます。
スクロールバッファの設定方法
GUI設定(推奨)
- Ctrl+,で設定画面を開く
- 「scrollback」を検索
- 「Terminal › Integrated: Scrollback」の数値を変更
settings.json設定
{
"terminal.integrated.scrollback": 10000
}
推奨値
- 軽い用途:5000行
- 一般的な用途:10000行
- ログが多い場合:20000〜50000行
表示行数の調整
- パネルをドラッグ(最も簡単)
- Ctrl+Jで最大化/復元
- settings.jsonで固定サイズを設定可能
スクロール操作
キーボード
- PageUp/PageDown:1ページずつ
- Ctrl+Home/End:最上部/最下部へ
注意点
- メモリ使用量:行数を増やすとメモリを消費
- パフォーマンス:無制限にすると動作が重くなる
- 反映:設定変更後は新しいターミナルを開く
VSCodeのターミナルは、スクロールバッファの設定を適切に調整することで、より快適に使えるようになります。
自分の用途に合わせて、最適な行数を設定してみてください!


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