「Gitって難しそう…黒い画面でコマンド打つんでしょ?」
「git add、git commit、git push…覚えることが多すぎる!」
「間違えてデータ消しちゃいそうで怖い…」
そんな不安、全部解決します!
実は、VSCodeのソース管理機能を使えば、マウスクリックだけでGitの操作が完結。
しかも、視覚的に分かりやすいから、初心者でも安心して使えるんです。
この記事では、VSCodeでGitを使う基本から、チーム開発で役立つ高度な機能まで、画面付きで丁寧に解説します。
そもそもソース管理(Git)って何?なぜ必要?

セーブポイントを作る魔法のシステム
ゲームに例えると分かりやすいです:
ゲームのセーブ機能:
- ボス戦の前にセーブ
- 失敗したらロード
- 複数のセーブデータを管理
Gitのバージョン管理:
- コードを変更する前に保存(コミット)
- バグったら前の状態に戻す(リバート)
- 変更履歴をすべて記録
つまり、**「コードの時間旅行ができるツール」**なんです!
VSCodeのソース管理でできること
基本機能:
- ファイルの変更を記録
- 過去のバージョンに戻る
- 変更内容を比較
- チームで共有
便利機能:
- ブランチを切り替え(複数の作業を並行)
- コンフリクトを解決(変更の衝突を修正)
- GitHub/GitLabと連携
- プルリクエストの作成
これ全部、VSCodeの画面上でできちゃいます!
初期設定:5分で完了するGit環境構築
Step 1:Gitのインストール確認
確認方法:
- VSCodeでターミナルを開く(Ctrl/Cmd + `)
- 以下を入力:
git --version
表示されない場合:
- Windows: https://git-scm.com からダウンロード
- Mac:
brew install git
または Xcodeツールをインストール - Linux:
sudo apt install git
Step 2:ユーザー情報の設定
VSCodeのターミナルで実行:
git config --global user.name "あなたの名前"
git config --global user.email "your.email@example.com"
これは最初の1回だけでOK!
Step 3:VSCodeでGitを有効化
- サイドバーのソース管理アイコンをクリック
- 左側の3つ目のアイコン(分岐しているマーク)
- ショートカット:Ctrl/Cmd + Shift + G
- 「リポジトリを初期化」をクリック
- フォルダが Git 管理下に
- .gitフォルダが作成される(見えないけど存在)
準備完了!もう使い始められます。
基本操作:日常で使う5つの機能
1. 変更の確認(何を変えたか一目瞭然)
変更されたファイルの見方:
ソース管理パネルに表示される記号:
M = Modified(変更)
U = Untracked(新規追加)
D = Deleted(削除)
A = Added(追加済み)
C = Conflict(競合)
差分の確認方法:
- 変更されたファイルをクリック
- 左右に分割画面が表示
- 削除された行は赤、追加された行は緑
めちゃくちゃ見やすい!
2. ステージング(保存する変更を選ぶ)
個別にステージング:
- ファイル名の横の「+」をクリック
- または右クリック → 「変更をステージ」
全部まとめてステージング:
- 「変更」の横の「+」をクリック
- すべてのファイルが「ステージされた変更」に移動
部分的にステージング(上級技):
- ファイルの差分表示を開く
- 保存したい行を選択
- 右クリック → 「選択した行をステージ」
特定の変更だけコミットできる!
3. コミット(セーブポイントを作る)
コミットの手順:
- メッセージ欄に変更内容を記入
- Ctrl/Cmd + Enter でコミット
良いコミットメッセージの例:
✅ 良い例:
- ログイン機能を追加
- バグ修正:ユーザー名が表示されない問題
- スタイルを調整:ヘッダーの余白を修正
❌ 悪い例:
- 修正
- update
- あああああ
コミットメッセージのテンプレート:
[種類] 変更内容
種類の例:
feat: 新機能
fix: バグ修正
docs: ドキュメント
style: コードスタイル
refactor: リファクタリング
test: テスト
chore: その他
4. プッシュ(リモートに送信)
GitHubにプッシュ:
- 「…」メニュー → 「プッシュ」
- または同期ボタン(↻)をクリック
初回プッシュの設定:
1. GitHubでリポジトリを作成
2. VSCodeで以下を実行:
- コマンドパレット(F1)
- 「Git: Add Remote」
- URLを入力
3. プッシュ
5. プル(最新版を取得)
他の人の変更を取り込む:
- 同期ボタン(↻)をクリック
- または「…」メニュー → 「プル」
自動的にマージされます!
ブランチ操作:並行作業の極意
ブランチとは?
道路工事に例えると:
メイン道路(mainブランチ):
- 本番環境のコード
- みんなが使う大事な道
迂回路(featureブランチ):
- 新機能を開発する場所
- 工事中でも本線に影響なし
- 完成したら本線に合流
ブランチの作成と切り替え
新しいブランチを作る:
- 左下のブランチ名をクリック
- 「新しいブランチを作成」
- ブランチ名を入力(例:feature/login)
ブランチを切り替える:
- 左下のブランチ名をクリック
- 切り替えたいブランチを選択
便利なブランチ名の付け方:
feature/機能名 # 新機能開発
bugfix/バグ内容 # バグ修正
hotfix/緊急修正 # 緊急対応
release/v1.0.0 # リリース準備
マージ(ブランチを統合)
VSCodeでマージする方法:
- 統合先のブランチに切り替え(通常はmain)
- コマンドパレット → 「Git: Merge Branch」
- マージしたいブランチを選択
コンフリクトが起きたら:
<<<<<<< HEAD
現在のブランチの内容
=======
マージしようとしているブランチの内容
>>>>>>> branch-name
対処法:
1. どちらか選ぶ or 両方を組み合わせる
2. <<<<, ====, >>>> の記号を削除
3. ファイルを保存してコミット
VSCodeなら「Accept Current」「Accept Incoming」ボタンで簡単解決!
便利な拡張機能で更にパワーアップ

GitLens(必須!)
機能:
- 各行の最終更新者を表示
- コミット履歴を視覚化
- ファイルの変更履歴を追跡
使い方:
1. 拡張機能でGitLensをインストール
2. コード上にホバーすると情報表示
3. サイドバーにGitLens専用パネル追加
Git Graph
機能:
- ブランチを図で表示
- コミット履歴をグラフ化
- マージの流れが一目瞭然
GitHub Pull Requests and Issues
機能:
- VSCode内でPR作成
- Issue管理
- レビューコメント対応
よく使うGit操作のショートカット集
キーボードショートカット
Ctrl/Cmd + Shift + G # ソース管理パネルを開く
Ctrl/Cmd + Enter # コミット
Ctrl/Cmd + Shift + P # コマンドパレット
# コマンドパレットから実行
Git: Stage All Changes # 全変更をステージ
Git: Unstage All Changes # 全ステージを解除
Git: Discard All Changes # 全変更を破棄(注意!)
ステータスバーの活用
左下のステータスバーで確認できること:
- 現在のブランチ名
- 同期状態(↓プル可能 ↑プッシュ可能)
- 変更ファイル数
クリックするだけで操作可能!
トラブルシューティング
問題1:コミットできない
原因と対策:
エラー:「Please tell me who you are」
解決:
git config --global user.name "名前"
git config --global user.email "メール"
問題2:プッシュが拒否される
原因:リモートが先に進んでいる
解決法:
- まずプル(同期ボタン)
- コンフリクトがあれば解決
- 再度プッシュ
問題3:間違ってコミットした
直前のコミットを取り消す:
コマンドパレット → Git: Undo Last Commit
変更内容は残るので、修正して再コミット
特定のコミットまで戻る:
1. GitLensでコミット履歴を表示
2. 戻りたいコミットを右クリック
3. 「Reset to Commit」→「Soft」を選択
問題4:.gitignoreが効かない
すでに追跡されているファイルの場合:
# キャッシュをクリア
git rm -r --cached .
git add .
git commit -m "gitignoreを適用"
チーム開発のベストプラクティス
コミットのルール
1コミット1機能の原則:
- 機能追加とバグ修正を分ける
- レビューしやすい単位で
- あとで revert しやすい
ブランチ運用
Git Flow:
main(本番)
├─ develop(開発)
│ ├─ feature/機能A
│ └─ feature/機能B
├─ hotfix/緊急修正
└─ release/v1.0
プルリクエストの作り方
VSCode + GitHub拡張機能:
- 変更をプッシュ
- 「GitHub」パネルを開く
- 「Create Pull Request」
- タイトルと説明を記入
- レビュアーを指定
実践!プロジェクトでの使用例
新機能開発の流れ
1. ブランチ作成
feature/user-authentication
2. 開発・テスト
- ログイン画面作成(コミット)
- バリデーション追加(コミット)
- エラー処理(コミット)
3. プルリクエスト作成
- レビュー依頼
- フィードバック対応
4. マージ
- developブランチに統合
- 不要なブランチ削除
ホットフィックスの対応
1. 本番でバグ発見!
2. mainからhotfix/bug-fixブランチ作成
3. 修正してコミット
4. mainとdevelopの両方にマージ
5. タグを付けてリリース
まとめ:VSCodeでGitマスターになろう
VSCodeのソース管理機能を使えば、Gitは怖くない!
覚えておくべきポイント:
- 基本は「変更→ステージ→コミット→プッシュ」
- ブランチで安全に作業
- コンフリクトは落ち着いて解決
- 拡張機能でさらに便利に
- チームルールを守る
今すぐやること:
- VSCodeでGitを初期化
- 最初のコミットをする
- GitLensをインストール
- GitHubにプッシュしてみる
- ブランチを作って実験
最後に: Gitは「失敗しても大丈夫」なツール。
むしろ失敗することで、戻し方を学べます。
VSCodeの視覚的なインターフェースなら、安心して練習できる。
さあ、今日からバージョン管理のある安全な開発を始めましょう!
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