「settings.jsonを編集したのに、VSCodeに反映されない…」 「再起動しないと設定が適用されないの?」 「拡張機能の設定が効かなくて困った…」
VSCodeを使っていると、誰もが一度は経験するこの問題。実は、settings.jsonの再読み込みには、いくつかの方法とコツがあるんです。
この記事では、設定ファイルの再読み込み方法から、反映されない時のトラブルシューティング、さらには効率的な設定管理のテクニックまで、詳しく解説していきます。
settings.jsonとは?基本を理解しよう

VSCodeの設定ファイルの仕組み
VSCodeの設定は2つのレベルで管理されています:
ユーザー設定(User Settings)
- 場所:
~/.config/Code/User/settings.json
(Linux/Mac) - 場所:
%APPDATA%\Code\User\settings.json
(Windows) - すべてのプロジェクトで共通の設定
ワークスペース設定(Workspace Settings)
- 場所:
.vscode/settings.json
(プロジェクトフォルダ内) - 特定のプロジェクトだけの設定
- ユーザー設定より優先される
設定の優先順位
デフォルト設定 < ユーザー設定 < ワークスペース設定
右に行くほど優先度が高くなります。
設定を即座に反映させる5つの方法
方法1:自動保存で自動反映(最も簡単!)
実は、多くの設定は保存した瞬間に自動で反映されます。
自動反映される設定の例:
- エディタのフォントサイズ
- カラーテーマ
- タブサイズ
- 行番号の表示/非表示
{
"editor.fontSize": 16, // 保存した瞬間に変わる
"editor.tabSize": 2, // これも即反映
"editor.lineNumbers": "on" // すぐに表示される
}
方法2:Developer: Reload Windowコマンド(最も確実!)
手順:
- Ctrl+Shift+P(Mac: Cmd+Shift+P)でコマンドパレットを開く
- 「reload window」と入力
- 「Developer: Reload Window」を選択
- VSCodeが再読み込みされる
これはVSCodeを再起動せずにウィンドウだけをリロードする方法です。開いているファイルやターミナルの状態は保持されます!
方法3:設定の同期を使った強制更新
Settings Syncが有効な場合:
- コマンドパレットを開く
- 「Settings Sync: Sync Now」を実行
- 設定が同期され、再読み込みされる
方法4:拡張機能の再読み込み
拡張機能の設定が反映されない場合:
- 拡張機能ビューを開く(Ctrl+Shift+X)
- 問題のある拡張機能を見つける
- 歯車アイコン → 「Disable」
- 再度「Enable」
これで拡張機能の設定が再読み込みされます。
方法5:完全再起動(最終手段)
どうしても反映されない場合:
Windows/Linux:
- Ctrl+Q でVSCodeを終了
- 再度VSCodeを起動
Mac:
- Cmd+Q で終了
- 再起動
設定が反映されない!よくある原因と解決法
原因1:JSONの構文エラー
最も多い原因がこれ!
よくあるミス:
// ❌ 間違い:最後のカンマ
{
"editor.fontSize": 14,
"editor.tabSize": 4, // ← 最後の項目にカンマは不要!
}
// ✅ 正しい
{
"editor.fontSize": 14,
"editor.tabSize": 4
}
エラーの見つけ方:
- 赤い波線が表示される
- 右下に「エラー」表示
- Problems パネルでエラー詳細を確認
原因2:設定名のスペルミス
// ❌ 間違い
{
"editor.fontsize": 14, // fontSize(Sが大文字)
"editor.tabsize": 4 // tabSize(Sが大文字)
}
// ✅ 正しい
{
"editor.fontSize": 14,
"editor.tabSize": 4
}
IntelliSenseを活用: Ctrl+Space で補完候補を表示して、正しい設定名を選びましょう。
原因3:ワークスペース設定の競合
ユーザー設定を変更しても反映されない場合、ワークスペース設定が優先されている可能性があります。
確認方法:
.vscode/settings.json
を開く- 同じ設定項目がないか確認
- あれば削除またはコメントアウト
原因4:拡張機能の干渉
特定の拡張機能が設定を上書きすることがあります。
診断方法:
- VSCodeを「–disable-extensions」で起動
- 設定が反映されるか確認
- 反映されれば拡張機能が原因
コマンドラインから起動:
code --disable-extensions
便利な設定管理テクニック
設定ファイルを素早く開く
ショートカット:
- Ctrl+,(Mac: Cmd+,):設定UIを開く
- 設定UIの右上のアイコン:settings.jsonを開く
コマンドパレットから:
Preferences: Open User Settings (JSON)
Preferences: Open Workspace Settings (JSON)
コメントを活用した設定管理
{
// エディタの基本設定
"editor.fontSize": 14,
"editor.fontFamily": "Fira Code",
// 一時的に無効化(コメントアウト)
// "editor.minimap.enabled": false,
// プロジェクト固有の設定
"files.exclude": {
"**/node_modules": true, // node_modulesを非表示
"**/.git": true // .gitフォルダを非表示
}
}
設定のバックアップ
Git管理する:
# ユーザー設定をGitリポジトリで管理
cd ~/.config/Code/User
git init
git add settings.json keybindings.json
git commit -m "VSCode settings backup"
再読み込みが必要な設定・不要な設定
即座に反映される設定
これらは保存すれば自動反映:
{
// 見た目の設定
"editor.fontSize": 16,
"editor.lineHeight": 24,
"editor.wordWrap": "on",
"workbench.colorTheme": "Monokai",
// エディタの動作
"editor.tabSize": 2,
"editor.insertSpaces": true,
"files.autoSave": "afterDelay"
}
ウィンドウリロードが必要な設定
これらは「Reload Window」が必要:
{
// 言語設定
"locale": "ja",
// 一部の拡張機能設定
"extensions.autoUpdate": false,
// ターミナル設定の一部
"terminal.integrated.defaultProfile.windows": "PowerShell"
}
完全再起動が必要な設定
まれに完全再起動が必要:
{
// GPUアクセラレーション
"disable-hardware-acceleration": true,
// 一部の実験的機能
"workbench.experimental.layoutControl.enabled": true
}
プロジェクト別設定の賢い使い方
Python プロジェクトの例
.vscode/settings.json
:
{
// Python固有の設定
"python.linting.enabled": true,
"python.linting.pylintEnabled": true,
"python.formatting.provider": "black",
// インデント設定
"editor.tabSize": 4,
"[python]": {
"editor.insertSpaces": true,
"editor.tabSize": 4
}
}
JavaScript/TypeScript プロジェクトの例
{
// JS/TS用の設定
"editor.tabSize": 2,
"prettier.semi": false,
"prettier.singleQuote": true,
// ESLint自動修正
"editor.codeActionsOnSave": {
"source.fixAll.eslint": true
}
}
トラブルシューティング:困った時の確認リスト
チェックリスト
1. JSON構文は正しい?
- [ ] カンマの位置は正しいか
- [ ] 引用符は閉じているか
- [ ] 括弧の対応は正しいか
2. 設定名は正確?
- [ ] スペルミスはないか
- [ ] 大文字小文字は正しいか
3. 優先順位を確認
- [ ] ワークスペース設定を確認したか
- [ ] 拡張機能の設定を確認したか
4. 再読み込み方法
- [ ] 保存したか(Ctrl+S)
- [ ] Reload Windowを試したか
- [ ] 完全再起動を試したか
デバッグモードで確認
詳細ログを見る:
- コマンドパレットで「Developer: Toggle Developer Tools」
- Consoleタブで設定関連のエラーを確認
VS Code Insidersを使った先行テスト
設定の安全なテスト環境
VS Code Insidersを使えば、本番環境を壊さずにテストできます。
インストール:
# 通常版とは別にインストール可能
# 設定も別管理される
メリット:
- 最新機能を試せる
- 設定の実験ができる
- 本番環境に影響しない
設定の同期で複数環境を統一
Settings Syncの活用
設定方法:
- 左下の歯車アイコン → 「Settings Sync is On/Off」
- GitHubまたはMicrosoftアカウントでサインイン
- 同期する項目を選択
同期される内容:
- settings.json
- keybindings.json
- 拡張機能
- snippets
これで、どのPCでも同じ設定が使えます!
高度な設定テクニック
条件付き設定
言語別の設定:
{
// デフォルト
"editor.tabSize": 4,
// JavaScript/TypeScriptは2
"[javascript]": {
"editor.tabSize": 2
},
"[typescript]": {
"editor.tabSize": 2
},
// Pythonは4
"[python]": {
"editor.tabSize": 4
}
}
環境変数を使った動的設定
{
// 環境変数を参照
"terminal.integrated.env.linux": {
"PATH": "${env:PATH}:/custom/path"
}
}
まとめ:設定マスターになるための3つのポイント
VSCodeの設定管理、思ったより奥が深いですよね?
今日から実践できる3つのこと:
- 「Developer: Reload Window」をマスターする Ctrl+Shift+P → reload と入力。これだけで9割の問題は解決!
- JSONの構文チェックを習慣化 赤い波線が出たらすぐ修正。最後のカンマに要注意!
- プロジェクト設定を活用する
.vscode/settings.json
で、プロジェクトごとに最適な環境を作る
重要なポイント:
- ほとんどの設定は保存すれば自動反映
- 反映されない時は「Reload Window」
- JSON構文エラーが原因の大半
設定ファイルを使いこなせれば、VSCodeがもっと便利で快適になります。
エラーを恐れずに、どんどん設定をカスタマイズしてみてください。もし失敗しても、この記事の方法で簡単に解決できますから!
さあ、Ctrl+,を押して、あなただけの最高の開発環境を作りましょう!
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