Visual Studio Code(VSCode)でコードを読んでいるとき、「この関数はどこで定義されているんだろう?」「この変数はどこで使われているんだろう?」と思ったことはありませんか?
VSCodeには、定義や参照に一瞬でジャンプできる便利な機能が標準搭載されています。
この記事では、コードリーディングやデバッグに必須の「ジャンプ機能」について、初心者でも分かるように詳しく解説します!
この記事で分かること:
- 定義へジャンプする方法(F12)
- 参照を表示する方法(Shift + F12)
- ジャンプした後に元の場所に戻る方法
- Peekモード(その場で確認)の使い方
- 実装や型定義へのジャンプ方法
- うまく動かない時のトラブルシューティング
これらのショートカットを覚えるだけで、コーディング効率が劇的に向上しますよ!
- VSCodeのジャンプ機能とは?
- 基本1:定義へジャンプ(F12)
- 基本2:参照を表示(Shift + F12)
- 基本3:元の場所に戻る(Alt + ← / Ctrl + -)
- 応用1:Peekモード(その場で確認)
- 応用2:実装へ移動(Ctrl/Cmd + F12)
- 応用3:型定義へ移動(Go to Type Definition)
- 応用4:複数の定義がある場合
- 応用5:シンボル検索(ファイル内/プロジェクト全体)
- 便利な補助機能
- トラブルシューティング
- ショートカット一覧表
- コードリーディングの効率的なワークフロー
- まとめ:最低限覚えるべき3つのショートカット
- よくある質問
- おわりに:ジャンプ機能でコーディングを効率化
VSCodeのジャンプ機能とは?

まず、基本的な概念を理解しましょう。
ジャンプ機能の種類
VSCodeには、主に以下のジャンプ機能があります:
1. 定義へ移動(Go to Definition)
- 関数や変数が定義されている場所にジャンプ
- ショートカット: F12
2. 参照を表示(Find All References)
- その関数や変数が使われている全ての場所を表示
- ショートカット: Shift + F12
3. 実装へ移動(Go to Implementation)
- インターフェースや抽象メソッドの実装にジャンプ
- ショートカット: Ctrl + F12 (Windows/Linux) / Cmd + F12 (Mac)
4. 型定義へ移動(Go to Type Definition)
- 変数の型定義にジャンプ
- ショートカット: デフォルトでは未割り当て
5. 元の場所に戻る(Go Back)
- ジャンプする前の場所に戻る
- ショートカット: Alt + ← (Windows/Linux) / Ctrl + – (Mac)
それでは、それぞれの使い方を詳しく見ていきましょう!
基本1:定義へジャンプ(F12)
最も使用頻度が高い、定義へのジャンプ方法です。
使い方
ステップ1: ジャンプしたい関数名や変数名にカーソルを合わせる
例えば、以下のようなJavaScriptコードがあるとします:
// main.js
const message = greet("太郎");
console.log(message);
このgreetという関数がどこで定義されているか確認したい場合、greetの上にカーソルを置きます。
ステップ2: F12キーを押す
するとVSCodeが自動的にgreet関数の定義にジャンプします。
// utils.js (別ファイルに移動)
function greet(name) {
return `こんにちは、${name}さん!`;
}
別ファイルにある場合でも、自動的にそのファイルを開いてジャンプしてくれます!
他の起動方法
F12以外にも、以下の方法で定義にジャンプできます:
方法1: 右クリックメニュー
- シンボル(関数名や変数名)を右クリック
- 「定義へ移動」を選択
方法2: Ctrl/Cmd + クリック
- Windows/Linux: Ctrlを押しながらクリック
- Mac: Cmdを押しながらクリック
Ctrl/Cmdを押すと、シンボルがクリック可能なリンクのようになります。
方法3: コマンドパレット
- Ctrl + Shift + P (Mac: Cmd + Shift + P) でコマンドパレットを開く
- 「Go to Definition」と入力
- 選択して実行
対応言語
以下の言語で動作します(言語拡張をインストールしている場合):
- JavaScript / TypeScript
- Python
- Java
- C / C++
- C#
- Go
- PHP
- Ruby
- Rust
- など、ほぼ全ての主要言語
基本2:参照を表示(Shift + F12)
定義とは逆に、「この関数がどこで使われているか」を調べる機能です。
使い方
ステップ1: 調べたいシンボルにカーソルを合わせる
// utils.js
function greet(name) { // ← この関数がどこで使われているか知りたい
return `こんにちは、${name}さん!`;
}
ステップ2: Shift + F12を押す
すると、参照の一覧がポップアップで表示されます:
参照 2件
📄 main.js
5行目: const message = greet("太郎");
10行目: const greeting = greet("花子");
ステップ3: 一覧から任意の参照をクリック
その場所にジャンプできます。
参照ビュー(References View)
Shift + Alt + F12 (Mac: Shift + Option + F12)を押すと、専用のサイドバーに参照一覧が表示されます。
これにより:
- 参照を見ながらコードを編集できる
- 複数の参照を順番に確認しやすい
使用例
リファクタリング時:
- 関数名を変更する前に、どこで使われているか確認
- 影響範囲を把握してから安全に変更
バグ調査時:
- 問題のある変数がどこで書き換えられているか追跡
- 予期しない場所での使用を発見
基本3:元の場所に戻る(Alt + ← / Ctrl + -)
ジャンプした後、元の場所に戻る方法です。
ショートカットキー
Windows / Linux:
- Alt + ← (左矢印キー)
Mac:
- Ctrl + – (マイナスキー)
使い方
例:
main.jsの10行目でgreetにカーソルを置く- F12で
utils.jsの定義にジャンプ - Alt + ← (Mac: Ctrl + -) で
main.jsの10行目に戻る
進む(Go Forward)
逆に、戻りすぎた場合は「進む」こともできます:
Windows / Linux:
- Alt + → (右矢印キー)
Mac:
- Ctrl + Shift + – (マイナスキー)
ナビゲーション履歴
VSCodeは、カーソルの移動履歴を保存しています。
そのため:
- 複数回ジャンプした後でも、順番に戻れる
- ファイルを跨いだジャンプでも問題なし
履歴の例:
- main.js 10行目
- F12 → utils.js 3行目
- F12 → helper.js 15行目
- Alt + ← → utils.js 3行目に戻る
- Alt + ← → main.js 10行目に戻る
応用1:Peekモード(その場で確認)
ジャンプせずに、その場で定義を確認できる便利な機能です。
Peek定義(Peek Definition)
ショートカット:
- Windows/Linux: Alt + F12
- Mac: Option + F12
使い方:
- シンボルにカーソルを置く
- Alt + F12 (Mac: Option + F12) を押す
すると、現在のファイルの中に小さなウィンドウが開き、そこに定義が表示されます。
main.js
─────────────────────────────
const message = greet("太郎");
┌─────────────────────────┐
│ utils.js │
│ function greet(name) { │
│ return `こんにちは、 │
│ ${name}さん!`; │
│ } │
└─────────────────────────┘
console.log(message);
メリット
- コンテキストを失わない: 元のファイルを見続けられる
- すぐに閉じられる: Escキーで閉じる
- 編集可能: Peekウィンドウ内で直接編集できる
Peek参照(Peek References)
同様に、参照も Peek モードで表示できます:
方法:
- シンボルを右クリック
- 「Peek」→「Peek References」を選択
または:
- 一部のキーボード設定では Shift + F12 が Peek References になっています
Peekウィンドウの操作
サイズ変更:
- ウィンドウの枠をドラッグ
移動:
- 複数の定義/参照がある場合、↑↓キーで移動
編集:
- Peekウィンドウ内で直接コードを編集可能
閉じる:
- Escキー
応用2:実装へ移動(Ctrl/Cmd + F12)

インターフェースや抽象クラスの実際の実装にジャンプする機能です。
使用場面
TypeScript/JavaScriptの例:
// interfaces.ts
interface Animal {
speak(): void;
}
// implementations.ts
class Dog implements Animal {
speak() {
console.log("ワン!");
}
}
class Cat implements Animal {
speak() {
console.log("ニャー!");
}
}
// main.ts
const animal: Animal = new Dog();
animal.speak(); // ← この speak() の実装を見たい
操作:
speak()にカーソルを置く- Ctrl + F12 (Mac: Cmd + F12) を押す
すると、DogクラスとCatクラスのspeak()実装の一覧が表示されます。
F12との違い
- F12(定義へ移動): インターフェースの定義(
interface Animal)にジャンプ - Ctrl/Cmd + F12(実装へ移動): 実際の実装(
class Dog,class Cat)にジャンプ
対応言語
主にオブジェクト指向言語で有効:
- TypeScript
- Java
- C#
- C++
応用3:型定義へ移動(Go to Type Definition)
変数の型そのものの定義にジャンプします。
使用場面
TypeScriptの例:
// types.ts
type User = {
name: string;
age: number;
};
// main.ts
const user: User = {
name: "太郎",
age: 30
};
console.log(user.name); // ← user の型定義を見たい
操作:
userにカーソルを置く- コマンドパレット(Ctrl/Cmd + Shift + P)を開く
- 「Go to Type Definition」と入力して実行
すると、type Userの定義にジャンプします。
デフォルトでショートカット未割り当て
この機能は便利ですが、デフォルトではショートカットキーが割り当てられていません。
ショートカットを設定する方法:
- Ctrl + K, Ctrl + S (Mac: Cmd + K, Cmd + S) でキーボードショートカット設定を開く
- 「Go to Type Definition」を検索
- ペンシルアイコンをクリック
- 好きなキーを割り当て(例: Ctrl + Alt + F12)
応用4:複数の定義がある場合
1つのシンボルに複数の定義がある場合があります。
例:オーバーロード
function greet(name: string): string;
function greet(firstName: string, lastName: string): string;
function greet(first: string, last?: string): string {
return last ? `${first} ${last}` : first;
}
この場合、F12を押すと:
選択肢が表示される:
定義 3件
1. function greet(name: string): string;
2. function greet(firstName: string, lastName: string): string;
3. function greet(first: string, last?: string): string
↑↓キーで選択して、Enterで移動します。
応用5:シンボル検索(ファイル内/プロジェクト全体)
ジャンプとは少し違いますが、関連する便利な機能です。
ファイル内のシンボル検索
ショートカット: Ctrl + Shift + O (Mac: Cmd + Shift + O)
現在開いているファイル内の関数、クラス、変数などの一覧を表示します。
使い方:
- Ctrl + Shift + O を押す
- シンボル名を入力(部分一致で絞り込み)
- 選択してEnter
グループ化:: (コロン)を入力すると、シンボルがカテゴリ別にグループ化されます。
@Classes
User
Animal
@Functions
greet
calculate
@Variables
config
プロジェクト全体のシンボル検索
ショートカット: Ctrl + T (Mac: Cmd + T)
プロジェクト全体から、シンボルを検索できます。
使い方:
- Ctrl + T を押す
- シンボル名の最初の文字を入力(例:
grでgreet) - 候補が表示される
- 選択してEnter
これは、「関数名は覚えているけど、どのファイルにあるか分からない」という時に便利です。
便利な補助機能
ブレッドクラム(Breadcrumbs)
画面上部に表示されるナビゲーションパスです。
表示例:
フォルダ名 > ファイル名 > クラス名 > メソッド名
使い方:
- クリックして上位階層に移動
- 各階層のドロップダウンから同階層の別要素に移動
ショートカット:
- Ctrl + Shift + . (Mac: Cmd + Shift + .) でブレッドクラムにフォーカス
CodeLens(参照カウント表示)
関数や変数の上に、「○件の参照」と表示される機能です。
表示例:
// 2 references
function greet(name) {
return `Hello, ${name}!`;
}
クリックすると、参照一覧が表示されます。
有効化方法:
- 設定を開く(Ctrl/Cmd + ,)
- 「codeLens」で検索
- 「Editor: Code Lens」をオンに
トラブルシューティング
うまく動かない時の解決方法です。
問題1: F12を押しても何も起こらない
原因1: 言語サポートの拡張機能がインストールされていない
VSCodeは、言語ごとに拡張機能をインストールする必要があります。
解決策:
- 拡張機能ビュー(Ctrl + Shift + X)を開く
- 使用している言語を検索(例: “Python”, “Java”)
- 公式の拡張機能をインストール
主要な拡張機能:
- Python: Python (by Microsoft)
- JavaScript/TypeScript: 標準搭載
- Java: Extension Pack for Java
- C/C++: C/C++ (by Microsoft)
- C#: C# (by Microsoft)
原因2: Language Serverが起動していない
言語拡張がインストールされていても、Language Serverが正しく動いていない場合があります。
解決策:
- VSCodeを再起動
- 出力パネル(Ctrl/Cmd + Shift + U)で言語サーバーのログを確認
- エラーがある場合は、拡張機能の再インストール
問題2: 戻るショートカット(Alt + ←)が効かない
原因: 日本語入力がオンになっている
一部の環境では、日本語入力(IME)がオンだとショートカットが効きません。
解決策:
- 英数入力に切り替えてから実行
- または、VSCodeの設定でショートカットキーを変更
問題3: 定義が複数表示されて選べない
原因: 複数のライブラリで同名のシンボルが定義されている
例えば、fetchは組み込みAPIとNode.jsライブラリの両方にあります。
解決策:
- 一覧から適切な方を選択
- import文を確認して、どちらを使っているか判断
問題4: Ctrl + クリックが動かない
原因: 設定で無効になっている
解決策:
- 設定(Ctrl/Cmd + ,)を開く
- 「editor.gotoLocation.multipleDefinitions」で検索
- 「Enable mouse click to perform Go To Definition」がオンか確認
修飾キーの変更:
- Ctrlの代わりにAltを使うよう変更可能
- 設定で「Ctrl + Alt」の組み合わせも選択可能
ショートカット一覧表
よく使うショートカットをまとめました。
| 機能 | Windows/Linux | Mac |
|---|---|---|
| 定義へ移動 | F12 | F12 |
| 参照を表示 | Shift + F12 | Shift + F12 |
| 実装へ移動 | Ctrl + F12 | Cmd + F12 |
| Peek定義 | Alt + F12 | Option + F12 |
| 戻る | Alt + ← | Ctrl + – |
| 進む | Alt + → | Ctrl + Shift + – |
| ファイル内シンボル | Ctrl + Shift + O | Cmd + Shift + O |
| プロジェクト全体シンボル | Ctrl + T | Cmd + T |
| 行へジャンプ | Ctrl + G | Cmd + G |
| 括弧へジャンプ | Ctrl + Shift + \ | Cmd + Shift + \ |
コードリーディングの効率的なワークフロー
実践的な使い方の例です。
ワークフロー1: 初めてのコードベースを理解する
ステップ1: エントリーポイントを開く
main.js,index.ts,App.tsxなど
ステップ2: メイン関数からF12で追っていく
// index.js
import { startApp } from './app'; // ← F12
startApp();
ステップ3: 深くなったら Alt + ← で戻る
- 3〜4階層深く入ったら一度戻る
- 全体構造を把握してから詳細に入る
ステップ4: Shift + F12で使用箇所を確認
- 重要な関数がどこで使われているか把握
ワークフロー2: バグ調査
ステップ1: エラーが出ている箇所から開始
ステップ2: 関連する変数をShift + F12で追跡
let count = 0; // ← この変数がどこで変更されているか
ステップ3: 怪しい箇所をF12で定義を確認
ステップ4: Peekモード(Alt + F12)で素早く確認
- ファイルを行き来せずに効率的にチェック
ワークフロー3: リファクタリング
ステップ1: 変更したい関数を選択
ステップ2: Shift + F12で全ての使用箇所を確認
ステップ3: 影響範囲を把握してから変更
ステップ4: F2でリネーム(一括変更)
まとめ:最低限覚えるべき3つのショートカット

全てを覚えるのは大変なので、まずはこの3つだけ覚えましょう!
1. F12(定義へ移動)
「この関数は何?」と思ったらF12
2. Alt + ← または Ctrl + -(戻る)
ジャンプしたら必ず戻る癖をつける
3. Shift + F12(参照を表示)
「どこで使われてる?」と思ったらShift + F12
この3つだけで、コーディング効率が劇的に向上します!
よくある質問
Q1: F12とCtrl/Cmd + クリックの違いは?
A: 機能的には同じです。好みで使い分けてOKです。
- F12: キーボードから手を離さない
- Ctrl + クリック: マウスを既に使っている時に便利
Q2: ジャンプ機能が使えない言語はありますか?
A: プレーンテキスト(.txt)やMarkdown(.md)など、プログラミング言語以外のファイルでは基本的に使えません。ただし、言語拡張をインストールすれば、ほぼ全ての主要言語で使用可能です。
Q3: 「定義が見つかりません」と表示される
A: 以下の可能性があります:
- シンボルのスペルミス
- まだ定義されていない
- 外部ライブラリで型定義ファイル(.d.ts)がない
- Language Serverが正しく動いていない
Q4: 複数のファイルを行き来する時、迷子になります
A: ブレッドクラム機能を活用しましょう。また、Alt + ←(戻る)を積極的に使って、元の場所に戻る癖をつけると良いです。
Q5: ショートカットキーを変更できますか?
A: はい、可能です。
- Ctrl + K, Ctrl + S でキーボードショートカット設定を開く
- 変更したいコマンドを検索
- 新しいキーバインドを設定
Q6: Peekモードと通常のジャンプ、どちらが便利ですか?
A: 用途によります:
- Peekモード: ちょっと確認したいだけの時
- 通常のジャンプ: じっくり読みたい、編集したい時
Q7: VSCodeの動作が重くなりました
A: 大規模プロジェクトでは、Language Serverがメモリを消費します。以下を試してください:
- 不要なファイル/フォルダを除外(.vscodeの設定)
- 拡張機能を無効化(使っていないもの)
- VSCodeを再起動
おわりに:ジャンプ機能でコーディングを効率化
VSCodeのジャンプ機能について詳しく解説しました。
重要なポイント:
- F12で定義へ、Shift + F12で参照へ
- Alt + ← / Ctrl + – で戻る
- Peekモード(Alt + F12)でその場確認
- 言語拡張が必須
最初は覚えることが多く感じるかもしれませんが、F12と戻るキーの2つだけでも十分に効率が上がります。
慣れてきたら、PeekモードやCtrl + Tなど、他の機能も試してみてくださいね!
コードリーディングが楽しくなること間違いなしです!


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