VSCodeを使っていると、ファイル名の横に「U」という文字や、サイドバーに「追跡対象外」という表示を見たことはありませんか?
「これって何か問題があるの?」「消した方がいいの?」と不安になる方も多いはずです。
実は、この「追跡対象外」はGitというバージョン管理システムの重要な概念なんです。今回は、プログラミング初心者の方でも理解できるように、この追跡対象外について詳しく解説していきます。
そもそも「追跡対象外」って何?

Gitの基本的な仕組み
まず、Gitについて簡単に説明しましょう。
Gitは、あなたのコードやファイルの変更履歴を記録してくれる便利なツールです。まるで、ゲームのセーブポイントのように、いつでも過去の状態に戻れるようにしてくれます。
でも、Gitはすべてのファイルを自動的に管理するわけではありません。あなたが「このファイルを管理してね」と指示したファイルだけを管理します。
追跡対象外ファイルの正体
追跡対象外(Untracked)ファイルとは、まだGitに「管理してね」と伝えていないファイルのことです。
つまり:
- 新しく作成したファイル
- まだ一度もGitに登録していないファイル
- Gitの管理下に置いていないファイル
これらはすべて「追跡対象外」として表示されるんです。
VSCodeではどう見える?追跡対象外の見分け方
ファイル名の横の「U」マーク
VSCodeでは、追跡対象外のファイルは以下のように表示されます:
エクスプローラー(左側のファイル一覧)で:
- ファイル名が緑色で表示される
- ファイル名の右側に**「U」という文字**が付く
ソース管理パネルで:
- 「変更」セクションに**「U」マーク付き**で表示される
- 複数ある場合は「追跡対象外」というグループにまとめられる
なぜ色分けされているの?
VSCodeがファイルを色分けしているのは、ファイルの状態を一目で分かるようにするためです。
- 緑色(U):追跡対象外の新しいファイル
- オレンジ色(M):変更されたファイル
- 赤色(D):削除されたファイル
この色分けのおかげで、どのファイルがどんな状態なのかすぐに把握できるんです。
追跡対象外のファイルはどうすればいい?
パターン1:Gitで管理したい場合
新しく作ったプログラムファイルなど、バージョン管理したいファイルの場合:
VSCodeでの操作方法:
- ソース管理パネルを開く(左サイドバーの3つ目のアイコン)
- 追跡対象外のファイルの横にある**「+」ボタンをクリック**
- これでファイルが「ステージング済み」に移動します
コマンドでの操作方法:
git add ファイル名
または、すべての追跡対象外ファイルを一度に追加:
git add .
パターン2:Gitで管理したくない場合
設定ファイルや個人的なメモなど、チームで共有する必要がないファイルの場合:
.gitignoreファイルを使う方法:
- プロジェクトのルートに
.gitignore
ファイルを作成 - 無視したいファイル名やパターンを記述
例:
# 個人的な設定ファイル
config.local.json
# ログファイル
*.log
# 一時ファイル
temp/
これで指定したファイルは追跡対象外のまま、VSCodeでも表示されなくなります。
よくある疑問と解決方法
Q1:追跡対象外のファイルを放置しても大丈夫?
A:基本的には問題ありません。
ただし、以下の点に注意してください:
- 重要なファイルなら、きちんとGit管理に追加する
- 不要なファイルなら、.gitignoreに追加して整理する
- チームで作業している場合は、共有すべきファイルか確認する
Q2:間違えて追跡対象外にしてしまったら?
A:簡単に追跡対象に戻せます。
VSCodeなら「+」ボタンをクリックするだけ。コマンドならgit add
を実行すればOKです。
Q3:node_modulesフォルダが大量に追跡対象外になっている
A:これは正常な状態です。
node_modulesは外部ライブラリを格納するフォルダで、通常はGit管理しません。必ず.gitignoreに追加しておきましょう。
実践!追跡対象外ファイルの管理フロー
新しいプロジェクトを始めるとき
- プロジェクトフォルダを作成
git init
でGit管理を開始- 最初のファイルを作成(この時点で追跡対象外)
- 必要なファイルを
git add
で追加 - 不要なファイルは.gitignoreに記載
git commit
で最初のコミット
日常的な作業フロー
- 新しいファイルを作成(自動的に追跡対象外になる)
- VSCodeで緑色の「U」マークを確認
- 管理したいファイルは「+」ボタンで追加
- コミットメッセージを書いて保存
この流れを覚えておけば、追跡対象外ファイルの管理で困ることはありません。
プロのテクニック:効率的な追跡対象外ファイルの管理
ステージングエリアの活用
Git には「ステージングエリア」というコミット前の準備場所があります。
追跡対象外ファイルを追加する際、一度にすべて追加するのではなく、関連するファイルだけをまとめて追加することで、きれいなコミット履歴を作れます。
グローバル.gitignoreの設定
個人的に使うツールの設定ファイルなど、どのプロジェクトでも無視したいファイルがある場合:
git config --global core.excludesfile ~/.gitignore_global
これで、すべてのプロジェクトで共通の無視設定を適用できます。
まとめ
「追跡対象外」は、Gitがまだ管理していない新しいファイルを示す表示です。
覚えておくべきポイント:
- 緑色の「U」マークが追跡対象外の印
- 管理したいファイルは「+」ボタンで追加
- 管理不要なファイルは.gitignoreに記載
- 追跡対象外のまま放置しても、すぐに問題はない
VSCodeとGitを使いこなすための第一歩として、この追跡対象外ファイルの管理は重要な基礎知識です。最初は戸惑うかもしれませんが、慣れれば自然に扱えるようになります。
ファイルの状態を意識しながら作業することで、より整理されたプロジェクト管理ができるようになりますよ。ぜひ、今日から実践してみてください!
コメント