「VS Codeでコミットしようとしたら、ずっと処理中のまま…」
「コミットボタンを押したのに、いつまでも完了しない!」
「くるくる回り続けて、何も起こらない!」
Visual Studio Code(VS Code)でGitを使っていて、コミット操作が終わらずに困ったことはありませんか?コミットが完了せず、延々と処理中のまま固まってしまうのは、とてもストレスですよね。
今回は、VS Codeでgitコミットが終わらない問題の主な原因と、すぐに試せる解決策を詳しく解説します!
VS Codeでコミットが終わらない主な原因
まず、VS Codeでコミットが終わらない原因を理解しましょう。原因はいくつか考えられますが、最も多いものから順に見ていきます。
原因1:コミットメッセージを入力していない(最多!)
これが最も多い原因です!
VS Codeのソースコントロール画面で、コミットメッセージを入力せずに「✓」(チェックマーク)ボタンを押してしまうと、コミットが延々と処理中のまま終わりません。
Gitは、コミットメッセージが必須です。メッセージなしのコミットは許可されないため、VS Codeは処理を続けようとしますが、完了することができず、ずっと「処理中」の状態になってしまいます。
見分け方
ソースコントロールのメッセージ欄が空白のまま、チェックマークボタンを押した場合、ぐるぐるマークが回り続けて止まらなくなります。エラーメッセージも表示されないため、何が原因か分からず困惑することが多いです。
原因2:gitエディタの設定問題(code –wait)
VS Codeをgitのデフォルトエディタに設定している場合、「code –wait」コマンドが正しくインストールされていないと、コミットが完了しません。
gitは、コミット時にエディタを開いてメッセージを入力させようとしますが、VS Codeが起動できない、または正しく認識されないと、処理が止まってしまいます。
症状
ターミナルでgit commitを実行すると、以下のようなエラーメッセージが表示されることがあります:
hint: Waiting for your editor to close the file...
code --wait: code: command not found
error: There was a problem with the editor 'code --wait'.
Please supply the message using either -m or -F option.
原因3:大量のファイルを一度にコミットしようとしている
非常に多くのファイル(特に画像ファイル)を一度にコミットしようとすると、処理が重くなり、固まったように見えることがあります。
特に、1,000ファイル以上の変更を追跡している場合、VS Codeのgit処理が非常に遅くなり、フリーズしたように見えることがあります。
原因4:.git/index.lockファイルの存在
前回のgit操作が正常に終了しなかった場合、.git/index.lockというロックファイルが残ってしまうことがあります。
このファイルが存在すると、gitは「他の操作が実行中」と判断して、コミットができなくなります。
原因5:COMMIT_EDITMSGファイルが開いたまま
VS Codeのバージョンによっては、コミット時にCOMMIT_EDITMSGというファイルがエディタで開かれることがあります。
このファイルにメッセージを書いてタブを閉じないと、コミットが完了しません。しかし、これに気づかずに放置してしまうと、コミットが終わらないように見えます。
原因6:上流ブランチが設定されていない
プッシュ時にコミットが終わらない場合、上流ブランチ(upstream branch)が正しく設定されていない可能性があります。
リモートリポジトリとの接続が正しく設定されていないと、プッシュ処理が完了せず、ずっと処理中のまま止まってしまいます。
原因7:ネットワークやリモートリポジトリの問題
GitHubやGitLabなどのリモートリポジトリへのプッシュが含まれる場合、ネットワークの問題やリモートサーバーの障害により、処理が止まることがあります。
コミットが終わらない場合の解決策
それでは、具体的な解決策を見ていきましょう。原因別に、すぐに試せる対処法を紹介します。
解決策1:コミットメッセージを入力する
最も基本的で、最も効果的な方法です!
手順
VS Codeのソースコントロール画面を開きます(左サイドバーのブランチマークアイコン)。画面上部の「メッセージ」欄に、コミットメッセージを入力します(例:「初回コミット」「バグ修正」「機能追加」など)。メッセージを入力したら、「✓」(チェックマーク)ボタンをクリックします。
これだけで、コミットが正常に完了するはずです。
すでに処理中のまま止まっている場合
VS Codeを一度閉じます(強制終了する必要があるかもしれません)。VS Codeを再起動します。再度ソースコントロール画面を開き、今度は必ずメッセージを入力してからコミットします。
ポイント
コミットメッセージは必須です。空白のままコミットボタンを押さないように注意しましょう。分かりやすいメッセージを書くことで、後から見返したときに何を変更したか分かりやすくなります。
解決策2:「code –wait」コマンドをインストールする
gitエディタの設定問題を解決する方法です。
手順
Step 1: Codeコマンドをインストール
VS Codeを開きます。「Command + Shift + P」(Macの場合)または「Ctrl + Shift + P」(Windowsの場合)を押して、コマンドパレットを開きます。「Shell Command: Install ‘code’ command in PATH」と入力します。表示された候補から選択してEnterキーを押します。
これで、ターミナルからcodeコマンドが使えるようになります。
Step 2: gitの設定を確認
ターミナル(VS Code内のターミナルでもOK)を開きます。以下のコマンドで、gitのエディタ設定を確認します:
git config --global core.editor
「code –wait」と表示されれば、設定は正しいです。何も表示されない、または別のエディタが表示される場合は、次のステップで設定します。
Step 3: gitのエディタをVS Codeに設定
以下のコマンドを実行して、VS Codeをgitのデフォルトエディタに設定します:
git config --global core.editor "code --wait"
これで、git commitを実行したときに、VS Codeでコミットメッセージを編集できるようになります。
解決策3:ターミナルから直接コミットする
VS Code上でコミットが終わらない場合、ターミナルから直接コミットするのも一つの方法です。
手順
VS Code内のターミナルを開きます(「表示」→「ターミナル」、またはCtrl + `キー)。以下のコマンドでコミットします:
git add .
git commit -m "コミットメッセージをここに書く"
-mオプションを使うことで、エディタを開かずに直接メッセージを指定できます。
これで、VS CodeのGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を経由せずに、コミットが完了します。
別のターミナルソフトを使う方法
VS Code内のターミナルでも問題が続く場合は、別のターミナルソフト(Windows PowerShell、Git Bash、iTerm2など)を使ってコミットすることもできます。
解決策4:.git/index.lockファイルを削除する
ロックファイルが原因の場合の対処法です。
手順
注意:この操作は慎重に行ってください。作業中の変更がある場合は、事前にバックアップを取ることをおすすめします。
ファイルエクスプローラー(Windowsの場合)またはFinder(Macの場合)で、プロジェクトフォルダを開きます。隠しファイルを表示する設定にします(Windowsの場合:「表示」→「隠しファイル」にチェック、Macの場合:Cmd + Shift + .キーを押す)。.gitフォルダを開きます。index.lockというファイルがあれば、それを削除します。
ターミナルから削除する方法
以下のコマンドでも削除できます:
rm -f .git/index.lock
ロックファイルを削除したら、再度コミットを試してみてください。
重要な注意点
index.lockファイルは、git操作中にのみ存在するべきファイルです。git操作が実行中でないのにこのファイルが存在する場合は、前回の操作が異常終了した可能性があります。削除しても問題ありませんが、作業中の変更がある場合は念のため確認してください。
解決策5:COMMIT_EDITMSGファイルを閉じる
COMMIT_EDITMSGファイルが開いている場合の対処法です。
手順
VS Codeで開いているタブを確認します。COMMIT_EDITMSGというファイルが開いていないか確認します。開いている場合は、そのファイルの先頭行にコミットメッセージを書きます。ファイルを保存します(Ctrl + S または Cmd + S)。タブを閉じます(×ボタンをクリック)。
これで、コミットが完了するはずです。
この動作を止めたい場合
VS Codeの設定で、コミット時にこのファイルを開かないようにすることもできます。
「ファイル」→「ユーザー設定」→「設定」を開きます。検索欄に「git.useEditorAsCommitInput」と入力します。チェックを外します(無効にします)。
これで、従来通り、メッセージ欄にコミットメッセージを入力できるようになります。
解決策6:ファイル数を減らす・分割してコミットする
大量のファイルが原因の場合の対処法です。
手順
一度に全てのファイルをコミットするのではなく、少しずつ分割してコミットします。
方法1:特定のファイルだけをステージング
ソースコントロール画面で、コミットしたいファイルを個別に選択して「+」ボタン(ステージング)を押します。10〜20ファイルずつステージングして、コミットします。これを繰り返します。
方法2:ターミナルから特定ファイルをコミット
git add ファイル名1 ファイル名2 ファイル名3
git commit -m "メッセージ"
方法3:.gitignoreで不要なファイルを除外
node_modulesフォルダや、ビルド生成ファイルなど、大量の不要ファイルが含まれている場合は、.gitignoreファイルに追加して除外します。
.gitignoreファイルをプロジェクトルートに作成し、以下のように記述します:
node_modules/
dist/
build/
*.log
解決策7:上流ブランチを設定する
プッシュ時に問題がある場合の対処法です。
手順
Step 1: 上流ブランチが設定されているか確認
ターミナルで以下のコマンドを実行します:
git branch -vv
現在のブランチの横に[origin/main]のような表示があれば、上流ブランチは設定されています。何も表示されない場合は、設定が必要です。
Step 2: 上流ブランチを設定
以下のコマンドで、上流ブランチを設定しながらプッシュします:
git push --set-upstream origin main
(originはリモートリポジトリ名、mainはブランチ名です。自分の環境に合わせて変更してください)
または、短縮形:
git push -u origin main
これで、次回からはgit pushだけでプッシュできるようになります。
解決策8:VS Codeを再起動する
シンプルですが、効果的な方法です。
手順
VS Codeを完全に終了します(すべてのウィンドウを閉じます)。処理が終わらずに固まっている場合は、強制終了します(Windowsの場合:タスクマネージャーから終了、Macの場合:「Command + Q」または強制終了)。VS Codeを再起動します。プロジェクトフォルダを再度開きます。再度コミットを試します(今度は必ずメッセージを入力してから)。
一時的な不具合やメモリの問題が解消されて、正常にコミットできることがあります。
解決策9:リモートリポジトリの接続を確認する
ネットワークやリモートの問題がないか確認します。
手順
Step 1: リモートリポジトリの設定を確認
git remote -v
正しいURLが表示されるか確認します。
Step 2: ネットワーク接続を確認
ブラウザでGitHubやGitLabにアクセスできるか確認します。ダウンディテクター(Downdetector)などで、GitHubやGitLabにサービス障害が発生していないか確認します。
Step 3: HTTPSとSSHを切り替えてみる
リモートURLがHTTPSの場合はSSHに、SSHの場合はHTTPSに変更してみると、うまくいくことがあります。
# HTTPSに変更
git remote set-url origin https://github.com/ユーザー名/リポジトリ名.git
# SSHに変更
git remote set-url origin git@github.com:ユーザー名/リポジトリ名.git
解決策10:gitのキャッシュをクリアする
gitの内部状態をリセットする方法です。
手順
以下のコマンドで、gitのインデックスをリセットします:
git reset
これで、ステージングされたファイルがアンステージされます(変更内容は保持されます)。
その後、再度ファイルをステージングしてコミットします:
git add .
git commit -m "メッセージ"
予防策:今後コミットが終わらないようにするために
コミットが終わらない問題を今後避けるために、以下の習慣をつけましょう。
予防策1:必ずコミットメッセージを入力する
コミット前に、必ずメッセージ欄に何か入力してからチェックマークボタンを押すようにしましょう。
分かりやすいメッセージを書く習慣をつけると、後から見返したときに便利です。
良いコミットメッセージの例
「ログイン機能を追加」、「ユーザー一覧ページのバグを修正」、「README.mdを更新」、「初回コミット」。
予防策2:こまめにコミットする
変更が溜まりすぎる前に、こまめにコミットしましょう。
一度に大量のファイルをコミットしようとすると、処理が重くなったり、何を変更したか分からなくなったりします。
理想的なコミット頻度
小さな機能を追加したとき、バグを1つ修正したとき、作業の区切りがついたとき。
予防策3:.gitignoreを適切に設定する
不要なファイルをgit管理から除外しましょう。
除外すべき典型的なファイル・フォルダ
node_modules/(Node.jsの依存パッケージ)、pycache/(Pythonのキャッシュ)、.DS_Store(Macのシステムファイル)、*.log(ログファイル)、dist/、build/(ビルド生成物)、.env(環境変数ファイル。機密情報を含む)。
予防策4:gitの設定を確認する
定期的にgitの設定を確認しましょう。
git config --list
特に、core.editorが正しく設定されているか確認します:
git config --global core.editor
予防策5:VS Codeとgitを最新版に保つ
VS Codeとgitを最新版にアップデートしておくと、バグが修正されていることがあります。
VS Codeのアップデート
「ヘルプ」→「更新の確認」から、最新版にアップデートできます。
gitのアップデート
# gitのバージョン確認
git --version
# Windowsの場合(Git for Windows)
git update-git-for-windows
# Macの場合(Homebrewを使用)
brew upgrade git
よくある質問と回答
Q1:コミットメッセージを入力したのに、それでも終わらないです。どうすればいいですか?
A:以下を確認してください:
メッセージを入力した後にチェックマークボタンを押しましたか?ターミナルからコミットしてみて、エラーメッセージが表示されないか確認してください、VS Codeを再起動してみてください、.git/index.lockファイルが存在しないか確認してください。
Q2:「Waiting for your editor to close the file…」というメッセージが出て止まります。
A:これは、gitがエディタ(VS Code)を起動しようとしているが、正しく起動できていない状態です。
解決策2の「code –waitコマンドをインストールする」を試してください。または、ターミナルからgit commit -m "メッセージ"で直接コミットしてください。
Q3:コミットはできるのですが、プッシュが終わりません。
A:プッシュが終わらない場合は、以下を確認してください:
ネットワーク接続を確認する(インターネットに接続されているか)、GitHubやGitLabのサービス状態を確認する(ダウンディテクターなど)、上流ブランチが設定されているか確認する(git branch -vv)、リモートリポジトリのURLが正しいか確認する(git remote -v)、大きなファイルを含んでいないか確認する(GitHubの場合、100MBを超えるファイルはプッシュできません)。
Q4:ターミナルからはコミットできるのに、VS CodeのGUIからだとできません。
A:VS Codeの設定やgitの設定に問題がある可能性があります。
gitの設定をリセットして、再度設定してみてください、VS Codeの設定で「git.enabled」がtrueになっているか確認してください、VS Codeを最新版にアップデートしてみてください。
ターミナルからコミットできれば作業は進められるので、当面はターミナルを使い、時間があるときにVS Codeの設定を見直すのも一つの方法です。
Q5:コミットが途中で止まってしまった場合、変更内容は失われますか?
A:いいえ、変更内容は失われません。
コミットが完了していない場合でも、ファイルの変更自体は保存されています。git statusコマンドで現在の状態を確認できます。コミットが中断された場合は、再度コミット操作をやり直せば大丈夫です。
Q6:「Changes not staged for commit」と表示されます。どうすればいいですか?
A:これは、変更したファイルがまだステージング(git add)されていない状態です。
VS Codeのソースコントロール画面で、変更したファイルの横にある「+」ボタンを押してステージングします。または、ターミナルからgit add .でまとめてステージングします。ステージング後、コミットします。
Q7:間違ってコミットしてしまいました。取り消せますか?
A:はい、直前のコミットであれば取り消せます。
コミットを取り消して、変更内容も元に戻す場合:
git reset --hard HEAD^
コミットだけを取り消して、変更内容は残す場合:
git reset --soft HEAD^
注意:この操作は慎重に行ってください。特に--hardオプションは変更内容も消えてしまいます。
まとめ:VS Codeでコミットが終わらない問題の解決方法
VS Codeでgitコミットが終わらない問題の原因と解決策をまとめます。
最も多い原因
コミットメッセージを入力していない(これが圧倒的に多い!)。
その他の主な原因
code –waitコマンドの未インストール、大量のファイルを一度にコミット、.git/index.lockファイルの存在、COMMIT_EDITMSGファイルが開いたまま、上流ブランチ未設定、ネットワークやリモートの問題。
すぐに試せる解決策
コミットメッセージを必ず入力する(最重要!)、VS Codeを再起動する、ターミナルから直接コミットする(git commit -m "メッセージ")、.git/index.lockファイルを削除する、code –waitコマンドをインストールする、大量のファイルは分割してコミットする。
予防策
必ずコミットメッセージを入力する習慣をつける、こまめにコミットする、.gitignoreを適切に設定する、gitとVS Codeを最新版に保つ。
最も重要なポイント
繰り返しになりますが、コミットメッセージを入力せずにコミットボタンを押すと、処理が終わらなくなります。これが最も多い原因なので、必ずメッセージを入力してからコミットしましょう!
VS Codeでのgit操作は便利ですが、時々こうした問題が起こることがあります。でも、原因と対処法を理解していれば、落ち着いて対応できますね。
この記事が、VS Codeでコミットが終わらない問題の解決に役立てば幸いです!

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