VS Codeでエディタグループをロックする完全ガイド|設定から活用法まで徹底解説

プログラミング・IT

「ターミナルが開いているグループに誤ってファイルが開いてしまう…」
「分割したエディタのレイアウトを維持したい…」

VS Codeで画面を分割して作業していると、こんな悩みを抱えることがありますよね。

この記事では、VS Code 1.60以降で利用可能な「エディタグループのロック機能」について、基本的な使い方から便利な活用方法まで、分かりやすく解説していきます。


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  1. エディタグループのロック機能とは?
    1. エディタグループとは
    2. ロック機能の目的
    3. 対応バージョン
  2. エディタグループを手動でロックする方法
    1. 方法1: エディタグループメニューから
    2. 方法2: コマンドパレットから
    3. 方法3: 空のエディタグループから
  3. エディタグループのロックを解除する方法
    1. 方法1: 錠前アイコンから
    2. 方法2: エディタグループメニューから
    3. 方法3: コマンドパレットから
    4. 方法4: トグルコマンド
  4. ロックされたエディタグループの挙動
    1. 新しいファイルを開いた場合
    2. ロックされたグループでファイルを開く方法
    3. 既に開いているファイルの場合
  5. 自動ロック機能の設定
    1. workbench.editor.autoLockGroups 設定
    2. デフォルト設定
    3. 設定できるエディタタイプ
    4. 設定例
    5. 設定のポイント
  6. エディタグループのロックに関連するコマンド
    1. 利用可能なコマンド
    2. ショートカットキーの設定方法
    3. おすすめのショートカット例
  7. 実用的な活用例
    1. 活用例1: ターミナルを常に表示
    2. 活用例2: Markdownプレビューを維持
    3. 活用例3: 参照コードを固定
    4. 活用例4: デバッグ出力専用グループ
    5. 活用例5: 複数プロジェクトの比較
  8. よくある質問
    1. Q1: ロックしたグループでファイルを開きたい場合は?
    2. Q2: すべてのグループをロックしたらどうなる?
    3. Q3: ロックしたグループのタブを閉じるとどうなる?
    4. Q4: ロック設定は保存される?
    5. Q5: 自動ロックが働かない
    6. Q6: VS Codeのバージョンが古い
    7. Q7: 特定の拡張機能のエディタを自動ロックしたい
    8. Q8: グループのロックとタブのピン留めの違いは?
  9. エディタグループのロック機能の制限
    1. 1. 1つのグループしかない場合は無効
    2. 2. 手動操作は制限されない
    3. 3. すべてのエディタタイプで動作するわけではない
  10. トラブルシューティング
    1. 問題1: 自動ロックが機能しない
    2. 問題2: ロックアイコンが表示されない
    3. 問題3: ロック解除できない
    4. 問題4: レイアウトが意図せず変わる
  11. まとめ

エディタグループのロック機能とは?

まず、VS Codeのエディタグループとロック機能について理解しましょう。

エディタグループとは

エディタグループとは、VS Codeで画面を分割した際にできる、それぞれの編集エリアのことです。

例:

  • 画面を左右に分割 → 左右それぞれが1つのエディタグループ
  • 画面を上下に分割 → 上下それぞれが1つのエディタグループ
  • 左右に分割後、さらに右側を上下に分割 → 合計3つのエディタグループ

各エディタグループには独立したタブバーがあり、複数のファイルを開いて切り替えることができます。

ロック機能の目的

エディタグループをロックすると、そのグループに新しいファイルが自動的に開かれなくなります

よくある困りごと:

  1. ターミナルを右側に表示している
  2. ターミナルにフォーカスがある状態で、エクスプローラーからファイルを開く
  3. ターミナルのグループに新しいファイルが開いてしまう
  4. ターミナルが隠れてしまう

ロック機能で解決:

  • ターミナルのグループをロックしておけば、新しいファイルは別のグループに開く
  • ターミナルが常に表示され続ける

対応バージョン

  • 実験的機能: VS Code 1.60(2021年8月)
  • 正式機能: VS Code 1.61(2021年9月)以降

エディタグループを手動でロックする方法

まずは基本的な手動ロックの方法を見ていきましょう。

方法1: エディタグループメニューから

最も簡単な方法です。

手順:

  1. ロックしたいエディタグループをクリックしてアクティブにする
  2. エディタタブバーの右上にある「…」(その他のアクション)をクリック
  3. メニューから「グループのロック」(Lock Group)を選択

これでエディタグループがロックされ、グループの右上に🔒(錠前アイコン)が表示されます。

方法2: コマンドパレットから

手順:

  1. ロックしたいエディタグループをアクティブにする
  2. Ctrl + Shift + P(Mac: Cmd + Shift + P)でコマンドパレットを開く
  3. 「Lock Group」または「グループのロック」と入力
  4. 「View: Lock Editor Group」を選択

方法3: 空のエディタグループから

エディタグループにタブが何も開いていない状態でも、ロックできます。

手順:

  1. 空のエディタグループをクリック
  2. 中央に表示される🔒(錠前アイコン)をクリック
  3. または、右クリックメニューから「グループのロック」を選択

エディタグループのロックを解除する方法

ロックを解除したい場合の手順です。

方法1: 錠前アイコンから

手順:

  1. ロックされているエディタグループの右上の🔒(錠前アイコン)をクリック

これだけでロックが解除されます。

方法2: エディタグループメニューから

手順:

  1. ロックされているエディタグループをアクティブにする
  2. エディタタブバーの右上の「…」をクリック
  3. メニューから「グループのロック解除」(Unlock Group)を選択

方法3: コマンドパレットから

手順:

  1. ロックされているエディタグループをアクティブにする
  2. Ctrl + Shift + P(Mac: Cmd + Shift + P)でコマンドパレットを開く
  3. 「Unlock Group」または「グループのロック解除」と入力
  4. 「View: Unlock Editor Group」を選択

方法4: トグルコマンド

ロックとロック解除を切り替えるコマンドもあります。

手順:

  1. エディタグループをアクティブにする
  2. コマンドパレットで「View: Toggle Editor Group Lock」を実行

ロックされたエディタグループの挙動

ロック後の動作を理解しておきましょう。

新しいファイルを開いた場合

ロックされていないグループがある場合:

  • 最後に使用したロックされていないグループに開く

すべてのグループがロックされている場合:

  • 新しいエディタグループが自動的に作成され、そこに開く

ロックされたグループでファイルを開く方法

ロックされていても、意図的にそのグループでファイルを開くことは可能です。

方法:

  • ファイルをドラッグ&ドロップでロックされたグループに持っていく
  • ロックされたグループのタブをクリックしてから、別のファイルを開く

既に開いているファイルの場合

ロックされたグループに既に開いているファイルをクリックした場合は、そのグループで表示されます。


自動ロック機能の設定

特定の種類のエディタを自動的にロックすることができます。

workbench.editor.autoLockGroups 設定

VS Code 1.61以降で使用可能です。

設定手順:

  1. Ctrl + ,(Mac: Cmd + ,)で設定を開く
  2. 検索ボックスに「autoLockGroups」と入力
  3. 「Workbench › Editor: Auto Lock Groups」の設定を編集

デフォルト設定

デフォルトでは、統合ターミナルのみが自動ロックの対象です。

デフォルト値:

{
  "workbench.editor.autoLockGroups": {
    "terminalEditor": true
  }
}

設定できるエディタタイプ

以下のエディタタイプを自動ロック対象に追加できます。

よく使われるタイプ:

  • terminalEditor:統合ターミナル(デフォルトで有効)
  • workbench.editor.markdown.preview:Markdownプレビュー
  • imagePreview.previewEditor:画像プレビュー
  • vscode.audioPreview:音声プレビュー
  • vscode.videoPreview:動画プレビュー
  • mainThreadWebview-simpleBrowser:シンプルブラウザ
  • mainThreadWebview-markdown.preview:Markdownプレビュー(別の識別子)

設定例

例1: ターミナルとMarkdownプレビューを自動ロック

settings.jsonに以下を追加:

{
  "workbench.editor.autoLockGroups": {
    "terminalEditor": true,
    "workbench.editor.markdown.preview": true
  }
}

例2: 画像プレビューも追加

{
  "workbench.editor.autoLockGroups": {
    "terminalEditor": true,
    "workbench.editor.markdown.preview": true,
    "imagePreview.previewEditor": true
  }
}

設定のポイント

自動ロックが適用されるタイミング:

  • 指定したタイプのエディタがグループの最初に開かれた場合
  • かつ、複数のエディタグループが開かれている場合

重要:

  • 1つのエディタグループしか開いていない場合、自動ロックは適用されない
  • 既にファイルが開いているグループに後からターミナルを開いても、自動ロックされない

エディタグループのロックに関連するコマンド

ショートカットキーを割り当てると便利です。

利用可能なコマンド

  1. View: Lock Editor Group
  • アクティブなエディタグループをロック
  1. View: Unlock Editor Group
  • アクティブなロックされたエディタグループのロックを解除
  1. View: Toggle Editor Group Lock
  • アクティブなエディタグループのロック状態を切り替え

ショートカットキーの設定方法

手順:

  1. Ctrl + K Ctrl + S(Mac: Cmd + K Cmd + S)でキーボードショートカット設定を開く
  2. 検索ボックスに「lock group」と入力
  3. 設定したいコマンドの左側の「+」アイコンをクリック
  4. 任意のキーバインドを入力(例:Ctrl + K Ctrl + L
  5. Enterキーで確定

おすすめのショートカット例

例:

{
  "key": "ctrl+k ctrl+l",
  "command": "workbench.action.toggleEditorGroupLock",
  "when": "multipleEditorGroups"
}

意味:

  • Ctrl + K を押した後、Ctrl + L を押すと、エディタグループのロック/ロック解除を切り替え
  • 複数のエディタグループが開いている場合のみ有効

実用的な活用例

エディタグループのロック機能を使った、便利な作業パターンをご紹介します。

活用例1: ターミナルを常に表示

シナリオ:

  • コードを書きながら、ターミナルの出力を常に確認したい

設定:

  1. 画面を左右に分割(Ctrl + \)
  2. 右側でターミナルを開く(Ctrl + Shift + `)
  3. 自動ロック設定により、ターミナルのグループが自動的にロックされる

結果:

  • エクスプローラーからファイルを開いても、左側にのみ開く
  • ターミナルが常に右側に表示され続ける

活用例2: Markdownプレビューを維持

シナリオ:

  • Markdownファイルを編集しながら、プレビューを常に確認したい

手順:

  1. Markdownファイルを開く
  2. Ctrl + K Vでプレビューを横に開く
  3. 自動ロック設定(workbench.editor.markdown.previewが有効な場合)により、プレビューグループがロックされる

結果:

  • 別のファイルを開いても、プレビューが隠れない

活用例3: 参照コードを固定

シナリオ:

  • 参照用のコードを見ながら、別のファイルで作業したい

手順:

  1. 画面を3分割(左、中央、右)
  2. 左側に参照コード(例:API仕様書)を開く
  3. 左側のグループを手動でロック
  4. 中央と右側で作業

結果:

  • 左側の参照コードが固定される
  • 中央と右側で複数のファイルを開いても、左側は変わらない

活用例4: デバッグ出力専用グループ

シナリオ:

  • デバッグ中、ログ出力を常に表示しておきたい

手順:

  1. 画面を上下に分割
  2. 下側にログファイルを開く
  3. 下側のグループを手動でロック
  4. 上側でコード編集

結果:

  • 下側のログファイルが常に表示される
  • ログを確認しながらコード編集できる

活用例5: 複数プロジェクトの比較

シナリオ:

  • 2つのプロジェクトのコードを見比べたい

手順:

  1. 画面を左右に分割
  2. 左側にプロジェクトAのファイル、右側にプロジェクトBのファイルを開く
  3. 両方のグループをロック
  4. それぞれのグループで、同じ構造のファイルを開いていく

結果:

  • 左側は常にプロジェクトA、右側は常にプロジェクトBのファイルが開く
  • グループが混ざらずに比較できる

よくある質問

Q1: ロックしたグループでファイルを開きたい場合は?

A: 以下の方法で開けます。

  • ファイルをドラッグ&ドロップ
  • ロックされたグループをアクティブにしてから、Ctrl + O(Mac: Cmd + O)でファイルを開く
  • ロックされたグループの既存のタブをクリックしてから、別のファイルを開く

Q2: すべてのグループをロックしたらどうなる?

A: 新しいファイルを開くと、自動的に新しいエディタグループが作成されます。

レイアウトが意図せず変わる可能性があるため、通常は1つ以上のロックされていないグループを残しておくことをおすすめします。

Q3: ロックしたグループのタブを閉じるとどうなる?

A: ロック状態は維持されます。

空のエディタグループになっても、🔒アイコンが表示され続け、ロックされたままです。

Q4: ロック設定は保存される?

A: はい、ワークスペースごとに保存されます。

VS Codeを閉じて再度開いても、ロックされたグループは同じ状態を維持します。

Q5: 自動ロックが働かない

A: 以下を確認してください。

  1. 複数のエディタグループが開いているか
  • 1つのグループしかない場合、自動ロックは機能しません
  1. グループの最初に対象エディタが開かれたか
  • 既にファイルが開いているグループに後からターミナルを開いても、自動ロックされません
  1. 設定が正しいか
  • settings.jsonのworkbench.editor.autoLockGroupsを確認

Q6: VS Codeのバージョンが古い

A: エディタグループのロック機能は、VS Code 1.60以降で利用可能です。

  • HelpAbout(Mac: CodeAbout Visual Studio Code)でバージョンを確認
  • 古い場合は、最新版にアップデート

Q7: 特定の拡張機能のエディタを自動ロックしたい

A: 拡張機能のエディタタイプIDを調べる必要があります。

調べ方:

  1. 対象のエディタを開く
  2. コマンドパレット(Ctrl + Shift + P)で「Developer: Show Running Extensions」を実行
  3. または、拡張機能のドキュメントを確認
  4. エディタタイプIDをworkbench.editor.autoLockGroupsに追加

Q8: グループのロックとタブのピン留めの違いは?

A: 全く異なる機能です。

タブのピン留め:

  • 特定のタブを固定
  • そのタブが簡単に閉じられないようにする
  • 同じグループ内の他のタブには影響しない

グループのロック:

  • グループ全体の動作を変更
  • 新しいファイルがそのグループに開かれないようにする
  • グループ内のすべてのタブに影響

エディタグループのロック機能の制限

この機能にはいくつかの制限があります。

1. 1つのグループしかない場合は無効

状況:

  • エディタグループが1つしか開いていない

結果:

  • ロック機能は適用されない
  • すべてのファイルがそのグループに開く

理由:

  • ファイルを開けなくなってしまうため

2. 手動操作は制限されない

以下の操作は可能:

  • ロックされたグループに手動でファイルをドラッグ&ドロップ
  • ロックされたグループをアクティブにしてから、ファイルを開く
  • ロックされたグループ内のファイルを編集

ロックが防ぐのは:

  • 自動的にファイルが開かれること
  • 予期しないタブの追加

3. すべてのエディタタイプで動作するわけではない

確認方法:

  • 自動ロックしたいエディタタイプのIDを正確に指定する必要がある
  • 一部の拡張機能のエディタは、IDが不明な場合がある

トラブルシューティング

よくある問題と解決方法です。

問題1: 自動ロックが機能しない

確認項目:

  1. VS Codeのバージョン
  • 1.60以降か確認
  1. 複数のグループが開いているか
  • 1つしかない場合、分割してから試す
  1. 設定の構文
   {
     "workbench.editor.autoLockGroups": {
       "terminalEditor": true
     }
   }
  • カンマやカギカッコの位置を確認
  1. エディタタイプID
  • 正しいIDを指定しているか

問題2: ロックアイコンが表示されない

原因:

  • グループが実際にロックされていない
  • または、UIのバグ

対処法:

  1. グループをいったん閉じて、再度分割
  2. ロックコマンドを再実行
  3. VS Codeを再起動

問題3: ロック解除できない

対処法:

  1. コマンドパレットから実行
  • Ctrl + Shift + P → 「Unlock Group」
  1. 設定を確認
  • 自動ロック設定が影響している可能性
  1. VS Codeを再起動

問題4: レイアウトが意図せず変わる

原因:

  • すべてのグループをロックしている

対処法:

  • 少なくとも1つのグループはロックを解除しておく
  • または、新しいグループが作成されることを前提にレイアウトを調整

まとめ

VS Codeのエディタグループのロック機能をご紹介しました。

基本的な使い方:

  1. エディタグループの「…」メニューから「グループのロック」を選択
  2. 🔒アイコンで状態を確認
  3. ロック解除は🔒アイコンをクリック

自動ロック設定:

{
  "workbench.editor.autoLockGroups": {
    "terminalEditor": true,
    "workbench.editor.markdown.preview": true
  }
}

利用可能なコマンド:

  • View: Lock Editor Group
  • View: Unlock Editor Group
  • View: Toggle Editor Group Lock

活用シーン:

  • ターミナルを常に表示
  • Markdownプレビューを維持
  • 参照コードを固定
  • デバッグ出力専用グループ
  • 複数プロジェクトの比較

重要なポイント:

  • 複数のエディタグループが必要
  • 手動操作は制限されない
  • ワークスペースごとに保存される
  • VS Code 1.60以降で利用可能

エディタグループのロック機能を活用すれば、作業効率が大幅に向上します。

特にターミナルやプレビューを常に表示したい場合に便利なので、ぜひ活用してみてください!

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